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群馬県で未経験から農業を始めた方の本音インタビュー

未経験から新規就農するにはたくさんのハードルがあり、不安に思う方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。今回は群馬県高崎市で無農薬、無化学肥料栽培に取り組む生産者団体「くらぶち草の会」に所属する農家さんに、群馬県で就農をした理由や家族への説得、新規就農を目指す方へのアドバイスなどを聞いてみました。

くらぶち草の会は、新規就農希望者向けに1~2年間の実地研修を行っている他、独立をした農家で構成された生産者団体としての役割も担っています。
お話を聞いたのは、くらぶち草の会で実際に研修を受け、新規就農をしたこちらの3名です。

なぜ農業の道を選んだのですか?

簾藤さん
東京で会社員をしていた中、「定年まで毎日満員電車に揺られて過ごすのか…?」とふと思ったのがきっかけです。転職を機に今までと違うことを始めたいと考え、農業に興味を持ちました。
妻の助けを借りずに農作業するつもりだったため、就農フェアで出会った多くの地域の方が「夫婦で作業しなきゃ」と口を揃える中、「1人でも大丈夫」という受け入れ先の代表の言葉に背中を押され決意しました。
50歳まで会社員として働いていましたが、雇われの身に不安と、独立事業への憧れを抱いていたタイミングで子どもたちが社会人に。子育ても一段落したので、本格的に動き出すことにしました。
就農準備は退職の1年前からスタートし、知識や資金を蓄えていきました。野菜栽培を選んだ理由は「やりたいこと」と「やれること」を現実的に考えた結果でした。最初は「島でマンゴー栽培!」なんかも考えていましたが、家族に伝えても納得してくれないだろうな…と。
平船さん
秋山さん
「フィールドに出て、体を動かせる学部」だと考え農学部を選んだので、就農は全く考えていませんでした。
就農という選択肢が生まれたのは、大学院に進み、就職先を考え始める時期でした。それでもサラリーマンと天秤にかけている状態で、最終的には同じ農学部出身の妻と相談をして就農を決めました。
私も含め、群馬県にたくさんの新規就農者がいる理由は「市と県の連携がしっかりしているから」だと思います。就農までは群馬県の担当者さんに手厚くサポートしていただいたので、不安な要素も気軽に相談できたし、先輩就農者もたくさんいるので心強かったです。

就農を決意した際、ご家族にどう伝えましたか?

簾藤さん
転職をしたいと前々から妻に話していましたが、農業をやりたいと伝えた時はさすがに「えっ?」と驚かれました。
最終的には現地で直接受け入れ先の雰囲気や暮らす環境を見てもらい、移住を決意してもらいました。妻に農作業をお願いしなかったのも納得してもらえた大きなポイントだと思います。
反対されることは当然分かっていたので、可能な限り準備をしてから話をしました。
家族に伝えたのは収支の見込みや怪我をして仕事ができなくなった時の対策、農業を選ぶまでのプロセスなど。何回かに分けて説明し、じっくり懸念点を解消していきました。
準備は「言われる側の気持ち」を想像しながら進めました。こういった点は会社員の経験が役に立ちましたね。
平船さん
秋山さん
妻も農学部出身のため就農をすることへの理解があり、説得は必要ありませんでした。ただ、農業を仕事にして暮らしていく厳しさは2人とも分かっていたので、「ちゃんと生活ができる農家」になれる地域があれば就農をしようと決めていました。

実際に就農してみて、イメージと違った部分はありましたか?

簾藤さん
作物の状態によって繁忙期やゆったりした時期があるのかな、と考えていましたが、結局1年間ずっと作業に追われる毎日です。自分で栽培計画を立てているので、ある程度は分かってはいたことですが。1人で全ての作業をこなすのは大変だけど、ちょっとしたひらめきや考えをすぐに試すことができるのは本当に楽しいです。
やってみないと分からないことがたくさんありました。いらないものを買ってしまったり、段取りが難しかったり。
農家としての生活で大切なのは取捨選択をすることだと思います。周りの人たちが優しいのでいろいろと助言してくれますが、それらの案を採用するかは自分次第です。取り入れて何かあっても自分の責任ですしね。農業には正解がないので、まずは試して、失敗して、徐々に判断力を身につけていくことが大切だと学びました。
平船さん
秋山さん
もともと農業に興味があるわけではなかったので、あまり夢をもって始めたわけではありませんでした。なので多少大変なことがあっても「まあこんなこともあるよね」と前向きに考えることができていると思います。
ただ、思ったよりも周りの人たちが優しいな、と感じました。「田舎はよそものに厳しい」というイメージを何となく持っていたのですが、地域柄なのか新規就農者に慣れてる方が多く、親身になって接してくれました。

今後の目標を教えてください

簾藤さん
今後は作業時間を減らしつつ、売上と所得を上げていきたいと考えています。毎日日誌をつけることで、次の年に活かせるデータが充実するので、就農の際はぜひ試してみてください。
いかに楽をして稼げるか、にフォーカスをして経営をしていきたいです。どの野菜が高く売れるのか、作業が簡単なのはどの野菜なのか、など。これからが楽しみです。
平船さん
秋山さん
変わらず家族経営を続けていくので、子育てをしながら仕事と生活が両立できる環境を整えていきたいです。子どもはまだ小さいですが、これから成長すると何かと変わってきそうですしね。そういった時に臨機応変に対応できるのも家族経営の利点かな、と思います。

これから就農を目指す方へアドバイスはありますか?

簾藤さん
自分にとってしっくりくる地域を探すことが大切です。土地が決まれば栽培計画を立てられるし、農地は一度決めると簡単には移動できないので。
私は最初に群馬の話を聞いた時に「ここだ!」とすぐに決めてしまいましたが、たくさんの地域を調べて訪問して、皆さんもビビッと来る土地を探してみてほしいです。
とにかく貯金です!いろいろな支援金もありますが、初期費用が何かとかかるのであっという間に無くなります。するべき投資はしっかりしないと、後々やりたいことができなくなっちゃいますしね。
農作業をスタートすることができれば、そこからのランニングコストはあまり発生しないので、最初にしっかり準備をして乗り越えることが大切です。
平船さん
秋山さん
行政や自治体の方に話を聞くことです。普遍的なことはネットで調べられるけど、具体的な話は直接聞かないと分からないことがたくさんあります。
農業は地域ごとの特色や事情の影響が特に強いし、そもそも受け入れを行なっていないかもしれない。いい担当者さんに巡り合えば、就農まで親身にサポートをしてくれるので、いい地域と自分に合う担当者さんを探すのがオススメです。

まとめ

未経験からの新規就農は難しそうに感じますが、入念な準備とサポートを活用することで、これまでもたくさんの方が群馬県で農業デビューをしています。新規就農の入口は多種多様。相談会やネットで情報収集。農業体験への参加や、農家さんのもとで働いて知識を付ける選択肢もあります。
就農を目指す方もまだお悩み中の方も、まずは群馬県で就農体験から始めてみませんか?

