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社会人向け農業系学校まとめ

社会人から農業を勉強するには?
農業を学べる学校まとめ

農業を始めたいと思っていても、未経験で知識・技術もなければ、なかなか一歩を踏み出すことができない人がほとんどなのではないでしょうか。また、社会人になると仕事や家事などで忙しく、何かを学ぶことから遠のいてしまっている人も少なくないでしょう。しかし近年は積極的に社会人を受け入れる農業の学校が多く、仕事や家事と両立している人も増えています。
ライフスタイルを変えることなく農業を学べる学校がある一方で、徹底的に学べる全寮制の学校もあり、農業の学び方はさまざまです。自分に合った方法で学び、就農への準備を進めていきましょう。

農業を学校で学ぶことのメリット

未経験でも就農は可能ですし、実践を通して技術を習得することも可能でしょう。しかし独立就農を目指す人は特に、技術だけでなく経営力や人脈が必要になってきます。学校へ通うことで、農業の技術・知識の習得はもちろん、経営について学び就農を目指す仲間を作り、学校での活動が人脈の拡大につながっていく場合もあります。

また、就農への意欲はあっても気持ちが固まっていない人は、農業への理解を深めることによって、就農に対する気持ちや具体的なビジョンを固めることにもつながります。就農についてより深く考えるきっかけにもなるでしょう。

農業を学べる学校の種類

農業の学校と聞いて、農業高校や農業大学をイメージする人も多いかもしれません。しかし、社会人になってからでも仕事と両立しながら、週末だけのスクールや通信教育で農業を学ぶことも可能です。
仕事を辞めて本格的に学びたい人には、社会人入試を行っている大学や社会人枠のある農業大学校や専門学校もあります。
仕事と両立しながら農業を学ぶ、仕事を辞めて助成金をもらいながら学校に通う…多様なスタイルで農業を学ぶことが可能です。

農業大学校・専門学校

農業大学校や農業系の専門学校は、農業大学や農学部で行われる学術的な研究よりも、現場での実践的・実務的な作業内容を学びます。農業に関連した専門的な授業が多く、即戦力となるような教育を受けます。基本的には2年制ですが、専門学校は学校によって修業年限に1~4年の幅があります。また、農業大学校では、朝夕の実習があり基本的に全寮制となっています。(1年次だけの場合もあります。)
農業大学校は民間のほか、42道府県に公立の大学校が設置されています。

農業大学

農業大学や一般大学の農学部は、現場に就農するための場というよりも、農学を勉強するための場という意味合いが強いです。フィールドワークもありますが、実際に野菜や家畜の世話をするよりも、品種改良や害虫駆除、バイオテクノロジーなどの研究が中心となり、社会的な扱いも大卒となります。
農業大学や農学部を卒業して就農する人もいますが、農協や食品業界、農業関連企業に就職する人も多いです。

通信教育・講座

専門学校や農業大学に比べると数は少ないものの、農学にも通信教育・講座があります。通信教育を通じて野菜の育て方を学び、実際に育てた野菜で単位取得を行う通信制の高校があったり、地方の農業団体が行う通信講座もあります。もちろん大学の通信講座もあるので、自分が何をしたいのかをはっきりさせ、各講座の内容を吟味して受講先を決めることが大切です。

セミナー

近年、就農を目指す人向けのセミナーが土日を中心に開催されています。中には就農体験や移住体験ができるセミナーもあり、地方自治体や各都道府県の新規就農相談センターなどが実施しています。
セミナーでは、新規就農者の現状や課題、就農者の体験談などが聞けたり、セミナー内で開催される就農相談会で相談できたり、農業や就農を知るきっかけになるでしょう。「まず話を聞いてみたい」という人におすすめです。

社会人向けスクール

社会人向けの農業スクールとして、週末だけに開講する学校もあります。受講説明会も平日の夜や休日に開催しているところが多いので、仕事を続けて収入を維持したまま就農に向けての準備ができるというメリットがあります。
週末だけのスクールとはいえ、カリキュラムに沿って座学だけでなく実践的技術も学べるスクールもあり、全くの初心者でも専門的知識を身に付けることが可能です。

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農業法人に就農して学ぶという方法も

仕事を辞めて農業大学校などで本格的に農業を学びたくても、学費がかかるうえ、収入がなくなってしまうのは現実的ではないかもしれません。
農業を学ぶには、学校に通うという方法だけでなく農業法人に就職して実践的に学ぶという方法もあります。独立就農支援を行っている農業法人も多く、働きながら就農に必要な栽培技術や経営ノウハウを学ぶことも可能です。

「社会人だから…」と、学ぶことを諦めてはいませんか?自分に合った方法を選ぶことで、無理なく学ぶことも可能でしょう。就農したいという気持ちを大切に、一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。

『厩務員』になるには?どんな仕事をするの?気になる年収は?

近年の競馬業界はかつてないほどの盛り上がりを見せています。
昨年度、G1を六連勝し世間を席巻したイクイノックスや一つの社会現象となった『ウマ娘』などの影響で競馬の市場規模はオグリキャップなどが活躍した1990年代の最盛期に届く勢いで拡大を続けています。

このブームの中で馬にかかわる仕事への世間の関心が高まってきています。
その中でも最も注目を集めてきているのが『厩務員』です。
皆さんこの漢字、どう読むのかご存じでしょうか?

厩務員 漢字

『厩務員』
「この漢字最近よく見るけどどうやって読むんだろう」と疑問に思う方もいるでしょう。
これは厩務員(きゅうむいん)と読みます。「厩(うまや)に務める」と漢字を崩してみるとその成り立ちがよくわかります。

当サイトではこの『厩務員』について仕事内容や気になる年収などについて詳しく解説します!

厩務員とは

厩務員の過ごす一日

厩務員(きゅうむいん)は競馬において馬の世話をする専門のスタッフです。厩務員の仕事は多岐にわたり、馬の健康管理やトレーニング、厩舎(馬小屋)の管理などを担当します。つまりは競走馬のお世話をする仕事であり、馬が健康に速く走ることができるように育てるということが仕事の中心になります。
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厩務員と調教師は何が違う?

厩務員と並んで挙げられることの多い調教師ですが、厩務員とはいったい何が違うのでしょうか?
厩務員は馬の日常的なケアや健康管理を担当し、馬と直接的に接する時間が多い職務です。一方で、調教師は競走馬のトレーニング計画の立案・実行、レースの選択、馬主とのコミュニケーションなど、より広範な管理・戦略的な役割を担います。

厩務員は調教師の下で働くことがほとんどであり、一般の認識になぞらえると調教師は社長、厩務員は社員といえるでしょう。

厩務員の年収は?

厩務員の平均年収は400万円ほどです。それに加えて自身の携えわった馬がレースで勝つとその賞金の数パーセントを受取れる場合もあります。またJRAの厩務員になると年収は800万円ほどになり、1000万円を超えるような厩務員も存在します。

厩務員の仕事

【馬の世話】

馬の衣食住の世話をするのが主な仕事になります。

馬をブラッシング

:馬の体をブラッシングし洗うことで馬を清潔に保ちます。馬体の美しさ、健康さは当日のオッズにも影響にするので馬の身だしなみを整えることは大切な仕事の一つです。
また蹄を走りやすい形に整える削蹄を行います。蹄は走るために最も重要な器官、蹄の病気ゆえに引退、あるいはデビューできなくなってしまう競走馬は非常に多いです。厩務員は最新の注意を払って、蹄のケアを行います。

飼い葉を与える厩務員

:馬のコンディション、今後のレースローテを考慮して馬に飼い葉と呼ばれる餌を与えます。飼い葉とは濃厚飼料、粗飼料、サプリメント等の補助飼料、またはそれらを組み合わせたものになります。
成長期の馬には馬体を大きくして丈夫にするための配合をしたり、本格化を迎えた競走馬には体調を崩しにくいような配合をしたりするなどして競走馬のベストなコンディションを維持します。

馬房を清掃する厩務員


:馬房の清掃、放牧地の管理をします。馬の住む厩舎を清掃し、衛生的な環境を維持しなければ馬が快適に睡眠をとれなくなってしまいます。競走馬によっては狭いところが苦手な馬もいます。馬房を旋回してけがをしてしまうことも珍しくありません。厩務員はそのようなけがを防ぐためにも競走馬の快適な睡眠をサポートします。

【健康管理】

馬の健康状態を日々観察し、異常があれば獣医に報告します。毛並みや食欲、体温等から馬の以上を察知します。このためには知識と長年の経験に裏打ちされた観察眼が必要とされます。
レースや調教を行う際に馬の目に土埃が入り角膜炎になることがあります。厩務員は定期的に目薬をさして目の炎症を防ぎます。

【トレーニング】

調教師の指示のもと競走馬のトレーニングを行います。出走予定のレースに応じたトレーニング内容をこなします。坂路と呼ばれる傾斜のきついコースを走らせ脚力を増幅させたり、心肺機能や筋力をつけるためにプールでのトレーニングを行うなどその種類は様々です。

【競馬場での仕事】

レース当日に厩舎からレース場に馬を移動させて現地で上で述べたような馬の世話を行います。
警戒心の強い生き物である馬は見覚えのない人間に囲まれると調子を乱すことも少なくありません。そこで長期間面倒を見て信頼関係を築いた厩務員が一緒に行くことで、馬をリラックスさせレース本番に備えます。

