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野菜の値段を調査!平均価格や変動の理由

あの野菜の値段は?
季節毎の変動やリレー栽培などの取り組みまでご紹介

私たちの生活に欠かせない野菜。老若男女や収入問わず日常的に必要なものなので、野菜の値段は私たちの生活にも大きな影響を与えます。
そんな野菜の全国平均価格一覧や価格変動の理由、リレー栽培などの価格安定のための取り組みまで、ジブン農業がまとめてご紹介します。

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野菜の価格

日本で多く食べられている主要な8品目の野菜(キャベツ・ねぎ・レタス・じゃがいも・たまねぎ・きゅうり・トマト・なす)価格をご紹介します。 農林水産省発表の各都道府県10店舗(全国470店舗)の小売店へ訪問調査を基にまとめた、消費税を含む小売価格です。

主要な8品目の価格

1個・1本あたりの価格ではなく、各野菜の1㎏あたりの価格です。1個・1本あたりですと、例えばキャベツは1個で1㎏に対してなすは1個50~80gと総重量にかなり差が出てしまうため、1kg当たりの値段に統一しています。2019年10月~2020年3月の半年間の各品目の値段を表にまとめました。
※ジャガイモ、きゅうり、なすは冬季の価格が公表されていないため、表の上から順に2019年4月~2019年9月の情報です。

キャベツねぎレタスたまねぎトマト※じゃがいも※きゅうり※なす
2019年10月1週目171円752円460円238円958円340円550円705円
2019年11月1週目137円708円532円235円820円355円440円619円
2019年12月1週目144円682円507円233円865円351円441円564円
2020年1月1週目151円720円505円236円726円348円495円597円
2020年2月1週目120円549円445円232円675円392円513円616円
2020年3月1週目119円500円368円229円690円369円746円622円
資料:農林水産省『食品価格動向調査(野菜)』を基に作成

【参考】1㎏の目安:キャベツ=1個、ねぎ=8本、レタス=3個、じゃがいも=6個、たまねぎ=5個、きゅうり=10本、トマト=5個、なす=12個

主要な8品目の価格の平年比

平年比とは、調査価格の過去5年の平均価格と比較したものです。2019年10月~3月の半年間の各品目の平年比を表にまとめました。
※ジャガイモ、きゅうり、なすは冬季の情報が公表されていないため、表の上から順に2019年4月~2019年9月の情報です。

キャベツねぎレタスたまねぎトマト※じゃがいも※きゅうり※なす
2019年10月1週目79%89%63%93%119%88%104%103%
2019年11月1週目63%95%93%95%102%84%89%96%
2019年12月1週目88%100%91%96%114%88%95%96%
2020年1月1週目70%92%67%95%96%91%99%105%
2020年2月1週目53%75%69%91%94%105%100%113%
2020年3月1週目61%73%72%88%95%103%107%98%
資料:農林水産省『食品価格動向調査(野菜)』を基に作成

以上の2つの表を見て分かるように、半年間という短い期間でも、毎月のように価格や平年比が変動していることが分かります。

野菜の価格変動とその理由

直近半年間という短い期間でも、価格や平年比が変動していることは先ほど説明しました。
ここでは代表的な野菜であるキャベツを例に、より長期的な期間での価格変動、そしてなぜ価格が変動したのかを説明します。

キャベツで見る3年間の推移

野菜は天候によって生育や収穫量が変動する上に、保存することも難しいので、供給できる量が変動することで価格も大幅に変動します。次のグラフで、平成28年~平成30年の卸売価格が平年価格(過去5年の月別価格の平均値)を上回った原因・下回った原因を説明しています。

資料:東京中央市場青果卸売会社協会調べ

値下がりすると、農家さんの意欲低下で逆に値上がりする!?野菜は品目の転換が比較的容易であることから、価格変動に応じて「作付面積」も変動しやすいという面があります。例えば、今自分が作っているキャベツが値下がりしてしまったから、玉ねぎに転換しよう!ということができるのです。こうなると、キャベツの作付面積が減る=キャベツの供給量が減ります。
すると供給量が減ったキャベツは、今度は値上がりするのです。
分かりやすく図にまとめてみました。

どんな業界でも、利益の無い商品よりも利益がある商品、つまり儲かる商品を作りたいですよね。農業界も同じなのです。

野菜の価格安定のための取り組み

野菜が価格変動する理由は説明しましたが、野菜は社会的影響が大きい分野なので、価格安定のために色々な取り組みがなされています。
いくつかピックアップしてご紹介します。

産地リレー

日本列島は南北に長いため、各都道府県で気候が異なります。その特性をうまく利用し、季節によって産地を切り替える「産地リレー」で生産を行うことで、野菜の安定供給を行っています。

関東で消費されるキャベツを例に挙げると、春は神奈川・千葉など都市近郊の関東平野部、夏から秋は、群馬などの冷涼な関東高冷地、冬は温暖な愛知県が主産地となっています。

生産者補給金の交付

14品目の指定野菜(国民消費生活上重要な野菜)と35品目の特定野菜(指定野菜に準ずる重要な野菜)の価格が、平均価格より著しく低落した場合に、生産者補給金を交付しています。
消費者への安定供給=価格の安定には、野菜が安定して生産・出荷されることが重要です。要するに、生産者を支援して安定した生産活動をしてもらうことが、結果として価格の安定につながるのです。

近年は台風や日照不足の影響で野菜価格が長期にわたり高騰するなど、異常気象に伴い高値で推移する傾向です。しかし平成29年度の場合、長雨や低温等の異常気象により高値で推移した時期があった一方、天候が良好で安値で推移した時期も長かったことから、結果的に前年度より交付金額が増加しています。

契約野菜安定供給事業

ニーズの高い加工・業務用野菜の生産拡大を図るため、契約栽培(太字)の促進が今後とも重要とされています。契約栽培とは、品質・数量・価格などの条件を生産前に契約し、それに基づき農家が農作物を栽培する取引のことです。飲食店などの発注側は一定の価格で必要な数量を通年で確保できるメリットが、契約農家としても安定した供給先=安定した売り上げを確保できるメリットがあります。
契約栽培促進のため、平成14年に野菜生産出荷安定法を改正され、出荷団体や生産者が中間事業者や加工業者等と契約取引を行う場合のセーフティネット措置が創設されました。
平成23年度にはセーフティネット支援強化のため、新たに価格×数量の差額を補てんする『契約野菜収入確保モデル事業』が導入されました。さらに平成25年度には、市場価格の高騰時も契約取引を維持しつつ、農家の所得安定が図られるような仕組みを同モデル事業に追加しています。

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この記事を書いた人

  • 農業ジョブ 編集部
  • 農業求人情報サイト「農業ジョブ」編集スタッフ。
    仕事の魅力やそこで働く方たちを日々取材しています。

    日本の農業・林業・漁業を盛り上げるべくさまざまな視点から情報を発信中!
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