くらぶち草の会では、農林中央金庫と協力し、2023年11月15日(水)に就農体験イベントを開催しました。
※本募集は締め切りました。たくさんのご応募ありがとうございました!

農業のQ&A特集|農業の暮らしに関する疑問に答えます!

意外と聞けない!農業に関する疑問をQ&A特集で解決しよう!

就職・転職を考えるうえで、仕事内容と同じぐらい気になるのがライフスタイルではないでしょうか。「農業で得られるメリットは?」「どんな1日を送っているの?」など、よく聞かれる質問とその回答をまとめました!

農業に休みはありますか?

従業員として働く場合は、定期的な休みを取ることができます。定休日が決まっているところもあれば、牧場のように生き物の世話をしているため、シフト制で休みを設定しているところもあります。また、天候によっては作業ができず急に休みになることも。一方で、農業は大規模化が進んでおり、年間100日以上の休みを設ける企業も年々増加しています。

新規就農して自営業として農業をやる場合、生産以外にも販売、マーケティング、資材等の確保など少人数でさまざまな仕事をやる必要があり、始めのうちは決まった休みを取るというのは難しいかもしれません。

なぜ農業は朝が早いのですか?

例えば乳牛を育てる酪農業の場合、朝・夕方の2回搾乳を行うことが一般的です。体内に乳が溜まるとストレスとなってしまうことから、朝早くに搾乳して牛の健康を保ちます。また野菜などを育てる耕種農業の場合、朝どれ野菜を販売するために早めに収穫・出荷しているほか、夏は熱中症予防のため暑い時間帯を避けるなどの理由で他業界よりも朝が早くなります。

農家の一日のスケジュールは?

農業の業種によってそれぞれ働き方が異なります。酪農業のように朝と夕方がメインで昼休みがとても長いことが多い業種もあれば、一般的なオフィスワークに近い9時から17時に勤務する業種も。また毎日同じ業務を繰り返す職場もあれば、米や野菜の生産など季節毎に作業内容がガラッと変わる職場もあります。

農業をすることで得られるメリットはありますか?

他業界から農業界に転職した方からよくあがるのが、「健康な体になった」という声です。朝は比較的早く体力も使うため、必然的に早寝早起きが習慣化し、自然と身体も鍛えられます。

農業をやっていて出会いのチャンスはありますか?

所属している組合の飲み会や、近隣の農家さんとの交流会などがあり、そこでカップルが誕生することもしばしばあります。地域とのつながりが強い点が農業の特徴と言えるでしょう。またマルシェなどのイベントを通した出会いなどもあるようです。

農業を仕事にして生活していけますか?

雇用されて農業をする場合は月々のお給料をもらいながら農業をすることになるため、安定した収入を得ることができます。都会の仕事と比べると手取りが少ないことが多いですが、その分、田舎では家賃や食費などの生活費を抑えられるため十分生活していくことは可能です。

ただし、新規就農(独立)の場合は農畜産物を生産して販売しなければ収入が無く生活することも厳しくなりますので、その点は注意が必要です。

農業のQ&A特集|就農・就職に関する疑問に答えます!

農業界に飛び込むには?
Q&A特集で疑問を解決しよう!

「農家になりたい」「農業界に転職したい」と情報収集を始めたばかりの皆さんからよく聞かれる質問と、その回答をまとめました!

農家にはどうやったらなれますか?

まずは農業法人などで勤めながらノウハウを勉強していくことがよいでしょう。農家出身でない場合は農地などを用意する必要があります。その場合も勤め先で信頼してもらえるようになれば、その地域で農地を借りることができるようになる場合もあります。そのほか、細かい点については以下を参考にしてください。

就農する際に自治体からの補助や支援などはありますか?

新規就農を考える際、多くの自治体で採用されている新規就農者向けの支援制度や助成制度などがあります。家賃助成や研修助成、就農にかかる費用の補助など、自治体や団体などによってさまざまな制度がありますので、複数の地域の支援制度を調べて相談することをおすすめします。

農業大学校ではどんなことが学べるのですか?

農業大学校では、高校卒業者レベルを対象とした農業の実践的な学びを提供しています。作物ごとに専攻が分かれており、水稲、野菜、花卉、果樹などの栽培方法について学ぶことができます。また、社会人を対象とした研修プログラムなども用意されており、新規就農に向けて基礎から学びたい、短期集中プログラムに参加したいという方は、一度各自治体の農業大学校に問い合わせてみるといいでしょう。

農業学校以外の新卒でも農業界で就職できますか?

就職できます。農業ジョブに掲載されている求人情報の中で雇用形態に「新卒(正社員・インターン)」と記載しているところは積極的に新卒者を採用しています。そのほとんどの場合で学部の制限は関係ありませんので、ぜひチャレンジしてみてください。

新卒を積極採用中の求人はこちら

農業に必要な資格は何ですか?

農業に絶対必要な資格はありませんが、通勤や農場・牧場内の作業で車の運転が必要な場合が多いため、普通自動車免許は持っておいた方がいいでしょう。また「必須では無いけど持っておくと業務の幅が広がる」資格や免許はたくさんあり、入社後に取得支援や取得費用の助成をしてくれる企業もあります。

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農業のQ&A特集|仕事に関する疑問に答えます!

農業ってどんなお仕事?
Q&A特集で疑問を解決しよう!

農業に興味はあるけれど、分からないことが多くて不安…。と思っている方は多いのではないでしょうか。「農業はどんな人が向いているの?」「農業をやっていて大変なことは?」など、普段なかなか聞けない素朴な疑問と回答をまとめました!

農業にはどんな仕事がありますか?

野菜や果物、花などを栽培する耕種農業や、酪農や養豚、肉牛生産や養鶏などといった畜産農業の仕事があります。また、農機や肥料等を扱う農業資材会社や種苗メーカー、流通、販売など農業関連ビジネスの仕事も数多くあります。

農業はどんな人に向いていますか?

生き物(植物や動物)が好きなのはもちろん、忍耐力がありコツコツと地道に努力できる方や、ただ言われたことをやるだけでなく自分で考えて試行錯誤できる方に向いています。また、同じ地域の農家さんや卸先、農業資材の会社など、実は農業は色々な人と関わる機会がある仕事。人とコミュニケーションを取ることが好きな方にも向いています。

農業のやりがいはなんですか?

野菜を育てて収穫した時の喜びや、お客さんから「おいしかった」と言ってもらえた時のやりがいはとても大きいものです。自然に囲まれた環境で、都会の会社勤めで付き物である通勤ストレスとは無縁な点も魅力の一つ。ただし、地方ではご近所付き合いなどがあり、まったくストレスが無いというわけではないので注意が必要です。

農業で大変なことは何ですか?