厩務員のスケジュール

4:00 – 6:00出勤、厩舎の開門、馬の健康チェック
6:00 – 7:00朝の餌やりと水やり
7:00 – 9:00馬の手入れ(ブラッシング、蹄の掃除)
9:00 – 11:00馬の運動(放牧や調教)
11:00 – 12:00馬房の清掃、飼い葉桶や水桶の洗浄
12:00 – 13:00昼食休憩
13:00 – 15:00午後の運動や調教の補助
15:00 – 16:00馬の手入れ(再度ブラッシングや体調チェック)
16:00 – 17:00夕方の餌やりと水やり
17:00 – 18:00馬房の点検、馬の夜間準備
18:00 – 19:00厩舎の閉門準備、最終チェック
厩務員の一日のスケジュール一例

生き物の世話をする仕事であるため、競走馬中心のスケジュールが組まれます。
もちろんこのスケジュール通りに仕事が行われるわけではなく、馬の非常時にはどの時間帯であっても対応しなければなりません。

どんなひとが向いているのか

馬のお世話や体調管理は、毎日欠かさず必要となります。そして、厩務員の仕事が馬のコンディションに影響し、馬の不調や異変に気付いて適切に対応してあげる必要があります。
そのため、毎日欠かさずお世話を続ける責任感、馬の変化にいち早く気付ける観察力はもちろんのこと馬への愛情は必要不可欠でしょう。

厩務員になるには

厩務員になるには

厩務員には地方競馬の厩務員とJRAの厩務員の二つに大別されます。
まずは地方競馬の厩務員になるためのプロセスを紹介します。
実は地方競馬の厩務員になるために必要なことは厩舎を運営する調教師との地方契約、各競馬場主催者の認定の二つであり、資格や試験は必要ではないのです。もちろん、生き物を扱うための大切な雇用契約を結ぶわけですから全くの未経験者が飛び込みで行くのには不安があります。
しかし、それぞれの厩舎で研修制度が設けられているので競馬学校を卒業していない人でも厩務員になることができます。

JRA厩務員

JRA厩務員とは?普通の厩務員とは何が違うの?

まずJRA厩務員はJRAが運営する中央競馬に所属します。
JRA競馬学校の厩務員課程を受験し合格し、その後JRA競馬学校の厩務員課程(6か月間)の厩務員課程を卒業する必要があります。
また応募資格として「28歳未満であること」「体重が60kg以下(または65kg以下)」「健康であること」「中学卒業以上の学歴があること」そして「乗馬経験と競走馬の育成経験がそれぞれ一年以上」が求められます。

非常に狭き門であり、受験倍率は10倍以上とまで言われています。
しかし、その分年収や福利厚生は好待遇となっています。年収は高い人では800万円と非常に高い水準となっています。また調教師になるためには厩務員として働くことが必要不可欠であり、未来のキャリアのために働く人も多いです。

【コラム】引退場を受け入れる養老牧場

レースから離れた引退馬の余生の多くはあまり明るいものではありません。そのコストの高さから食肉として売りに出される馬が多いです。そんな中でこうした引退馬を引き取り、余生を穏やかに過ごしてもらうため養老牧場が存在します。
認定NPO法人引退馬協会が運営する『フォスターペアレント』では一口4000円、0.5口からの支援を募り引退馬を養う活動を行っています。レースに出走する競走馬だけに目が行きがちですが、引退馬の面倒を見るのも大切な厩務員の仕事の一つです。
認定NPO法人引退馬協会『フォスターペアレント』

まとめ

厩務員の仕事や年収について調べるとこの仕事の大変さがわかると思います。
生半可な気持ちではうまくいかない、馬への愛情が必須なやりがいのある職業といえるでしょう。
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厩務員(きゅうむいん)と読みます

地方競馬の厩務員になる場合調教師と雇用契約を結ぶ必要があります。この際試験や資格は必要事項とはされていません。また、JRA厩務員になる場合、JRA競馬学校の厩務員課程を受験し合格し、その後JRA競馬学校の厩務員課程(6か月間)の厩務員課程を卒業する必要があります。

厩務員の平均年収は400万円ほどです。それに加えて自身の携えわった馬がレースで勝つとその賞金の数パーセントを受取れる場合もあります。またJRAの厩務員になると年収は800万円ほどになり、1000万円を超えるような厩務員も存在します。

引退馬の多くは処分されてしまうことが多いです。しかし、引退馬支援が広く募られているため穏やかな余生を養老牧場で過ごす馬もいます。

田舎移住を成功させるポイント3つ

理想の田舎移住を実現するための3つのポイント

「田舎でのんびり暮らしてみたい」と、田舎暮らしに一度は憧れたことがあるのではないでしょうか。近年は、東京一極集中などが問題となっていますが、その一方で田舎暮らしに憧れる若者が増えています。
平成29年度国土交通白書によれば、三大都市圏に住む20代の4人に1人が、地方移住に関心を持っているとされています。実際に、地方移住を推進する「認定NPO法人ふるさと回帰支援センター」の20代利用者は、10年前の約5倍に増加しています。

近年は、積極的に移住者を受け入れている地方自治体がたくさんあり、相談会やセミナーが開催され、支援制度も充実し、地方への移住を現実のものにできる環境は整っていると言えます。
理想の田舎移住を実現するためには、どうしたら良いのでしょうか?主なポイントをご紹介していきます。

移住先選び

思い描いている田舎暮らしを実現できる地域なのか、どのような仕事に就けるのか、都心からのアクセス、気候、自治体の移住支援など…さまざまな面から考慮して選ぶことが必要です。家族がある場合は、家族とよく相談することも大切です。

目的に合った移住先を選ぶ

「北海道に住んでみたい」など、憧れの地域に住むこと自体が目的になっている人も多いかもしれません。しかし、「田舎の自然豊かな環境で子育てをしたい」「農業を始めたい」など、移住の目的を明確にして、目的に合った移住先を探すことが大切です。

「田舎でのんびり暮らしたい」という人は多いですが、それだけではなく、移住先の条件を明確にすることで理想の実現に近づくでしょう。

人気の移住先

認定NPO法人ふるさと回帰支援センターが発表した2018年移住希望地域ランキングは次の通りです。
人気を集めている地域は、豊かな自然に恵まれているという共通点もありますが、自治体によるPR活動が積極的に行われています。
また、「移住セミナーや相談会などが多く開催されている(相談しやすい)」「移住における仕事や住まい、生活に関する支援制度が充実している」といったところも移住先としての人気につながっていると言えます。長野県・静岡県・山梨県は、大都市圏からのアクセスが良いという点も人気の理由です。

1

長野県

長野県諏訪湖

2

静岡県

静岡県の富士山と茶畑

3

北海道

北海道の函館山からみた景色

4

山梨県

山梨県の新倉山浅間公園

5

新潟県

新潟県の断崖が続く海岸線

仕事探し

田舎暮らしを始めるに当たって最も大きな問題となるのが、「仕事が見つかるかどうか」ということかもしれません。
定年後に田舎暮らしを始めるケースもありますが、近年は若者の田舎への移住が増え、田舎で転職し、新たな人生を始めるケースが増えています。多くの自治体が移住者向けの就職支援を行っていて、新規就農に向けた助成金制度等、就農へのサポートも多くあります。

田舎の仕事

田舎で仕事をするには、地域企業への就職のほか、起業する、フリーランスとして活躍する、地域おこし協力隊として地域社会に貢献する、といった方法があります。

地域おこし協力隊とは?

地域おこし協力隊とは、地域の活性化を目的に地域外の人材を積極的に受け入れる制度のことを言います。農林水産業に従事したり、地場産品を販売したり、観光PRを行うなど、地域によって様々な活動があります。

地域おこし協力隊について、特集ページで詳しくご紹介しています。

「二地域居住」という選択肢も

田舎暮らしをするには、仕事も住まいも田舎に移す方法だけでなく、都会で仕事をして週末や休日だけを田舎で過ごす「二地域居住」という方法もあります。

都会で仕事を続けられるというメリットはありますが、2つの住居にかかる維持費や移動にかかる交通費など出費は多くなります。「いきなり移住するのはちょっと…」という人にとっては、移住のハードルを下げることにつながるでしょう。

支援制度を活用

政府や地方自治体が移住希望者の支援を行っていますが、地方自治体によって支援制度に違いがあります。また、移住する時の支援だけでなく、移住後の子育てや医療・福祉等への支援についても事前に確認しておくことが大切です。

移住を希望している地域にどのような支援制度があるのか、しっかり調べておくことが大切です。移住先を探す際に、支援制度を重視している人も多くいます。

支援制度の例

ジャンル支援・事業名支援団体制度の内容
移住活動移住支援金内閣府
地方創生推進事務局
東京23区から東京圏外へ移住し、選定された中小企業等に就業した人、
または起業支援金の交付決定を受けた人に都道府県・
市町村から共同で交付金が支給される
住まい飯山市空き家活用等事業補助金長野県 飯山市空き家を利用して移住定住する対象者に、工事費の一部を補助する
(対象工事費の50%相当の額を支給・限度額40万円)
就農新規就農対策事業北海道 和寒町農業経営の後継者・新規参入農業者・新規参入農業研修を開始する人を対象に補助金を支給している
(新規参入農業者の場合、3年間で100万円)
子育て子ども医療費助成制度大分県 豊後高田市未就学から高校生まで(0~18歳到達後最初の3月31日まで)
入院・通院・歯科・調剤にかかる医療費(保険診療分)が助成される。
また、豊後高田市では19~39歳の健康診査も無料で行っている。(U40健診)

