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日本の果物の生産数をランキング化!日本はフルーツ大国?

果物といえば何を思い浮かべますか?

日常の生活でさまざまな種類の果物を目にするかと思います。
皆さんは果物といえば何を思い浮かべますか?今回は日本で流通している果物にフォーカスを当てて、各種の特徴、栽培方法、収穫量などをご紹介いたします。

日本で一番育てられている果物は何だと思いますか?

第1位【みかん】

日本には四季があり、季節に応じて旬となる果物がありますよね。そんな中で、日本で一番収穫されている果物は何でしょうか?農林水産省が行った調査「農林業センサス」のデータを見てみましょう!

果樹の収穫量(令和元年産)

順位品目収穫量(トン)
1位みかん746,700
2位りんご701,600
3位日本梨209,700
4位かき208,200
5位ぶどう172,700
6位もも107,900
7位うめ88,100
8位キウイフルーツ25,300
9位西洋なし28,900
10位すもも18,100
11位くり15,700
12位おうとう16,100
13位パインアップル※17,460
14位びわ3,430
資料:「果樹生産出荷統計」(農林水産省)
※1は沖縄県のみの数値である。

表を見てみると、日本1位の収穫量の果物はみかんであることが読み取れますね。みかんは、今から約500年前の室町時代に熊本県、和歌山県、静岡県で栽培が盛んになりました。中国大陸との交流により現在の熊本県にみかんが伝わったことから始まり、その後に糸我村(現和歌山県有田市糸我)で農業を営んでいた伊藤孫右衛門が地域を活性化させたいと、熊本からみかんの苗木を持ち帰ったことがきっかけで和歌山県でも栽培が盛んになりました。また、静岡県では料理の薬味に使っていた「橘」ゆかりの雑種である「白羽こうじ」が産出され、全国的に知られていたようです。

それから江戸時代になり、船で荷物を大量に運ぶことができるようになると、全国に広まり日本を代表する果物になりました。では、今日までみかんの生産が盛んなのはなぜでしょうか?

それは、日本の品種改良の技術力の高さのよるものです。みかんは冬が旬の果物で、日当たり良好で水はけのよい土壌、風が強く吹きつけない環境を好みます。日本の気候と相性がいいことに加え、長年の品種改良の賜物による10月以前に収穫が始まる早生みかんや、生育に必要な温度や水をコントロールできるビニールハウスで育てるみかんなど、季節に縛られず、収穫が可能になっていることが日本でみかんの収穫量が1位である理由だと考えられます。
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第2位【りんご】

続いて2位はりんごです。みかん、りんごは3位の日本梨と大差をつけて生産量が多いですね。一口にりんごといっても、その品種は多岐に渡ります。品種別にみると、青森県の特産物であるりんごの品種「ふじ」は、全体の収穫量70万1,600tのうち、35万9,300tも生産されており、りんご別の生産量で1位です。2001年の品種別生産量では世界1位にもなり、日本を代表する果物です。
ちなみに、2010年度のりんご全体の収穫量は、78万6,500tで、みかんの78万6,000tを抜いて1位でした。その後、みかんに生産量を抜かれた要因として、地球温暖化による気温上昇で、着色不良、虫害の多発などが考えられます。
りんごもみかんと同じく、品種改良を重ねた結果、日本で頻繁に生産されるようになりました。明治時代にアメリカから75品種のりんごを輸入し、日本の環境に適するように品種改良されたものが現在の市場に流通しています。

第3位【日本梨】

3位は日本梨です。日本梨は海外から伝来した他の果物よりも早くから日本に浸透しており、一番古い記録では、弥生時代後期から梨を栽培してきたとされています。日本梨は、昭和初期まで保存食として流通しており、日本人にとっては大切な位置づけの食料でした。そこから徐々に品種改良が進み、甘くておいしい水菓子として今日まで愛される果物となりました。
日本梨の生産量は2010年は25万8,700tで、2019年は20万9,700tです。生産量は年々減少しておりこちらも地球温暖化が影響しています。

日本は世界有数のフルーツ天国!

このようにしてランキング化してみるとスーパーマーケットなどでよく見かける果物がやはり上位に食い込んでいますね!四季と恵まれた気候を持つ日本は世界の中でも豊かな果物のバリエーションを持っています。ここからは他のフルーツにも触れてみましょう!

えっ!?この果物も!?国産フルーツはこんなにたくさん!

観光農園にワイン造り…多岐にわたる【ぶどう】栽培

関東圏にはぶどう園が多く、都心部から車で1,2時間程度でぶどう狩りができることからおそらくなじみ深い農業に感じるであろうぶどう栽培。しかし、現在では国産ワインなど今までにはなかったぶどう栽培が増加しています!!