暑さや寒さと戦いながら作業をする日もあれば、天候不良や自然災害、病害虫の発生など予期せぬトラブルが起こることもあります。そんな時でも、根気強く柔軟に対応しなければならない点が農業の大変な部分です。

農業は女性にもできますか?

農業は体力のいる仕事が多いですが、もちろん女性にでもできる仕事です。実際、女性の農業従事者はたくさん活躍しています。酪農や畜産などの動物を相手にする仕事などでは、女性ならではのきめ細かい心配りが求められることや、花卉栽培などでは女性の感性が活かされることも。また機械化が進んでいるところも多く、年齢や性別問わず活躍できる環境がたくさんあります。

農業で身につくスキルはなんですか?

業務内容によって異なりますが、共通して身につくスキルは観察力や根気強さと言えるでしょう。畑で作物を育てる仕事でも、動物のお世話をする仕事でも、いつもと異なることは無いかを日々注意深く観察する力は非常に重要です。また地道な作業をコツコツ繰り返す作業も多く、少しずつ根気強さが身につきます。

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【漁業で就職活動】基本情報を集めてキャリアプランを作ろう

漁業に就職!基本の「き」をご紹介
こんなはずじゃなかった…!を防ぐキャリアプランの作り方

就職パターンを決めよう

漁業で働くには、漁業協同組合か民間の漁業会社に就職するのが一般的です。将来独立を目指す場合でも、通常は研修を経る流れとなります。

漁業協同組合に就職する

漁業協同組合は漁業者による協同組合です。沿海地区漁協数は1,000組合弱あり、組合員のために販売、購買、信用、共済、指導等の事業を実施しています。漁業協同組合は合併が進み、規模の大きな組織も増えています。業務範囲も多岐に渡ります。

民間の漁業会社に就職する

漁業経営体数 約7万9千経営体のうち、そのほとんどが個人経営体で、会社数は約3千です。漁師になりたい人が目指す就職パターンです。

漁業会社で就職/研修した後、独立する

資格等が必要になるため、未経験から直接漁師になるのは困難です。船舶免許や漁業無線などの資格の他、地域や漁業の種類によっては知事による許可が必要となる場合もあります。また沿岸漁業については一般的に漁業協同組合が漁業権を管理しています。漁業で独立するには、その地域に住所を置き、90〜120日以上漁業に従事するなどの条件をクリアして漁業協同組合の組合員となることことが早道とされています。

漁業の種類を知ろう

漁業種類は場所によって大きく5種類に分類され、それぞれ様々な漁法が用いられています。仕事内容をより具体的にイメージするためにも、まずは代表的な漁業種類と漁法を把握しましょう。

遠洋漁業

世界の海が漁場です。船上生活はおよそ50日から1年におよびます。漁法では、遠洋カツオ一本釣漁、遠洋マグロはえ縄漁、遠洋トロール漁、遠洋イカ釣漁などがあります。

沖合漁業

日本の200海里水域が中心漁場となります。操業日数は獲る魚や漁法の種類によって異なり、日帰りから1ヶ月程度の幅があります。近海カツオ一本釣漁、近海マグロはえ縄漁、沖合底曳き網漁、大中型まき網漁、サンマ棒受け網漁、沖合イカ釣漁などがあります。

沿岸漁業

古くから沿岸部で行われてきた漁業です。様々な漁法があり、獲る魚も多様です。漁業が近いため日帰りが基本となります。定置網漁、まき網漁、小型底曳き網漁、釣り漁、刺網漁、採貝・採藻、タコづぼ漁、沿岸イカ釣漁などがあります。

海面養殖業

需要期に安定的に魚介類を供給します。地域によって魚種に特徴があります。養殖業は日本国内に限らず、研究と技術の革新や進歩がめざましい漁業分野です。一方で新技術導入による設備投資や魚病や赤潮などのリスクがあります。計数管理能力が求められ、市場開発や顧客開拓などの課題もあります。最近では陸上の水槽で養殖する「陸上養殖」もあり、自然の海を汚すことが無く、環境保護につながる新しい方法として世界的に注目されています。海面養殖でも陸上養殖でも、働き方は勤務時間など一般企業と近いイメージですが、不規則な勤務や休日勤務が生じることも多いです。

内水面漁業

河川・池・沼などの淡水における漁業です。また淡水魚などの養殖を「内水面養殖業」と言います。さけ、ます、わかさぎ、あゆ、こい、ふな、うなぎ、どじょう、しじみなど様々な種類がありますが、地域によって魚種に特徴があります。漁業生産に加えて、遊漁をはじめとするレクリエーションも行われています。

魚を知ろう

魚を釣ったり食べたりするのが好きな人でも、消費者から生産者に視点を移して、あらためて魚について調べてみましょう。いつ・どこで・どんな魚が・どんな漁法で獲れるのでしょうか。そして獲った魚はどのようにして消費者に届けられるのでしょうか。魚について深く知ることで、より具体的な仕事のイメージづくりにつながります。

魚種

生産量については、農林水産省が発表している漁業生産統計調査などが参考になるでしょう。各地域の代表的な魚を知るには、全国漁業協同組合連合会が制定している「県の魚」が参考になります。魚種を細かく調べるには、図鑑サイトも役立ちます。投稿式のものと、監修されたものがあります。また各漁業協同組合連合会がサイト上で魚図鑑を載せている場合もあります。

市場流通

針葉樹の素材生産量は約1600万㎥です。針葉樹は成長が早く、まっすぐな材がとれるため、主に建築材として用いられます。針葉樹の素材生産量のうちスギが半分以上を占め、他にはヒノキやマツがあります。同じ樹種の中でも地域により特徴があり、ブランド化されているものもあります。吉野スギ、天竜スギ、尾張ヒノキが日本三大人工美林と言われています。

就職先を選ぼう

未経験者のキャリアプランとして代表的なのは、漁業協同組合や漁業会社への就職です。研修を経て独立するパターンもありますが、ここではまず就職活動のポイントをご案内します。就職先を選ぶ際には、仕事内容や給与以外にもチェックしておくべきポイントがあります。人によって重視するポイントは異なりますが、まずは以下の内容を参考にして自分の判断基準について考えてみましょう。

地域と漁業種類で選ぶ

住みたい地域から選んだり、好きな魚種が特産品となっている地域から選ぶ方法があります。また各都道府県がそれぞれ漁業の就職支援をしているので、自分に合った支援をしてくれる都道府県で探すのも良いでしょう。取り組みたい漁業種類が決まっている場合には、それらが盛んな漁場で探すこともできます。漁業種類によって勤務時間や船上生活期間、チームサイズなどの働き方が異なります。自分に合った働き方のできる漁業種類からも選ぶことができます。

