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農業用ドローンとは?活用事例や価格は?

今、農業界では空を飛ぶドローンが新たな革命を起こしています。これまで手間と時間がかかっていた農作業が、最新の技術で効率化されているのです。ドローンを使えば、作物の健康状態をリアルタイムでチェックでき、農薬や肥料の散布も精密に行えます。さらに、これにより労働負担が軽減され、コストも削減されるといいます。この技術がどのように農業の未来を変えているのか、詳しく見ていきましょう。

農業用ドローンとは?どんなものがある?

農業用ドローンとは?

農業用ドローンとは、農業で使う機能を搭載するなどした特別なドローンのことです。農業用ドローンを使うと、農業がもっと効率的に、また正確に行えるんです。農業用ドローンは農作業をサポートするための便利な道具で、効率的に作物を育てる手助けをしてくれます。
例えば、空から農地を見て作物の様子をチェックすることができます。ドローンにはカメラやセンサーがついているため、作物の健康状態や土壌の状態を測定したり、写真や映像を撮ったりします。そのデータを使うことで、農業の計画を立てるのがとても効率的になります。
さらに、散布装置がついている農業用ドローンは農薬や肥料を空中から均等に散布することができます。この方法によって、手作業で散布するよりもムラなく、効率的に作業を行うことができます。
また、ドローンを使うことで農業作業にかかる時間を大幅に減らすことができるため、農家さんのお仕事が楽になります。

農業用ドローンの種類

農業用ドローンでできることとして、まず農薬の散布が挙がります。ですが、それだけではなく様々な場面でドローンは活躍しています。
2022年度に農林水産省が発表した農業用ドローンの活用状況によると、農業用ドローンの種類は農薬散布、肥料散布、播種、受粉、農産物等運搬、ほ場センシング、鳥獣被害対策、情報収集・発信の7つに分けられています。

活用方法概要
農薬散布農薬を散布し、効率的な農業を実現。
肥料散布肥料を散布し、散布の精度と作業時間を改善。
播種ドローンを使って種をまき、作業時間を短縮。
受粉花粉を混ぜた液体の散布を行う。
農産物運搬収穫物を集荷場まで運搬し、高齢者の出荷支援に貢献。
ほ場センシングドローンを使い農作物の生育状況をリアルタイムで把握し、施肥や農薬散布のタイミングを最適化。
鳥獣被害対策ドローンを使い、鳥獣の生息状況を分析する。
農林水産省「令和4年度 農業分野におけるドローンの活用状況」をもとに作成

こうしてみると、農業用ドローンと聞いて一般的にイメージされる農薬散布以外でも、さまざまな所で活躍しているんですね。

農業用ドローンのシェア

では、農業用ドローンはどのメーカーのものが有名なのでしょうか。農林水産省が2019年に公表した「農業用ドローンの普及に向けて(農業用ドローン普及計画)」を見ると、当時農業用ドローンを使用していた人のうち40%が、中国に本社を置くDJI社のドローンを使用していました。次いで丸山製作所が16%を占め、エンルートが15%と後に続いています。

農業用ドローンメーカーシェア上位5社シェア割合
DJI40%
丸山製作所16%
エンルート15%
クボタ13%
TEAD7%
農林水産省「農業用ドローンの普及に向けて(農業用ドローン普及計画)」をもとに作成

農業用ドローン導入のメリット、デメリット

農業用ドローンは効率的な農作業を実現するための強力な道具ですが、その導入には様々な側面が存在します。ここでは、農業用ドローンのメリットとデメリットを見ていきながら、どのように活用するかの参考にしてみましょう。

農業用ドローン導入のメリット

作業の効率化

ドローンを使うことで、農薬や肥料の散布、播種などの作業を短時間で行うことができ、全体の作業効率が大幅に向上します。

労働負担の軽減

自動飛行機能や精密な散布技術により、農作業の負担が軽減され、高齢者や少人数のチームでも効率的に作業ができます。

精密性の向上

ドローンのセンサーやカメラを使って、作物の健康状態や土壌の状態を詳しく把握できるため、必要な対策を適切に講じることができます。また、農薬や肥料の均一な散布が可能になり、作物全体に対して均等に処理が行えます。

環境への配慮

精密な施肥や農薬散布により、過剰な使用を防ぎ、環境への負荷を軽減できます。

農業用ドローン導入のデメリット

初期費用の高さ

農業用ドローン本体の価格に加え、バッテリーや充電、メンテナンス、また操作訓練などの費用がかかることがあります。さらに、保険の加入をされる方も多く、導入には多額の初期投資が必要です。

技術的な問題

ドローンの操作には専門的な知識や技術が必要で、使いこなすには練習や慣れが必要です。また、ドローンが取得したデータの分析や管理に関する知識やシステムも求められることがあります。

メンテナンスの手間

ドローンの使用には定期的なメンテナンスが必要で、故障やトラブルが発生した場合には修理や部品交換が求められます。

気象状況の影響

雨や風などの悪天候時にはドローンの飛行が難しく、作業が予定通りに進まないことがあります。

農業用ドローンの活用事例

事例1:農業用ドローンを使った農薬散布

農業用ドローンと聞いて真っ先にイメージするような活用方法です。実際、農業用ドローンによる農薬散布は、効率的な農業のため大規模に活用されています。例えば、集落単位で農業を営まれている方の高齢化が進みつつある山口県の長門地域では、農地の維持や新規就農者の確保を目的として264ヘクタールの水稲農地に対してドローンを使用した農薬散布を行っています。
また、農薬などの散布のために販売されたドローンの数も、2018年度時点では1214台にとどまっていましたが、2021年度においては3586台と3倍近く増加しています。

