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農業に向いている人・向いていない人の 特徴を解説

農業に向いている人ってどんな人?
自分に適性があるのかチェックしよう!

農業界で働きたいけれど、自分に適性があるのか分からない…。
農業への就職・転職を検討している人は、このような不安を抱えることもあるのではないでしょうか。

「こんなにおいしいものがあるんだ!自分の手で作ってみたい!」という食への興味や、動物が好きだから、自然が好きだから、田舎に移住したいから、社会貢献性があるから等々、農業へ興味を持つ理由は人それぞれです。
しかし、実際に働いてみると人によっては天職かもしれませんし、全く向いていないと痛感する人もいるでしょう。
今回は現場で働いている方たちの声をもとにまとめた、農業に向いている人・向いてないと思われる人の特徴を解説します!

農業の仕事

農業には色々な業種がある

「農業」と聞くと何を思い浮かべるでしょう?大半の方は野菜や畑、お米や田んぼが浮かぶと思いますが、野菜やお米、果物などを栽培する『耕種農業』のほか、酪農や養豚、養鶏などの『畜産農業』、農業資材会社や種苗メーカー、流通、販売など多岐に渡る『農業関連ビジネス』もあります。
今回の記事では耕種農業・畜産農業の生産現場職の適性をメインに見ていきます。

農業の仕事は「農作業」だけじゃない

次に「農業の仕事」と聞くと何を思い浮かべるでしょうか。大半の方は種まき、収穫、トラクターの運転など、農産物や土に直接触る、いわゆる農作業が浮かぶと思います。これももちろん間違いではありませんが、農業の仕事は直接的な農作業だけではありません。
昨今の農業はデータ管理が重要になってきており、パソコン作業がある農家・農業法人が増えています。また、一緒に働く家族・同僚はもちろん、農業資材会社や卸先となる飲食店、獣医師等の専門家やJA職員など、たくさんの人と接する機会もあります。
一人で黙々と力仕事をする、という場面ももちろんありますが、他業界のオフィスワークと同じようにパソコンを見ながら戦略を練ることもあれば、仲間とコミュニケーションを取りながら一緒に仕事を進めることもあります。さまざまな作業があるということをしっかりと認識しておきましょう。

農業に向いている人の特徴

生き物(植物や動物)が好き

耕種農業は野菜やお米、果物や花など、畜産農業は牛や豚、鶏や馬などを大切に育てる仕事です。そのため、生き物が好きというのは必須条件です。
個人的な観葉植物やペットではなくあくまで商品ではありますが、モノと違って放置や乱暴な扱いはできません。
生き物への愛情・興味は、農業を仕事にする上で最も重要かつ基本となる心構えでしょう。

ものづくりが好き

農業は生き物を育てる仕事であることは一つ前にお伝えしましたが、さらに広い視点で見ると農業は「ものづくり」の仕事です。そのため、サービス業よりも何かを作ることが好きと言う人に適した仕事と言えるでしょう。
今は大規模で設備の整った温室ハウスや牧場、植物工場での生産も増えています。農業未経験であっても機械や食品の工場などの製造業=ものづくりの経験が高く評価される職場も増えています。

気配りができる

生き物が相手の仕事なので、扱う作物や動物の状態は毎日変化します。小さな変化の中に、感染症や連作障害、病害虫の繁殖などの大きなトラブルの芽が潜んでいる場合があります。そのため仕事中は常に気を配り、些細なことでもいつもと違う様子に早く気付いて対応できる人が大変重宝されますし、自分自身のやりがいにもつながります。

コツコツと地道に努力できる

ほとんどの業界では、がむしゃらに1年働くとそれなりに業界のノウハウが身に付きますが、農業は一年で一作しか回せない品目も多くあります。他業界に比べて経験を積むのに時間がかかるため、コツコツと地道な努力が必要となります。
短期間でに経験値を上げたい人は、一年に何作も回せる次世代施設園芸や、年間通して同じ商品を出荷ができる畜産業の方が向いているでしょう。

忍耐力がある

機械やIT化が進んではいますが、体力を要する仕事も多く、忍耐強く業務ができなければ務まりません。
また、耕種農業では体力面以外でも「天気が不安定で思うように作業が進まない」という、自分の力ではどうしようもない外部要因に歯がゆい思いをすることがありますし、畜産農業でも、動物相手なので思うように動物が動いてくれない・何か問題があるけど言葉話せないし分からない、というストレスは必ずあります。じっくり動物と向き合える精神的な忍耐力が必要です。

