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春キャベツは普通のキャベツと何が違う? キャベツといっても色々ある!

世界にはさまざまな種類の野菜が存在します。

皆さんが日常で食べている野菜。いま、世界で流通している種類を合計すると800種類以上といわれています。その種類の多さが八百屋の由来になったという諸説もあります。そんな数多くの野菜の中で、皆さんが思い浮かべるのはどんな野菜ですか?レタス、キュウリ、ジャガイモ、白菜、ニンジン…
いろいろな野菜がありますが、今回は、サラダや炒め物など、どんな調理法でもおいしく食べられる「キャベツ」についてお話します!

主な産地

キャベツの種類

年間を通していろいろな料理に使われているキャベツは、食文化が豊かな日本人にとって欠かせない野菜です。
皆さんが普段何気なく食べているキャベツですが、ケール、芽キャベツ、紫キャベツ、プチヴェールなど、6種以上も種類があり、その中の品種を合わせると45種以上にのぼります。
私たちの身近にもたくさんの種類のキャベツがありますね。
今回はその中から、スーパーで日常的に目にする緑色のキャベツの生産地について見ていきましょう。

日本のキャベツ収穫量

都道府県収穫量(t)割合(%)
全国1,434,000
1位愛知262,30018.3%
2位群馬256,50017.9%
3位千葉119,5007.4%
4位茨城105,8005.0%
5位鹿児島72,2004.6%
農林水産省 令和2年産野菜生産出荷統計

国内でのキャベツの主な産地は、愛知県、群馬県、千葉県。生産量1位は愛知県で、全国の18%を占めています。続いて2位の群馬県が17.9%。この2県が日本のキャベツの主な産地です。表を見ると、関東地方をメインに、各地方でキャベツが生産されていることが分かりますね。
各地方で生産されるキャベツは、産地により種類に違いがあるんですよ。次は、その違いについて説明します。

春・夏秋・冬キャベツって何が違うの?

春キャベツ

都道府県収穫量(t)出荷量(t)
1位愛知62,50059,400
2位千葉56,00052,000
3位茨城44,70042,700
4位神奈川41,40039,800
5位鹿児島19,10017,500

夏秋キャベツ

都道府県収穫量(t)出荷量(t)
1位群馬244,10022,1400
2位長野56,70051,700
3位北海道45,40043,200
4位岩手28,80026,400
5位茨城21,40020,200

冬キャベツ

都道府県収穫量(t)出荷量(t)
1位愛知199,600188,000
2位千葉60,40057,100
3位鹿児島52,50046,900
4位茨城39,70036,900
5位神奈川23,20021,600

農林水産省 令和2年産野菜生産出荷統計

キャベツは季節によって、春キャベツ、夏秋キャベツ、冬キャベツに分けられ収穫地が異なります。 収穫地や種類にもよりますが、種まきから育てて収穫までにかかる栽培期間は、110日~140日ほどです。

春キャベツ

春キャベツ

春キャベツは4月~6月に収穫されます。他の時期に収穫されるものに比べると、色が鮮やかな黄緑色をしており、葉が柔らかくてみずみずしいのが特徴です。主な産地は愛知県、千葉県、茨城県です。それぞれの県で盛んに栽培されています。

夏秋キャベツ

春キャベツの季節が終わると、7月~10月に収穫される夏秋キャベツが市場に出回ります。

夏秋キャベツ

春キャベツと冬キャベツの中間的な特徴があり、葉は厚めでも柔らかく甘みがあり、生でも加熱でもおいしく食べられます。夏秋キャベツは、標高800m〜1,400mほどの群馬県嬬恋村で主に生産されており、高原キャベツともよばれます。

冬キャベツ

冬キャベツは11月~3月に収穫されます。楕円形をしており、葉と葉の間がギュッと詰まっていて、固めでシャキシャキとした食感があります。主な産地は愛知県で、2位の千葉県と1桁差が付く生産量を誇ります。皆さんが冬に食べるキャベツは、愛知県のものを食べているかもしれませんね。