では、農薬散布を農業用ドローンで行うことは、どのようなメリットがあるのでしょうか。

農業用ドローンを使った農薬散布では、以下のような効果が見られます。

メリット補足
作業時間の短縮10aあたりの農薬散布は、人力で30分程度かかるが
ドローンでは10~15分で散布ができる。
労働力の削減ドローンを導入することで、少人数で、効率的な作業が行える。
均一な農薬散布自動飛行技術により、農薬の均一な散布が可能に。

農薬散布の作業時間が2分の1~3分の1になるのはすごいですね!

事例2:農業用ドローンを使った肥料散布

また、肥料散布においてもドローンの導入が進んでいます。秋田県の東光鉄工社は、CLAS対応のドローン(およそ数cmの誤差で測位を行うことが可能なドローン)を使用し、衛星からの電波を受信して位置情報を得るRTK基地局や事前測量を必要としない高精度な肥料散布を実施しています。
つまり、今までは、衛星からの画像と特殊な機械を使って、作物に必要な肥料を畑の特定の部分にだけまく方法が取られてきました。しかし、これをドローンを使って行うことで、もっと正確に施肥ができるようになるということです。特に、作業が難しい不整型の畑でも、農薬をまくのと同じように、労働が楽になり、作業がしやすく、コストも減ることが期待されています。

肥料散布を農業用ドローンで行うメリットをまとめると、以下のようになります。

メリット補足
肥料の無駄を削減位置情報を利用して、特定の場所にピンポイントで肥料を散布できる。
作業時間の短縮10aあたりの農薬散布は、人力で30~60分程度かかるが、
ドローンでは10~15分で散布ができる。
環境への配慮過剰な肥料散布を防ぎ、環境への負荷を軽減させることができる。

農業用ドローンは、作業時間や労働力の削減だけではなく、環境への配慮などにも一役買っているんですね!

農業用ドローン

農業用ドローンの費用は?

農業用ドローンの導入には、ドローン本体の購入費用に加えて、バッテリーや充電、メンテナンス、操作訓練などの費用がかかります。ドローンを導入するためには、国や地方自治体からの助成金、低利子のローン、一部地域での支援プログラムなど、さまざまな補助金や支援策が利用できるため、これらの支援を活用することで、コストを抑えた導入が可能にしましょう。それでは、これらの費用や支援策について詳しく見ていきましょう。

農業用ドローンの価格

農業用ドローンを手に入れるには、初期費用を80~300万円ほど用意しておくとよいでしょう。ドローン本体の価格は平均して100万円~200万円ほどですが、購入費用以外にもバッテリーや充電、メンテナンスやドローンの操作に関する訓練費用がかかることがあります。そのため、本体価格だけではなく総合的な導入コストを考慮する必要があります。

農業用ドローンの補助金

農業用ドローンを導入するための補助金には、いくつかの種類があります。まず、国や都道府県が提供する助成金があります。これは、農業用ドローンを購入するための費用の一部を政府や地方自治体が補助してくれるものです。この助成金を利用すると、ドローンの購入にかかる費用を軽減できるので、農業をもっと効率的に行う手助けになります。
また、低利子のローンも利用できる場合があります。これは、ドローンを購入するためにお金を借りる際に、通常よりも低い利子で借りられるものです。これにより、返済時の負担を軽減できるため、資金調達がしやすくなります。
さらに、一部の地域では、農業用ドローンを使うための支援プログラムが用意されていることもあります。これには、具体的な使用方法の指導や、ドローンの運用に関するアドバイスが含まれることがあります。
これらの補助金や支援策を活用することで、農業用ドローンの導入がより手軽になり、農作業が効率的に行えるようになります。

まとめ

農業用ドローンは、作物の監視や農薬の散布を簡単にしてくれる便利な道具です。効率が上がり、作業が楽になる一方で、初期費用やメンテナンスの手間がかかることもあります。一方で、これからの農業には農業用ドローンなどのロボット技術やAIを活用したスマート農業が注目されています。農業がどんどん進化している中で、これらの技術がどのように役立つのか、ぜひ注目してみてください!
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よくある質問

農業用ドローンとは、農業で使う特別なドローンのことです。これを使うと、農業がもっと効率的に、また正確に行えるんです。農業用ドローンは農作業をサポートするための便利な道具で、効率的に作物を育てる手助けをしてくれます。

農業用ドローンの種類は農薬散布、肥料散布、播種、受粉、農産物等運搬、ほ場センシング、鳥獣被害対策、情報収集・発信の大きく7つに分けられています。

農業用ドローンを手に入れるには、初期費用を80~300万円ほど用意しておくとよいでしょう。ドローン本体の価格は平均して100万円~200万円ほどですが、本体価格だけではなく総合的な導入コストを考慮する必要があります。

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この記事を書いた人

  • 農業ジョブ 編集部
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