移住したい人・実際に移住した人の声


田舎への移住に憧れていても、なかなか一歩を踏み出せないという人が多いのではないでしょうか。田舎の暮らしには、メリットもあればデメリットもあり、田舎に移住したものの、再び都会に戻ってしまう人も少なくないようです。
十分な計画を立ててから移住することが大切です。実際に移住した人の声を聞くことも参考になるでしょう。
自治体のホームページ等で、先輩移住者の声が紹介されている場合もあるので、ぜひチェックしてみてください。

田舎に移住したい理由

移住に興味がある理由は?(複数選択)

□山・川・海などの自然にあふれた魅力的な環境(50.2%)
□子育てに適した自然環境(33.4%)
□子どもの教育・知力・学力向上(22.2%)
□都会の生活に疲れた(18.0%)
□生活コストの削減(16.0%)
□実家がある(15.8%)
□趣味・生き方が実現できる場所を求めている(14.0%)

一般社団法人 移住・交流推進機構(JOIN)が地方移住に興味を持っている20代~30代の既婚者[東京圏・男女]500人に行ったウェブモニターアンケート調査から抜粋して掲載しています。
資料:一般社団法人 移住・交流推進機構(JOIN)「若者の移住」調査

田舎への移住で、理想的な生活を手に入れる人もいれば、思い描いていた生活とは違い、都会に戻ってしまうケースも少なくないようです。後悔することがないように先輩移住者の失敗例も知ったうえで、移住について考えてみることも大切でしょう。

プライベートが守られていない

田舎では玄関のカギをかけない家がほとんどです。急に人が入ってきたり、外出中に洗濯物を取り込んでもらっていたりすることもあるとか。

想像以上に出費が多かった

田舎暮らしはお金がかからないイメージがありますが、国民健康保険料は都会に比べて高い場合が多く、地域によっては物価が高い場合もあるようです。

仕事がなかった

地域おこし協力隊をはじめ、移住者の雇用を創出する取り組みはありますが、移住したものの働き口がないということも…無計画に移住するのは良くありません。

綿密な移住計画が重要です

移住先にどのような就職先があるのか、どのような出費があり生活費はどのくらい必要になるのか、移住に関する相談会やセミナーを利用して予め把握しておくことも大切でしょう。
「理想的な移住先を見つけたが、やりたい仕事がない…」ということも珍しくありません。移住の条件を明確にして、その条件をクリアできる地域なのか、事前に確認しておくことが大切でしょう。

農業ジョブでは、地域おこし協力隊を含む移住者向けの求人情報を多数ご紹介しています。家付き(社宅・寮あり)の求人など、住まいの問題もクリアできる求人情報もあります。ぜひチェックしてみてください。

農業現場 ファッション特集

農業の現場ってどんな格好してるの?
テレビで見るような牧歌的ファッションが普通?
その疑問にお答えします!

身近に農業現場(畑や畜舎)環境の無い方は、実際のファッションを知らないものです。
日本テレビのバラエティ番組「笑ってコラえて」の「日本列島ダーツの旅」では時々、畑で農作業するお爺ちゃんお婆ちゃんが登場したりしますが、そういったイメージだけを持っている方々も多いと思います。
しかし最近は素材が進歩して、おしゃれデザインに力を入れているウェアや、農作業の運動を補助するテクノロジーが生んだウェアも出てきています。
実は少しずつ進化している農作業現場のファッションを今回は解説していこうと思います!

農業事業者は何を基準に作業着を選ぶのか

農業のファッションってそもそも何のためにあるんでしょうか、そこがまずは基本ですよね!

その1 安全性

農業現場で働くとしたら一番大切なのはもちろん安全である事。
具体的には怪我、薬剤、粉塵、そして外気温、寒さ暑さなどから身を守ることです。
例えば、冬の北海道など寒冷地では-20度といった環境で農作業に従事しますし、夏のトマト収穫であれば暑く眩しいハウス内で農作業に従事します。

その2 動きやすさ

農業ウェアのサイズはとても大切!こだわる方も多い。
動きやすさは疲労に影響しますし、作業の質そして製品の質にまで影響を与えるからです。
例えば、前述した冬の北海道での農作業時には、ツナギの中に何枚も着込むため、ツナギのサイズもそれを想定したものを選択します。
さらには着脱のしやすさもキーポイントです。

その3 利便性

繰り返し使えて、汚れや臭いが落ちやすく、物によっては使い捨てができることも重要です。
購入費用が安い事も利便性の一部です。

業種や作業によってファッションが全然違う

耕種農業と畜産農業、扱う作物や家畜によって装着する作業着が違いますし、ひとつの農場内で行う作業によって、その特性に合った農業ウェアが求められます。
農業現場にいろんなファッションがある理由がこれなんです。

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ツナギはやっぱり基本ファッション

耕種農業、畜産農業を問わず、一番農業の現場で使われているのはやはりツナギです。
長袖、長ズボンの両方をカバーできるツナギは安全性が高く体を動かす職業ではやはり一番重宝するウェアなんですね。
なおかつ最近はスマホがうまく収納できるポケットデザインは必須の時代になりました。

農場での作業によっては、上半身が楽なサロペットを採用している農場も多いですね。

手袋

手袋は作業に応じて本当に多くの種類が使われます。
例えば、収穫時には耐久性があり破けにくいものを使いますし、薬剤などを扱うときは浸透しない使い捨ての手袋を使いますよね。
手袋は同じ作業でも農場によっては数十種類の選択肢があったり、実は奥深い世界なんです。

マスク

農薬や薬剤を使用するときに体を守る、畜舎で作業や掃除するときに出る埃や塵が体内に入るのを防ぐためなど、使われる場面は様々です。

ヤッケ/レインコート

ヤッケは汚れが落ちやすく、通気性が良いナイロン生地を使用する事が多いので、主に作業着として使われています。
撥水加工されているものが多く、水をはじき防寒具としての利用も可能ですし、家畜の糞尿で汚れるのを防ぐ効果もあります。

長靴

手袋と同じで薬剤で腐食しない特殊なゴムで作られたものがよく使われます。
酪農、畜産では、汚れがわかりやすい白い長靴がよく使われます。
防疫などの理由から、畜舎で清潔を保つ必要があるからです。

コンプレッションウェア(インナーウェア)

ユニクロのヒートテック、エアリズムなどの機能性インナーを着る人たちが一般的になってきていますが、農業で最近注目されているのが、コンプレッションウェアです。
これをツナギなどの下に着ることで、作業が快適になったという効果もあるようです。
もともとスポーツウェアとして開発・販売されたのが、コンプレッションウェアなのですが、運動機能を向上する、あるいは、吸汗速乾性、防寒性など様々な機能を持ち、農作業のような肉体労働にも高い効果が発揮でき、人気が出ています。

機能性スーツ

ここ数年で出てきたのが、空調スーツ、そしてアシストスーツです。
空調スーツは、服に電動ファン(送風機)をつけて、服の中から涼しくするものです。
猛暑日が増える中、直接体に風を受けることで、暑い中で作業をフォローしてくれます。

一方で、アシストスーツは、サポーターとしての役割だけでなく、筋肉を補助することで、多い荷物を運ぶなどの重労働の負担が大幅に減らせるものです。

だんだん近未来的な匂いがしてきましたね。

空調スーツ

空調スーツの特殊なところは、ファンが電動なために、バッテリーも服に装着することです。
これ一度使ったらやめられないです!

アシストスーツ

アシストスーツはテクノロジーによって農作業の軽減・補助をしてくれるもの。
実はすでに農業現場で採用さていて、最近の農業関係の展覧会でも大きな注目を浴びています。
・腰痛に悩む農業従事者の、仕事効率アップを目指して開発が始まった。
・腰や膝関節の負担軽減を実現できる着用型のパワーアシストスーツ
・最近ではモーターや人工筋肉などを用いたものも増えてきた

これからもっと新しい見た目の商品が出てくる予定の新たな分野なんです!

まとめ

農業ウェアは、機能性に比べてデザインにはあまり気を使われていませんでした。
しかし、最近ではおしゃれな農業ウェアも増え、女性をターゲットにしたものも増えつつあります。
ワコールが農業分野で活躍する女性の視点で農業女子のための下着を商品開発したり、農業ウェアのファッションショーが開催されるなど、農業ウェアは機能的でデザインまで楽しめるものがどんどん開発されていくでしょう。

20年前と今の農業ウェアを比較すると、やはり時代と共に多様化し、今まで想像できなかったものまで出てきています。
ストレッチ素材、抗菌加工素材、吸汗素材など技術の発展と時代に合わせてバージョンアップされているんですね。
会社のロゴが入ったツナギを発注する企業も多いようです。
初めて農業に携わるときや新しい就職先でどんな農業ウェアを着るのかも楽しみの一つではないでしょうか。

JAってどんな組織?

