地域を変える力~地域おこし協力隊について~
地方への移住・定住を支援する地域おこし協力隊。
その制度について迫ります!
新型コロナウイルスの影響により、リモートワークが進む今日、会社へ出勤する機会が減っている方もいるかと思います。
そんな中、せわしない都会の喧騒を離れ、のんびり自然に囲まれて過ごしたいという地方移住の動きが、あらためて全国で注目されています。
「移住っていいな~ってぼんやり考えているけど、どうしたら移住できるんだろう?」そんな疑問をお持ちの方に、移住支援策の1つである地域おこし協力隊について解説します!
地域おこし協力隊とは?
地域おこし協力隊制度について
地域おこし協力隊制度とは、地方自治体が都市地域からの移住者を「地域おこし協力隊員」に任命し、隊員に金銭の援助をしながら町おこしに関する活動をおこなってもらい、その地域への定住・定着を図る取り組みです。
隊員の活動は多岐にわたり、農林漁業といった一次産業への従事、地域独自のイベントやお祭りの魅力発信、スポーツを通じた地域交流活動とさまざまです。
2020年度は5464⼈が活動し、2009年に制度が発⾜して以来過去最多の⼈数となりました。
隊員の任期はおおむね1年以上3年以下で、任期終了後、約6割が同じ地域に定住をしています。
どうやったら隊員になれるの?
では、どうしたら地域おこし協力隊として地方移住ができるのか、順を追って説明していきます!
①募集情報の確認
まず、各地方自治体の地域おこし協力隊の募集情報を確認します。募集情報は、総務省が運営しているポータルサイトや農業ジョブの求人から確認できます。活動内容や条件、待遇等も自治体によって異なりますので、自分に合う市町村を何件か調べて比較するのがオススメです。
②自治体へ応募
ある程度自分の中で気になる自治体を見つけたら、応募してみましょう。
最近では「おためし地域おこし協力隊」という、住民との交流を含む2泊3日以上の地域協力活動の体験プログラムを実施する自治体も増えてきています。
ほかにも、オンライン説明会を実施してお互いのミスマッチを減らすような取り組みをしている自治体もありますので、積極的に情報収集をしましょう。
③書類選考・面接
応募が済んだら、自治体からの連絡を待ちましょう。面接は現地面接1回のところが多く、現地体験等のイベントや、滞在費の負担をしてくれるところもあります。
実際に地域に足を運ぶことで、ネット情報だけでは分からなかったことがたくさん出てくると思います。
一緒に働く人や町の方たちの雰囲気、町の利便性など。都会では見ることのできない大自然や観光スポット等、色々な箇所をチェックしてみてくださいね。
④採用決定後、地域おこし協力隊に任命
そして応募後、無事に面接を通過したら採用が決定します。受け入れ先が決まったら、いよいよ移住へ向けた準備を開始。
いつから移住先での生活をスタートするのかを明確にし、早いうちから準備をしましょう。
⑤住所を移住先に移し、活動開始!
現住所から採用先の自治体に住民票を移動し、地域おこし協力隊として活動を開始します。
都会から地方への移住を促進させるための施策なので、住民票を移住先に移すことになります。
「やりたいことが明確に決まってない…」といった方も大丈夫です。あらかじめ隊員に任せるミッションを決めている自治体も数多くありますので、まずは色々と求人情報を確認してみましょう!
地域おこし協力隊に参加するメリットとは?
こんな人におすすめ!①
【隊員活動終了後に、定住や独立を考えているひと】
地域おこし協⼒隊になるメリットとして、お⾦(給与)を貰いながら将来の定住や新規就農の準備をできるという点があります。
1カ⽉の給与は15万円〜20万円で、平均年収は約190万円。無料の家の⽤意や、PC・⾞の貸出等をおこなっている⾃治体や、副業OKの場合もあり、隊員活動終了後に向けて生活の基盤を作ることができます。
こんな人におすすめ!②
【移住後、自分のペースで生活をおくりたいひと】
地域おこし協力隊の活動内容は、自治体によってさまざまです。
特に決められた職種を設けず、自分のやりたいことを提案し活動をおこなっていくフリーミッション型の募集や、週3日休みがあり勤務時間が短い仕事などもあります。
地方移住することで、時間の流れや、ひとの雰囲気など、都会とは全く違う生活をおこなうことになります。都会では気付かなかった自分の一面が見えてきたり、人の温かさや自然の素晴らしさに気づいたり、都会では得られない経験ができます。協力隊として活動することの一番の魅力は、なんといってもそこにあるのかもしれません。
こんな仕事も地域おこし協力隊ならでは!
離島で地域おこし!
ここでは具体的な地域おこし協力隊の事例を紹介します。
まず1つめは、島根県の北に浮かぶ隠岐諸島にある海士町にて、ブランド牡蠣「いわがき春香」の養殖をおこなう地域おこし協力隊。
「いわがき春香」は、海士町がある中ノ島のきれいな海で育つ牡蠣です。その岩牡蠣の養殖方法を日本でも有数の指導者から、イチから学ぶことができるレアな地域おこし協力隊といえます。
海・山・田畑がそろった自給自足のできる半農半漁の島で、日本の古き良き原風景が今もなお残る隠岐諸島。
海士町最高峰の山である山家督山や、日本の名水百選にも選ばれた天川の水など、都会では決して味わうことができない大自然が広がっています。
町の伝統的お祭りであるキンニャモニャ祭りは、島外客を含めて約1000人が集まり観光としても魅力的な離島です。
地域の特産品を守る協力隊
続いて2つめは、畑わさびの生産量日本一位の岩手県岩泉町にて、畑わさびの生産をおこなう地域おこし協力隊。
畑わさびは林間栽培のため、農地取得は不要。大規模な林間栽培地も造成中で、すぐに実践研修できる体制が整っています。
農業のなかでも、畑わさびを栽培できる機会はそう多くはありません。地域の強みを全国に広げる、地域おこし協力隊ならではの仕事といえます。
岩泉町は本州の町村で最も面積が広く、自然豊かで総面積の約92%を森林が占めています。
畑わさび以外にも、日本三大鍾乳洞の1つで青い地底湖が美しい龍泉洞をはじめ、添加物を一切使わずに低温長時間発酵した岩泉ヨーグルトなど。そのほか、短角牛や豊富な魚介類、山菜、日本酒…と挙げればキリがないほど自然の恵みがたくさんあります。
多種多様な職種で地域振興
最後3つめの紹介は、2010年度より地域おこし協力隊制度を導入以来、性別問わず多くの隊員が町おこし活動をおこなってきた高知県本山町。豊かな自然資源を活かした交流人口の拡大や、豊富な農産物・森林資源を活用した産業おこし、地元の子どもへの教育振興活動などさまざまな実績があります。
本山町は、高知県の中央北部、そして四国山脈の中央部に位置し、町の約90%を森林が占める山間の町です。桜やシャクナゲ・ツツジ等の花々、吉野川でのアウトドアスポーツ、棚田など、豊かな自然の魅力にあふれています。
まとめ
農業ジョブではさまざまな地域おこし協力隊求人を掲載しています。少しでも興味を持った方は、ぜひ求人をチェックしてみてください。
みなさんの地域おこし協力隊としての活動が、素晴らしい経験になることを願っています。