複合事業で選ぶ

消費者に直売したり、自社で加工品を製造して販売している漁業会社もあります。また漁業体験や漁師民泊や漁師レストランなどのサービスを提供している場合もあります。小売販売や観光事業など、生産以外の幅広い分野に興味がある場合には、これら「6次産業化」に取り組んでいる、またはこれから取り組もうとしている漁業会社に就職することも考えられるでしょう。実際に商品を試したり、観光体験をしてみることも重要です。実際に就職すると、他の漁業会社の顧客になることは少なくなる場合があるので、就職活動の段階で積極的に比較体験しておくと、就職後の参考にもなります。

体験で選ぶ

船上での作業や生活は、陸上とは異なる環境です。未経験者の場合は、まずイメージをつかむためにも漁の現場で体験をしたり、就職フェアに参加してみると良いでしょう。海上で危険も伴う漁業では、チームワークが大切となることもあります。体験などでの出会いと直感が、就職の決め手になる場合もあるので、仕事や人に直接触れる機会を積極的に作っていくと良いでしょう。

自分の価値観を知ろう

就職活動は求人者と求職者のマッチングのプロセスです。就職先が自分にマッチするかどうかを判断するためには、就職先だけでなく自分についても知る必要があります。例えばみんなに人気の漁業会社ならば必ずあなたにも最適、ということはありません。一般企業への就職活動者が行う「自己分析」は漁業でも有効です。「こんなはずじゃなかった」とマッチングに失敗してしまう可能性をより小さくするためにも、きちんと時間をとってあらためて自分について考えましょう。「自己分析って何?」という方は、以下のポイントから始めてみてはいかがでしょうか。

自分に問いかける

自己分析には様々な手法があり、解説WEBサイトや書籍も多数存在します。ここでは基本例として、2つの切り口をご紹介します。1つ目は「Want、Can、Must」です。Want(やりたいこと)と、Can(できること)、Must(求められること)の3つを重ねた際に、すべて交わる部分が多いほど自分に適している、と見ることができます。もう2つ目は「Being、Having、Giving」です。Being(どんな能力を持ちたいか、どんな人間性になりたいか)、Having(収入や生活環境や名誉など、何を得ていたいか)、Giving(社会や地域や人に対して何を提供したいか、どんな影響を与えたいか)の3つをそれぞれ掘り下げます。それら3つが仕事でどのように満たされるのかを考えると、すべて満たされたり、どれかが満たされなかったりするので、仕事にマッチするかどうかを見る基準の1つにすることができるのです。

他人に聞いてみる

自己分析を終えたら、次に他人に聞いてみることも有効です。自分が気づいていない一面を認識できたり、あらためて客観的に自分を捉えることができるためです。さらには、自己分析した内容を踏まえて他人にアウトプットしていく中で、考えがまとまったり、自分の新たな嗜好に気づいたりすることもあります。自分が林業に興味がある理由や、気になる林業会社があればその理由について話してみましょう。聞く相手は友人や家族、あるいは林業への就職支援をしている機関の職員など、話しやすい人を選ぶと良いです。林業知識の無い人に聞く場合には、まず林業や仕事内容についての説明を求められる場合もあるので、事前準備としての情報収集も必要となります。

ツールを利用する

出来事や経験を振り返り分析して活かす、という方法は教育現場や一般企業でも実践されていることがあります。この振り返り作業は「リフレクション」や「内省」と呼ばれます。漁業でも日々の経験を振り返って、学びを改善につなげることは重要です。「リフレクション」は就職活動の自己分析でも活用できるので、この機に「リフレクション」について調べてみてはいかがでしょうか。書籍やWEBサイトなどで情報を得ることができます。他にも自己分析に役立つ情報やツールは色々とあるので、自分に合いそうなものを探してみましょう。書店の就職活動コーナーの他、無料のWEB診断テストや、漁業就職の相談窓口など、まずは着手しやすいものから始めてみるのも良いでしょう。

【林業で就職活動】基本情報を集めてキャリアプランを作ろう

林業に就職!基本の「き」をご紹介
こんなはずじゃなかった…!
を防ぐキャリアプランの作り方

就職パターンを決めよう

林業で働くには、森林組合か民間の林業会社に就職する方法が一般的です。独立を目指す場合でも、起業前にどちらかで数年以上の経験を十分に積む場合が多いので、未経験者はまずどちらかへの就職を考えてみましょう。

森林組合に就職する

森林組合は森林所有者が組合員となる協同組合です。日本の森林の約7割は個人所有の私有林で、森林組合は主にこれら組合員の所有林を管理します。森林組合は約700あり、事業内容は各組合で異なりますが、主に4部門(森林整備部門、販売部門、加工部門、指導部門)に分類されます。山で木を切るというイメージが強いかもしれませんが、それは仕事の一部。森林組合と民間の林業会社の一般的な違いについては、仕事内容の違いも挙げられます。例えば「主伐」という仕事の7割は民間の林業会社が行っていて、森林組合は1割です。「植林」については民間は3割、森林組合が6割です。森林組合から林業会社へ仕事を外注する場合があるので、将来独立を考えている人は森林組合で築いた信頼が仕事の受注につながる可能性もあります。

民間の林業会社に就職する

森林を保有している会社と、保有せずに受託のみの会社があります。一般的には「主伐」の仕事が主となりますが、会社によって異なります。森林組合は合併が進んでいるため、地域を決めれば勤務組合も決まることもありますが、林業会社は多数存在するため、各会社の特徴をより注意して見てみましょう。林業では一般的に独立は難しいと言われますが、林業会社で経験を積んで独立を果たすケースもあります。仕事を受注する営業についても学んでおく必要があります。

林業の仕事サイクルを知ろう

林業では木を植えてから伐採まで約50年かかります。そのため森林の成長サイクルに合わせた様々な仕事を、複数箇所で実施することになります。ここでは代表的な仕事をご紹介します。

  • 地ごしらえ(2・3月)
    伐採後、植え付けをするために散乱した伐採木の枝葉や残木を取り除き整地する作業です。
  • 植え付け(4・5月)
    苗木を一定の間隔で植える作業です。近年は鹿などに被食されることがあり保護カバーや獣害ネットを付けることがあります。
  • 下刈り(6~8月)
    苗木よりも雑草の方が早く成長するため、苗木が雑草に覆われ生育を妨げられます。そのため雑草木などを刈払い、十分な日光が当たるようにします。一般的に植え付け後の数年間、毎年夏の間に行う作業です。
  • 除伐(9・10月)
    節のない良質材を生産するために下枝を切り落とす作業です。病虫害や雪害を防止し、林内を明るくします。
  • 間伐(11・12月)
    伐採後、植え付けをするために散乱した伐採木の枝葉や残木を取り除き整地する作業です。
  • 主伐(秋~春)
    樹木が成長し柱などの資材として利用できる時期に達した立木を伐り、枝葉を払い適当な長さに切る「玉切り」をします。近年では高性能林業機械を利用し作業の効率化を進めています。
  • 集材
    造材された木を林道や土場、市場などに運材するのに便利な場所まで集める作業です。近年は主に高性能林業機械の利用が多くなっています。
  • 運材
    集材された木材をトラックなどに積み込み、木材市場や貯木場に運ぶ作業です。