世界的に類を見ない
農業界の大きな協同組合

日本人なら誰でも知っているけれど、でも一体どんなことをしている組織なのか意外とわかっていないJA(ジェイエー)について今回は取り上げたいと思います。
JAという組織は、営農指導はもちろんのこと、金融、共済、新聞・出版事業など幅広い事業を担うとても大きな協同組合です。
それでは今から解説していきます。

JAの歴史

JAは、『農家の営農と生活を守り高め、よりよい社会を築くことを目的に組織された協同組合』です。JA(ジェイエー)は、「農業協同組合」の英語表記「Japan Agricultural Cooperatives」の頭文字をとってつけられたニックネームです。他に「農協」という通称もよく耳にしますね。
まずJAがどのような経緯で作られたのか紐解いていきましょう。

設立されたきっかけ

日本における農業協同組合は、江戸時代頃にできたと言われています。明治以後には近代化され、「産業組合」や「帝国農会」といった協同組合が組織されます。太平洋戦争時には、農業生産物を一元的に集約する目的で「農業会」という統制団体に改組されました。
そして、太平洋戦争後の1948年、既存の「農業会」を改組する形で今の農協(JA)が生まれました。もともと、GHQは戦後の農地改革の一環として、欧米型の農業協同組合(行政から独立し、自主的に組織できる)を作ろうとしていたそうですが、当時は深刻な食糧難だったため、行政が食料を統制・管理する形が採用されました。

1992年4月からは、「農協マーク」に代わり、「JA」の名称や「JAマーク」を使い始めました(図1)。『相互扶助の精神のもとに農家の営農と生活を守り高め、よりよい社会を築くことを目的に組織された協同組合』として、今日のJAはあります。

図1

協同組合と株式会社の違い

協同組合とはどんな法的にどんな組織なのでしょう?それを理解するために株式会社と比較してみます(図2)。

図2

株式会社と協同組合の一番の違いは、利潤の追求ではなく、協同組合はあくまで組合員の生活を守り向上させることが目的です。そのため、協同組合は組合員1人につき1票を持てます。つまり、生産力や資本力に関係なく組合員は平等に組合に対して権利を持てるわけです。
一方、株式会社は、利潤を追求し、その利潤を株主に配当し、株をより多く持っている人が影響力を持つことができます。

組合員と職員

JAの組合員には農家以外の方でもなることができます。
「正組合員」は、農業を仕事にしている団体(農家や農業法人)です。耕作面積や農業従事日数などから正組合員になるための具体的な基準を定めています。
一方、農業以外の仕事をしている人が、地元のJAに出資金を払い込み、その他の手続きをすることで「准組合員」として加入することができます。
では、「正組合員」と「准組合員」の違いはなんでしょうか?

「正組合員」は総会での議決権や役員の選挙権などJAの運営に関与することができますが、「准組合員」はできません。この准組合員制度は、他の生活協同組合にはなく、JA独自のものです。
また、制約はありますが、正組合員や准組合員だけでなく、一般の人もJAのサービスを一部で利用することができます。
加えて、協同組合には、組合員の他に職員がいます。JAでは、総会で事業方針を決め、さらに代表者(組合長)を選び、その指示のもと、組合員の業務代行人として職員が組合の業務を行います。

JA支援のもと掲載している求人はこちら

JAグループ

JAは、営農指導はもちろんのこと、生産資材・生活資材の共同購入や農畜産物の共同販売などの農業関連の業務を担います。
あるいは、貯金の受け入れ、農業生産資金や生活資金の貸し付け、農業生産や生活に必要な共同利用施設の設置、あるいは万一の場合に備える共済等、広範囲の事業で組合員を支援しています。

組合員のために行っている共同事業が非常に多く、組合員も多いため、効率的かつパワフルな事業展開をはかるため、多くの地域JAを束ねる都道府県段階のJA組織、それらをさらに束ねる全国段階のJA組織が作られました(図3)。

図3 グループ組織図

代表機能「JA全中」

「JA組合員+全国のJA組織」の共通意思の結集を図るのが、「JA全中(一般社団法人 全国農業協同組合中央会)」です。組織・事業の枠を越えて連帯するJAグループの代表として運営されています。都道府県段階でまとめているのが「JA都道府県中央会」でさらにその全国まとめ役が「JA全中」ということです。

JA全中は、1954年に農業協同組合法上の特別認可法人として設立され、65年にわたって活動してきましたが、同法の改正を受け、2019年に組織形態を一般社団法人に変更しました。
総合調整や経営相談を担い、地域・事業の枠を越えてJAグループの総合力を発揮します。一般企業で言うホールディングスのようなイメージです。
また、組合員に向けて、農業への取り組み方針を示したり、国の施策などの情報提供を行ったりしています。政策提言をまとめて農水省などに提出し、自分たちの意向を政策に反映させる仕事もしています。

経済事業「JA全農」

経済事業を担うのはJA全農(全国農業協同組合連合会)です。1948年、全国農業会の改組に伴い、全販連(全国販売農業協同組合連合会)、全購連(全国購買農業協同組合連合会)を設立。1972年に全販連と全購連が合併し、全農(全国農業協同組合連合会)が設立しました。
JA全農の経済事業は、主に「販売事業」と「購買事業」です。

(1)販売事業

組合員が生産した農畜産物をJAが集荷して販売することを「販売事業」と呼んでいます。その規模は、例えば青果物は、生産者の農業産出額のうち半分以上がJAに出荷され、全農にはその80%以上が経由して、卸売会社などを通じて消費者に渡ります。全農は日本の農作物流通のキーマンであることがわかります(図4)。

図4 農産物の流通(例:青果物流通の概要)

※「生産者のJA利用率」および「JAの連合会利用率」はH25年度の数値。

また、JAの販売事業は「共同販売」で行うため、「共販」とも呼ばれます。農畜産物の数量や品質を均一にし、共同で販売することで、市場で良い条件での販売を狙っています(図5)。

一方で、価格はJAが決めるので、農家(生産者)が自分で作った農産物をいくらで売るのかを自由に価格設定できないのも事実です。
その中で、全農は改革も進めています。その一環に、『全農営業開発部』や『全農グループMD部会』(事務局:営業開発部MD企画課)などのバリューチェーンの構築を目指す部署の立ち上げがあります。
外食企業や食品メーカーなどの企業と生産者を繋ぎ、細かいニーズに合わせた商品開発するなど、これまでのサプライチェーンの枠を超えた新しい価値を作ろうとしています。

(2)購買事業

購買事業は、大きく2つに分かれます。ひとつは、肥料、農薬、飼料、農機具等、組合員の営農活動に必要な材料の供給を行う生産資材購買です。もうひとつは、食品、日用雑貨用品、耐久消費財等、組合員の生活に必要な物資を供給する生活資材購買です。スケールメリットを生かしてメーカーと交渉し、低価格・安全・良質の資材を組合員に提供しています(図6)。

2015年度の購買事業の取扱高は、JAで2兆6,079億円、JA経済連で8,962億円、JA全農で2兆2,226億円となっており、大きなお金が動いています(※1)。

※1 出典:JAグループwebサイト(https://org.ja-group.jp/about/group/economy

図6 共同購入のしくみ

JA全農の都道府県版というべき組合として、「経済農業協同組合連合会(JA経済連)」と「県JA」があります。これまで32都府県にあったJA経済連は、統合してJA全農の都府県本部となりました。現在では、8道県(北海道(ホクレン)、静岡、愛知、福井、和歌山、熊本、宮崎、鹿児島)にJA経済連があります。また、地域のJA同士の合併が進み、県域で経済事業を展開する県JAがあるのは、奈良、島根、山口、香川、高知、佐賀、沖縄の7県です(2019年7月現在)(図7)。

図7 JAグループ組織図(経済事業)

※農協(JA、県JA)の数は2019年7月現在

「JAバンク」「JA共済」「厚生事業」

「JAバンク」は、JA・JA信連・農林中央金庫の会員で構成され、地域ごとのニーズに応えながら、全国に⺠間最大級の店舗網を展開し、さまざまな金融サービスを提供しています。その規模はとてつもなく大きいです。例えば、貯金残高を日本の3大メガバンクと比較すると、

・三菱UFJ銀行 1,53兆円(※2)
・みずほ銀行 1,19兆円(※3)
・三井住友銀行 1,16兆円(※4)
・JAバンク 1,03兆円(※5)
(2019年3月末)

※2 出典:三菱UFJファイナンシャルグループ財務情報
※3 出典:みずほファイナンシャルグループ決算時系列データ
※4 出典:三井住友ファイナンシャルグループ決算資料
※5 出典:JAグループwebサイト(https://www.jabank.org/about/jyokyo/

となっており、いかにJAバンクが巨大かをわかってもらえるのではないでしょうか。
JAは農家のための組織ですから、JAバンクでも農家が優遇されますが、制約はあるものの一般の人も口座を作ることができます。
「JA共済」は、相互扶助を事業理念として、組合員・利用者と共済契約を締結することによって、「ひと・いえ・くるまの総合保障」(生命と損害の両分野の保障)を提供しています。
また、JAグループは医療の確保も目指し、健康増進活動の促進、医療の提供、高齢化の対応等、地域におけるニーズに対応しながら積極的に取り組んでいます。JAグループはこれらの事業を「厚生事業」と呼んでいます。

その他(旅行、新聞・出版、相続・事業承継支援対策など)

JAグループは他にも相続・事業承継支援対策、旅行事業、新聞・出版事業など、組合員をあらゆる角度から支援しています。また、企業や行政、海外とのネットワークも積極的に構築しています。

JAの土台となる指導事業

JAの行う指導事業とは、「営農指導」と「生活指導」に大きく2つに分けられます。

営農指導

JAは、農業の技術・経営指導、農畜産物市場の情報提供、新しい作物や技術の導入など、組合員の営農支援のための活動を行っています(図8)。

図8 農業経営⽀援(イメージ)

