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農業をはじめる若者は増加中!?若者へのメリットや支援を徹底解説

農業に従事する若者は増加中!?

農業を営む人といえば、もんぺ姿の腰が曲がったおばあちゃん、あるいは、コンバインに乗るおじいちゃんをイメージする人は多いのではないでしょうか。さらに言えば、農業はお年寄りがやるものであり、人手もだんだん減ってきているという印象を持たれているかもしれません。
しかし実は、近年若い人で新規就農する人が増えています。
農業はお年寄りがするもの、というイメージは現実と乖離しつつあるのです。

「農業人口はどうなってるの?」「農業における若者の実情は?」「これからの若者の農業との関わり方って?」
本記事ではこのような問いにお答えします。

【データでみる】農業の人手不足の現状とは

そもそも、農業人口を正確に統計を取ることは難しいと言われています。家族労働力、法人の役員・正社員、パート、アルバイト、技能実習生、短期アルバイトなど、就農の形態は様々であり、流動の激しい業種でもあります。しかし、農業における人手が不足していることは確かなようです。
一般的に、農業人口は基幹的農業従事者の数で表すことができると言われています。農業人口は年々減っているとともに、平均年齢は上がっています。日本ではあらゆる業界や社会において少子高齢化が問題となっていますが、農業は特に深刻といえるでしょう。

人手不足の原因

人口減少と高齢化
特に地方では人口減少と高齢化が進んでいます。農業従事者の平均年齢が高く引退する農家が増えており、人手不足が深刻化しています。

農業では人口減少と高齢化が進んでいます。


労働条件の厳しさ
かつて農業は3K=「キツイ、汚い、かっこ悪い」と言われる仕事でした。農業は体力的に厳しい仕事であり、長時間労働や季節による仕事の変動があります。このような「農業は大変」といたイメージから、新規就農を目指す人や転職希望者にとって魅力的ではないことが多いと考えられます。また、農業は天候に大きく左右されるため安定した収入や休みを得ることが難しい場合があります 。
都市部への移住
都市部での仕事や生活を求めて農村部を離れる傾向があります。都市部には教育や職業の機会が多く、娯楽やサービスも充実しているため、農村部に留まる動機が薄れます。

【実は】農業に従事する若者は増加中

全体として、農業全体の人手は減少の傾向にあります。しかし、若者に注目すれば増加傾向にあります。

農業に興味を持つ若者は増えています!

40歳未満の農業への新規参入者数・農業就業体験人数ともに大きく増加の傾向にあります。このデータを踏まえて、「多くの若者が農業に興味を持っている」と言えるでしょう。

資料:農林水産省「新規就農者調査」
農村地域でも、農業を志す若者の期待が高まっており、都道府県、市町村でも IターンやUターンした新規就農者を支援する様々な施策が年々充実してきています。

実際に農業を始める若者は増加しています!

資料:農林水産省「農業労働力に関する統計」
また実際に農業を始める若者は増加しています!農林水産省の統計によると、49歳以下の新規雇用就農者数と新規参入者数は増加傾向であるとわかりました。新規雇用就農者や新規参入者は年々人数が増加し、そのなかでも若者は高い割合を維持しています。

若者が農業に注目する背景

農業環境の改善

若者が農業に興味を持つ背景には、主に近年における農業環境の改善が考えられます。詳しい農業環境の改善について、次の項目の「若者が農業にをするメリット」にてご紹介します♪

需要増加

世界的な人口増加や生活水準の向上により、国内外での食料の需要は安定して高まっています。特に、日本産の農産物は品質が高く、海外市場でも高い評価を得ています。

日本産の農産物は品質が高く、海外市場でも高い評価を得ています。

環境意識の高まり

環境問題への関心が高まる中で、持続可能な農業や地産地消の取り組みに関心を持つ若者が増えています。これにより、自分たちが環境に配慮した農業を実践することにやりがいを感じる若者が増えています 。

若者が農業をするメリット・デメリット

若者が農業をするメリット

【安定性の向上】
かつて農業は不安定な上将来性の望めない業種として知られていました。しかし近年では農業技術の進歩やスマート農業(IoT、ドローン、AIなど)の導入により、生産効率が向上し、リスク管理も容易になっています。これにより、労働負担が軽減され、安定した収益を確保しやすくなります。(★また、地域ごとに多様な農産物を生産できることは、リスク分散にもつながります。また、有機農業や特定のブランド作物の生産など、差別化を図ることで市場競争力を強化できます。)
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【支援制度の充実・新規就農のハードルが低い】
かつて農業を始めるにあたって、自力で知識を身に着けたり大きな額の資金を調達する必要がありました。しかし、最近では新規就農者に向けた支援が多く確立されています。支援を利用して就農を目指す人もたくさんいますよ!