この他にも、製材加工、流通、測量、林道づくり、治山など、森林での仕事は多岐にわたっています。

素材について知ろう

農業や漁業では生産量は重さで表します。林業ではどうでしょうか?また木の種類にはどのようなものがあるでしょうか。一次産業の就職活動でも商材について知ることは重要です。ここでは基本について簡単に紹介します。

木の量の量り方

林業では木の量を「材積」という体積(㎥)で表します。材積を出すためには「測樹」という調査を行います。測樹では木の直径と高さを測ります。測り方や、体積の計算の仕方には細かなルールがあります。また森林全部の木を調査することを「毎木調査」と呼びます。

針葉樹

針葉樹の素材生産量は約1600万㎥です。針葉樹は成長が早く、まっすぐな材がとれるため、主に建築材として用いられます。針葉樹の素材生産量のうちスギが半分以上を占め、他にはヒノキやマツがあります。同じ樹種の中でも地域により特徴があり、ブランド化されているものもあります。吉野スギ、天竜スギ、尾張ヒノキが日本三大人工美林と言われています。

広葉樹

広葉樹の素材生産量は約230万m³です。日本で生産される素材はほとんどが針葉樹です。広葉樹は成長が遅く、針葉樹のようにまっすぐな材はとれません。美しい木目を活かして、家具や内装などに用いられます。主要な樹種ではブナで、他にカンバ、ナラ、シナノキなどがあります。日本に自生する針葉樹が約40種なのに対して、広葉樹は800種以上あると言われています。地域や標高などの環境によって、樹種が異なります。

市場流通

木材の流通経路は、様々な形態があります。ここでは住宅建設を例にして一般的な経路をご紹介します。切り出された木は、丸太の状態で原木市場まで運ばれます。製材業者が丸太を競り落とし、製材工場に運んで柱や板の製材品に加工します。製材品は製品市場へ運ばれ、木材卸業者が買います。それから木材小売業者を通して工務店が購入し、家を建てます。ブランド材以外は、これらの流通の過程で出自を見分けることは難しくなっています。

就職先を選ぼう

未経験者のキャリアプランとして代表的なのは、森林組合や林業会社への就職です。ここでは就職活動のポイントをご案内します。就職先を選ぶ際には、仕事内容や給与以外にもチェックしておくべきポイントがあります。人によって重視するポイントは異なりますが、まずは以下の内容を参考にして自分の判断基準について考えてみましょう。

地域で選ぶ

林業が盛んな地域で探したい場合には、農林水産庁が出している「生産林業所得統計」などを参考にして調べることができます。木材生産額が最も大きいのは北海道で、次いで宮崎県、岩手県、熊本県、大分県となります。またブランド材を出している地域で探す方法や、住みたい地域から探す方法があります。

先進経営組織で選ぶ

先進システムを導入している事業体を探す方法としては、例えば林野庁の「先進林業機械改良・新作業システム開発事業のうち作業システム導入支援事業」の支援先を調べる方法があります。また林業労働力の確保育成について表彰されている事業者を探す方法もあります。林野庁長官賞や全国森林組合連合会会長賞などが、優良林業事業体に与えられています。

複合事業で選ぶ

6次産業化により、木材の生産から加工販売までを行っている事業体もあります。消費者に近い仕事をしたい人などは、6次産業化の視点で探してみるのもよいでしょう。商品は家や家具や棺など様々です。

体験で選ぶ

野菜や魚はスーパーで見かけますが、丸太や板を日々見かける人は少ないのではないでしょうか。加工前の素材について、林業の場合は消費者と比較的距離があります。未経験者の場合は、まずイメージをつかむためにも生産現場で体験やボランティアをしたり、就職フェアに参加してみると良いでしょう。危険な作業も伴う林業では、チームワークがより大切となります。体験などでの出会いと直感が、就職の決め手になることもあります。

自分の価値観を知ろう

就職活動は求人者と求職者のマッチングのプロセスです。就職先が自分にマッチするかどうかを判断するためには、就職先だけでなく自分についても知る必要があります。例えばみんなに人気の漁業会社ならば必ずあなたにも最適、ということはありません。一般企業への就職活動者が行う「自己分析」は漁業でも有効です。「こんなはずじゃなかった」とマッチングに失敗してしまう可能性をより小さくするためにも、きちんと時間をとってあらためて自分について考えましょう。「自己分析って何?」という方は、以下のポイントから始めてみてはいかがでしょうか。

自分に問いかける

自己分析には様々な手法があり、解説WEBサイトや書籍も多数存在します。ここでは基本例として、2つの切り口をご紹介します。1つ目は「Want、Can、Must」です。Want(やりたいこと)と、Can(できること)、Must(求められること)の3つを重ねた際に、すべて交わる部分が多いほど自分に適している、と見ることができます。もう2つ目は「Being、Having、Giving」です。Being(どんな能力を持ちたいか、どんな人間性になりたいか)、Having(収入や生活環境や名誉など、何を得ていたいか)、Giving(社会や地域や人に対して何を提供したいか、どんな影響を与えたいか)の3つをそれぞれ掘り下げます。それら3つが仕事でどのように満たされるのかを考えると、すべて満たされたり、どれかが満たされなかったりするので、仕事にマッチするかどうかを見る基準の1つにすることができるのです。

他人に聞いてみる

自己分析を終えたら、次に他人に聞いてみることも有効です。自分が気づいていない一面を認識できたり、あらためて客観的に自分を捉えることができるためです。さらには、自己分析した内容を踏まえて他人にアウトプットしていく中で、考えがまとまったり、自分の新たな嗜好に気づいたりすることもあります。自分が林業に興味がある理由や、気になる林業会社があればその理由について話してみましょう。聞く相手は友人や家族、あるいは林業への就職支援をしている機関の職員など、話しやすい人を選ぶと良いです。林業知識の無い人に聞く場合には、まず林業や仕事内容についての説明を求められる場合もあるので、事前準備としての情報収集も必要となります。

ツールを利用する

出来事や経験を振り返り分析して活かす、という方法は教育現場や一般企業でも実践されていることがあります。この振り返り作業は「リフレクション」や「内省」と呼ばれます。漁業でも日々の経験を振り返って、学びを改善につなげることは重要です。「リフレクション」は就職活動の自己分析でも活用できるので、この機に「リフレクション」について調べてみてはいかがでしょうか。書籍やWEBサイトなどで情報を得ることができます。他にも自己分析に役立つ情報やツールは色々とあるので、自分に合いそうなものを探してみましょう。書店の就職活動コーナーの他、無料のWEB診断テストや、漁業就職の相談窓口など、まずは着手しやすいものから始めてみるのも良いでしょう。

