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農家の平均年収はいくら?高収入の儲かる業種とは

農業を始める人は、やりがいを求めて就農する人が多いかと思います。しかし、やる気だけでは生活は立ち行きません。実際の農家の年収はどれほどなのでしょうか?

年収といっても育てる作物の種類や資格の有無、営農方法などによって大きく異なります。本記事では農業の業種別の年収の現状や就農者の年収の上げ方のノウハウ、新規で農業を始める方へのお役たち情報を掲載します♪

農家の年収の現状

一概に農家とはいえ、業態によって年収も異なります。下記にそれぞれの年収をご紹介するのでぜひチェックしてください。

独立農家・雇用就農者の平均年収

就農には、個人で農業を営む「独立農家」と農業法人で働く「雇用就農者」の2つのパターンが挙げられます。

2022年の農林水産省のデータによれば独立農家の平均年収は415万円です。これは、主に家族経営の小規模農家を含むため、実際の年収には大きな幅があります。規模や作物の種類、経営の形態などによっても大きく変動します。

一方、雇用就農者の平均年収は344万円でした。やはり独立農家と比べると低い水準であることがわかります。

しかし農業に携わり一定の安定した年収が見込めるなかで、独立することを前提として技術を身に付けることができます。また、独立の際に負うリスクや金銭的な負担なしに農業を始めることができる点もメリットに挙げられます!

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雇用就農者は安定した収入を得ながら農業の技術を身に付けることができます。

主業農家・副業的農家の平均年収

主業農家とは、自分が独立して事業主となることです。農林水産省では主業農家を、農業所得が主(農家所得の50%以上が農業所得)で、1年間に60日以上自営農業に従事している65 歳未満の世帯員がいる農家、と定義しています。農林水産省の「農業経営の動向」によると、2018年の主業農家の平均年収は662万円です。

一方副業的農家は、自営農業に 60 日以上従事している 65 歳 未満の世帯員がいない農家(主業農家及び準主業農家以外の農家)と定義されています。副業的農家の平均年収は57万円で、農業以外の平均年収は426万円です。

副業などの農業一覧はこちら

副業的農家として収入を得ている人も多くいます。

新規就農・農業従事者の平均年収

新規就農者全体(就農経過年数1から5年目)の年間の平均年収は 178.4 万円という結果でした。新卒の平均年収は226万円なので、これらと比較しても新規就農者の平均年収はやや低い値であることがわかります。しかし就農から5年目以降からは、農地を拡大したり技術力が上がったりすることで徐々に年収が増加する傾向にあります。

参考:農林水産省「新規就農者の就農実態調査

地域別平均年収

令和4年における農業産出額の上位5都道府県は以下の図のようになりました。土地が広く、規模の大きい農地の多い北海道の農家の年収が長年1位を獲得しています。

令和4年における農業産出額は土地が広く、規模の大きい農家の多い北海道が長年1位を獲得しています。

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作物別平均年収

1時間当たりの農業所得経営の概況
(1戸当たり平均)
年間農業所得
(1戸当たり平均)
経営講義面積・飼養
(販売)頭数
家族の農業労働時間
(合計)
水田作(都道府県)1,173円/時5.4 ha2,538時間298万円/年
水田作(北海道)1,989円/時15.6 ha2,966時間590万円/年
畑作(北海道)2,413円/時30.0 ha3,858時間931万円/年
路地野菜作(全国)893円/時2.9 ha4,008時間358万円/年
施設野菜作(全国)968円/時2.5 ha5,302時間513万円/年
果樹作(全国)902円/時2.3 ha4,073時間367万円/年
酪農(全国)937円/時39頭5,363時間503万円/年
肥育牛(全国)1,630円/時64頭3,256時間531万円/年
養豚(全国)2,072円/時1,325頭4,092時間848万円/年

資料:農林水産省統計部「営農類型別経営統計(個別経営)」

上記のように育てる作物によって年収は大きく変動することがわかります。畑作や養豚は特に時給・年収が高いことが注目ポイントです。

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農家の平均初任給

全業種(栽培系・畜産系・アグリ関連ビジネス)、全職種(生産現場職や営業職など)、全地域を対象としたデータです。農業界の初任給は年々増加の傾向にあります。 他産業でも同じことが言えますが、ほとんどの農業法人で経験や能力を考慮し、初任給に反映します。そのため、平均初任給に幅がみられます。

平均初任給(月給)
2014年175,158円~ 249,041円
2015年182,420円~ 258,903円
2016年188,549円~ 264,008円
2017年193,413円~ 282,921円
2018年197,128円~ 288,487円
農業求人サイト・農業ジョブ調べ)

農業で年収を上げるには?