また、地域農業戦略の策定、農地利用調整、最近では農家の育成・確保、環境保全型農業の推進などにも力を入れています。
その中で、農家の相談相手になり、指導を行っているのが、営農指導員と呼ばれる人たちです。JAと農家を結ぶパイプとして重要な役割を果たしています。
最近では、農家の要望もますます多様になってきています。JAは、その対応が可能な専門性の高い営農指導や、個別事業提案を担える人材の育成にも力を入れています。
その一環として、2008年から全農は、「TAC(Team for Agricultural Coordination)」を設置しました。このTACは、将来にわたり地域農業の中核となりうる担い手(経営者)を対象に、その意⾒・要望をJAにつなぐ専⾨の職員のことです。
現在では、営農指導員やTACが中⼼となり、多くのJAがそれぞれの⽣産者の経営に合わせて⽣産者を総合的にサポートする「農業経営⽀援(農業経営コンサルティング)」の取り組みも進めています。

生活指導

貯金や貸付、死亡や病気、火災、自然災害など不測の事故が生じた場合に備える各種共済なども提供し、組合員が安心して事業に取り組める環境を整えています。
最近では、組合員や地域住民の生活様式やニーズが多様化してきたため、そのくらしの各分野を支援する「くらしの活動」も積極的に行なっています。
この「くらしの活動」は、組合員だけでなく、地域住⺠も一緒に参加でき、⾷農教育、都市農村交流、⾼齢者⽣活⽀援、助け合い活動、⼥性⼤学などがあります。
このような活動を通じて、農業振興による地域の雇用や所得への貢献、生活インフラ機能の発揮、地域コミュニティの形成等による「地域の活性化」も目指しています。

その他(販売事業、生産資材開発・普及など)

組合員が生産した農作物を集めて、卸売業者や小売業者に卸したり、肥料や農薬、飼料、農機といった生産資材を組合員に提供することもJAは担っています。
JAの販売事業のうち「共同販売」することを「共販」と呼ぶのですが、これにより農畜産物の数量がまとまり、一定レベルの品質を均一にそろえることで、スケールメリットを狙っています。

私たちみんなに身近なJA

お住まいの地域に身近なJA〇〇町のような看板の建物、いわゆる近所のJAがあると思います。こういったJAグループの最小単位の組織を単位農協(単協)と呼んでいます。

単協の仕事と私たちとの結びつき

全国各地に必ず存在する近所のJA(単協)は、どんなことをしているんでしょうか。
JAえひめ中央の部署を例に取り上げてみてみましょう。

■営農経済部門
・営農部
営農部は、生産指導と営農振興などを行なっています。

・販売部
販売部は、組合員が生産する農産物の集荷・荷造り・販売を行っています。

・直販部
太陽市・アンテナショップひなた・えひめ中央おひさま食堂や、えひめ中央ひなたCAFÉの運営を行っています。

・購買部
→資材課
農業生産に必要な肥料、農薬、資材を管内の約40店舗で販売し、食品、日用雑貨、家電等あらゆる商品の取り扱いもしています。

→旅行センター
全国を網羅するNツアーと提携し、ツアー計画立案からチケット発券まで丁寧に対応しています。

→燃料課
セルフSS(サービスステーション)を中心に、各SSでガソリンや灯油、軽油などの販売を行っています。また、燃料センターはLPガスやガス器具の販売を行っています。

→農機自動車課
自動車、農機具の販売と車検、修理及び関連部品や資材を取り扱っています。

・加工部
加工部では、伊予柑をはじめ紅まどんな・せとか・甘平等を使用したカップゼリーやゼリー飲料等の製品、栗を中心とした缶詰製品、味噌醤油等の醸造品の製造・販売を行っています。

■金融部門
・金融部
金融商品の提供と金融サービスの充実に取組んでいます。

・審査管理部
→査管理部
各種ローン・農業資金の適切な運用などをしています。

・共済部
一人ひとりの生活スタイルに応じた保障プランニングを行う相談・提案型保障設計サービスの向上を図っています。

・本店営業部
貯金、融資、共済事業をまとめた営業に特化した部署です。

■管理部門
・総合企画室
→企画課
組合の事業計画並びに中・長期経営計画を策定し、その進捗管理を行っています。また、広報誌の発行やホームページ・SNSの更新管理を行うなど広報活動も行っています。

・電算課
経済管理業務システムの安定稼働に取り組むとともに、事務の合理化・効率化を進めるためのシステム改善を行っています。また、組合員・利用者のニーズにマッチしたシステム構築およびIT技術導入等の提案とシステム改修に取り組んでいます。

・総務部
→総務課
事業管理費等の削減および遊休不稼働資産の有効活用等に努めています。

→人事教育課
職場環境の改善および職員の資質向上に努めています。

→経理課
正確かつ迅速な部門別損益分析と事務処理対応を行います。

→福祉課
居宅介護支援、訪問介護および通所介護の三つの介護保険事業を実施しています。

■監査室
当JAでは、内部監査部門を被監査部門から独立して設置しています。経営者が組合経営上のリスクに対応して整備・運用する内部統制システムの有効性を検証・評価し、課題の指摘や改善の提言を行っています。

■リスク統括室
内部統制の構築・運用状況を統括管理して業務の適正性を確保すると共に、総体的リスク量や自己資本規制の経営リスク、投資に対する牽制機能を発揮したリスク管理など、損失の危険の管理体制を整備・対応しています。

日本には四季があり、農業にも産地があり、そして地域の抱える生活の課題があります。単協は、そういった各地の実情に合わせて、柔軟にJAのサービスを展開する最も身近な窓口として機能しています。

ファーマーズマーケット

JAグループは時代とともに、柔軟な農業の運営をしてきました。
例えば、今、JAグループが直接、生協等の消費者組織や食料品を中心とした生活用品を販売するAコープ(スーパーマーケット)を展開しているほか、インターネットを介した商品配送サービス「JAくらしの宅配便」、定期的に食材等を家庭に届ける「食材宅配」などの事業を展開しています。
単協も、それに呼応する形で、農産物直売施設等、独自の店舗を設置するところや、宅配便等で消費者に直接配送するなど、独自色を強めています。
象徴的なのが「ファーマーズマーケット」です。地域に住む人たちに地元産の新鮮な農畜産物を供給しています。

単協独自の試み

今回取り上げたJAえひめ中央は、JA直営複合施設「みなとまち まってる」を2019年4月にオープンしました。
県内産農産物を使った料理が味わえるJA直営の食堂やカフェ、金融・共済・ローン窓口や保育園、ベーカリーなども入った施設です。
あるいは、静岡県浜松市にあるJAみっかびは、特産品の三ヶ日みかんの生産に特化し、ITを使った営農指導やインターネットを使った販売戦略など意欲的な活動をしています。
そこにあるのは、農業をベースにしながら、多角的に事業を展開するスケールの大きな組織の姿です。

まとめ

JAとは、国民にとって一番大事な食料という分野、つまり日本の農業をフィールドにした最も大きな組織です。
自分が農家でなくても、知らないところでJAと接点を持っている方も多いのではないでしょうか。例えば、住む地域に単協があることを知らない方でも、ファーマーズマーケットで買い物をしたことがあるかもしれません。

またこれから農業をしたい!農家になりたい!そう真剣に考えて行動を起こす方々を全面的に支援する役割も果たしています。地域の役場や農業委員会と一緒になって、新規独立就農を目指す研修生のサポートをしています。

この日本という国において、JAという組織が担っている役割のスケールの大きさだけでも理解していただけたでしょうか。これからも時代に合わせて、歴史あるJAという組織のカタチは少しずつ変化していくことでしょう。

農福連携とは?農業を活用した福祉の新しいカタチについてわかりやすく解説!

農業分野と福祉分野が手を結び、農業の担い手づくりと障がい者の社会参画をめざす「農福連携」。最近は障がい者だけではなく、生活困窮者や高齢者なども含む、だれもが生きやすい社会を実現する取り組みとしても注目されるようになりました。今回は、農福連携によるメリットと取り組みが広がった背景や今後の展開をご紹介します。

農福連携とは?

あらゆる人が働くことのできる環境を

農福連携とは、だれもが生きやすい「共生社会」を実現するために、農業分野と福祉分野が連携した取り組みです。具体的には、障がい者や生活困窮者など、社会で生きづらさを感じている人たちに農業を通じて、就労の機会や生きがいとなる場を作ることが狙いです。

農業労働力の不足や荒廃農地の存在といった農業分野での課題と障害者等の就労先の確保の必要性といった福祉分野での課題を接続して解決を図る取り組みになっています。

農福連携の始まり

障がい者が農場で働く例は以前からありましたが、2016年に「共生社会」をつくるという観点から農福連携の推進計画が政府の施策に盛り込まれると、「農福連携」という言葉が少しずつ広まり、現在では官民挙げて取り組む事業として位置づけられるようになりました。

2024年には農林水産省が農福連携等推進ビジョン(2024年改訂版)が決定され、地域ごとの課題への対応や認知度の更なる向上に焦点が当てられ取り組みが拡大しています。

障がい者の就職先としての農業

では、障がい者が働く場の一つとしてなぜ「農業」が注目されるようになったのか、その理由をみてみましょう。

農業には、農場管理、収穫、出荷などさまざまな仕事がありますが、こうした作業は「草取り」「出荷調整」「袋詰め」など、障がい者の適正に合わせてさらに細分化することが可能です。また、体を動かすことでリハビリとしての効果も期待できるほか、継続して働くことで工賃が上がれば、働く喜びや生きがいにもつながります。

仕事を求める障がい者は年々増えており、厚生労働省が発表した2019年度のハローワークを通じた「障がい者の職業紹介状況等」によると、就職件数は11年連続で増加、新規求職申込件数は前年度比5.7%増となっています。

こうした状況を背景に、障がい者が働きやすい就職先として農業にも注目が集まるようになりました。現在では、全国で4,117実施主体(農業法人、社会福祉法人、民間企業等、特別支援学校等)が農福連携に取り組んでいます。(2021年3月現在 ノウフクWEBより)

農福連携の拡大

元々、農福連携とは農業分野において障がい者の就労機会を充実させる取り組みでしたが、今では障がい者以外にも生活困窮者や高齢者、犯罪歴のある人や引きこもりの人など通常の就労が難しい人に向けにも農福連携の窓口が広がっています

農福連携は地域社会とも連携し、農業と福祉の力によって若手の労働力が不足している高齢化している地域においての雇用機会の創出など持続可能な地域社会の実現に尽力しています。

農福連携のメリットとは?

