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海外の農業は日本とどう違う?話題のワーキングホリデー就農の実態とは?

海外の農業は日本の農業とは何が違う?

海外の農業事情は日本のそれとはおおきく異なり、国によって様々です。
日本は伝統的にも家族経営の小規模農業が主流ですが、同じ認識で考えてはいけません。
海外の大規模農業は一つの法人が広大な土地を運営し、従業員を雇う会社のような形をとることが多いです。

フランスの農業

フランスでの就農

海外の農業事情がどのようなものであるのかを世界有数の農業大国であるフランスを例に挙げてみていきます。フランスの農業の日本との相違点は主に下の四つになります。

【気候】
冬にかけて降水量の増加する海洋性気候の北部と夏に乾燥するのが特徴の南部
作物
気候に合わせ北部では小麦や酪農、南部はオリーブやブドウ
農場
日本の一人当たりの作付面積は約2.25ヘクタールであるのに対して、フランスのそれは約40ヘクタール
【経営】
法人経営の農場も多く、広大な農地が一つの場所に集中し、スプリンクラーなどを用いた大規模経営

オーストラリアの農業

オーストラリアでの就農

次に日本のちょうど真南に位置する農業大国オーストラリアを例に挙げて見てみましょう。
オーストラリアは英語圏であり、日本との時差もほとんどないためワーキングホリデーでの稼ぎ先としても最近注目を集めています。

【気候】
中部の大部分が砂漠気候に属し、沿岸部北部は熱帯気候で南部は地中海性気候と温帯気候、最南部は亜寒帯気候と多様な気候帯を有しています。
【作物】
小麦や肉牛の生産量が特に多く、乾燥地域では綿花も栽培しています。
【農場】
一つの農場が数千ヘクタールのまで及び大規模
【経営】
広大な農地を管理するために大型機械を用いて効率的に運営しています。

海外で農業を行うために必要なこと

海外での就農のために必要なこと

海外で農業を行うためには、移住先の気候や農業事情、その国の法律や求人情報など十分な調査が必要であると同時に言語の壁や入国手続き、就労手続きなどを乗り越えなければなりません。このような移住にあたっての最重要事項を紹介します。

語学力

異国の地で働くためには現地の言語の習得が必須となっていきます。
ネイティブ並みの語学力とまでとは言いませんが、急な受け答えにスムーズに対応できる日常会話レベルの語学力が一般的に求められる水準になっていきます。

現地に日本人向けの語学学校はありますが、授業内容としては日本にあるものと変わらないものが多く、移住前にある程度のレベルまで英会話スクールなどに通い地力を身に着けるべきでしょう。

資金

往復の飛行機代、現地での生活費用を用意しなければなりません。
移住前に現地の物価や、為替レートを詳しく調べてまとまった金額を用意する必要があります。

入国手続き

就労を目的として海外に行くとき就労ビザやワーキングホリデービザの発行が必要になります。
従事する業務によって国・エリアごとに取得条件が異なります。もし就労ビザがない状態で働けば不法就労となる可能性があるので、働きたいと思っている国がある場合は詳しく調べなければいけません。

ここで述べた通り、海外で働くためのビザには二種類あります。それぞれ期間や条件が異なるのでここからはワーキングホリデービザでの一時就農と長期的な海外就農について解説していきます。

ワーキングホリデービザでの就農の実態とは

ワーキングホリデー制度での海外就農

最近、ニュースなどでよく見かける『ワーホリ』…なんとなく知っている方も多いのではと思います。

円安の影響にも後押しされ、ワーキングホリデー制度を利用して現地の農場に出稼ぎをしようと考える人も増えてきています。しかし、実はこの制度には落とし穴が数多くあり、正しく理解していないと痛い目を見る可能性があるのです。

ワーキングホリデーとは?

ワーキング・ホリデー制度とは、二国・地域間の取決め等に基づき、各々が、相手国・地域の青少年に対し、休暇目的の入国及び滞在期間中における旅行・滞在資金を補うための付随的な就労を認める制度です。各々の国・地域が、その文化や一般的な生活様式を理解する機会を相手国・地域の青少年に対して提供し、二国・地域間の相互理解を深めることを趣旨とします。(外務省ホームページより引用)

上の引用は外務省ホームページに掲載されているワーキングホリデー制度の概要になります
ここで理解していただきたいのは、ワーキングホリデー制度のメインは休暇目的の滞在であり、労働はオマケであるという点であります。お金を稼ぐための制度ではないのです。

