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みかん農家の年収は?年間スケジュール、なり方も解説!


みかん農家の年収、年間スケジュール、なり方も解説!

自然豊かな環境での生活に憧れる方にとって、都会から離れて自分の手でおいしいみかんを育てる喜びと収穫の達成感を感じられるみかん農家は理想的な選択肢です。ただ、みかん農家さんになることを検討している方にとっては、年収や一年の仕事の流れは気になるポイントですよね。この記事では、みかん農家の年収や年間スケジュール、なり方などのリアルを解説します。高収入の可能性や充実したライフスタイルを実現し、地域の特産品としてのみかん栽培の魅力を探っていきましょう。初めての人でも大丈夫!みかん農家になりたい人への農地や販路、補助金などの支援についても解説します。みかん農家として新たな挑戦を始め、自然と共に生きる豊かな生活を手に入れてみませんか?

みかん農家の年収はいくら?

みかん農家の平均年収は約260万円です。また、1000万円の年収を超える農家さんもいます。
果樹栽培全体の平均年収は、2019年に発表された農林水産省のデータによると200万円ほどとなっているため、みかん農家は平均よりも比較的所得を上げやすいと言えるでしょう。しかし、みかんに限らず果樹栽培は収穫までに数年かかるのが特徴です。最初の数年は高い年収を見込めないことに気を付けましょう。

平均年収
みかん農家260万円
果樹200万円

みかん農家の月収、利益率

年収をもとにすると、みかん農家の平均月収は約22万円ほどと推定されます。また、農業粗収益のうち農業所得として実現している割合である農業所得率を見てみましょう。2007年の農林水産省のデータからみかん農家の農業所得率は33%と読み取れます。果樹栽培全体の平均農業所得率は44%ほどとなっていますが、農家全体の平均農業所得率は8%となっているため、利益が出やすい作物だと推定されます。

農業所得率
みかん農家33%
果樹44%
主業農家18%
全農業経営体8%

みかん農家の年間スケジュール

みかん農家の春夏秋冬

みかんの栽培は、冬の時期の土づくりから始まります。そのため、一からみかんを栽培したい方は冬から行うことがおすすめです!

みかん農家の春(3~5月)

みかん農家の春は、施肥と剪定、場合によっては摘蕾を行います。この時期のみかんは、休眠~開花にあたります。

3月ごろに、発芽や開花、いい実がなるために肥料をやります。これが施肥です。みかんの種類によって年に何回肥料をやるのかは異なりますが、基本的には春と秋の2回行います。3回行う場合は、春と夏、秋に施肥を行います。
また、すでにみかんの木ができている場合は、剪定も行います。みかんは常緑樹のため冬の間も緑色の葉がついています。しかし、春になると新芽が出てさらに多くの栄養が必要となるため、冬ごろ~新芽が出る前の3月ごろまでに剪定を行いましょう。これにより、育てたい枝だけに栄養を集中させることができます。ちなみに、剪定自体は一年中行うことができるので、この時期に限らずこまめに剪定を行います。

春になりあたたかくなってくると、みかんの発芽が始まります。そのあと、みかんの根が出る発根が始まります。この根から、みかんの木の成長といい実の結実にかかせない養水分の吸収が行われます。そのため、発根までには施肥を行いましょう。5月になると、開花がみられるようになってきます。もしみかんを栽培して3年目以内であれば、つぼみを取り除く作業も行います。これが摘蕾(てきらい)です。まだみかんの木が大きくなっていない3年目までは、木の成長に必要な養分が奪われてしまいます。木が成長しなくなってしまうことを防ぐため、特に、花が咲く前のつぼみの状態のうちに摘蕾を行いましょう。

みかん農家の夏(6~8月)

みかん農家の夏は、病気・害虫対策と摘果を行います。この時期のみかんは、だんだんと実が大きくなっていきます!

みかんの天敵は、うどんこ病などの病気やゴマダラカミキリムシ、カメムシなどの害虫です。おいしいみかんをたくさん収穫するために、病気・害虫対策はしっかり行いましょう。これらの対策には、農薬の散布や病気になってしまった枝などの除去があげられます。
また、6月に入ると摘果作業を行い始めます。みかんの実が多くなるのはうれしいですが、実が多くなりすぎてしまうと養分が分散し、一つ一つの実が小さくなってしまいます。みかんの木は、実が多くなると自ら実を落とします(生理落果)。生理落果が終わる6月下旬ごろから、多く実がなっているみかんの木から果実を減らしていきます。
これらの作業をしっかりと行うことで、おいしくて大きい品質の良いみかんができるんですね!