【農業界で就職活動】基本情報を集めてキャリアプランを作ろう

農業に就職!基本の「き」をご紹介
こんなはずじゃなかった…!
を防ぐキャリアプランの作り方

就農パターンを決めよう

一般企業では、会社員になる/起業する/家業を継ぐなどの就業パターンがあります。農業でも同様に、独立志向なのかどうかで就職先選びのポイントが異なります。まずは自分が目指す就農パターンを考えてみましょう。 主な就農パターンは次の4つです。

農業法人に就職する

将来的な独立は強く意識せずに、従業員として農業法人で働くパターンです。キャリアアップでは、農場長、生産や経営の幹部や社長となることがあります。

農業法人に就職した後、独立する

一旦は農業法人で勤務して経験を積み、その後に独立するパターンです。就職活動時には、独立支援の有無や、習得したい技術や知識の有無など、独立を意識した視点で農業法人を選ぶことができます。

既存農家を経営継承する

後継者のいない農家の経営を引き継ぐパターンです。移譲希望の農家から技術や経営管理のノウハウを教わり、販路・農地・機械施設等の経営資産を継承することができます。地域や作目は移譲希望者の状況により限られます。

農業法人に就職せず、自分で農業を始める

自分がやりたい経営を自由に目指すパターンです。起業することと同じで、始める前と後にそれぞれ多くのハードルがあります。農業経営像を具体的に描いて、就農候補地でも直接情報を集めたり人間関係を構築したりといったことが必要です。また[技術やノウハウ/資金/農地/機械や施設/販路]といった最低限の5つの生産資源の獲得が必須です。

業種を選ぼう

農業にも多くの業種があります。まずはどのような業種があるのかを把握して、自分の興味に合った業種を選びましょう。

経営作物を調べよう

各業種が生産する作物は様々あり、それぞれの品種も多様です。例えばトマトの品種は200種以上。消費者として野菜や肉を知っていても、生産者の目線で経営作物についてあらためて調べてみると良いでしょう。野菜の場合は例えば種苗メーカーのWEBサイトなどで調べることで、食べる側から作る側へ視点を移すことができます。農業未経験者が最初から難しい文献を読む必要はありませんが、例えば次に挙げるような基本的な情報を押さえると、就職を考える際に役立ちます。

主な生産地

気になる作物や品種がある場合、それらの主な生産地を調べてみましょう。それらを作りたい場合、生産が盛んな地域を対象に就職活動することが有効な場合があります。また住みたい地域も決まっている場合には、その地域で作りたい作物を作れるのか、作っている就職先があるのかも見ていきます。

一般的な生産サイクル

作物によって生産のサイクルは異なります。そのサイクル次第で働き方が変わってくることがあります。通年で安定生産されるものであれば働き方の季節変動も比較的小さくなります。季節毎でそれぞれ作業が大きく異なったり、作業ピークがある場合には、勤務の内容・時間帯・量・場所などが大きく変化することもあります。希望の働き方と大きなズレが生じることが無いかどうか、あらかじめ一般的な生産サイクルを把握しておくと良いでしょう。

一般的な販売先

生産物の流通についても調べてみましょう。生産したものが消費者に届くまでにはどのような流れになっているでしょうか。気になる経営作物については一般的な流通を把握すると、その中で自分が担う範囲をイメージしやすくなります。例えば肉牛の場合は、大きく4つの流通(生体流通、枝肉流通、部分肉流通、精肉流通)と2つの市場(家畜市場、食肉卸売市場)があります。食肉センターや加工業者など様々な関係者がこの流れに関わって、肉牛が最終的に「お肉」として消費者に届きます。中には生産に加えて加工と販売までも生産者自らが行う「6次産業化」を行っている場合もあります。

農業法人を探そう

未経験者のキャリアプランとして代表的なのは、農業法人への就職です。直接新規就農するパターンもありますが、ここではまず就職活動のポイントをご案内します。就職先を選ぶ際には、仕事内容や給与以外にもチェックしておくべきポイントがあります。人によって重視するポイントは異なりますが、まずは以下の内容を参考にして自分の判断基準について考えてみましょう。

法人形態

農業法人とは、法人形態で農業を営む法人の総称です。農業法人は大きく2タイプに分類されます。営利行為を行うことを目的とする「会社法人」と、組合員の協同利益増進を図る「農事組合法人」です。その中で、“農業経営を行うために農地を取得できる法人”農業法人を「農地所有適格法人」とと言います。「農地所有適格法人」となることができるのは、「会社法人」の4形態(株式会社、有限会社、合名会社、合資会社)と「農事組合法人」の中で、要件を満たした法人です。将来独立を目指す場合には、自分が目指す法人形態を選択すると、経営の参考にもなりやすいでしょう。農業法人に対して、個人事業主である家族農業経営体は約150万あります。個人事業の場合は、組織が小さいことも多く、代表者の右腕として様々な活躍を期待されることが多いようです。やりたいことや意見があれば積極的に取り入れてもらえることもあり、個人事業ならではの魅力もあります。

組織規模

規模の大きい法人では、一般的に研修体制がより充実しています。また設備面や制度面などでも先進的な経営をしていることがあります。一方で規模の小さい法人では、自分を育ててもらうだけでなく、組織を一緒に育てていくような心構えが求められることが多いようです。農業法人の組織規模を選ぶのは、一般企業就職で大企業志向なのかベンチャー志向なのか、にも近いと言えるでしょう。農業での就職の場合でも、組織の規模感をあらためて意識して法人を見てみましょう。将来独立を目指す場合でも、組織の成長フェーズに応じて得られる知識や経験は異なります。すでに成長した組織で学ぶか、小組織で幅広く実戦経験を積むか、あらためてプランを考えてみると良いでしょう。

勤務地

転勤のある農業法人は稀です。また将来独立する場合でも、経験を積んだ地域以外からの独立は困難です。そのため農業では一般的に、就職する勤務地がその後の生活地となることがほとんどです。農業をしたいと思ったら、どの地域に根ざすのかについても覚悟を持って決めることが求められます。住みたい場所を基準にして業種や法人を選ぶ場合もあれば、逆に業種等から決めて、それらが盛んな地域を選ぶ場合もあります。気になる地域がある場合には、その地域特性についてもあらためてよく調べてみて、仕事も暮らしも十分にイメージできるように準備しましょう。将来独立を目指す場合には、どこで独立するのかも就職段階で計画して、就職活動の考慮に入れるのが好ましいです。

独立支援

農業法人に就職して経験を積んでも、将来の独立時には多くの生産資源が必要となります。それらの支援に力を入れている農業法人もあり、独立希望の場合には支援の有無が有力な決め手となることがあります。例えば独立時の設備や資金や土地を用意してくれたり、生産物を買い取ってくれたり、などの支援があります。独立後もパートナーとして心強い存在となります。独立支援を利用した独立実績がある場合には、その独立者も訪問してみると、より将来像をイメージしやすくなるでしょう。

