タバコ農家の年収や仕事内容、労働時間など気になる点を徹底解説します！

更新日：2024.09.30

タバコ農家と聞いても何をしているのかピンとこない方も多いのではないのでしょうか。

タバコはもちろんタバコという植物の葉を乾燥、発酵させたものから作られています。タバコはナス科の植物であり、下の写真のように高さ1〜2メートルほどの茎を持ち、葉は大きく、楕円形で、粘着質の表面を持っています。花は淡いピンク色や白色で、夏に咲きます。

今回はタバコ農家の気になる年収や仕事内容、将来性について解説していきます。

タバコ農家の気になる年収や収入構造は？

年収

タバコ農家の数は減少傾向にあり、生産量も限られています。専業農家と兼業農家等の細かい違いがありますが、一般的には、タバコ農家の収入は安定しているとされています。

日本のタバコ農家の年収は、比較的高めとされていますが、農家の規模によって大きな差があります。日本たばこ産業（JT）との契約栽培が中心で、固定された買取価格があるため、一定の安定性があります。

専業農家の場合の平均年収は500万円程度とされています。栽培規模が大きくなるとそれ以上の収入も期待できます。兼業農家の場合、タバコ栽培からの収入は300万円程度であることが多く、その他の作物や仕事と併せた収入になります。

収入構造

先に触れた通りタバコ農家は日本たばこ産業（JT）との契約栽培を主な収入源としています。

タバコの葉の販売価格は、主にタバコの品質、種類、グレードに依存します。高品質のタバコ葉はより高い価格で売却され、コンビニなどではなかなか見かけない高級タバコに使用されます。

タバコ農家の中には、リスク分散のために他の作物（例えば野菜や果物）や家畜の飼育を行っているところもあります。これにより、タバコ以外からの収入も得ることができ収益を安定化させます。

タバコ農家の仕事と役割

仕事内容

タバコ農家ももちろん種まき、育成、収穫のプロセスを取ります。それに加えてタバコに加工するための乾燥と発酵という工程を必要とします。

タバコの品質を左右する重要な工程が乾燥と発酵です。乾燥（キュアリング）では、収穫した葉を乾燥させることで水分を抜き、保存性を高めます。自然乾燥や温風乾燥などの方法があり、乾燥の仕方で風味が決まります。その後の発酵では、葉を一定の温度と湿度で熟成させ、化学反応を促進。これによりタバコの独特の香りと風味が引き出され、最終的な品質が大きく向上します。

一日のスケジュール（繁忙期　7月〜8月）

6:00〜9:00　収穫作業	畑に出て、成熟したタバコ葉を手作業で一枚一枚収穫します。葉が適度に乾燥していることを確認し、下葉から順に慎重に摘み取る特徴的な方法で収穫します。
9:00〜10:00　収穫葉の仕分けと運搬	収穫した葉をサイズや品質で簡単に仕分けし、乾燥施設や納屋に運びます。運搬作業にはトラックや農機具を使い適切に扱います。
10:00〜12:00　収穫葉の仕分けと運搬	収穫した葉を乾燥施設に吊るし、エアキュアリングと呼ばれる自然乾燥や温風乾燥をします。その際、乾燥施設の温度や湿度の設定を調整し、葉が均一に乾燥するよう管理します。
12:00〜13:00　昼食・休憩	適度に体を休めます。
13:00〜15:00　畑の管理	害虫の防除や雑草の除去、灌漑システムの点検といった畑全体の健康状態を確認する作業を行います。
15:00〜17:00　乾燥施設の管理・次の作業の準備	葉の乾燥状態を再確認して、温度や湿度を調整します。乾燥が完了した葉の選別や、次の収穫日の準備を行います。
17:00〜18:00　事務作業・記録	その日の収穫量や乾燥の進捗を記録し、翌日の作業計画を立てます。市場価格の動向も重要です。

このスケジュールはタバコ農家のスケジュールの一例です。出荷の時期はタバコ農家の繁忙期と言えるでしょう。このスケジュールは下の章で解説する季節ごとの作業によって変わります。また、台風対策など自然状況によって変化します。

季節ごとの作業

季節	仕事内容
春　育苗と移植	ハウス内や専用の育苗床でタバコの種を播種し、発芽させます。育苗には約6〜8週間を要し、育ったのちに苗を畑に定植します。苗を等間隔に植え、苗を定着させます。
夏　生育管理と収穫	雑草や害虫の管理を行い、必要に応じて肥料を用いて生育させます。成熟したのちに手作業または機械で収穫します。収穫したたばこ葉を乾燥させます。乾燥方法によって異なりますが、葉が均一に乾燥するよう温j度や湿度を管理します。
秋　発酵と選別、出荷準備	乾燥が終わった葉を発酵させ、発酵の終わった葉を大きさや品質によって選別します。選別したたばこ葉を丁寧に梱包し、出荷準備を行います。契約先や市場に送るため、各グレードごとに整理し保管します。
冬　設備メンテナンス、準備	乾燥施設や農機具、灌漑システムなどの設備の点検・修理を行い、翌年の作業に備えます。土壌の改良や休耕田の管理、肥料の調整もこの期間に行います。

タバコ農家の仕事は春は育苗と移植、夏は収穫と乾燥、秋は発酵と選別、冬は設備のメンテナンスと次年度の準備といった流れで、年間を計画的に作業が進んでいきます。それぞれの工程が、最終的なタバコの品質と収益に大きく影響します。

タバコ農家の労働環境

収穫期は収穫や乾燥作業など通常に比べて業務が多く勤務時間が長くなりことが予想されます。専業農家の場合、朝は早いですが閑散期には夕方に勤務が終了するのは魅力的です。

収穫期や乾燥期には長時間の労働や健康リスクも伴います。グリーンタバコ症と呼ばれるたばこ葉に含まれるニコチンが皮膚から吸収されることによって起こる急性中毒症状はその一つです。また、気象条件に左右されたり、収入の変動など課題が多いのも事実です。しかし契約栽培による収入の安定性や、地域社会との連携を通じた支えがあります。効率化や安全管理を進めながら、次世代の農業を担う人材育成が今後の課題と言えるでしょう。

タバコ農家になるには

タバコは他の作物と異なる栽培技術や管理方法を必要とするため、特化した知識が必要になっていきます。日本たばこ産業（JT）や農業協同組合（JA）などが提供するタバコ栽培の研修プログラムや、タバコ農家のインターンシップに参加し、現場で経験を積むことが重要です。

初心者に必要な準備

農地、設備の確保はもちろん必要です。また、日本でタバコを栽培する場合JTとの契約が必要になってきます。契約には、栽培面積、品質基準、収穫量などの条件が定められ、これをクリアすることで、安定した販売先を確保し、収入を得ることが可能になります。契約前に、JTの担当者と相談し、契約条件を十分に理解した上で手続きを進めることが必須です。

たばこ税等、複雑な法制度を学ばなければなりません。タバコ農家は税率や法制度の変更によるタバコの市場価格の変化など世間の変化に臨機応変に対応しなければならない業種になります。

まとめ

タバコ農家は日本たばこ協会(JT)との契約やタバコに関する法律知識が要求されるなど他の作物を扱う農家とは少し異なる珍しい仕事です。年収に関しては専業農家と兼業農家等の細かい違いがありますが、一般的には、タバコ農家の収入は安定しています。

喫煙者は年々減少していますがタバコ農家も同時に減少傾向にあり人手不足になっています。農業ジョブでは全国のタバコ農家の求人情報を掲載しています。
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