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養豚

養豚とは

概要(業種の基本情報)

豚を飼育し、食肉となる肉豚や、種豚(しゅとん)を生産すること養豚と呼びます。養豚業の経営形態としては、豚の繁殖・改良等の元となる種豚を生産する「種豚経営」、繁殖豚の管理と、その子豚(素豚)を出荷する「繁殖豚経営」、子豚を肥育し、食用として市場に卸す「肥育豚経営」の3種類があります。 現在は繁殖~肥育まで行う「一貫経営」が主流で、豚肉の加工から販売まで手掛ける「6次産業化」を行う経営体も少なくありません。また、さまざまな品種の特性を掛け合わせることで、肉質やうまみの向上を図った “三元豚”や、チーズ製造の際に採れるホエーを与えて育てた“ホエー豚”等をはじめ、地域性・独自性を活かした「ブランド豚」の確立に熱意をそそぐ経営体が多いのも養豚業界の特徴です。

生産物例

養豚場で生産された肉豚は農協や市場を通じて出荷・取引され、と畜場や食肉センターでと畜解体されて枝肉となります。その後、衛生検査や正肉部分の格付けを経て、各部位ごとに販売されます。流通は食品スーパー、加工・製造メーカー、飲食店等へ枝分かれし、私たちの食卓に届きます。また昨今では、肉豚生産・加工・販売まで一貫して手掛ける生産者も存在します。

養豚の仕事

養豚の年間スケジュール(例)

■母豚の出産サイクル
妊娠期間(約114日)
哺乳期(約20日)
発情・交配(離乳してから約7日後)
妊娠~

■肉豚の発育ステージ
哺乳期(約20日)
人口乳期(約50日)
子豚期(約50日)
肉豚期(約60日)
出荷~

養豚の1日の仕事の流れ(例)

《一日のスケジュール例》
06:00~07:00 起床
08:00~10:30 豚舎内給餌
10:30~11:00 休憩
11:00~12:00 豚移動、水洗、消毒、餌の撹拌
12:00~13:00 昼休み
13:00~16:00 豚移動、豚房水洗、消毒
16:00~16:30 休憩
16:30~17:30 夜の管理
17:30~22:00 夕食・自由時間
22:00~06:00 就寝

養豚にはこんな仕事がある

仕事の種類

種付け・分娩

種付け・分娩は養豚業の基礎となる仕事です。発情行動、粘液、背圧反応などを細かくチェックし、発情期の雌豚を見極めます。発情期の雌豚を雄豚の豚舎に移動させて自然交配を行うか、人工授精により種付けを行います。豚は季節を問わず出産が可能なため、母豚が安全に効率よく出産を行えるよう、母豚の体調を適切に管理する必要があります。

給餌

哺育期・人工乳期・子豚期・肉豚期とそれぞれの発育段階に合わせて4種の給餌(エサやり)を行い、肥育を行います。生後間もない子豚は約20日、体重6kg前後になるまで母乳で育てます。この期間で成長に必要な免疫力や体力を養います。
次に、消化の良い人口乳を与えて母豚から離乳させます。離乳後は子豚育成用の豚舎に移して約50日、30kg前後になるまで人口乳で育てます。その後は子豚期用の飼料を与えて約50日、肉豚用期の飼料を与えて約60日、出産からトータルで約180日かけて、肉豚として出荷できる状態まで育て上げます。

豚舎洗浄・ワクチン接種

豚は非常にデリケートな動物のため、衛生状態の悪いとストレスにより病気にかかりやすくなります。特に子豚が病気にかかると発育の遅れにも繋がるため、定期的な豚舎洗浄・ワクチン接種を行います。
豚舎の洗浄は高圧洗浄機を用いることが多く、豚を退避させてから豚舎全体を洗浄します。洗浄後は乾燥・消毒を経て、再び豚を豚舎に呼び込みます。 また、豚舎洗浄だけでは防ぐことができない感染症等の予防にはワクチン接種を用います。豚はとても早いスピードで成長しますが、常に健康管理に気を配る必要があります。

養豚の仕事のやりがい・働く魅力

豚の成長速度に合わせた経験を積むことができる

豚が生まれてから出荷までにかかる期間は180日と短いため、どれだけきめ細かく豚の世話をしてあげられるかで、成長や肉質に顕著に違いが出ます。
出産に立ち会い、育て上げては出荷し、また次の出産に立ち会い…と、忙しい日々が続くかもしれませんが、それだけ大きなやりがいを感じることができるでしょう。

高品質・高生産を追い求める“職人”の世界

養豚経営者は安定した繁殖成績を目指すのはもちろんのこと、肉質、味、脂肪の質など、市場のニーズにあった豚肉生産に挑戦しています。すべては消費者に「おいしい豚肉」を届けるため、経験を積み重ねていくのです。

養豚のQ&A

どんな人が向いていますか
短期間での生育、きめ細かい衛生管理など、養豚業では「動物飼育に真摯に向き合うこと」が求められます。信念を持って飼育に取り組める人におススメの業種です。
どんなキャリアが積めますか?
まずは豚の成長過程に合わせて、一通りの作業を経験することから始まります。やがて生産部門全体の管理や、加工・販売まで行っている経営体であればブランディングや商品開発といった道も開けてきます。
長期休暇はとれますか?
経営体によって様々な休暇取得のパターンがあるため、長期休暇が取得可能か事前によく調べておくとよいでしょう。最近では交配や出産のタイミングを調整し、生産者側が休暇を取得しやすいようなシステムを採用している経営体も出てきているようです。
体力面が心配。女性でもできますか?
これまでは除糞や給餌作業など、体力が必要な場面もありましたが、単純労働の機械化・効率化を推進している経営体もあり、実際に養豚業界で活躍している女性も多くいます。
未経験でも働けますか?
実務に関しては未経験からでも習得が可能です。実際に未経験から養豚業を始め、現場で活躍されている方も大勢いらっしゃいます。

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この記事を書いた人

  • 農業ジョブ 編集部
  • 農業求人情報サイト「農業ジョブ」編集スタッフ。
    仕事の魅力やそこで働く方たちを日々取材しています。

    日本の農業・林業・漁業を盛り上げるべくさまざまな視点から情報を発信中!
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