農業法人へ就職するためには?
農業法人に就職・転職したい人の就活の進め方
就農の方法には、農業法人への就職(雇用就農)と独立して農業を始める方法(独立就農)があります。農業法人への就職・転職は、他業種の就職と同様、給与が支払われるため一定の収入が得られるというメリットがあります。独立は資金や技術が必要なので簡単なことではありませんが、独立しなくても雇用就農で農業を仕事にできるのです。
また独立を目指す人にとっても、独立前に農業経験が積めるという点で、雇用就農を経験することは大きなメリットになるでしょう。
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STEP
1自己分析 -
STEP
2農業について知る -
STEP
3求人探し・農業法人を知る -
STEP
4エントリー -
STEP
5応募書類の作成・送付 -
STEP
6面接 -
STEP
7内定・採用 -
STEP
8入社
自己分析
「就農したい!」という熱い想いや勢いは大切ですが、それだけでは自分のイメージした就農を実現させることは困難です。就農をする前に自分の考えをまとめ、就農先の仕事が自分のやりたい仕事かどうかを判断することのできる、「評価軸」を持っておくことが就農を成功に導く要素になります。
なぜ農業を仕事にしたい?
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本当に農業を
仕事にしたいのか -
どうして農業が
したいのか -
どのように
働きたいのか
これらを明確にし、やりたいことや希望する働き方などを具体化することで、職場選びが行いやすくなります。自分が目指す農業(職場)に出会える可能性も高まるでしょう。 また、面接や履歴書で、志望動機を問われることが多いですが、きちんと自分と向き合うことで、説得力のある志望動機が書けるようになります。
農業への関心は?
「自然の中で仕事がしたい」「自分らしく働きたい」など、農業を仕事にしたい理由はさまざまだと思います。しかし、その関心の深さは人によって違うのが実情です。
情報収集や農業体験により、農業のことをより深く知って、そのうえで自分に合った仕事なのかを考えることも大切でしょう。 農業体験は、実際に「農業を仕事にする」ということが具体的にイメージできるようになるなど、多くのメリットがあります。全くの未経験者よりも、(法人により異なりますが)採用に有利に働く場合もあります。
農業について知る
「野菜をつくりたい」「牧場で動物と働きたい」など、農業への関心を持っていても、実は農業について詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。 一言に「農業」と言っても、業種はたくさんありますし、業種の違いで働き方は大きく違います。業界や仕事について詳しく知ることで、就職・転職先のミスマッチを防ぐことにつながります。
農業にはどのような
業種があるのかを知る
農業には、米を育てる「稲作」もあれば、果物を育てる「果樹」、乳牛を育てる「酪農」などさまざまな種類があります。また、生産現場以外にも農産物の流通や商品企画、設備や農機の営業などの「アグリビジネス」の仕事もあります。そのため、業種が違えば経営スタイルや働き方も違ってきます。
農業にはどのような業種があり、それぞれにどのような特徴があって、どのような作業があるのか、詳しく調べたうえで自分に合った仕事を選ぶことが大切です。
農業はとても大変な仕事だと知る
「人に喜ばれる仕事がしたい」「やりがいを感じながら働きたい」という理由から、近年農業への関心が高まっています。 農業の良いところばかりが注目され、とても楽しい仕事のようなイメージを抱いている人が多いのですが、農業は「暑い」「寒い」「朝が早い」「休みが不定期」なのは当然ですし、体力的にとても厳しい仕事でもあります。数時間の農作業で音を上げる人も少なくありません。 農業の良いところだけでなく、大変な部分にも目を向けて仕事にすることを考えることが大切です。
求人探し・農業法人を知る
実際に自分に合った職場へ応募するため、具体的な求人情報を収集します。 一般的にハローワークで求人情報を収集する人が多いかもしれませんが、大まかな概要だけの掲載がほとんどです。 また、農業界の情報開示力はまだまだ低く、詳細な求人情報がなかなか出回らないのが実情です。自分に合った職場を見つけるために、詳細な求人情報が掲載されている農業専門の媒体を利用すると良いでしょう。
就農セミナーや会員サービスを利用する方法も!