みかん農家の秋(9~11月)

みかん農家の秋は、摘果や施肥、収穫を行います!この時期のみかんは、果実が成熟し始めます。

夏ごろから行っていた摘果の作業を10月下旬ごろまで並行して進めつつ、肥料をやります。
みかんの木は夏ごろにたくさんの実をつけたことで樹勢が弱まっていますが、この時期に2回目の施肥を行うことによって回復を狙います。秋の施肥のタイミングとしては、収穫前後に行うことが一般的です。
また、秋ごろになると早熟種は収穫ができるようになります。早いと、9月ごろから極早生みかんの収穫が始まります。遅い品種だと、12月ごろから収穫できる晩生みかんという品種もありますが、おおむね年内には大体の品種の収穫が終了します。

みかんの収穫をするみかん農家さん

みかん農家の冬(12~2月)

みかん農家の冬は、収穫・出荷・販売、土壌改良を行います。この時期のみかんは、休眠に入ります。

みかんの収穫は、多くの数をこなす必要、かなりの力が必要です。みかん農家は、一本のみかんの木から600~700個のみかんを収穫します。みかんの収穫は、はさみで一つ一つカットして行いますが、その際みかんの枝が固いために強い力が必要になります。さらに、一個のみかんを収穫する際には、果実に傷をつけないよう二度切りを行わなければなりません。すると、一本のみかんの木から全てのみかんを収穫するには1200~1400回枝をカットすることになります。これにより、ばね指(腱鞘炎)になってしまうみかん農家さんもいます。
みかんの収穫が終わると、みかんの木は緑色の葉とともに冬を越し、春を待ちます。その間に、土壌改良をして次のシーズンに備えます。土壌改良で大事なポイントは、適正phを考慮することです。酸性やアルカリ性の度合いを示す数値であるphは作物によって適正が異なりますが、みかんの適正phは5.5ほどとやや酸性です。この適正phを保つため、土壌改良を行います。具体的には、施肥によって酸性やアルカリ性に寄ってしまった土壌に対して、石灰資材を混ぜたり酸性肥料を入れたりします。

繁忙期はいつ?大変なことは?

みかん農家の繁忙期は、収穫をする9~12月ごろです。この時期は、短期アルバイトの募集も増える傾向にあります。また、収穫を行わない夏の時期も病気・害虫対策などを行うため大変なことの一つです。

みかん農家になるには?

では、みかん農家にはどうやってなるのでしょうか。雇用形態、初期費用、後継者募集や就農支援について見ていきましょう。

みかん農家として働くには?なり方は?

みかん農家として働くには、家族経営の継承による方法と独立就農、雇用就農の三種類があります。ここでは、独立型と雇用型に焦点を当ててみかん農家のなり方をご紹介します。

独立就農

独立就農は、新規参入者と言い、土地や資金を独自に調達し、新たに農業経営を開始した経営の責任者及び共同経営者を指します。メリットとデメリットは以下のようになります。

【メリット】
・ライフスタイルに合わせて自分の裁量で働ける
・収入の伸びが見込める
【デメリット】
・農地、販路、資金や設備の準備をしなければならない
・農業の知識が必要

また、独立就農を始めるには①資金、②農地、③施設や機械、④知識や技術 の準備が必要になります。

①資金
新規就農を始めるにあたり、農地や施設などを準備するための費用を確保することは重要です。新規就農相談センターが2021年に行った調査によると、新規就農のため(営農のために)用意した自己資金の平均額は281万円で、生活のための自己資金の平均額は170万円でした。つまり、営農・生活を合わせて451万円の資金準備をしたと読み取れます。

自己資金額(備えた額)平均
営農のため281万円
生活のため170万円
451万円

また、就農した1年目に実際に必要となった金額は計755万円でした。

必要になった額平均
施設や機械561万円
種苗や肥料194万円
775万円

さらに、就農一年目の農産物売上高平均は343万円でしたが、果樹に関しては平均売上高は195万円でした。特に、みかんの栽培は3年目まではつぼみを取り除いて木を成長させることに注力することを考えると、就農をしてからすぐはあまり収入を見込めないことを頭に入れて資金を準備する必要があります。具体的には、1000万円近くを初期費用として準備するとよいでしょう。

一年目の平均売上高
農産物全体343万円
果樹195万円

②農地
新規就農を始めるにあたって、農地を借りる、あるいは買うといった方法で農地を用意します。農地を借りる/買うには、農地の所在する区市町村の農業委員会に許可を得る必要があります。(もし農業委員会がない場合は、農業担当部署に連絡を取ります。)しかし、許可を得るためには4つの条件(以下)をクリアしないといけません。
・取得する農地すべてを耕作する
・農作業に常時従事すること(年間150日以上)
・総経営面積が一定以上であること(北海道は2ha、都府県は50a以上)
・周辺の農地に対し支障がないこと

申請手続きについては、ますは農業委員会に問い合わせをしましょう。農業委員会へは許可申請書、登記事項証明書などさまざまな書類を提出する必要があります。提出書類の審査もありますので、余裕をもって申請に臨むようにしましょう。

③施設や機械
新規就農相談センターが2021年に行った調査によると、就農した一年目に施設や機械にかかった費用は775万円でした。できるだけ費用を抑えるべく、研修先等がある場合は、そこで使っているものを使わせてもらったり、中古の購入やレンタルの活用などを行うことも大切でしょう。