【農業ビジネスにチャレンジ!】
従来の農業に比べ、環境に配慮した有機農業や、観光農園、直売所など新しい形態の農業が注目されています。これにより、農業が単なる生産活動ではなく、多様なビジネスチャンスを提供するものとして認識されています 。また、SNSを利用したマーケティングやブランディングが可能になり、若者が自分の農産物を直接消費者に販売することが容易になっています。これにより、自分のビジネスを自分の手で成長させるという魅力が増しています 。デジタルに親しみのある若者ならではの強みになるでしょう。

新しい形態の農業が注目されています。

【都市生活からの脱却】
都市のストレスフルな生活から離れ、自然豊かな環境での生活を求める若者が増えています。農業は自然との触れ合いや、自分のペースで働けるという点で、ライフスタイルの向上を目指す若者にとって魅力的な選択肢となっています 。

【定年がない】
農業は定年がなく、健康であれば何歳になっても続けられる仕事です。これにより、自分のライフステージに合わせて柔軟に働き方を選べるという自由があります。また農業は一度身につけた技術や知識を活かして長期的に続けられるキャリアです。若い頃に培ったスキルが年齢を重ねても活用でき、人生を通じて成長と発展を感じることができます。

若者が農業をするデメリット

【専門知識と技術の習得】
農業には専門的な知識と技術が必要であり、これらを習得するには時間と労力がかかります。しかし近年では、収入を得ながら農業の知識を身に着けることができるインターンや住み込み農業バイトの仕組みが充実してきています。また国や自治体が運営する、農業の専門的な知識と技術を学ぶことができるシステムも多く存在します。


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【生活の質の変化】
農村部での生活は都市部に比べてインフラやサービスが限られている場合が多いです。交通の便や医療・教育などの生活インフラが不足しています。そのかわり、生活費が安く自然豊かな環境での生活することができます。

農村部での生活は都市部に比べてインフラやサービスが限られている場合が多いです。

【地域社会との関係構築】
地方の農村地域では、地域社会との関係が重要です。新規参入者は地域社会との良好な関係を築くために努力が必要で、これには時間がかかることがあります。多くの自治体では、一定期間地方に滞在して生活を体験できる「お試し移住プログラム」を提供しています。実際に現地での生活を体験することで、不安を解消できるかもしれません。

新規就農で農家になる方法

新規就農で農家になるには主に3つの方法があります。

①個人事業主として開業
個人事業主として開業する場合経営主体は自分自身となるため、自由度・独立性の高い農業経営が可能となります。一方で農業や経営に関するノウハウを自分で身に着けなくてはならないことが注意点となります。また独立農業では、農地代や各種設備代・農作物の種苗代、さらには農業が軌道に乗るまでの生活資金など、事前に潤沢な資金の用意も必要となるでしょう。
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個人事業主として開業する場合経営主体は自分自身となるため、自由度・独立性の高い農業経営が可能となります。

②農業法人に就職
働く際は雇用契約を結ぶため、労働形態は一般的な給与所得者と同じです。農業では労働時間や休日など労働基準法が適用されないことが多くありますが、適切な労働時間や休憩時間を設定している法人が大半となります。また、すでに設備が整った環境で働くことができる点や、働きながらノウハウが身につく点がメリットとして挙げられます。

③兼業農家になる
兼業農家とは、農業のかたわらで農業以外の副業をして収入を得ている農家のことです。ほかの収入源が確保されているため、農業の不振が生活に直結しないのがメリットです。近年政府が副業や兼業を推進していることや、リモートワークが普及したことで兼業農家を営む人は増加の傾向にあります。

④農家の後継者になる
後継者として就農する場合、農地の取得や農業機械への投資など初期費用を節約して事業を始めることができます。また経営基盤を受け継いだうえで補助金も受けることができるので新規就農者は安心して事業を開始できる形態といえるでしょう。

新規就農で受けられる支援

新規就農を目指す方に向けた支援は数多く存在します。

頼れる機関

国の期間はもちろん、地方自治体が作る支援制度も多く存在します。また、民間の団体でも新規就農の支援のための取り組みをしているものもあります。就農先が決まっている人は就農先の自治体の支援を確認してみましょう。あるいは、就農先が決定していない人は、支援の手厚さで就農地域を選ぶのも有効だと言えます。

受けられる支援・受け取れる補助金

移住支援金
経営開始資金(農業次世代人材投資資金)
青年等就農資金
・起業支援金
など実際に資金を受け取ることができる支援が多くあります。それぞれ要件が異なるのでよく確認しましょう。また、
・強い農業・担い手づくり統合総合支援交付金
などでは農業の専門的な知識と技術を学ぶことができるシステムとなっています。

新規就農を果たした若者にインタビュー

実際に新規就農をされた方にインタビューをしました。今回は群馬県に移住し就農した方に伺ったお話をご紹介します!

まとめ

少子高齢化により農業の人手不足は深刻になっています。その一方で、若者にフォーカスして見ると就農を志す若者は少なくありません。農業人口が減っていることに対し悲観的になるばかりではなく、若者が増えている現状や農家業をとりまく環境が改善されてきているなど前向きな現実と向き合い農業のこれからをより良いものにしていく必要があるのかもしれません。
若い世代がひっぱる農園特集はこちら

よくある質問

地方自治体や政府が推進する地方創生政策により、若者が農業に参入することが奨励されています。地域おこし協力隊や移住支援金など、地方での生活を支援する制度が充実しているため、農業を始めやすい環境が整っています。

農業での成功事例をメディアを活用し紹介したり、小学校から高等学校までの教育課程に農業教育を取り入れたりするなど農業に関するポジティブなイメージを広めるための啓発キャンペーンを実施することが有効だといえます。また、体験農業や若者向けのインターンシップや研修プログラムを充実させ農業の現実を理解し、キャリアとしての可能性を実感してもらうなどの取り組みもイメージの変革につながります。

新規就農を目指す方に向けた支援は数多く存在します。国の期間はもちろん、地方自治体が作る支援制度も多くあります。就農先が決まっている人は就農先の自治体の支援を確認してみましょう。あるいは、就農先が決定していない人は、支援の手厚さで就農地域を選ぶのも有効だと言えます。

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この記事を書いた人

  • 農業ジョブ 編集部
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