冬キャベツ

写真で見ると、収穫時期によってキャベツの見た目や身の詰まり方が違うことが分かります。スーパーでキャベツを選ぶ際に注目してみてください。
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関東・関西での流通のちがい

日本に普及するまでの歴史

キャベツの起源は、紀元前600年ごろのヨーロッパの地中海沿岸と言われています。古代ギリシャ人に薬として用いられ、紀元前400年前に食用として栽培が始まったという歴史があります。 野生として生育していたケールがキャベツの始まりで、私たちが普段目にしているような球体型のものではありませんでした。長年に渡りヨーロッパ各地で品種改良が重ねられ、約1000年前に葉が丸く巻く品種が作られたことで現在の形のキャベツになりました。日本では、第二次世界大戦後に洋食文化が広まった際、トンカツの添え物として、全国で食べられるようになりました。

キャベツは地中海沿岸のような冷涼な気候を好み、生育適温は15℃~20℃です。
日本では、各地の涼しい季節に合わせて南から北へ生産地をリレー形式で繋ぐことで、一年中、美味しいキャベツを食べられます。それでは、東京と大阪、それぞれの市場で取引されるキャベツの月別入荷実績から、流通のちがいについて見ていきましょう。

東京のキャベツの流通

令和元年 キャベツの月別入荷実績(東京都中央卸売市場計)

東京のキャベツの流通
農畜産業振興機構「ベジ探」、原資料:令和元年東京都中央卸売市場年報

東京の月別入荷実績を見ると、季節によって産地を受け継いでキャベツを供給していることが分かります。
11月から5月にかけて主に愛知から入荷があります。暖かくなるに連れて神奈川県の生産量が増え、関東に生産地が移動しています。暦上初夏と言われる5、6月に千葉県に産地が移り、夏本番の7月~10月は高原で涼しい気候の群馬県で夏秋キャベツの生産が行われていますね。

大阪のキャベツの流通

令和元年 キャベツの月別入荷実績(大阪中央卸売市場計)

大阪のキャベツの流通
農畜産業振興機構「ベジ探」、原資料:令和元年大阪市、大阪府中央卸売市場年報

大阪の月別入荷実績を見ると、東京と同様に産地を受け継いでいます。11月から6月にかけて主に愛知から入荷があります。また、東京にはない兵庫県からの供給もあり、関西近辺の産地のものが市場に流通していることが読み取れますね。6月からは茨城県を皮切りに関東に産地が移動し、7月から10月は群馬県産および長野県産で全入荷量の90%以上を占めています。

まとめ

いかがでしょうか。1年を通して食べられるキャベツには、南から北へ産地をリレーして皆さんに届けられているという秘密がありました。これからは「今食べているのはどこのキャベツがなのかな」と思い浮かべながら食べてみると面白いかもしれないですね。
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よくある質問

キャベツはアブラナ科の野菜で、葉が重なり合って丸い形を形成します。原産地はヨーロッパで、栄養価が高く、ビタミンCや食物繊維が豊富です。生でサラダに使ったり、炒め物や煮物、漬物などさまざまな料理に利用されます。

ケール、芽キャベツ、紫キャベツ、プチヴェールなど、6種以上も種類があり、その中の品種を合わせると45種以上にのぼります。

キャベツの歴史は古代ヨーロッパに遡ります。キャベツの原種は地中海沿岸地域で栽培され、紀元前1000年頃には古代ギリシャやローマで食用として広く利用されていました。中世ヨーロッパでは栽培技術が発展し、品種改良が進みました。日本には江戸時代後期にオランダ商人によって伝えられ、明治時代に本格的に栽培が始まりました。現在では、キャベツは日本を含む世界中で広く栽培され、さまざまな料理に利用される人気の野菜となっています。

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この記事を書いた人

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