④知識や技術
地域ごとの気候や作物の特徴に合わせた農業スタイルを選択することが、良い作物を作るために必要です。そのため、行き当たりばったりで栽培をしたり、風土を無視した画一的なマニュアルを使ってしまうと良い作物が出来る可能性が大きく減ってしまいます。そのため、後ほど紹介する雇用就農をしてノウハウを学びつつ就農したのち、独立就農する方は珍しくありません。 まずは、将来的に独立をサポートしてくれる事業体で働きながら学んだり、自治体が行う研修などを利用して、新規就農したい地域で農業経験を積み、その地域に合った栽培技術やノウハウを習得する方が多いです。

雇用就農

雇用就農は、新規雇用就農者と言い、法人等に雇用されることにより農業に従事することとなった者を指します。メリットとデメリットは以下のようになります。

【メリット】
・農業のノウハウを学びながら働ける
・初期費用の準備が必要ない
【デメリット】
・働き方が独立就農と比較して柔軟ではない
・給料が決まっている

また、将来の独立を視野に入れ、まずは雇用就農をして働きながらスキルを身につける方も多くいます。
雇用就農を始めるには農業法人や農家さんのもとに就職するといった方法があります。就農方法は以下のようなものがあります。
①直接連絡を取ってみる
働きたい農業法人、農家さんがいる方におすすめです。直接連絡を取り、求人の有無を確認します。しかし、どんなところで働いたらよいのか比較しつつ考えたい方や、働く際に譲れない条件から就職先を絞っていきたい方には適していません。
②自治体に問い合わせる
就農したい地域の自治体に問い合わせをし、求人を探す方法です。就農支援を行っている自治体もあるので、確認してみてください。
③求人サイトで探す
最も手軽に就職先を探すことができます。繁忙期は短期アルバイトの求人が増える傾向にあり、就農のハードルが下がるなど、誰でも始めやすいのが特徴です。ただ、長期的に農業をしたい方は期間限定のアルバイトはお勧めしません。きちんと条件を確認して応募するようにしましょう。求人サイトでは、仕事内容や雇用形態、所在地や待遇などが確認できるため、希望条件から就農先を絞れる所も魅力的です。
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初期費用は?どのくらいお金がいる?

独立して新規就農を始める方は、初期費用は余裕をもって1000万円ほど用意しておくとよいでしょう。営農をするためだけではなく、高い売り上げが見込めない最初の数年の生活のことなどを考えて資金を準備しましょう。
雇用就農を考えている方は、施設や機械等を準備する必要がないため、必要な初期費用額はより少なくなります。

後継者募集、就農支援

農業を始めるには農地、資金などさまざまな課題があり、どこから手を付けたらいいのかわからない方も多くいると思います。そんな方はぜひ、自治体が行っている就農支援に目を通してみてください。自治体が行う就農支援では、農地の提供や販路の確保など手厚い支援を受けることができます。また、独立就農の手助けをしてくれることもしばしばです。
例えば、20年連続みかんの収穫量の日本一を誇る和歌山県では、有田市がみかん農家の就農支援をしています。2年間の研修による知識の取得に加え、農地や販路の確保を実現しつつ2年後には独立就農をすることができます。安心して農業に専念できるのは嬉しいですね。また、2023年のみかんの出荷量第二位の愛媛県では、宇和島市が後継者育成のために研修や補助金を支援してくれます。研修を通して地元農家さんとの交流を深めることができるのも良い点ですね。これらに限らず、色んな自治体がみかん農家の就農支援を行っているので、気になった方は一度調べてみてください。

まとめ

みかん農家の平均年収は約260万円ですが、1000万円を超える農家さんもいます。手間をかけて育てるみかんには、春の施肥から始まり、夏の害虫対策、秋の収穫まで、一年を通じた深い愛情が込められています。初めの数年は収入が低く感じるかもしれませんが、その分大きな達成感と喜びが待っています。独立には約1000万円の資金が必要ですが、雇用就農ならば初期費用を抑えながら学び、成長することができます。地域の支援を受けながら、新たな挑戦の一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
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よくある質問

みかん農家の平均年収は約260万円です。また、年収1000万円を超すみかん農家さんもいます。

収穫や出荷を行う9月~12月ごろが繁忙期とされています。この時期は、期間限定のアルバイトを農家さんで募集していたり、各地のJAが作業を一部代行しそちらで求人を出していたりなど、求人が増える傾向にあります。

みかん農家として独立する場合、初期費用は余裕をもって1000万円ほど用意しておくとよいでしょう。営農をするためだけではなく、高い売り上げが見込めない最初の数年の生活のことなどを考えて資金を準備しましょう。雇用就農を考えている方は、施設や機械等を準備する必要がないため、必要な初期費用額はより少なくなります。

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この記事を書いた人

  • 農業ジョブ 編集部
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