どちらにもメリットがあるWin-Winな取り組み!

この取り組みは農家にとっても、障がい者が働いてくれることにより、担い手不足の解消や耕作放棄地の活用につながるというメリットがあります。このように双方が抱える課題を解決し、互いがウィンウィン(Win-Win)の関係にあるという部分が、農福連携という考え方が広まった重要なポイントといえるでしょう。

多様な作業が必要となる農業現場では、個々の特性に合った作業との出会いによって、障害者も農業の貴重な働き手となるとともに、農業を通じたスキルアップによる工賃の向上等を通じた生活の質の向上も実現することができます。

農家側のメリット

実際に農福連携に取り組んでいる農家は、どのようなメリットを感じているのでしょうか。ここでは日本基金が農福連携農家等(※1)と雇用された障がい者を対象に実施した「農福連携の効果と課題に関する調査結果」(2018年度)から、農家が感じたメリットをご紹介します。

まず、とても興味深いのは、障がい者を雇用したことで8割以上の農家が収益性に効果があったと回答していることです。(資料1) さらに、具体的な効果を問う質問では、障がい者を「人材として貴重な戦力」とした農家が7割以上。 そのほかの回答も合わせると、人員確保により時間に余裕が生まれ、新しいことにチャレンジするなど、障がい者の雇用が経営全体にさまざまな相乗効果をもたらしていることがうかがえます。(資料2)
一方で、障がい者とのコミュニケーションや障がいの程度の理解について、課題に感じている農家があることもわかりました。

(※1)障がい者を雇用又は福祉事業所等に農作業を委託している農家等

資料1 障がい者を受け入れることによる収益性向上に対する効果(回答者数105)

農福連携で障がい者を受け入れることによる収益性向上に対する効果(回答者数105)
出典:平成30年度 農福連携の効果と課題に関する調査結果(一般社団法人 日本基金)

資料2 障がい者を受け入れることによる効果(回答者数109、複数回答あり)

障がい者を受け入れることによる効果回答者数回答者に占める割合
人材として貴重な戦力8376%
農作業の労働力確保によって営業等の時間が増えた6257%
作業の見直しによる効率向上4642%
経営規模の拡大3028%
適期作業による品質の向上2725%
人員の確保が容易になった2422%
新たな農作物の栽培にチャレンジできるようになった2018%
組織体制の見直しによる組織力向上1917%
継続して農業を行っていく動機になった1917%
従業員の士気向上1716%
新たな販路開拓等につながった1211%
人手の増加による作物の病気の早期発見、鳥獣害被害の防止76%
防除回数、防除にかかる経費の削減66%
その他1211%
出典:平成30年度 農福連携の効果と課題に関する調査結果(一般社団法人 日本基金)

調査によると、障がい者が担っている作業は「ほ場や畜舎等における作業」と答えた農家が8割以上を占めました。その内訳は下の表の通りです。

資料3 ほ場や畜舎等での具体的作業内容(回答者数 101)

ほ場や畜舎等における作業内容回答者数回答者に占める割合
簡単な単純作業7574%
体⼒を要する作業5857%
経験を要する⼿作業3737%
機械の運転2727%
その他1111%
出典:平成30年度 農福連携の効果と課題に関する調査結果(一般社団法人 日本基金)
https://www.nipponkikin.com/survey-research.pdf

農福連携の取り組み例をご紹介!

グループ会社全体で農福連携に取り組んでいる、埼玉県の2法人をご紹介します!

ステップアップに合わせた就労サポート

特定非営利活動法人めぐみの里では、「“短期的な親切”よりも“人生を考えた思いやり”を」の理念に基づいた障がい者の就労支援に取り組んでいます。
同法人は、グループ企業であるアルファイノベーション株式会社から農産物の出荷調整作業や除草などの農場作業を受託し、障がい者に働く場を提供しています。障がい者の方々がそれぞれのステップに合わせて働けるようサポートしながら、働く喜びや充実感を感じられる場をつくっています。

農福連携の取り組み例

農業と福祉の両方でキャリアアップ

特定非営利活動法人福祉ファーム里山では、関連会社の有限会社篠山堂と連携し、障がい者とともに農産物の生産から加工・販売を行っています。地域に根差して農福連携に取り組み、健常者と障がい者が手を取り合い、日々楽しく農業に取り組んでいます。
スタッフの仕事は農業と福祉部門に分かれ、農業比率が高い「野菜部」「加工観光部」では、農業経験がある、軽度障がい者とスタッフが一緒に作業し、反復しながら丁寧に教えます。福祉比率が高い「施設野菜部」では、障がい者が農業経験を通じて農業者として成長していくことを目的としており、見守りと懇切な指導が必要となります。
農福連携の環境を活かして、スタッフのみなさんは農業技術を習得しながら、福祉系の資格も取得してキャリアアップすることができます。

農福連携の取り組み例

農福連携への支援制度

これまで障がい者を受け入れた経験がない企業にとって障がい者の雇用は、どのようなサポート体制を整えたらよいか、受け入れ準備費用はどのくらいかかるのか、勤務スケジュールはどう組み立てるかなど、ハードルが高く感じられるかもしれません。ここでは障がい者雇用に関する相談機関や国の支援策についてご紹介します。

ハローワーク

実は、労働相談窓口として身近なハローワークでは、障がい者雇用に関する相談も受け付けています。障がい者の雇用を考えている事業主には、雇用管理上の配慮やアドバイス、専門機関の紹介、各種助成金の案内を行っています。

農業分野における障がい者就労マニュアル

農業分野における障がい者就労マニュアル
農林水産省が発行するこのマニュアルには、障がい者就労の受け入れまでの流れが詳細に記載されています。上記URLから入手できます。

障がい者を雇用する場合の費用に対する助成制度

障害者雇用納付金制度に基づく各種助成金
障がい者が安全に働きやすい職場環境を整えるための費用の一部を助成する制度です。・農山漁村振興交付金障がい者の雇用・就労などを目的とした農園を整備するための費用を一部助成します。

上記以外にも助成制度や各地方自治体による相談窓口もあります。制度を詳しく知りたい場合は、まずは最寄りのハローワークなど、身近な相談機関を利用することがおすすめです。

農福連携の今後の展開

農業、福祉、地域社会など幅広い分野にまたがって活躍する農福連携ですが、残念ながら現在の認知度はそれほど高くありません。また、継続的な勤務のための就労後のサポートや各地域社会の特色に合わせた就労支援など農業連携には今後の課題が数多く存在します。

農林水産省をはじめとした農福連携に取り組む組織は地域ごとの課題を地域内で共有・相談・解決できる場の創出や障害者等が働きやすいソフト・ハードの環境整備と課題を解決を試みています。

まとめ

農福連携は、「だれにとっても生きやすい社会の実現」「農業を持続可能なものにして食を守る」という視点で見ると、農業と福祉の分野だけにとどまらず、社会全体にも大きなメリットをもたらすと言えます。その取り組みは今後ますます加速することでしょう。 農業ジョブには、農福連携に取り組む農園の求人も掲載されています。福祉分野に興味がある方、福祉の資格やスキルを農業の分野で活かしてみたい方はぜひ「農福連携」「福祉」というキーワードなども入れて求人検索をしてみてくださいね。
農福連携に取り組む農園の求人一覧はこちら

よくある質問

農福連携は、農業と福祉が協力して行う活動のことです。具体的には、障がい者や高齢者が農業活動に参加することで、彼らの自立支援や社会参加を促す取り組みを指します。

障がい者が働いてくれることにより、担い手不足の解消や耕作放棄地の活用につながるというメリットがあります。多様な作業が必要となる農業現場では、個々の特性に合った作業との出会いによって、障害者も農農業を通じたスキルアップによる工賃の向上等を通じた生活の質の向上も実現することができます。

農福連携は今後も拡大していくと期待されています。高齢化社会の進展に伴い、福祉と農業の連携がますます重要となり、多様な人々が地域社会に貢献できる環境づくりが進むでしょう。

地域を変える力~地域おこし協力隊について~

地方への移住・定住を支援する地域おこし協力隊。
その制度について迫ります!

新型コロナウイルスの影響により、リモートワークが進む今日、会社へ出勤する機会が減っている方もいるかと思います。
そんな中、せわしない都会の喧騒を離れ、のんびり自然に囲まれて過ごしたいという地方移住の動きが、あらためて全国で注目されています。
「移住っていいな~ってぼんやり考えているけど、どうしたら移住できるんだろう?」そんな疑問をお持ちの方に、移住支援策の1つである地域おこし協力隊について解説します!

