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農業界で使える免許について

MT、大型特殊、けん引免許。
農業には様々な免許が役立ちます!

農園や農場、牧場ではさまざまな乗り物が動いています。
例えばトラクター。土を耕したり、種をまいたりすることに始まり、人の力ではどうしても動かすことができないものを牽引したりと現代農業には欠かせない存在と言っても過言ではないでしょう。
例えばコンバイン。一台で刈り取り・脱穀・選別までこなすこの機械は収穫期に欠かせない農家さんも少なくないのではないでしょうか。

こういった機械はいわゆる、普通自動車第一種運転免許では運転することができないものもあります。
より厳密にいえば、農場や牧場は「私道」になることもあり、その範囲内では運転は可能なのですが、制限がかかるので「免許を持っていない人には運転させない!」という経営者の方も多いのだとか。
その場合、大型自動車第一種免許、大型特殊自動車免許、けん引免許などの特殊な資格が必要となることもあり、だからこそ、こういった機械を操縦できる資格を持っている方は優遇されることが多いのです。
それではどういった免許を持っていればどういった仕事をすることができるのかを今から見ていきましょう。

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MT免許について

農業界ではマニュアル免許が必要?

令和2年の統計によると、AT限定免許を取得する人の割合は全体の7割近くを占めています。また現在販売されている自動車においても、MT車の販売比率は全体の1%程度となっており、MT車を運転できる人は年々減ってきています。確かに日常生活においてはAT限定の免許を持っていれば不便することがまずありません。
一方で、農業ジョブでも免許は「MT必須」となっている求人も多くあります。これはなぜなのでしょうか?

答えは農家さんのほとんどが活用している「軽トラック」がMT車だから!
道具や作物の運搬まで幅広く活躍する軽トラックは、農家さんには必須といっても過言ではありません。となれば当然、軽トラックを運転することができれば従業員に任せることができる仕事はぐっと広がります。
こうした理由から農業界ではMT必須とする求人が多いんですね。

もちろん現在ではAT限定免許でも運転することができる軽トラックも販売されています。
こうした農家さんではAT限定可としているところもあるんです。
しかし、価格がMT車の方が安い点、運搬重量によって手動でシフトチェンジできるため加速の調整や燃費の節約ができる点などをとっても、これからもメインで活躍するのはMT車の方になりそうです。

ちなみにAT限定の免許を持っている人であれば教習所に行って限定解除の教習を行えばMT車も運転できるようになります。場所によって価格は異なりますが、一般には5万円程度でできるので、これから就農される方は検討してみてください。

大型特殊免許について

大型特殊免許とはどんなものなのだろう?

まずは大型特殊免許の定義を確認しましょう。この免許を持っていると全長12m以下×全幅2.5m以下×全高3.8m以下の特殊車両を運転するうことができます。
これは例えばホイールローダー、クレーン車、ブルドーザーなどの車両が該当します。
農業界でいえばトラクターもコンバインも、この特殊車両として扱うので、こちらを持っていれば農家さんへの強いアピールとなるはずです!

ちなみに取得するには教習所で10万円程度が相場となっているようです。しかし普通自動車にAT限定があるように、大型特殊自動車にも農耕車限定というものがあります!農業界で働くならこちらの資格で問題ないと言えるでしょう。こちらは6万円程度が相場となっているので少し費用を抑えることができるはずです。

また大型特殊免許には教育訓練給付金制度という制度が適用となります。これは、支払った費用の最大20%が(上限10万円)が助成金として支給されるもので、「雇用保険に1年以上加入しており、離職から1年以内」で「適用範囲は入学金、受講料のみ」という条件がつきますが、これから取得を検討する方は詳しく調べてみるのもいいかもしれません!

最短3日!?短期研修という選択肢!

さて、実は上で記載したのは実は一般的なお話。ここからは農業界でのお話です!
なんとこちらは最短3日で取得することが可能なんです!

一部の農業大学校では大特免許(農耕車限定)の短期研修が年に何度か開かれています。
短ければ3日程度の研修と試験で、費用は数千円から取得可能。
研修期間も内容も学校により異なりますが、道路交通法などの講義を受けた後、実技研修が行われます。
そして免許試験が行われ、合格となれば、晴れて大型特殊免許(農耕車限定)取得となります。
短期間で研修から試験まで受けられるため、特にすでに就農した人にとっても免許取得の一番の選択肢になるはずです!
ただし、人数制限や申込期間が設けられ、いつでも誰でも受けられるというわけではありません。免許取得を検討している人は、自分の就農地域の農業大学校のHPをチェックしてみましょう!

その他の免許について

けん引免許はどんなものなのだろう?

大型特殊免許よりも馴染みが薄い、けん引免許。これは自動車が750キロを超える他の車をけん引して公道を走る際に必要な免許です。農業界ではコンバインやトレーラーなどをけん引して離れた農地へと移動させる為に用いられることがあります。
こちらにも農耕車限定の免許もあり、上記の農大学校などでも取得することもできます。もちろんその後、教習所で限定解除を受けることで限定なしの免許に書き換えることもできますよ!

その特徴から少し限定的な用途とはなりますが、離れた場所にいくつも農地を持っている大規模な農家さんの間では非常に重宝されることでしょう。
なお、こちらも教習所で取得する場合には12~15万円程度の費用がかかるそうです。

これからの農業に必要な免許!?

最後に少しだけ、これからの農業に活用できる免許についてご紹介します。
現在農業界ではIoT化を進めている農家さんも増え始めており、ドローンを導入しているところもあります。

ドローンの主な活用方法は農薬散布などになりますが、実は農薬散布用のドローンを操縦するには専門の資格が必要になる場合もあります!
農林水産航空協会という組織がドローンの機体性能試験などを実施しており、それに合格したものを使用するためにはこの協会の認定教習所の講習を受講して資格を取得する必要があります。
こちらの農林水産航空協会の認定を受けていないメーカーのものについては、資格を取得することなく使用が可能ですが、その反面性能についてしっかりと保証されていないものも多いため、より安全性を求めるのであれば、こちらの認定を受けているものを使用するのがベターでしょう。

こちらは3日間の講習で18万円ほどとなっているようです。安くない費用ですが、航空法や使用方法などを細かくレクチャーしてもらえるため、持っていることで今後の農業界で働いていく上できっと役に立っていくはずです。

まとめ

今回取り上げたものはほんの一部に過ぎず、その他にも人工授精師や危険物管理者、毒物管理者など様々な免許が農業界で役立てることができます。
長く農業界で働いていくことを念頭においた時、「自分にはこれができる!」「この資格を持っている!」ということは、アドバンテージとして自信にもつながるはずです。

もし「この免許を持っている!」や「この資格を取ろうとしている」と考えているならば、農業ジョブのフリーワード検索に打ち込み、その資格を優遇している農家さんを探すのもいいかもしれません!

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この記事を書いた人

  • 農業ジョブ 編集部
  • 農業求人情報サイト「農業ジョブ」編集スタッフ。
    仕事の魅力やそこで働く方たちを日々取材しています。

    日本の農業・林業・漁業を盛り上げるべくさまざまな視点から情報を発信中!
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