営農の方法は無限大であり、やり方によっては年収を上げることも難しくないかもしれません。

年収を上げる農業

高付加価値作物の栽培

高収益が期待できる作物を育てるに注力することが年収を上げることに直結します。今育てている・これから育てる予定の作物を見直してみましょう♪農林水産省の調べによると、キャベツやレタス、トマトなどの野菜の栽培が所得が多く得られるとされています。

有機農業や特別栽培

消費者の健康志向や環境意識の高まりを背景に、有機農業や特別栽培を行うことで、高い販売価格を実現することができるかもしれません。取り扱う作物をブランド化することやさらに質をあげることで価値を高めることもおすすめです。

観光農園の運営

直接的な農業の収入以外で利益を得るという方法があります。観光農園や農業体験施設を運営し、観光収入を得ることができるでしょう。

観光農園で働く農業求人特集はこちら

農業体験施設を運営することで収入を増やすことができます。

生産量を増加させる

年収を増やすには、単に商品となる作物を増やすのが手っ取り早いかもしれません。耕地面積を広げたり、年に2回同じ種類の作物を収穫する二期作や、年に2回違う作物を収穫する二毛作を行い田畑を有効活用したりすることで生産量を増やすことができます。

また、先進技術を活用した「スマート農業」を実践することで効率的で生産性の高い営農が実現できるでしょう。

スマート農業に取り組む農業求人一覧はこちら

コストのかからない経営ノウハウ

機材をリース  :使用頻度の低い農業機材を購入ではなくリースで代替する。

栽培方法の最適化:育てる作物や地域に合った栽培方法をとる 栽培方法が最適化。

地産地消    :直売所やイベントを活用し直接消費者に販売することで中間コストを削減。

自然農法の実践 :有機農業や無農薬農業を実践することで、農薬や化学肥料のコストを削減を図る。また、自然農法は消費者からの高い需要も見込める。

このようにコストを削ることで年収を増加させることができるでしょう!

工夫を施しコストを削ることで年収を増加させることができます。

“伝統野菜”を生産している農園特集はこちら

補助金・助成金の活用方法

①就農にまつわる支援金

農業次世代人材投資資金、担い手確保・経営強化支援事業、青年等就農資金など就農にまつわる支援金は多く存在します。それぞれ運営元や対象者、基準が異なるので入念なリサーチをする必要があります。

②指定野菜を導入

「指定野菜」とは、農林水産省によって指定された特定の野菜を指します。特に消費量が多く生産や流通に影響を及ぼす可能性があることから国が安定した供給が必要と認めた野菜のことです。現在(2024年6月)の時点での指定野菜はキャベツ、きゅうり、さといも、だいこん、トマト、なす、にんじん、ねぎ、はくさい、ピーマン、レタス、たまねぎ、ジャガイモ、ほうれんそうの14品目です。

2026年におよそ50年ぶりに新たにブロッコリーが追加されることであらためて注目されています!

「指定野菜」とは、国が安定した供給が必要と認めた野菜のことです。

指定野菜を育てると対象となる野菜の価格が下落した場合には補給金を得ることができます。ただ、指定野菜価格安定対策事業へ加入しないと補給金の交付対象とならいことに注意しましょう。

農業収入と生活費のバランス

これまで見てきたように、農業は一見するとほかの業界よりも年収が低いという印象を受けるかもしれません。しかし農家は田舎を拠点にしていることが多いことから、生活費があまりかからない傾向にあります。さらに、自ら育てている作物や地域の作物を安く(またはタダで)手に入れることができることからも、食費が都市部よりかさむことはありません。

年収を考えるときには、ただ高収入の獲得に囚われるのではなく”実際に生活していけるか” ”どんなリスクがあるのか”といった観点が大切なのではないでしょうか。

農家は田舎を拠点にしていることが多いことから、生活費があまりかからない傾向にあります。

農業を始めてで高収入をゲットするために

脱サラで農業は稼げる?新しく農業を始めた人の現状

今回は群馬に移住し新規で就農した方にお話を聞きました。ぜひご覧ください♪

雇用就農者が高収入を得るためのステップ

一般的に独立農家の方が雇用就農者よりも年収が高いといわれています。しかし、雇用就農者が年収を伸ばす方法もありますよ!

資格の取得

農業にまつわる資格を取得することで、スキルを身に着けたりキャリアアップしたりすることができます。結果的に年収が上がることにも繋がるかもしれません。

資格の取得で収入を伸ばすことができます。

資格取得支援のある農業求人はこちら

副業や兼業

観光農園や農業体験イベントの開催など、農業以外でも収入を得ることができます。また昨今ではリモートワークも広く普及しているため、農業に関わらない副業で収入を得ている方も増えています。

副業などの農業一覧はこちら

農業を始めるときにつまずくポイント

どんな業種に就くときもそうですが、入念な下調べは欠かせません。特に農業を新たに始める「新規就農」に注目すると、年収や生活費などお金にまつわることだけでなく、”実際に生活できるのか””本当に農業に向いているのか”といった農業生活のリアルな側面を考えることが必要です。農業を始める前にはしっかりとリサーチをしましょう。

まとめ

「農家の年収」と一括りでいっても、その業態や扱う作物により大きく変動します。努力や工夫で年収を増加させることは十分可能です!自分にあったやり方で年収を上げより良い農業ライフを送りましょう。

よくある質問

2022年の農林水産省のデータによれば、独立農家の平均年収は415万円です。一方、雇用就農者の平均年収は344万円でした。

農業法人も他産業の企業と同様に、ボーナスが出ます。もちろん、企業やその年の業績によって異なりますが、年2回、年間に月給4ヵ月程度の賞与が支払われている企業もあります。また、通勤手当や住宅手当、家族手当といった手当を支給している企業も多いです。収入面は就職にあたって大切なポイントではありますが、労働時間や休日など、その法人に就業規則が整備されているのか事前に確認することも大切でしょう。

農林水産省の調べによると、キャベツやレタス、トマトなどの野菜の栽培が所得が多く得られるとされています。

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この記事を書いた人

  • 農業ジョブ 編集部
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