地域おこし協力隊とは?

地域おこし協力隊制度について

地域おこし協力隊制度とは、地方自治体が都市地域からの移住者を「地域おこし協力隊員」に任命し、隊員に金銭の援助をしながら町おこしに関する活動をおこなってもらい、その地域への定住・定着を図る取り組みです。
隊員の活動は多岐にわたり、農林漁業といった一次産業への従事、地域独自のイベントやお祭りの魅力発信、スポーツを通じた地域交流活動とさまざまです。
2020年度は5464⼈が活動し、2009年に制度が発⾜して以来過去最多の⼈数となりました。
隊員の任期はおおむね1年以上3年以下で、任期終了後、約6割が同じ地域に定住をしています。

どうやったら隊員になれるの?

では、どうしたら地域おこし協力隊として地方移住ができるのか、順を追って説明していきます!

①募集情報の確認

まず、各地方自治体の地域おこし協力隊の募集情報を確認します。募集情報は、総務省が運営しているポータルサイトや農業ジョブの求人から確認できます。活動内容や条件、待遇等も自治体によって異なりますので、自分に合う市町村を何件か調べて比較するのがオススメです。

②自治体へ応募

ある程度自分の中で気になる自治体を見つけたら、応募してみましょう。
最近では「おためし地域おこし協力隊」という、住民との交流を含む2泊3日以上の地域協力活動の体験プログラムを実施する自治体も増えてきています。
ほかにも、オンライン説明会を実施してお互いのミスマッチを減らすような取り組みをしている自治体もありますので、積極的に情報収集をしましょう。

③書類選考・面接

応募が済んだら、自治体からの連絡を待ちましょう。面接は現地面接1回のところが多く、現地体験等のイベントや、滞在費の負担をしてくれるところもあります。
実際に地域に足を運ぶことで、ネット情報だけでは分からなかったことがたくさん出てくると思います。
一緒に働く人や町の方たちの雰囲気、町の利便性など。都会では見ることのできない大自然や観光スポット等、色々な箇所をチェックしてみてくださいね。

④採用決定後、地域おこし協力隊に任命

そして応募後、無事に面接を通過したら採用が決定します。受け入れ先が決まったら、いよいよ移住へ向けた準備を開始。
いつから移住先での生活をスタートするのかを明確にし、早いうちから準備をしましょう。

⑤住所を移住先に移し、活動開始!

現住所から採用先の自治体に住民票を移動し、地域おこし協力隊として活動を開始します。
都会から地方への移住を促進させるための施策なので、住民票を移住先に移すことになります。

「やりたいことが明確に決まってない…」といった方も大丈夫です。あらかじめ隊員に任せるミッションを決めている自治体も数多くありますので、まずは色々と求人情報を確認してみましょう!

地域おこし協力隊に参加するメリットとは?

こんな人におすすめ!①

【隊員活動終了後に、定住や独立を考えているひと】
地域おこし協⼒隊になるメリットとして、お⾦(給与)を貰いながら将来の定住や新規就農の準備をできるという点があります。
1カ⽉の給与は15万円〜20万円で、平均年収は約190万円。無料の家の⽤意や、PC・⾞の貸出等をおこなっている⾃治体や、副業OKの場合もあり、隊員活動終了後に向けて生活の基盤を作ることができます。

こんな人におすすめ!②

【移住後、自分のペースで生活をおくりたいひと】
地域おこし協力隊の活動内容は、自治体によってさまざまです。
特に決められた職種を設けず、自分のやりたいことを提案し活動をおこなっていくフリーミッション型の募集や、週3日休みがあり勤務時間が短い仕事などもあります。
地方移住することで、時間の流れや、ひとの雰囲気など、都会とは全く違う生活をおこなうことになります。都会では気付かなかった自分の一面が見えてきたり、人の温かさや自然の素晴らしさに気づいたり、都会では得られない経験ができます。協力隊として活動することの一番の魅力は、なんといってもそこにあるのかもしれません。

移住大歓迎!全国の地域おこし協力隊の求人はこちら

こんな仕事も地域おこし協力隊ならでは!

離島で地域おこし!

ここでは具体的な地域おこし協力隊の事例を紹介します。

まず1つめは、島根県の北に浮かぶ隠岐諸島にある海士町にて、ブランド牡蠣「いわがき春香」の養殖をおこなう地域おこし協力隊。
「いわがき春香」は、海士町がある中ノ島のきれいな海で育つ牡蠣です。その岩牡蠣の養殖方法を日本でも有数の指導者から、イチから学ぶことができるレアな地域おこし協力隊といえます。

海・山・田畑がそろった自給自足のできる半農半漁の島で、日本の古き良き原風景が今もなお残る隠岐諸島。
海士町最高峰の山である山家督山や、日本の名水百選にも選ばれた天川の水など、都会では決して味わうことができない大自然が広がっています。
町の伝統的お祭りであるキンニャモニャ祭りは、島外客を含めて約1000人が集まり観光としても魅力的な離島です。

地域の特産品を守る協力隊

続いて2つめは、畑わさびの生産量日本一位の岩手県岩泉町にて、畑わさびの生産をおこなう地域おこし協力隊。
畑わさびは林間栽培のため、農地取得は不要。大規模な林間栽培地も造成中で、すぐに実践研修できる体制が整っています。
農業のなかでも、畑わさびを栽培できる機会はそう多くはありません。地域の強みを全国に広げる、地域おこし協力隊ならではの仕事といえます。

岩泉町は本州の町村で最も面積が広く、自然豊かで総面積の約92%を森林が占めています。
畑わさび以外にも、日本三大鍾乳洞の1つで青い地底湖が美しい龍泉洞をはじめ、添加物を一切使わずに低温長時間発酵した岩泉ヨーグルトなど。そのほか、短角牛や豊富な魚介類、山菜、日本酒…と挙げればキリがないほど自然の恵みがたくさんあります。

多種多様な職種で地域振興

最後3つめの紹介は、2010年度より地域おこし協力隊制度を導入以来、性別問わず多くの隊員が町おこし活動をおこなってきた高知県本山町。豊かな自然資源を活かした交流人口の拡大や、豊富な農産物・森林資源を活用した産業おこし、地元の子どもへの教育振興活動などさまざまな実績があります。

本山町は、高知県の中央北部、そして四国山脈の中央部に位置し、町の約90%を森林が占める山間の町です。桜やシャクナゲ・ツツジ等の花々、吉野川でのアウトドアスポーツ、棚田など、豊かな自然の魅力にあふれています。

まとめ

農業ジョブではさまざまな地域おこし協力隊求人を掲載しています。少しでも興味を持った方は、ぜひ求人をチェックしてみてください。
みなさんの地域おこし協力隊としての活動が、素晴らしい経験になることを願っています。

オンラインの就農セミナーに参加しよう!

新しく農業に飛び込む方の不安を解消する
オンラインセミナーに参加してみませんか?

新型コロナウイルスや「仕事のやりがい」の見直しに伴い、農業界への就職・転職、そして起業という選択肢が広がりつつある今日。新しい選択肢に挑戦する時はやはり不安がありますよね。しかしご安心ください!その不安や疑問を解消し、新しく農業に飛び込む方々の後押しをするべく全国各地の地方自治体などがオンラインでセミナーやイベントを開催するようになってきています。これまで実際に会場に足を運ぶことが大前提であった新規就農者向けの相談会やセミナーがオンラインで参加できちゃうんです! 今回はそういったオンラインでの就農セミナーに迫ります。

就農オンラインセミナーを探して、参加しよう

まずは、参加ができる就農オンラインセミナーの探し方や参加の方法をご紹介致します。

就農オンラインセミナーは、下記のような農業に特化した求人サイトや新規就農者向けのポータルサイトなどを利用することで見つけることができます。

参加のためには、事前の予約が必要な場合が多いので必ず確認が必要です。また、人数制限が設けられていることも多いので、興味のあるイベントは常にチェックし、お早めの申し込みが大切です。
参加費無料が基本なので、まずは気軽に申し込んでみましょう!

申し込みが完了したら、事前にネット環境などを確認しておきましょう。イベントによってZoomやYouTubeなど使用する媒体も異なりますし、スマートフォンからの参加の可否もあるので、事前にしっかり確認し、当日はスムーズに参加できるようにしましょう。

当日は余裕をもってイベントに参加できるように時間を確保しましょう。環境が整っていれば場所を問わずに参加が可能ですので、最初から最後まで貴重な話を漏らさず視聴し、自分自身の就農に役立てましょう。イベントによっては質疑応答の時間が設けられていることもあるので、積極的に質問し、抱えている疑問点や不安なこと、聞いてみたいことを解消するために役立ててくださいね。

就農イベントはこちら

就農オンラインセミナーの目的とは?

そもそも、就農セミナーとはどのような目的で開かれているのでしょうか?

