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農業でSDGs実現!取り組み事例や課題も解説

農業で達成できるSDGsは何番?取り組み事例や課題も解説!

農業の力で未来が変わる!?最先端技術や自然を活かした取り組みが、地球と私たちの生活をもっと豊かにします。SDGsを達成するために、農業がどんな可能性を秘めているのか、一緒に探ってみませんか?

SDGsとは?

SDGsとは、みんなが幸せに暮らせる世界を目指すための国際的な目標です。17の目標と169のターゲットの実現を通じて、貧困や飢餓をなくしたり、地球を守ったり、みんなが平等に幸せに暮らせる社会をつくることを目指しています。

SDGsの17の目標

例えば、海や森を守ることや、誰もが教育を受けられるようにすることもSDGsの一部です。世界がもっと良い場所になるように、みんなで努力しようというアイデアが詰まっています。ゴミを減らしたり、周りの人を助けたりといった小さな行動から始めることができます。
2022年には、国が2050年までに「化学農薬使用量の50%削減」「化学肥料使用料30%削減」「化学燃料を使用しない園芸施設への完全移行」などを目指す方針を発表しました。昨今、持続可能な農業の実現が注目を浴びています。この記事では、実際の取り組み事例や、農業×SDGsの実現への課題や補助金についても紹介していきます。

農業で叶えられるSDGsは何番?

農業では、様々な角度から全ての目標の達成を目指すことができます。三つの視点から、どんな目標が叶えられるのか見ていきましょう。

農業の技術革新と効率化

日本の農業では、技術革新が進み、スマート農業の導入が広がっています。これにより、農作物の生産性が向上し、「飢餓をゼロに」するための食料供給が安定します。

また、精密農業により農薬や肥料の使用が最適化され、「すべての人に健康と福祉を」達成するための安全な食品の提供に寄与します。目標2、3、9が当てはまります。

農業で叶えられるSDGsの目標
農業で叶えられるSDGsの目標

環境保護と持続可能な農業

環境保護のために、省エネ技術や持続可能な農法が導入されています。これにより、農業が温室効果ガスの排出を抑え、「気候変動に具体的な対策を」実施することが可能になります。

また、土壌の保護や水資源の効率的利用が促進され、「陸の豊かさも守ろう」と「安全な水とトイレを世界中に」という目標達成に貢献します。目標6、7、12、13、14、15が当てはまります。

地域経済と社会の発展

地域ごとの農業の発展は、新しい雇用の創出と経済成長を促進し、「働きがいも経済成長も」に寄与します。地域の農業者が技術を共有し、地域全体で持続可能な発展を目指す取り組みは、「産業と技術革新の基盤をつくろう」という目標にも関連します。目標1、4、5、8、10、11、16、17が当てはまります。

農業で叶えられるSDGsの目標

農業×SDGsの取り組み事例

農業では様々なテクノロジーを駆使してSDGsを実現しています。ここでは、スマート農業と有機農業を取り上げて、農業×SDGsの取り組み事例を見ていきましょう。

事例①:スマート農業での取り組み

スマート農業は、AI(人工知能)やドローンなど、最新の技術を使って行う新しい農業のことです。これにより、農作業をもっと効率よく行い、収穫量や作物の品質を高めることができます。スマート農業は、持続可能な開発目標(SDGs)にも深く関わっており、さまざまな分野で環境や社会に良い影響を与えます。ここでは、農業の生産性や効率、環境保護、そして地域の発展という3つの分野について説明します。

農業の生産性と効率の向上

農業用ドローン

ドローンを使うことで、農業の生産性と効率が大きく向上します。たとえば、ドローンを使って、作物の成長の様子や土の湿り具合を細かくチェックすることができます。この情報をもとに、必要な肥料や水を適切なタイミングで与えることができるので、作物の収穫量が安定し、農薬や肥料を無駄に使うことも減ります。こうした工夫は、世界中での食料不足を解決する手助けにもなります。また、農業が効率よく行えることで、若い人たちが農業に興味を持ち、農業が魅力的な仕事として見られるようになる効果もあります。

環境保護と持続可能な資源管理

ドローンの技術は、環境を守ることにも大いに役立ちます。農薬や肥料を必要な分だけ使うことで、自然への悪影響を減らすことができるのです。また、ドローンを使った水管理システムによって、水を無駄なく使えるようになります。これにより、清潔な水を世界中の人々に届ける目標にも貢献しています。さらに、ドローンを使った農業では、温室効果ガスの排出を少なく抑えることができるので、地球温暖化への対策にもつながります。こうして、土地を効率よく使うことができるようになり、土の質が悪くなるのを防ぎ、自然を守ることができるのです。

社会的・経済的な発展

ドローン技術は、社会や経済の発展にも役立ちます。スマート農業が広がることで、地域の経済が活性化し、新しい仕事が生まれます。これにより、農村地域が元気になり、産業や技術の発展を支える基盤が強くなります。また、スマート農業を通じて、食べ物を作る量と消費する量のバランスが取れるようになり、食べ物の無駄を減らすことができます。これにより、持続可能な消費と生産を実現する目標にも貢献しています。

スマート農業、特にドローンの導入は、農業の生産性向上から環境保護、そして地域社会の発展まで、SDGsの多くの目標に対して多角的な貢献を果たすことが期待されています。

事例②:有機農業の取り組み

近年、農薬や化学肥料を使わない「有機農業」という農業の方法が広まっています。有機農業は、化学肥料や農薬を原則使わずに、環境を守りながら安全で美味しい食べ物を作るための大切な取り組みです。二つ目の事例では、島根県でどんな有機農業が行われているかについて紹介します。