試行錯誤できる

他業界にも共通することですが、ただ言われたことをやるだけでなく、自分なりに試行錯誤して改善策を考えながら、生産性を向上させることが大切です。
農業は失敗することも多く、その失敗から学んで次の収穫までに品質や収量を伸ばさなくてはいけない仕事なので、一度や二度の失敗で自棄を起こしてしまっては続けられません。常に改善し続ける根気や、仮説検証を楽しむ気持ちが必要です。
新規品種開発をしたいけど、既存の品種の交配をして栽培できるのは年に1,2回、それでうまくいかなければまた同じ繰り返し、そして新規品種を開発できたのは10年後・・・といったように、数年~十数年後でないと結果がついてこないといったケースもあります。

データ管理など数字に抵抗が無い

農業もスマート農業やIoTといった単語を良く耳にするようになりました。 今までは熟練者の経験や勘で品質や収量を上げていましたが、現在は気温・水量・湿度・養分・日照時間などのデータを取って統計を出すことで病害虫への対策や、品質・収量の維持・向上の方法が可視化しやすくなりました。
今後の農業はデータ=数字と向き合う時間もとても重要になりますので、数字に抵抗が無い人は向いていると言えるでしょう。

コミュニケーションが取れる

農業の現場には幅広い年代の人がいます。熟練の農場長や長年お手伝いしてくれているパートさん、若手の社員・バイトから外国人の実習生まで、年齢・性別問わず色々な人が働いている職場です。そのため、どんな方とも意思疎通をしてスムーズに仕事を進めるためには、柔軟なコミュニケーションが必要となります。
また、同じ地域の農家さんや卸先、農業資材の会社等とも連携をしないといけないため、農業は実は色々な人と関わる仕事なのです。 人との関りが増えることが嬉しい人は向いているでしょう。

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農業に向いていない人の特徴

「自然が好き!」なだけ

農業を「自然の中でのびのびと爽やかに、マイペースに働ける仕事」と捉えている声がかなり聞かれます。もちろんそういう面もありますが、肉体的・精神的にキツイこともたくさんあります。
夏は暑い、冬は寒い、風雨にさらされながら作業をしなければならない日もあれば、予期せぬ災害によって作業計画が崩れたり、農作物が一夜で全滅することもあります。休日のレジャーで接する自然と違い、仕事として毎日して接すると、自然は脅威にもなるのです。
また植物や土、特に畜産は独特な臭いがあったりと、爽やかとは呼べない部分も多々あります。
農業を志す人の中には、他業界に比べて悪い面を見ていない、牧歌的な良いイメージが先行して具体的に調べていない方も多くいます。漠然と自然が好き、ではなく、植物や動物そのものに興味がないと農業を続けることは難しいでしょう。

大雑把である

植物も動物も病気の初期症状は「葉の色が少し悪い」「果実の形が少々悪いものがある」「エサへの食いつきが悪い」といった程度の小さな変化ということもしばしば。しかし、その変化には感染力の強い病気、連作障害、病害虫の繁殖など大きなトラブルの原因が潜んでいる場合があります。そういった場合、初期段階での適切な病害虫の防除・病気の治療・隔離処置などが必要となります。
農業はリスク管理がとても重要です。小さな変化に気づけない方や気付いても「大丈夫だろう」と放っておいてしまう人よりも、几帳面な人の方が農業の適性があるでしょう。

計画性が無い

農業は数ヶ月~数年先の収穫や出荷を目指して動く必要のある仕事です。耕種なら早生・中生・晩生など収穫できる時期に合わせて植え付けの段階で品種の選定が重要ですし、作物に合わせて土壌改良や施肥を行ない、植え付け後スムーズに作物が成長できるよう考える必要があります。 畜産なら通年で搾乳ができるよう出産計画を立てたり、仔牛・子豚・雛を出荷時に最適な大きさになるよう逆算して買い付けたり、エサの配合を変える必要があります。
計画性のない人にとっては、農業はとても難しく感じるでしょう。

臨機応変に対応できない

農業に計画性が大事なことは一つ前にお伝えしましたが、同時に、臨機応変な対応も必要になります。
計画を立てても、天候不良や自然災害、病害虫の発生など予期せぬトラブルが起こるのが農業です。トラブルが起きても最後まで責任を持って、根気強く柔軟に対応しなければなりません。

