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酪農

酪農とは

概要(業種の基本情報)

乳や肉などを生産するために動物を飼育することを畜産といい、その中でも、牛や山羊などを飼育し、乳や乳製品を生産する畜産のことを酪農といいます。日本国内では主に、牛を飼って牛乳を生産する酪農が盛んに行われています。 一口に酪農といっても、数十頭程度の牛を家族で飼う個人牧場から、数千頭の牛を飼う法人牧場まで、経営規模は大小さまざまです。近年では牛乳を生産するだけでなく、生産した牛乳を使ってチーズやバター、アイスクリームなどの乳製品を加工、販売したり、観光牧場としてお客さんを呼び込んだりするような「農業の6次産業化」に取り組む牧場も増えてきています。

生産物例

酪農で生産された牛乳はそのまま飲用には販売されるほか、チーズやヨーグルト等、用途に応じて様々な商品に加工・販売されます。近年では、酪農牧場が自社で牛乳を加工して乳製品を製造・販売したり、ソフトクリームやチーズなどの加工品を牧場内のカフェレストランなどで販売したりする事例も増えてきています。こうした、生産(一次産業)、加工(二次産業)、流通・販売(三次産業)を組み合わせた経営の多角化は「6次産業化」と呼ばれ、新たな農業経営の形態として注目されています。

酪農の仕事

酪農の年間スケジュール(例)

酪農の仕事の基本は毎日の搾乳と牛の世話です。一般的な牧場では、「搾乳」、「牛舎の清掃」、「餌やり」、「仔牛の哺乳・育成」を毎日行います。動物相手の酪農では季節、天候に関係なく365日仕事を行う必要がありますので、休日などはシフト制の勤務により交代で取得するケースが多くなっています。北海道などの牧草地を有する牧場では、春~夏に自家生産している牧草の収穫の仕事が入り、この期間は忙しくなります。また観光牧場や加工品の販売店などを併設している牧場などでは、それらの関連業務が加わることがあります。

酪農の1日の仕事の流れ(例)

酪農牧場の一日は、早朝から始まります。牛たちが健康で快適に過ごせるよう牛舎の清掃を行い、餌をやります。多くの酪農牧場では1日2回搾乳を行っており、1回目の搾乳を朝4~5時頃から、2回目の搾乳を夕方4~5時頃から行います。生き物相手の仕事なので、急なお産や病気などへの対応が求められることもあります。

酪農にはこんな仕事がある

仕事の種類

搾乳

搾乳とは文字通り牛の乳を搾ることで、酪農の中でも最も基本的かつ重要な仕事のひとつです。一般的な酪農牧場では、朝と夕の2回搾乳を行うところが多く、搾乳の方式としては、一頭一頭繋がれた牛のもとで行う「パイプライン方式」、複数頭の牛を搾乳室(パーラー)に集約して効率的に搾乳する「ミルキングパーラー方式」のいずれかが主流です。パイプライン方式は数十頭程度の牛を繋いで飼う「つなぎ牛舎」で主に導入され、牛一頭一頭の健康状態をしっかり観察できるといった長所がある一方、腰をかがめての作業や搾乳機械の移動など、人的負担が大きいといった短所もあります。これに対し、ミルキングパーラー方式は、数百頭~数千頭を飼養する中~大規模牧場で多く導入され、多頭数を効率的に搾乳できたり、機械化・自動化などにより人的負担が軽減されたりなどの長所があります。また、近年では技術革新により設備のハイテク・IT化が進んでおり、全自動で牛の搾乳を行うことができる「ロボット搾乳方式」のような最先端の機器を取り入れる牧場も出てきています。

牛舎の清掃・餌やり

酪農では、牛たちがストレスなく健康に過ごすことができる環境を作ってあげることが大切です。そのため、毎日の牛舎の清掃は念入りに行います。また、良質な乳をたくさん出してもらうため、毎日の餌やりも重要な仕事です。

牧草収穫

北海道などの牧草地を有する牧場では、春〜夏の時期に牧草の収穫の仕事があります。トラクターなどの大型機械を使った、まさに「これぞ農業」といったダイナミックな作業になります。牧場によっては、こうした大型機械の免許取得から操作方法の指導まで行ってくれる所もあります。