就農セミナーの主催者の多くは、国・地方自治体・JAグループです。 国・地方自治体・JAグループは日本の農業が衰退しないように、新たに独立して農業生産を行う経営体(農家)の数を増やす努力をしています。そのための活動の一環が、このオンライン、リアルを問わない就農セミナーです。新規就農者への適切な情報の提供、独立就農の希望者の受付や段階的な技術支援策・経済支援策の紹介など多くの目的がそれぞれの就農セミナーごとに含まれています。 また、新規就農者の方を招いて講演をしてもらうことで、新しく農業に飛び込む際の不安解消や就農に伴った「現実」を知ってもらうことも大きな目標の一つです。 主催者によってテーマが異なり、多様な話を聞く機会が設けられているので、可能な限り多くの、そして頻繁に参加することが、成功の鍵なのです。

就農セミナーの内容とは

最後に、就農オンラインセミナーの内容をご紹介します。

一般的な内容として挙げられるのが「独立への条件や実例の紹介」、「就農研修の説明や研修~独立後までの経済的支援制度の内容」、「独立就農者による経験談」などです。先述のように、最後に視聴者からの質疑応答の時間が設けられていることも多くあります。
もちろん独立希望者だけでなく、なんとなく農業に興味のある方や家族と共に移住をしたい方向けのオンラインセミナーも開催されています。
具体的な例として石川県で就農のサポートや魅力を紹介するイベントがあります。

「公益財団法人いしかわ農業総合支援機構」様の就農オンラインセミナー

概要

石川県の就農アドバイザーによる新規就農支援制度の紹介や先輩移住者との対談を通じ、石川県内の地域ごとの魅力を知り、就農へのイメージを膨らませる一助となる機会をご提供します!

セミナーの流れ

【1】就農アドバイザーによる石川県での農業の始め方講座
石川県での就農に対する支援制度や農業の特徴、近況を紹介

【2】先輩就農者の体験談
就農で大変だったことや、今後の展望、失敗談やアドバイスの講演

【3】質問タイム
オンラインならではのチャット機能を使い、リアルタイムかつ気軽に質問が可能

もちろん、セミナーが終了しても随時相談を受け付けていることがほとんどですので、さらに知りたい!という方はぜひ主催する団体に連絡してみてくださいね。

まとめ

農業界に飛び込むという選択肢のハードルが下がり、国・地方自治体・JAグループとしても新たな就農者を募りたい今日、オンラインでこうしたセミナーが開催される機会が急増してきています。どのセミナーも限られた時間内で、厳選された内容を取り扱っています。だからこそ、1回のイベントやセミナーだけでは、独立就農先の地域や移住先を決めることは難しいといえるでしょう。
農業に少しでも興味がある方でも、本格的に独立就農を志している方も、オンラインセミナー・リアルイベントの両方に積極的に参加してみてください。その時に大切なのは、「いかに時間を置かずに参加するか」ということです。就農への熱意がある時に、多くの情報を得て、役立たたせてください。
地域や自治体によって支援やセミナーの雰囲気が異なるので、希望地以外のイベントに参加してみるのもいいかもしれませんね。

仕事や生活に役立つ食の資格一覧

食の資格を取得したい人の
食材別フード系検定一覧

近年は健康志向が高まり、食への関心が高まっています。健康的な食生活を目指し、食材の栄養や目利き、食文化、調理方法などに関心を持つ人が増えているのです。
そこで注目を集めているのが、食に関する資格です。食や食材に関する知識は、毎日の生活・健康管理に欠かせないものであり、すぐに活かせる実践的な知識でもあります。

近年は、農業者が販売や加工まで行うようになり、生産物の魅力を最大限に伝えることが求められてきています。食材についての幅広い知識を習得し、プロモーションに活かしている農業者も多くいます。

野菜・果物系資格

野菜ソムリエ

野菜ソムリエは、特に認知度の高いフード系資格と言えるかもしれません。芸能人が取得していたり、レシピの考案者が野菜ソムリエであったり、目にすることが多い資格の一つでしょう。
野菜・果物の基礎知識だけでなく、体への影響、魅力の伝え方、特徴を生かしたレシピ作成など、幅広い知識を習得できます。

野菜ソムリエ取得者は、料理教室主宰・セミナー講師・コラム執筆・レシピ開発・青果販売など、幅広い分野で活躍しています。
また、野菜ソムリエ資格には、初級のほか、野菜ソムリエプロ・野菜ソムリエ上級プロがあります。

「野菜ソムリエ(初級)」の詳細

取得方法7科目(2時間/科目)の講座受講と課題提出、修了試験合格が必要です。
通学だけでなく通信講座による取得も可能です。(修了試験は指定会場で受験が必要)
申込期間随時(講座・修了試験の日程は、地域・会場により異なる)
費用148,000円(税込)[内訳:入会金 10,800円・受講料 137,200円]
受検・受講資格特になし
難易度修了試験(マークシート方式)の合格率は約85%とされています。
会場全国各地
認定機関一般社団法人 日本野菜ソムリエ協会

野菜スペシャリスト

野菜・果物をおいしく効果的に摂取するために必要な、栄養・健康効果・調理法・選び方はもちろん、野菜を取り巻く社会環境まで幅広い知識を習得できます。
通学が必要なく、自宅で取得できるという点は大きなメリットでしょう。また自宅で試験が受けられるうえ、受講期間中であれば何度でも受検可能です。

取得した知識を仕事に活かしたい人はもちろん、美容や健康に興味のある人、趣味で野菜を育てている人など、幅広い人が「野菜スペシャリスト」資格取得に挑戦しています。

「野菜スペシャリスト」の詳細

取得方法通信講座(5ヶ月)を受講し、すべて添削課題を提出したうえで、試験に合格することで資格を取得できます。
申込期間随時
費用39,000円(税込)
受検・受講資格特になし
難易度合格基準:全問題の合計点数の70%以上の得点
会場通学不要(試験も自宅で受けられます)
認定機関一般社団法人FLAネットワーク協会

野菜・果樹栽培の求人はこちら

お米系資格

お米マイスター

お米マイスターは「お米の博士号」とも呼ばれる資格であり、お米に関係する専門的な職務経験がなければチャレンジできない資格です。
認定試験では、米の品種特性や精米技術、適切な保存、炊飯特性などの広域な知識習得が必要になるほか、店内のレイアウトや接客マナーまで問われます。

お米マイスターは、レベルに応じて「三ツ星」と「五ツ星」に分かれていて、五ツ星は三ツ星資格を取得しなければ挑戦できません。
難易度や合格率は公表されていませんが、「五ツ星」は難関とも言われています。

「お米マイスター(三ツ星)」の詳細

取得方法2日間の講義を受講し、筆記試験・食味試験に合格することで認定されます。
申込期間申し込み開始:11月ごろ(年1回・講習開催は3月)
費用講習費用:52,370円(税込)テキスト代を含む ※学生は半額で受講可能
受検・受講資格特になし
難易度
会場東京で開催
認定機関公益社団法人 日本炊飯協会・ごはんソムリエ事業

稲作の求人はこちら

肉系資格

お肉ソムリエ

お肉ソムリエは、お肉全般の幅広い知識を持ち合わせていることを証明する資格です。お肉と言っても、牛肉・豚肉・鶏肉・羊肉・馬肉・ジビエと種類が多く、ハムやソーセージなどの加工品についての知識も問われます。また、各種類で多くの品種・銘柄があり、特徴も違います。
お肉グルメマイスターは、さまざまなお肉の栄養や健康効果、料理方法、下処理の仕方、目利き、適切な保存などの正しい知識を持つ、お肉のスペシャリストと言えるでしょう。

在宅で取得できるので、忙しい人も挑戦しやすいというメリットもあります。お肉に関わる仕事に携わる人、食育に役立てたい人、おいしいお肉の知識を習得したい人などにおすすめの資格です。

取得方法自宅で受験可能です。試験期間中(6日間)に試験を受け、解答用紙を日本安全食料料理協会に送ります。
申込期間奇数月(例:4月実施試験・申し込み期間3月1日~3月30日)
費用10,000円(税込)
受検・受講資格特になし
難易度合格基準:70%以上の評価
会場在宅受験
認定機関日本安全食料料理協会

お肉検定

お肉検定は、食肉の安全性に対する関心が高まっていることを受け、食肉の正しい知識を習得することによって、豊かな食生活につなげることを目的に実施されている検定試験です。
お肉検定は、さまざまな種類のお肉・加工品・内臓肉等の生産から流通、消費、調理にいたるまでの知識を深めることを目的として行われています。

「お肉博士1級」と「お肉博士2級」にレベル分けがわれていて、検定試験に向けた講習会が開催されています。(費用は別途必要)

お肉検定1級・2級

取得方法全国6会場で開催される検定試験に合格することで資格を取得できます。
(全5科目・100問出題)
申込期間開催年による
費用1級:6,600円(税込) 2級:4,400円(税込)
受検・受講資格特になし
難易度合格率 1級:46.4%(第10回)、2級:76.3%(第10回)
会場全国約150会場(47都道府県)
認定機関全国食肉検定委員会

肉牛・養豚・養鶏の求人はこちら

「食」の資格は役に立つ?

フード系の資格は、ここで紹介した資格の他にもたくさんあります。資格の種類によって、就職に直結するものもあれば、そうでないものもあるかもしれません。
しかし、農業ビジネスにおいて食品の深く幅広い知識は、生産物の魅力を最大限にアピールすることを可能にしたり、言葉に説得力が増したり、就職してから役立つことは確かでしょう。「取得した資格をどのように活かすか」が大切だと言えます。

誰もが資格取得によるリターンばかりに目が行ってしまいますが、フード系の資格は生活を豊かにしてくれるという魅力もあります。仕事だけでなく、暮らしや健康、美容、趣味など…幅広く応用できることが期待できます。ぜひ自分に合った資格を見つけてください。

参考サイト:仕事に役立つ資格を取るならフォーサイト