一人で黙々と作業したい

「人間関係のしがらみから解放されて、1人で黙々と作業できそう」。
このようなイメージ魅かれて農業を志す人もいますが、作業内容や結果を他の従業員と共有したり、新しく入った人に作業を教えるなど、ある程度のコミュニケーションは他業界と同様に必要です。
また、地域の農家さんたちと交流会や勉強会が開かれる場合も多く、他の農家さんと話すことで重要な経験や知識を学べる場面も多くなります。そういったチャンスを逃すのはとてももったいないです。
例え独立して自営しても、農業は地域の方(特に同業者)と持ちつ持たれつの関係で成り立っているところが多く、その関係性はとても重要です。近隣の農家さんや卸先、農機の会社などと一切関わらないことはまず不可能なので(自給自足の家庭菜園レベルなら可能だと思いますが)、「人と関わりたくないから農業」という選択肢は間違っていると言えます。

車の運転をしたくない

現在は自動車免許を持たない人が増えており、首都圏では車がなくても不自由なく生活できます。しかし、農業を仕事にするとなると話は別です。
仕事で車や農機に乗る機会が多いことに加え、農場はアクセスの悪いところにあることがほとんど。また、農業が盛んな地域は普段の生活でも車は必需品なので、首都圏から移住して農業を始めたいけど車の運転はしたくない…という方には、農業は難しいでしょう。

一発逆転思考は危険!?

農業を始めたい方にお話を聞くと「農業は稼げるって何かで見たから、一発当てたいんだよね!」と言う方がちらほらいらっしゃいます。また、そのような方の大半は最初から独立or経営継承で自営したいと言います。
実際に農業界には1千万円以上稼ぐ個人農家さんもいますし、年商100億円を超える農業法人もあります。しかし、それはあくまで少数派。初めからみんなが稼げる、そんな夢のような話はそうそうありません。

ゼロから農業を営むには数百~数千万円の初期費用(設備投資等)が必要になります。 国や自治体からの助成金を受け取れるケースもありますが、それでも全額まかなうことは難しく、ほとんどの人はまずは事業資金の借り入れ=借金を背負うことになります。 上手く軌道にのって初期費用を回収し、利益を上げることができれば良いですが、まだノウハウが無いうちに自然災害や天候不順で作物が全滅、あっという間に借金まみれになって離農した方もいれば、数年続けたけど結局収益化にはつながらず諦めて離農するという方もいます。 ちなみにこれらは、珍しいケースではありません。入念な準備があれば話は別ですが、安易に「農業で稼いで生一発逆転だ!」という考えは、かなり高リスクでしょう。

いずれ独り立ちしたい場合でも、まずは雇用就農で数年間働き、コツコツと基本を学んで経験を積むことをお勧めします。

まとめ
~やりがいは他業界に負けない!~

極論ですが、農業に全く向いていない人はいないと思います。
農業は私たち全員の命につながる「食べ物」を作る仕事だからです。 今はお金を払えばいくらでも食べ物が手に入る世の中ですが、もし農業を仕事にする人がいなくなったら…大変なことになりますよね。
命のためなら誰でも真剣に向き合えるし、大きなやりがいが生まれます。実際に現場で働く農家さんにお話を伺っても、皆さんに共通する原動力は「日本の食を支えている」という誇りであると感じられます。
農業は素晴らしい仕事なので、もし「向いていないから」という理由だけで諦めるのは勿体無いです。

向き・不向きを知ることも大事ですが、もっと大事なことは、自分の長所・短所を知るという意識です。
自分で分かっていれば、向いている所=長所はより伸ばす取り組みを、向いていない所=短所は改善の努力をすることができます。
自分の長所・短所を知るには、自分以外の第三者に相談するのもおすすめです。家族や友人でも構いませんし、転職のプロである転職エージェントに話を聞くのも良いでしょう。自分では気が付かなかった適性が、客観的なアドバイスで分かるかもしれません。

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この記事を書いた人

  • 農業ジョブ 編集部
  • 農業求人情報サイト「農業ジョブ」編集スタッフ。
    仕事の魅力やそこで働く方たちを日々取材しています。

    日本の農業・林業・漁業を盛り上げるべくさまざまな視点から情報を発信中!
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