そのため、この制度単体に付随する就労サポートは就労を確約するものではないたく、現地で独力で仕事を探さなければいけません。

ワーキングホリデーのメリット

・高い時給で労働することができる
東京都の平均時給が1200円ほどであるのに対して、オーストラリアビクトリア州のあるオレンジ農園の時給は2000円を超えます。最近は円安に伴って日本円換算の時給がさらに上がっています。

・現地で言語を学べる
異国の地でネイティブの言語を学ぶことで自身の語学力を向上させることができます。

・観光を楽しめる
ワーキングホリデービザは出入国自由であるので、休日には近隣諸国で観光を楽しむことができます。
また、現地の農業に関する文化や世界農業遺産などの雄大な風景を見ることもできます。

ワーキングホリデーのデメリット

・仕事が見つからない
ワーキングホリデー制度を利用する若者は年々、指数関数的に増加しています。そのためオーストラリアなどの人気な国は就労希望者が飽和状態となり一つの飲食店の求人に一日で数十件も応募が来るほどです。就農希望者も例外ではなく都市部よりは厳しくないとはいえ、地方でも農場に雇ってもらうことは簡単ではありません。

・現地の物価が高い
給料が高いということは物価が高いことの裏返しとなります。オーストラリアのビクトリア州(シドニーから700㎞)ではランチ代が2500~3000円と日本の約二倍となっています。同じ時間働いたときの時給も同じく約二倍であるとはいえ、貯蓄は簡単とは言えないでしょう

・日本人コミュニティが出来上がってしまっている
ワーキングホリデー制度は日本人に特に人気で最近ではどこの国と地域でも日本人コミュニティが形成されています。一見するとメリットにも見えるかもしれませんが、このコミュニティにばかり居座ってしまうと現地の人との交流が減り、マナの言語や文化を学べる機会が減ってしまします。

・差別や嫌がらせを受ける可能性がある
全員がそうというわけではありませんが、海外には少なからず日本人に対して差別を行う人が存在します。実際、渡った先でパワハラやセクハラを受けたとの訴えがしばしば見られます。

ワーキングホリデーの現実は厳しい

ワーキングホリデーでの就農は難しい

ワーキングホリデー制度での就労は巷のイメージほど明るいものではありません。簡単に稼ぎたいと考えている人は別の方法を考えるべきでしょう。しかし、日本とは違う環境でお金を稼ぐ経験はとても貴重なものです。この制度の利用を考えている人は本当に自分に必要な経験なのか、何が必要なのかをよく考えて判断しなければなりません。

長期の就農の実態とは

長期就農に必要なこと

長期の就農に必要なことは上記のワーキングホリデービザでの就農に必要なものとほとんど変わりません。しかし、今回は【就労ビザ】が必要になってきます。このビザの習得には各国、各地域の要求する条件、必要書類を提出する必要があります。ワーキングホリデービザの取得方法と似てはいますが、やや厳しくなっています。

研修制度について

海外での就農希望者や海外の農業を学びたいという人たちのために『公益社団法人 国際農業者交流協会』の運営する『海外農業研修(アグトレ)』という研修制度が存在します。

この研修制度では研修手当てが現地農場から支給され、将来的な就農を約束すれば農林返済不要の助成金(60万円)を受取ることが可能です。

企業に勤めて就農する選択肢

海外の大規模農業はいくつかの農場を一つの法人が運営することが多いです。このような企業に就職して農業を始めてみるのも1つの選択肢です。
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まとめ

海外で就農をすることは簡単なことではありません。日本とは大きく異なる気候や農場経営や初期費用、言語の壁などクリアしなければならない項目が山ほどあります。就農を希望するのであれば、研修制度や支援制度についても詳しく調べて、事前に入念な準備をしなければいけません。

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よくある質問

海外の農業事情は日本のそれとはおおきく異なり、国によって様々です。 日本は伝統的にも家族経営の小規模農業が主流ですが、海外の大規模農業は一つの法人が広大な土地を運営し、従業員を雇う会社のような形をとることが多いです。

ワーキングホリデー(ワーホリ)とは、若者が一定期間、外国で働きながら休暇を過ごすことができる特別なビザ制度です。この制度は、異文化体験を通じて国際的な理解を深めることを目的としており、多くの国が相互協定を結んでいます。

オーストラリアやフランスといった提携国では時給は日本のものよりもかなり高いですが、同じように物価も上昇します。初期費用の高さも考慮すると簡単に稼げるとは言えません。

『公益社団法人 国際農業者交流協会』の運営する『海外農業研修(アグトレ)』という研修制度が存在します。この制度ではでの手当てや国からの助成金を受取ることができます。

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この記事を書いた人

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