農業を仕事にしたい人を対象としたセミナーやイベントに参加することで、就農者の実際の声が聞けたり就農に関する質問ができたりするなど、幅広い情報収集ができて農業への理解が深まります。また、求人情報を収集できるコーナーや求人をしている企業のブースがある場合が多いので、企業研究も可能です。
会員サービスの例を挙げると、農業求人情報サイト「農業ジョブ」では、会員登録(無料)を行うことで日本全国の求人情報の検索・応募はもちろん、キャリアアドバイザーに相談することも可能です。
イベントへの参加や会員サービスの利用によって、自分に合った就農先を二人三脚で見つけることもできるので、上手に活用すると良いでしょう。
求人情報でチェックすべきポイント
求人情報の中で、給与や待遇ばかりをチェックする人も多いかもしれません。しかし、それだけで自分に合った就農先かどうか判断することは困難でしょう。 給与や待遇だけでなく、雰囲気や生産物へのこだわり、未経験でもきちんと指導してくれるのか、生活環境はどうなのか、といった多くの点をチェックした上で自分に合った農業法人を選択することが大切です。
農業法人についての情報収集も大切
一般的な就職・転職活動と同様、会社情報を知ることは、自分の志望に合った農業法人なのかを見極めるうえでとても大切です。 近年は、農業法人の多くのがホームページを開設していますので、会社についてのより深い情報を確認し、比較検討もできるでしょう。
また、農業求人情報サイト「農業ジョブ」の求人情報は、募集要項だけでなく写真や代表からのメッセージ文章、先輩社員の紹介なども掲載しています。待遇についてだけでなく、実際の職場の雰囲気や仕事内容、働く人の人柄などがよくわかります。ぜひご確認ください。
エントリー(応募)
求人への応募方法は、ハローワーク・求人サイト・就農イベントなど、媒体や就職・転職支援機関に応じて違います。農業法人に直接連絡できる場合もあります。 応募方法は求人情報の中で説明されている場合がほとんどですので、ホームページの応募フォームを使用するのか、書類を郵送するのか、電話をするのか等しっかりと確認しましょう。 応募後は採用担当者から連絡があり、書類の送付や面接などのステップに進んでいきます。
応募書類の作成・送付
履歴書は、あなたがどんな人なのかを見極める重要なものです。書類選考に通過することだけを意識して作成するのではなく、その先の面接も意識して作成することが大切でしょう。 面接では志望動機を聞かれることが多いですが、応募書類にもしっかりと記入する必要があります。
書類選考
送付した書類(履歴書)により選考があります。農業界は他業界と異なり、採用担当者が現場での農作業も兼務している場合も多いので、選考結果の連絡に時間を要する場合があります。
面接
書類審査に通ったら、いよいよ面接です。農業法人への就活では、就職・転職希望先が遠方の場合もあるため、はじめに電話面接を行うケースもあります。
電話面接とは?
電話面接とは、就職希・転職望先が遠方の場合などに行う、電話での簡易的な面接です。面と向って話さない分、挨拶や受け答えがしっかりできるかというポイントが評価される場合もあります。また、表情がわからないため、声のトーンが低いと暗い印象を与えてしまう場合もあるでしょう。 直接顔を合わせないからと言って気を抜くことがないように、しっかり準備して臨むことが大切です。
現場での面接
現地に出向き、農場や牧場に隣接する事務所で社長や採用担当者と面接を行います。就職・転職希望先の規模などに合わせて、服装を考える必要があるでしょう。 企業体であればスーツ、家族経営や規模が小さいところであれば、普段着でも問題ないでしょう。しかし、普段着といっても、失礼のないような服装をしなければいけません。(スウェット・短パン・タンクトップなどはNGです。)
逆質問の注意点
聞きたいことがある場合にはもちろん質問できますが、面接は相手に自分を見てもらうことが第一の目的だということを忘れてはいけません。待遇のことばかり聞くなど、内容によっては印象を悪くしてしまう可能性があります。 ただしその場で合格(採用)を伝えられた場合は、給与・住居等の待遇についてしっかりと確認をして双方合意することが重要です。
体験・見学
農業法人によっては、面接と同時に現場の見学や体験ができるケースも多いです。実際に仕事をしてみて、「自分がこの仕事を続けていけるのか」「仕事に楽しさを感じられるのか」などを体験して見極めましょう。
また遠方からの応募の場合、就職・転職するに当たって引っ越しが必要になるため、仕事だけでなく移住に不安を抱く人は少なくありません。しかし、事前に仕事や現地での暮らしを体験できればミスマッチを回避できるでしょう。そのため1~2週間の体験を受け入れてくれる農業法人もあります。面接日を決める時に、事前に相談してみましょう。
内定・採用
面接後は就職・転職希望先から合否の連絡を待つことになりますが、結果が出るまでに時間がかかる場合もあります。ただし結果が出る予定の日から10日程度待って連絡がない場合には、一度選考状況を問い合わせても失礼にはあたらないでしょう。
農業法人から内定をもらい、自分の決心も固まり入社意思の返事をしたら、めでたく採用となります。
入社
農業界においても他業界同様、労働条件は書面(労働条件通知書や雇用契約書等)で確認し、法人と労働者双方が署名・捺印を行って1枚ずつ保管します。遠方の場合には現地へ引っ越す必要があるので、必ず事前に書面で確認をし、引っ越し後にトラブルが発生することが無いように気を付けなければなりません。
農業界は「働き方改革」という部分では今が導入期です。入社後も困ったことがあれば経営者側に相談をし、常にコミュニケーションをとりながら、働きやすい職場をお互いに協力しながら作っていきましょう。