複合事業

生産以外に、加工や販売等を一貫して手がける「6次産業化」を行っている農業法人があります。小売販売や観光事業など、生産以外の幅広い分野に興味がある場合にはそれらに取り組んでいる、またはこれから取り組もうとしている農業法人に就職することも考えられるでしょう。実際に商品を試したり、観光体験をしたりすることも重要です。実際に就職すると、他の農業法人の顧客になることは少なくなる場合があるので、就職活動の段階で積極的に比較体験しておくと、就職後の参考にもなります。

経営継承

後継者がいない農家、とは後継する魅力が無い農家とは限りません。もしかすると地域の人口が減っていたり、需要の小さい生産物を作っているような場合はあるかもしれませんが、移譲者とあなたの工夫次第で新たな価値を生み出していく、という挑戦をすることができます。研修を受けられるだけでなく、土地や設備などの資産を継承できるため、新しいチャレンジにも比較的速いスタートを切れる可能性もあります。また移譲者の中には品評会などで高評価を得るような優良農家もいるので、将来的に自分で経営をしたい場合には、まずは選択肢に入れて検討してみることがおすすめです。農業法人ではなく個人事業の農家である場合もあります。

自分の価値観を知ろう

就職活動は求人者と求職者のマッチングのプロセスです。就職先が自分にマッチするかどうかを判断するためには、就職先だけでなく自分についても知る必要があります。例えばみんなに人気の農業法人ならば必ずあなたにも最適、ということはありません。一般企業への就職活動者が行う「自己分析」は農業でも有効です。「こんなはずじゃなかった」とマッチングに失敗してしまう可能性をより小さくするためにも、きちんと時間をとってあらためて自分について考えましょう。「自己分析って何?」という方は、以下のポイントから始めてみてはいかがでしょうか。

自分に問いかける

自己分析には様々な手法があり、解説WEBサイトや書籍も多数存在します。ここでは基本例として、2つの切り口をご紹介します。1つ目は「Want、Can、Must」です。Want(やりたいこと)と、Can(できること)、Must(求められること)の3つを重ねた際に、すべて交わる部分が多いほど自分に適している、と見ることができます。もう2つ目は「Being、Having、Giving」です。Being(どんな能力を持ちたいか、どんな人間性になりたいか)、Having(収入や生活環境や名誉など、何を得ていたいか)、Giving(社会や地域や人に対して何を提供したいか、どんな影響を与えたいか)の3つをそれぞれ掘り下げます。それら3つが仕事でどのように満たされるのかを考えると、すべて満たされたり、どれかが満たされなかったりするので、仕事にマッチするかどうかを見る基準の1つにすることができるのです。

他人に聞いてみる

自己分析を終えたら、次に他人に聞いてみることも有効です。自分が気づいていない一面を認識できたり、あらためて客観的に自分を捉えることができるためです。さらには、自己分析した内容を踏まえて他人にアウトプットしていく中で、考えがまとまったり、自分の新たな嗜好に気づいたりすることもあります。自分が農業に興味がある理由や、気になる農業法人があればその理由について話してみましょう。聞く相手は友人や家族、あるいは就農支援をしている機関の職員など、話しやすい人を選ぶと良いです。農業知識の無い人に聞く場合には、まず農業や仕事内容についての説明を求められる場合もあるので、事前準備としての情報収集も必要となります。

ツールを利用する

出来事や経験を振り返り分析して活かす、という方法は教育現場や一般企業でも実践されていることがあります。この振り返り作業は「リフレクション」や「内省」と呼ばれます。農業でも日々の経験を振り返って、学びを改善につなげることは重要です。「リフレクション」は就職活動の自己分析でも活用できるので、この機に「リフレクション」について調べてみてはいかがでしょうか。書籍やWEBサイトなどで情報を得ることができます。他にも自己分析に役立つ情報やツールは色々とあるので、自分に合いそうなものを探してみましょう。書店の就職活動コーナーの他、無料のWEB診断テストや、就農の相談窓口など、まずは着手しやすいものから始めてみるのも良いでしょう。

農家の1日の過ごし方って?

農家がどんな働き方をしているかご存知ですか?

皆さんは農業で働く人たちがどのような1日を送っているか想像できるでしょうか?
「朝早くから畑を耕している?」「閑散期は毎日休み?」など。想像してみても具体的にはどのように毎日を過ごしているか意外と分からないと思います。

一口に農業といってもいろいろな業種があります。野菜を育てる耕種農業があれば、乳牛からミルクを生産する酪農業もあり、農業の業種によってそれぞれ働き方が異なります。本項では、業種による働き方の違いをご紹介します。
それでは、農業での働き方について見ていきましょう。

業種別に働き方をご紹介!

耕種農業の働き方の例

耕種農業とは、稲作(米)・穀物・野菜・果樹・花などの植物を栽培する業種の総称です。
耕種農業は、朝7時~9時位から作業を始め、夕方17時~18時位に作業が終わるような働き方が一般的です。農業以外の一般的な企業での働き方に似ていますね。天候や季節、作物の成長度合いによって行う作業が変わるため、時期によっていろいろな作業を経験でき、楽しく農業に取り組むことができると思います。

農業ジョブの耕種農業求人はこちら

酪農業の働き方の例

酪農業では、朝と夕方に1回ずつ牛の乳しぼりを行うことが一般的です。
それぞれの牧場によって働き方はバラバラで、日中を自由時間として朝と夕方に酪農業務を行う牧場もあれば、朝と夕方のシフト制を採用している牧場もあります。日中は好きなことに時間を使えたり、朝働いて午後はプライベートの予定を組んだりと、ユニークな働き方ができますね。

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畜産業の働き方の例

畜産業は、肉牛、養豚、養鶏と飼育する動物によってさらに業種を分けることができます。
畜産業の主な仕事は動物のお世話とそれに紐づく作業で、飼育場の清掃、エサづくり、エサやりなどです。動物が相手の仕事のため決まった休みではなく、曜日ごとにシフトを組み朝5時~9時位の間に作業を始め、17時位には作業が終わることが一般的です。日々の様子を観察し、ストレスを与えないよう健康に育つように飼育環境を整備したりするため、動物への愛情がなければ務まらない仕事です。

肉牛、養豚、養鶏のそれぞれの業種に分けて1日の流れの一例をご紹介します。

まず肉牛農家についてです。

肉牛農家は牛を育て、その牛を牛肉として生産・出荷する農家です。1日の始まりは、牛の健康状態の確認から。牛舎を回りながら、エサの食べ残しが無いか?フンの状態はどうか?確認を行います。牛舎の見回りが終わったら、エサを与えます(給餌)。朝、夕方と1日2~4回に分けて給餌することが一般的で、農家によって給餌の頻度はさまざまです。朝の給餌が終わったら、牛舎の清掃、エサづくり、肉牛の出荷作業などの作業を行い、また夕方にエサを与え1日の作業終了といった流れです。

