農業の収入は?初任給は?



【農業の収入】独立したら所得は?
農業法人の給与は?
農業で収入を得る方法には、独立して就農する方法と農業法人に就職して収入を得る方法があります。「いずれ独立したい」と思っている人の中にも、農業の技術や経営のノウハウを学ぶため、まずは雇用就農を選択する人も多くいます。 新規就農の選択肢は大きく二つありますが、収入面も把握して自分に合った選択を行うことが大切でしょう。
【独立就農】
やり方次第であり、儲かる経営者になる可能性もありますが、十分な所得を得られない場合もあります。独立するので、起業家と同じです。
【雇用就農】
給与制なので、一定の安定した収入が見込めます。入社する会社(農業法人)によって仕事の内容も違えば、給与・待遇も違ってきます。






独立就農したら?農家の収入はいくら?



農家の収入(農業所得)は、農産物の販売によって得た収入から、生産するためにかかった経費を差し引いたものです。また、農業所得だけでなく農業以外からも収入を得て(副業・兼業して)生計を維持している農家も多いですが、農業所得だけで見ても日本の平均給与の432万円(平成29年分民間給与実態統計調査結果)よりも高い結果となっています。
主業農家の総所得
平成24年 | 平成25年 | 平成26年 | 平成27年 | 平成28年 | |
主業農家総所得 | 631万円 | 639万円 | 634万円 | 704万円 | 788万円 |
うち農業所得 | 502万円 | 505万円 | 499万円 | 558万円 | 649万円 |
農業依存度(%) | 92.3% | 92.3% | 92.4% | 92.8% | 93.1% |
資料:農業経営統計調査
“主業農家”とは?
主業農家とは、農業所得が主(農家所得の50%以上が農業所得)で、調査期日前1年間に自営農業に60日以上従事している65歳未満の世帯員がいる農家をいいます。
時給にすると?
主業農家の1時間当たりの農業所得は、生産(販売)する農作物の違いによっても違っています。
主業農家の営農類型別・農業所得
1時間当たりの農業所得 | 経営の概況 (1戸当たり平均) | 年間農業所得 (1戸当たり平均) | |||
経営講義面積・飼養 (販売)頭数 | 家族の農業労働時間 (合計) | ||||
水田作 | (都道府県) | 1,173円/時 | 5.4 ha | 2,538時間 | 298万円/年 |
水田作 | (北海道) | 1,989円/時 | 15.6 ha | 2,966時間 | 590万円/年 |
畑作 | (北海道) | 2,413円/時 | 30.0 ha | 3,858時間 | 931万円/年 |
路地野菜作 | (全国) | 893円/時 | 2.9 ha | 4,008時間 | 358万円/年 |
施設野菜作 | (全国) | 968円/時 | 2.5 ha | 5,302時間 | 513万円/年 |
果樹作 | (全国) | 902円/時 | 2.3 ha | 4,073時間 | 367万円/年 |
酪農 | (全国) | 937円/時 | 39頭 | 5,363時間 | 503万円/年 |
肥育牛 | (全国) | 1,630円/時 | 64頭 | 3,256時間 | 531万円/年 |
養豚 | (全国) | 2,072円/時 | 1,325頭 | 4,092時間 | 848万円/年 |
資料:農林水産省統計部
「営農類型別経営統計(個別経営)」
農業法人に就職したら? 収入はいくら?



農業法人の賃金は、その法人の経営状態によって異なります。平均年収が200万円ほどと言われることがありますが、実際にはもっと高い年収の法人がたくさんあります。 また、最近の農業には様々なビジネスチャンスがあり、経営者の工夫によって儲かる業界でもあるため、経営者の意欲や考え方を知ったうえで、就職先を検討することが大切でしょう。
初任給は増加傾向が続いています
全業種(栽培系・畜産系・アグリ関連ビジネス)、全職種(生産現場職や営業職など)、全地域を対象としたデータです。過去5年間、増加を続けています。 他産業でも同じことが言えますが、ほとんどの農業法人で経験や能力を考慮し、初任給に反映します。そのため、平均初任給に幅がみられます。
平均初任給(月給) | |
2014年 | 175,158円~ 249,041円 |
2015年 | 182,420円~ 258,903円 |
2016年 | 188,549円~ 264,008円 |
2017年 | 193,413円~ 282,921円 |
2018年 | 197,128円~ 288,487円 |
(農業求人サイト・農業ジョブ調べ)
農業法人のボーナス(賞与)は?
農業法人も他産業の企業と同様に、ボーナスが出ます。もちろん、企業やその年の業績によって異なりますが、年2回、年間に月給4ヵ月程度の賞与が支払われている企業もあります。 また、通勤手当や住宅手当、家族手当といった手当を支給している企業も多いです。収入面は就職にあたって大切なポイントではありますが、労働時間や休日など、その法人に就業規則が整備されているのか事前に確認することも大切でしょう。 また、農業を仕事にする人は、自分で農作物を育てることや、自然を感じながら働けることに喜びを感じる人が多くいます。仕事にやりがいや使命感を持って取り組む人が多い業界だからこそ、農業ビジネスはさらなる拡大や収入アップが見込まれています。
実際の農業法人の求人情報を確認し、自分に合った就職先をぜひ見つけてくださいね。