日本の農業人口の現状
若者の就農が増加!日本の農業人口の現状
農業界で大きな問題となっている、農業人口の減少や高齢化、そして後継者不足。農業就業人口全体で見るとその数は大きく減少・高齢化が進んでいますが、「49歳以下の新規就農者」に絞って見ると、実は増加傾向にあることをご存知でしたか?
個人経営体(農家)は減っていますが、法人化して農業を行う経営体が急増しており、“サラリーマン”として農業が出来る働き先が増えたことが、若者の就農が増えた要因の一つと言われています。
また、近年は就農をサポートしてくれる国の施策が多数あり、環境改善に向けてさまざまな取り組みがなされています。このことも、就農者の増加につながっていると考えられるでしょう。
従事者の現状
農業就業人口の減少
資料:農林水産省『農業センサス』『農業構造動態調査』
農業就業者の平均年齢(高齢化)
2000年 | 2010年 | 2017年 | |
農業就業人口 | 3,891 | 2,606 | 1,816 |
平均年齢 | 61.1 | 65.8 | 66.7 |
単位:千人・歳
資料:農林水産省「平成29年 農業労働力に関する統計」
新規就農の実態
農家数・農業就業人口の減少、高齢化は進んでいます。その一方で、新規就農する若者は増えています。新規就農者の中でも、「新規雇用就農者」と「新規参入者」が増加しています。
また、農業の高齢化や後継者不足の問題を解決すべく、政府も『農の雇用事業』(企業の研修経費の一部を助成する制度)をはじめとして、若者の就農促進を支援する取り組みを進めています。
49歳以下の新規就農者の変化
資料:農林水産省『平成29年新規就農者調査』
49歳以下の新規雇用就農者 就農形態別の変化
資料:農林水産省『平成29年新規就農者調査』
新規自営農業就農者とは
自営農業のみに従事、または主に自営農業に従事するようになった人。実家を継いで新たに農業を始める人がこれに該当しますが、小規模な個人経営の農家は離農するケースが増えているため、今後も減少が予想されます。
資料:農林水産省『平成29年新規就農者調査』
新規雇用就農者とは
法人等で従業員として農業に従事している人(年間7ヵ月以上)。農業法人に就職する人がこれに該当します。個人経営の農家が法人化したり、一般の企業が農業参入したりと、農業経営体全体は減少する中、農業法人数は増加しています。それに伴い、雇用就農者の数は増加しており、今後もその需要が見込まれます。
資料:農林水産省『平成29年新規就農者調査』
新規参入者とは
新規就農者のうち、独自に土地・資金等を調達し、責任者として新たに農業経営を開始した人。新規自営農業就農者のように家業を継ぐのではなく、農業で起業する人がこれに当たります。
農業経営体
農業経営体
農産物の生産を行っている、または委託を受けて農作業を行っている経営体をいい、一定の基準を満たしているものを指します。主に「個人経営体(農家)」と法人化して農業を行っている「法人経営体」があります。
個人経営体の数が大きく減少しているので総数は減っていますが、法人経営体は近年急増しています。
農業経営体の総数
資料:農林水産省「2000年世界農林業センサス」
「平成29年農業構造動態調査」
農産物の生産を行う法人組織経営体の数
資料:農林水産省「2000年世界農林業センサス」
「平成29年農業構造動態調査」
一般法人の農業参入の推移
資料:農林水産省「平成29年一般企業の農業への参入状況」
2009年の農地法改正で、農業参入が全面自由化されました。近年は企業の農業参入が増加傾向にあり、安全性が高く安心な原料を自社で確保したい企業や、観光農園・農村レストランなどを経営する企業が増えています。新規雇用就農者数が増加していますが、このことが背景にあると言えます。