酪農の仕事のやりがい・働く魅力

受け入れ体制がしっかり整えられている企業が多い

酪農牧場では、お産や病気などに対応したりするため、住居を牧場に併設させる場合が多くあります。 そのため、従業員用の住宅も完備しているところが多く、独身寮や家族寮を揃えている牧場も少なくありません。また、外出用として車を貸与してもらえるなど、牧場によっていろいろな待遇を用意しています。

自然の中で動物を相手に仕事ができる

牧場での仕事は朝が早く、肉体労働も大変ですが、それ以上にやりがいや心の充実感を味わうことができます。また、牛以外にも羊や豚などいろいろな動物を飼っている牧場も多く、大自然の中でいろいろな動物と触れ合いながら仕事ができるので、「動物が好き」という方にはもってこいの職場です。

後継者候補を募集している牧場もある

独立就農を目指す方が増えていますが、酪農の場合、搾乳をするための設備などを整える費用がかかるため、独立はとても困難です。一方で、牧場主の高齢化や後継者の不在などから後継者候補を求める牧場も増えてきています。将来独立を目指す方は、そうした牧場を選んで就農されることが独立への近道になります。

酪農のQ&A

どんな人が向いていますか
搾乳や牛舎の清掃など、毎日同じ仕事をしっかりこなすことが必要ですので、コツコツと努力を積み重ねることができる方や、根気のある方には向いています。また、牛を飼う酪農は動物を相手にする仕事ですので、「動物が好き」という方にも向いている仕事です。
長期休暇はとれますか?
酪農牧場の仕事そのものには365日休みがありませんので、事業体としてどのような勤務形態、休日体制をとっているかによってケースバイケースですが、規模が大きく従業員の多い事業体では比較的長期の休暇が取りやすいことがあります。また、「酪農ヘルパー」と呼ばれる派遣型の酪農スタッフとして、派遣事業体のスタッフとして働く場合には、比較的休みに融通がきくケースがあります。
体力面が心配。女性でもできますか?
搾乳用設備のミルキングパーラーの普及など、酪農は機械化、省力化が進んでいるため、体力の心配なく働ける牧場が多くあります。動物を相手にした仕事では、女性ならではのきめ細かな気配りが活かされることもあり、酪農の現場では多くの女性が活躍しています。
未経験でも働けますか?
酪農牧場に就職する方の多くが未経験の方です。酪農に限らず、農業は未経験からスタートされる方が多いので、経験の有無については心配ありません。
大きい牧場と小さい牧場。働く上での違いはなんですか?
酪農牧場の規模は、一般的には飼っている牛の頭数で比較されます。比較的小規模と言われる牧場は、数十頭~百頭前後の牛を主に家族経営で飼養しています。こうした小規模牧場では、「つなぎ牛舎」と呼ばれる、牛一頭一頭を繋いで飼うスタイルの牛舎で牛を飼っていたり、家族のみ、または家族と1~2名ほどのスタッフで運営していることが多く、牛一頭一頭をしっかり見る力が身に付いたり、酪農の基本的な仕事を全般的に学べたりします。未経験者が酪農を学ぶ環境として適している一方、人手が少ないため、長期の休みなどは融通が利きにくい場合があります。一方、数百頭~数千頭の牛を飼う大規模牧場では、法人形態をとっている事業体が多く、雇用条件や福利厚生が整っていたり、業務の機械化や効率化によって負担の少ない作業環境が整備されていたりといったメリットがありますが、作業の分担化によって、日々同じ業務をこなすことが多くなるというケースもあります。もちろん、規模以外にも様々な経営体の特徴がありますので、まずはいろんな牧場の求人をチェックしてみることをお勧めします。

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この記事を書いた人

  • 農業ジョブ 編集部
  • 農業求人情報サイト「農業ジョブ」編集スタッフ。
    仕事の魅力やそこで働く方たちを日々取材しています。

    日本の農業・林業・漁業を盛り上げるべくさまざまな視点から情報を発信中!
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