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施設野菜とは?出荷までの過程やスマート農業化する現場に迫る!

施設野菜とは

概要(業種の基本情報)

施設野菜とはビニールハウスやガラス温室などの施設を利用して栽培したものを言います。露地野菜との違いは、季節に関わらず1年を通して野菜を栽培できること、作業や生育状況が天候にあまり左右されない等が挙げられます。 施設栽培はもともとハウス内の気温を高め、露地栽培よりも早く野菜を生育・出荷させるために考え出された栽培方法です。しかし今では気温・地温・光量・土壌水分などの環境を人為的に調節し、周年的に品質の良い野菜を安定生産させることが一番の目的となっています。 施設栽培で作られる野菜で代表的なものはトマト、ナス、ピーマン、イチゴ、メロン、スイカ等が挙げられます。

流通

野菜の流通では8割以上を市場流通が占めますが、その割合は減少傾向にあります。近年では、スーパー等の小売店とあらかじめ量や品目・価格を決めて生産・出荷する「契約栽培」など、市場を通さず生産者と小売店が直接取引するケースが増えています。こうした直接取引では、出荷先や価格が決まっているため、安定した経営が可能となったり、中間業者を通さないため、市場流通に比べて高い利益率で販売ができるといったメリットがあります。また、施設野菜は年間を通して一定の収穫量を見込める事が多いので、独自にジュースなどの加工品を製造、販売し販路の拡大や収入を伸ばしている農園も増えています。

施設野菜の仕事

施設野菜の年間スケジュール(例)

《イチゴ》
6月~7月 育苗
8月~9月 植え付け
10月~11月 電照・加温・摘果などの一般管理
12月~6月 収穫

《トマト》
7月~8月 播種
8月~9月 育苗
9月~10月 植え付け
11月~12月 芽かき、誘引、適心、摘果などの一般管理
12月~6月 収穫

施設野菜の1日の仕事の流れ(例)

05:30~06:00 起床
06:00~06:45 朝食、支度
06:45~07:30 出勤
07:30~08:50 朝礼、業務打合せ、作業準備
08:50~12:00 農作業
12:00~13:00 昼食
13:00~17:30 農作業、選別、出荷、販売、その他付帯作業(小休憩あり)
17:30~18:00 夕礼、片づけ、退勤
18:00~21:00 夕食など
21:00~22:00 入浴
22:00~05:30 就寝

施設野菜にはこんな仕事がある

仕事の種類

施設野菜の仕事のひとつ。芽かき

芽かき

養分の奪い合いを防いだり、植物の風通しをよくするために行うのが芽かきです。葉の付け根にある芽「側芽(えき芽)」を摘み取ります。

施設野菜を

誘引

枝やツルを支柱に結び付けて形を整えたり、ツルを成長させたい方向へ導く作業です。

温度管理

野菜の生育時期に合わせた施設内の温度管理も重要です。野菜ごとに好適な温度保つため、高温期には冷却が、低温期には加温が必要となります。

電照

イチゴの栽培では夜間に電灯をつけて栽培する「電照栽培」が行われます。日中以外も光に当てる事で、花芽分化や開花の時期を調節し生育・出荷を早めることができます。

施設野菜の仕事のやりがい・働く魅力

高度な栽培技術を学ぶことができる

施設栽培は温度・湿度等の生育状況をコントロールすることができるため、収集したデータを活かすIT化が進んでいたり、高付加価値の野菜を栽培する技術も確立されつつあります。近年では異業種から農業への参入も多く、今後ますます発展が期待される分野です。

6次産業化が進んでいる

施設栽培の場合は通年で安定した生産が可能なことから、栽培・加工・販売までを一貫して行う6次産業化の取り組みが進んでいます。加工品の企画や販売など、生産だけにとどまらず様々な仕事を経験するチャンスがあります。

AIを活用した最新の施設野菜とは!?

施設野菜栽培には長年の経験と知識に基づいた温度管理や湿度管理が必要になっていきます。このハードルがかなり高いのが施設野菜だったのですが、近年では最新のモニタリング技術を活用してこれらを管理する技術が実用化されてきています。スマート農業といわれるこの分野は令和の農業のトレンド筆頭と言えるでしょう。

まとめ

施設野菜は温室やビニールハウスなどの施設内で栽培される野菜のことを指します。そのため繊細な温度管理などが必要になり、知識や経験が要求されます。近年ではIoTを導入しスマート農業化しこのハードルを解消しつつあります。
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施設野菜のQ&A

施設野菜とは?
施設野菜とは、温室やビニールハウスなどの施設内で栽培される野菜のことを指します。施設内での栽培により、天候や気温の影響を受けにくく、安定した収量と品質の野菜を生産することが可能です。施設野菜の代表例には、トマト、キュウリ、ピーマン、レタスなどがあります。施設栽培は、温度、湿度、光量、水分などの環境をコントロールできるため、通年での栽培や高品質な野菜の生産が可能です。
どんな人が向いていますか
施設内の管理が重要になるため、環境の変化に敏感に気付ける人が向いています。また、施設野菜の栽培では細かい作業も多いので、手先の器用な人も向いています。
どんなキャリアが積めますか?
まずは生産する野菜の栽培技術を一通り覚えるのが基本です。ノウハウを身につけてきたら自分なりの栽培方法を試し、より品質の良い野菜を栽培する事も可能です。最近では自治体で新規就農を支援する取り組みも活発に行われているので、資金のかかる施設栽培での独立のハードルも下がっています。農業法人に就職した場合は、ある程度のキャリアを身につけた後、工場長や管理者へのステップアップも可能ですし、フランチャイズ農場を展開している法人であればそこから独立というステップもあります。
長期休暇はとれますか?
1年を通して作業がある事が多いので、従業員同士で交代しながら長期休暇をとる農園もあります。
体力面が心配。女性でもできますか?
施設栽培は比較的力仕事も少ないと言われており、女性が多く活躍しています。
未経験でも働けますか?
仕事のやり方・技術を一から教えてくれる農園がほとんどですので、未経験でも問題ありません。むしろ「自社の農園の働き方や栽培技術をまっさらな状態から学んでほしいので、未経験の方が良い」という事業主も多くいるのでそれほど心配はしなくても良いでしょう。加工品の生産・販売には、新しいアイデアが必要となりますので、消費者目線に一番近い農業未経験者の意見も、農園にとっては貴重な財産となります。
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この記事を書いた人

  • 農業ジョブ 編集部
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