農業の生産性と効率の向上

合鴨農法

島根県の中山間地域(山や丘が多い地域)では、農薬を使わずにお米や野菜を育てるために、いろいろな工夫がされています。たとえば「合鴨農法」という方法では、田んぼに合鴨というカモを放して、雑草や害虫を食べてもらいます。こうすることで、農薬を使わなくてもお米を健康に育てることができるんです。さらに、合鴨のフンが田んぼの肥料になり、土を豊かにしてくれるので、美味しいお米が作れるようになります。

また、島根県では有機野菜もたくさん育てられています。島根県大田市では、有機野菜を地元の市場や都市に出荷しており、こうした活動が地域の経済を元気にしているんです。最近は、健康や環境に良い食品を選ぶ人が増えているので、有機野菜の人気もどんどん高まっています​。
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環境保護と持続可能な資源管理

有機農業は、自然を守るためにもとても大切な取り組みです。例えば、島根県の浜田市弥栄地区(はまだしやさかえちく)では、除草剤を使わずに米を育てる取り組みを行っています。その代わりに、丈夫で強い苗を育てて、自然の力を活かして農業を行っています。こうした方法は、自然環境に優しく、未来に向けても持続可能な農業を支える大事なポイントとなっています。
また、島根県では、水を効率的に使うための研究も進められています。山や丘の多い地域では、水の管理が難しいこともありますが、雨水を上手に利用する方法が考えられています。こうした研究が、有機農業の発展を助けているんですね​。

地域社会の発展

有機農業は、地域の人々にとっても良いことがたくさんあります。地元で作られた有機農産物は、直売所や市場で売られ、地域の経済を元気にしています。また、新しい仕事が生まれることで、地元の若い人たちが農業に関わりやすくなり、地域に住み続けるきっかけにもなっています。
例えば、松江市では、有機農業を学ぶための研修プログラムが行われています。これを通じて、若い世代が農業に興味を持ち、将来の農業を担う人材が育っています。こうした活動が、地域全体を元気にし、地元のブランド力を高めることにもつながっています​ 。

島根県の有機農業は、自然を守りながら、安全で美味しい食べ物を作るための重要な取り組みです。この取り組みは、農業の生産性を高めるだけでなく、環境保護や地域の発展にも役立っています。これからも、島根県の有機農業がさらに発展し、多くの人に支持されることが期待されています。

導入するには?

持続可能な農業の実現を目指し、SDGsの達成に向けた取り組みを考えている方もいると思います。ここでは、補助金や課題などをご紹介します

課題

例えば、ドローンを活用したスマート農業を例に挙げると、SDGsを意識した農業を行うには次の課題点が挙げられます。

コスト

ドローンなどの機器を手に入れるにはお金がたくさんかかります。これが、小さな農家にとっては大きな負担になることがあります。

技術の習得

ドローンやスマート農業の技術を使いこなすためには、特別な知識とスキルが必要です。それを学ぶためには時間と努力が必要です。

データの扱い

ドローンが集めるデータはとても多く、これを管理し、うまく活用するためには、パソコンやソフトウェアの使い方を知っておく必要があります。

環境への影響

ドローンが使う電気や、使わなくなった機器の処理が、環境に影響を与えることがあります。これも考えなければなりません。

ルールや法律

ドローンを使うには、国や地域ごとに決められたルールがあります。それに従うために、ルールをよく知っておくことが必要です。

補助金

導入にあたって、コストや知識など、様々な課題点があることを紹介しました。しかし、国や地方自治体が補助金の支援を行っている場合もあります
2024年4月には、持続可能な農業を促進するために、農林水産省はSDGsの実現を目指していることを一部の補助金交付の条件に加えました。例えば、環境への影響を削減する活動に取り組んでいるなどすれば、支援金を受け取ることができます。また、環境保全型農業直接支払交付金などにおいても、環境保全に効果の高い営農活動に対して支援を行っています。
環境に対する取り組みをしている農家さんが受けられる支援金を簡単にまとめましたので、ぜひチェックしてみてください。

受けられる補助金
環境保全型農業直接支払交付金
みどりの食料システム戦略推進交付金
多面的機能支払交付金
強い農業づくり総合支援交付金
農地利用効率化等支援交付金

そのほかにも、例えば新潟市での「農業脱炭素・SDGs推進事業費補助金」など、地方自治体独自の取り組みを実施している場合があります。ぜひお住いの地域で調べてみてください。

また、環境への取り組み以外においても受けられる補助金を探している方は、こちらも参考にしてみてください!

まとめ

農業でSDGsを実現することは、未来の地球を守る大切な一歩です。最新技術や有機農法を駆使して、安心で美味しい食べ物を作りながら、環境を守り、地域を元気にする取り組みが広がっています。みんなで力を合わせて、持続可能な世界を目指しましょう。
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よくある質問

持続可能な農業の達成に受けた取り組みは様々なものがあります。例えば、AI(人工知能)やドローンなどの最新の技術を使って行うスマート農業、農薬や化学肥料を使わない有機農業で環境への負担を減らすなどの取り組みがあります。

農業では、様々な角度から全ての目標の達成を目指すことができます。

導入にあたって、コストや知識など、様々な課題点があります。しかし、国や地方自治体が補助金の支援を行っている場合もあります。

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この記事を書いた人

  • 農業ジョブ 編集部
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