ぶどうの収穫量(2019年産)

順位都道府県収穫量(トン)割合
1位山梨36,90021.4%
2位長野31,70018.4%
3位山形16,4009.5%
4位岡山15,8009.1%
5位福岡7,6404.4%
6位北海道6,9004.0%
7位青森4,6302.7%
8位大阪4,5402.6%
9位愛知4,1102.4%
10位岩手3,5102.0%
合計172,700100.0%
資料:「作物統計調査」(農林水産省)

ぶどうのデータを見てみましょう。表を見みると、1位、2位の山梨県、長野県で約4割が生産されており、中部地方を含め全国各地で生産されていることが分かりますね。ぶどうは農繫期を8月~10月頃に迎える秋の果物です。ぶどう栽培に関する作業はさまざまで、ワイン用ぶどうの生産の仕事では、収穫・選別が行われた後ぶどうの実と果梗を分離する破砕作業や、果汁を絞り出した後にワインに仕上げる発酵、熟成作業も行うため、農業の6次産業化に携わりたい方におすすめの果物です。

また、観光農園と呼ばれるぶどう狩り体験を行っている農園もあるため、観光客に対する接客業務も収入の一つとなる農業形態も多いです。

みかんに似ている?キウイフルーツ栽培とは

通年スーパーでよく見かけるキウイフルーツ。今となっては日本の食卓の一部として馴染んできています。そんなキウイフルーツ、実はある意外な県が一番の生産量を誇っているのです。

キウイフルーツの収穫量(2020年産)

順位都道府県収穫量(トン)割合
1位愛媛4,74021.1%
2位福岡3,58015.9%
3位和歌山3,45015.3%
4位神奈川1,4006.2%
5位静岡9674.3%
6位群馬8263.7%
7位山梨7783.5%
8位栃木6843.0%
9位佐賀5802.6%
10位香川5712.5%
合計22,500100%
資料:「作物統計調査」(農林水産省)

キウイフルーツの全国生産量1位は愛媛県です。愛媛県は特産物のみかんが有名だと思っていたため、キウイフルーツの生産も盛んなことに筆者は驚きました。調べてみると、愛媛県は30年以上連続でキウイフルーツの生産量が1位です。キウイフルーツは、みかんと同じ気候条件を好む果物のため、愛媛県でも生育が盛んになりました。キウイフルーツの旬の時期は9月下旬~12月とされており、収獲に向けて適切なタイミングで果実の成長を管理することが高品質でおいしいキウイフルーツ作りをする上で不可欠です。

キウイ農園での仕事には、手作業で受粉を行う作業があります。キウイフルーツは植物の中では珍しく、オスとメスの個体が別々に存在します(オス・メスが別々に存在している植物は全体の5~6%といわれています)。そのため、自然任せでは効率よく受粉ができないので、春の4月~5月頃に、手作業で受粉作業を行うこともあります。他の果物や野菜は、虫に受粉作業を任せることが多く、受粉作業を手作業で行うのはキウイ栽培の特徴といえます。

高級フルーツの一つ、国産パイナップル

続いてパイナップルを紹介します。日本で生産されているパイナップルは99.9%が沖縄県産で、収穫量は7,390tです。ほとんどが沖縄県で生産されており、残りの0.1%が鹿児島県で生産されています。ちなみに、日本に流通しているパイナップルの97%がフィリピン産で、残りの約3%を沖縄県が担っています。国産のパイナップルは、輸入物と比べると割高になってしまうため、一部のフルーツ店や百貨店、インターネット通販などで国産ならではの特別感ある品種が流通しています。パイナップルは、水はけがよく高温な気候を好むため、沖縄県に生育環境が適しています。収穫のシーズンは4月~8月頃のため、高い気温の中、収穫作業を行う必要があります。乾燥に強い果物のため栽培にほとんど水は必要とせず、毎日の手入れをする必要はないようです。また、収穫されたパイナップルは全国に発送されるため、輸送手段である、船への積込に間に合うようスピーディーに選別・梱包をしていく作業もあります。

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まとめ

同じ果物といっても、種類や歴史、栽培が盛んな地域などはさまざまです。今回の記事を読んで、日本の果物について少しでも理解を深めていただけたら幸いです。

よくある質問

まずは、インターネットや農業セミナーを通して栽培方法、必要な設備、コスト等必要な情報を集めます。その後、土地や苗木等の資本の調達をします。この際、新奇就農者向けの国や各地方自治体の支援制度を利用するといいでしょう。

地域の気候に合った果樹を選ぶことが重要です。例えば、寒冷地にはリンゴやサクランボ、温暖地には柑橘類やブドウが適しています。また、土壌の特性、出荷先との距離などを考慮にいれる必要があります。

高品質な果物は海外でも需要が高く、日本の果物は特にアジア圏で高い評価を得ています。日本産果物の国際市場の拡大により果樹栽培は非常に将来性の高い農業となっています。

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この記事を書いた人

  • 農業ジョブ 編集部
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