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農家に関連した法律

農業においても多くの法律があります。将来を見据えてしっかり法律を確認しましょう!

現代社会において、いかなる場面でも必ず遵守しなければいけない法律。もちろん、農業に携わるうえでも守らなければいけない、知っておかねばならない法律が数多く存在します。独立を目指す農業従事者の方や、将来的に農家を目指す方にとっては気になることの1つではないでしょうか。今回は、農家として知っておくべき法律を紹介します。
農家に関わる法律を知ることで、自分の農業に役立ててください。

農業全般および農家として知っておくべき法律

まず、農業に携わる方が基本的に知っておくべき法律をご紹介いたします。

食料・農業・農村基本法

この法律は、農業における基本法であり、国・自治体問わず農業に係る政策全般の理念を明確にし、施策を計画的に推進していくため、1999年に制定されました。
その理念の内容は多岐にわたり、主に「①食料の安定供給の確保」「②多面的機能(※1)の十分な発揮」、そしてその2つの基盤となる「③農業の持続的な発展」と「④農村の振興」の4点が基本理念となっています。
また、この基本法に基づき、おおむね5年ごとに「食料・農業・農村基本計画」が策定され、食料自給率の目標や農業や農村に対して講ずるべき施策の基本方針などが定められます。 直近では2020年の3月に新しい計画が策定され、SDGsを契機とした持続可能な取り組みの後押し政策の展開や農業のDX化推進、農業の次世代の担い手の育成・確保への施策など、今日の農家が直面しうる課題への農政の方針が取り決められました。
農業に携わっている方、将来、就農を目指す方はぜひ一度目を通してみてください。

※1 農業・農村の有する多面的機能とは、「国土の保全、水源の涵養(かんよう)、自然環境の保全、良好な景観の形成、文化の伝承等、農村で農業生産活動が行われることにより生ずる、食料その他の農産物の供給の機能以外の多面にわたる機能」のことをいいます。

農業経営基盤強化促進法

農業を始めたいけど、経営基盤や管理方法には不安が伴いますよね。そういった意欲のある農業者に対して、農用地の利用集積や経営管理の合理化など、経営基盤の強化推進の措置を講じるために整備された法律です。その中で特に農家の方の一助となり得るのが「認定農業者制度・認定新規就農者制度」です。この2つの制度は、数年後の計画を明確に持ち、その計画を各市町村に提出した意欲の高い農業者や新規就農者に対して認定を与え、交付金や補助金の受給ができたり、人材事業からのサポートを受けることが出来るようになるなどのメリットがあります。新しく独立される方や、意欲はあるけど経営面でのサポートが必要な方にとってはメリットのある制度となっています。そのほかにも、農地を効率よく貸借できる制度についても定められており、知っておくべき法律の一つですね。

農地と農作物についての法律

次に、管理する農地や農作物に関する法律を紹介します。

農地法

読んで字のごとく、農地に関する法律です。「農地」の具体的な定義を定め、国内の生産性の増大と耕作者の地位の安定を図り、国民全体の食料の安定供給を目的としています。
元々は、耕作者自身が農地を所有することを定め、他業種からの参入や農地の権利の譲渡に際して高いハードルとなる法律でした。しかし、農地を貴重な資源とし、地域との調和促進を図るため、2009年に抜本的改正が行われ、農地の貸借の規制緩和や農地転用の規制が強化されました。これにより、豊かな農地が確保され、要件を満たした一般企業の農業界への参入が容易になりました。農事組合法人や株式会社として農業に参入されたい方や、農地の貸借を考えてる方は特に注目すべき法律ですね。

農業改良助長法

農業に関する有益かつ実用的な知識を普及し、農業に関連する研究を支援することで、農業従事者の経営や農法の発達を促す法律です。農家の支援だけでなく、農業の振興や農村生活の改善も目的としており、都道府県と農林水産省が協同して取り組んでいます。
具体的な取り組みとして、農業に関する研究を行っている研究機関に補助金を交付したり、研究内容に関して助言や共同研究の実施などが行えます。また、各都道府県に農業の普及のための交付金を支給し、農家間での情報共有の場や研修会を開催すること、普及にあたっての指導者として「普及指導員」を置くことを定めています。この普及指導員は、国家試験に合格した職員しか務めることができないので、農作物に関する技術的なアドバイスや、経営への質問先として頼ってみてください。

補償に関する法律

最後に、災害や事故があったときに補償を行うことを定めた法律を紹介します。

農業保険法

農業を営むにあたって心配事の一つが地震や台風などの災害があった時の補償ですよね。その災害時の保険制度を確立し、非常時の農家への影響を緩和することを目的としているのがこの法律です。

農業に関する保険とはいっても通常の保険制度と同じように、業態や品目によってプランや掛金が異なってきます。この法律に基づく補償の制度は「収入保険制度」と「共済制度」の2つがあります。

収入保険制度

2019年1月から運用が開始された制度です。青色申告を行っている農業者(個人・法人)を対象に、自然災害や収量減に伴う収入減少を幅広く補償しています。 農作物の品目に制限がなく、簡易な加工品も対象になるため、多くの農家が補償対象になりえます。加入にあたって、保険料・積立金・付加保険料の支払いが必要ですが、国庫からの補助もあります。 補填の仕組みは、保険期間の収入が基準収入の9割(5年以上の青色申告実績がある場合の補償限度額の上限)を下回った場合に、下回った額の9割を上限として補填されます。様々なリスクをカバーしたい農家向けです。

農業共済

各地域に設立された農業共済組合または市町村が主体となって運営する相互扶助の制度です。すべての農業者の加入が可能となっています。 共済事業は、事業内容ごとに分かれ、対象品目にも制限があるので、事前に確認が必須です。 また、補償内容にも細かい対象事故や補填方法などがあるので注意が必要です。 仕組みとしては、農業者があらかじめ掛金を出し合い、被害が発生した際にはその中から共済金が支払われる方式です。共済掛金の原則50%を国が負担するため、他の共済・保険より掛金が少なく済むというメリットがあります。

この法律に基づく2つの保険制度は加入が必須というわけではありませんが、知っておくこと、活用していくことが大切ですね。

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まとめ

事業主として農業を営んでいくには、法律は切っても切れない問題ですよね。今回紹介したように、農業全般で知っておきたい法律や、作物に関する法律、保険に関する法律など、多くの場面にあらゆる法律が関わってきます。時には、「知らなかった…」では済まない事態に発展してしまうこともあるかもしれません。法律に強い農家を目指すことで、国や地方自治体が設けるシステムを最大限に活用でき、より基盤のしっかりした農業が可能になるのではないでしょうか。ぜひ農業に関する法律に関心を持ってみてください。

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この記事を書いた人

  • 農業ジョブ 編集部
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