次は養豚農家です。

養豚農家の1日の始まりも、まずは豚の健康状態の確認から。その後、給餌、豚舎清掃、エサづくりなどの作業を行います。豚はとてもデリケートな動物で、豚舎の汚れや、スペースの狭さといった生活環境に敏感です。成長した豚と子豚とでは豚舎の飼育温度も異なるため、成長に合わせて飼育方法が異なります。養豚農家は、豚にストレスをかけないことを第一に考え日々の作業を行っています。

続いて養鶏農家です。

養鶏は、卵を生産する養鶏と、鶏肉を生産する養鶏の2つに分類されます。養鶏農家の1日は、給餌作業から始まります。給餌頻度は、1日分を3~5回に分けて与える場合や2日分を一度に与える場合など、農家によってさまざまです。給餌作業が終わったら、産んだ卵を集める作業や、鶏舎の掃除などを行います。その作業が終わったら卵の選別、出荷作業をし、1日の終わりに鶏舎の見回りを行い業務終了です。養鶏場の規模によって仕事のスタイルはバラバラのため、上記はあくまで一例となります。

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農業アルバイトの働き方の例

農業では、業種に限らずアルバイトスタッフもたくさん活躍しています。アルバイトスタッフの働き方はさまざまで、曜日、時間によるシフト制を設けていることが一般的です。
朝早くから作業を行い、気持ちよく1日を始められる時間限定アルバイトもあります。
曜日によるシフト制の場合なら、1日フルタイムで作業を行い、別の日は他の仕事や自分の好きなことに時間を使うこともできます。
農業のお仕事は、収入を得る方法としてはもちろん、気持ちの良い自然の中で健康的に働くことができる大きな魅力があります。

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自然と上手に付き合うことが大事?

農業界の就業規則ってどうなっている?

皆さんは農業の就業規則はどうなっていると思いますか?
「就業規則」とは、労働者の給与規定や労働時間といった労働条件、職場内の規律やルールなどをまとめた規則のことです。10人以上の従業員を常時雇用する企業に作成の義務があります。
農業は、他業界とは異なるルールで労働基準法が設定されているため、就業規則も一般的な企業と異なります。
では、なぜ農業は他業界と就業規則が異なるのでしょうか?それは、農業は「対人」の仕事ではなく、「対自然・動物」の仕事のため、台風や猛暑、雨などの状況、動物の体調、分娩などによって日々の作業が大きく変わります。そのため、勤務時間を決めて「1日何時間は働く」といったルール決めが難しく、労働時間、休憩、休日に関する規定について適用が除外されることが認められています。そのため、農園や牧場によって働き方はさまざまです。自分に合った働き方を見つけてみましょう!

農家の朝は早い?

前項でご紹介した通り、農業は自然を相手にする仕事のため、我々人間が自然に寄り添った働き方をしなければなりません。農業といえば朝が早いイメージがありますが、実際に他業界と比較して朝が早い場合が多いです。ではなぜ農家の朝は早いのでしょう?さまざまな要因があるため、野菜栽培の一例を紹介します。
その理由は、気温です。特に夏場は日中の気温が高いため熱中症になるリスクがありますが、早朝の涼しい時間帯であれば快適に作業ができます。

気温が高くなると、畑の昆虫たちの活動が活発になります。ハチやアブなど人を刺す昆虫は、花粉や蜜を集めたり、獲物を求めて活動します。そのような昆虫たちの食事の時間と重ならないためにも、朝の時間帯に作業をするといったこともあります。
また、一般的に野菜は低温で呼吸が不活発になると鮮度を維持しやすくなるとされています。早朝の気温の低いうちに収穫することで、野菜を低温状態で出荷し、鮮度を維持することができる面もあります。

まとめ

今回は、農業での働き方についての一例をご紹介しました。意外と知らなかった農業の世界を知ることができたのではないでしょうか。農業ジョブでは、農業のさまざまな業種の求人を掲載しています。1日の仕事の流れを掲載している求人も多数あるため、具体的な流れを把握したり、自分の生活リズムに合った仕事を探したり、参考にしていただけると幸いです。

農業界で使える免許について

MT、大型特殊、けん引免許。
農業には様々な免許が役立ちます!

農園や農場、牧場ではさまざまな乗り物が動いています。
例えばトラクター。土を耕したり、種をまいたりすることに始まり、人の力ではどうしても動かすことができないものを牽引したりと現代農業には欠かせない存在と言っても過言ではないでしょう。
例えばコンバイン。一台で刈り取り・脱穀・選別までこなすこの機械は収穫期に欠かせない農家さんも少なくないのではないでしょうか。

こういった機械はいわゆる、普通自動車第一種運転免許では運転することができないものもあります。
より厳密にいえば、農場や牧場は「私道」になることもあり、その範囲内では運転は可能なのですが、制限がかかるので「免許を持っていない人には運転させない!」という経営者の方も多いのだとか。
その場合、大型自動車第一種免許、大型特殊自動車免許、けん引免許などの特殊な資格が必要となることもあり、だからこそ、こういった機械を操縦できる資格を持っている方は優遇されることが多いのです。
それではどういった免許を持っていればどういった仕事をすることができるのかを今から見ていきましょう。

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MT免許について

農業界ではマニュアル免許が必要?

令和2年の統計によると、AT限定免許を取得する人の割合は全体の7割近くを占めています。また現在販売されている自動車においても、MT車の販売比率は全体の1%程度となっており、MT車を運転できる人は年々減ってきています。確かに日常生活においてはAT限定の免許を持っていれば不便することがまずありません。
一方で、農業ジョブでも免許は「MT必須」となっている求人も多くあります。これはなぜなのでしょうか?

答えは農家さんのほとんどが活用している「軽トラック」がMT車だから!
道具や作物の運搬まで幅広く活躍する軽トラックは、農家さんには必須といっても過言ではありません。となれば当然、軽トラックを運転することができれば従業員に任せることができる仕事はぐっと広がります。
こうした理由から農業界ではMT必須とする求人が多いんですね。

もちろん現在ではAT限定免許でも運転することができる軽トラックも販売されています。
こうした農家さんではAT限定可としているところもあるんです。
しかし、価格がMT車の方が安い点、運搬重量によって手動でシフトチェンジできるため加速の調整や燃費の節約ができる点などをとっても、これからもメインで活躍するのはMT車の方になりそうです。

ちなみにAT限定の免許を持っている人であれば教習所に行って限定解除の教習を行えばMT車も運転できるようになります。場所によって価格は異なりますが、一般には5万円程度でできるので、これから就農される方は検討してみてください。

大型特殊免許について

大型特殊免許とはどんなものなのだろう?

まずは大型特殊免許の定義を確認しましょう。この免許を持っていると全長12m以下×全幅2.5m以下×全高3.8m以下の特殊車両を運転するうことができます。
これは例えばホイールローダー、クレーン車、ブルドーザーなどの車両が該当します。
農業界でいえばトラクターもコンバインも、この特殊車両として扱うので、こちらを持っていれば農家さんへの強いアピールとなるはずです!

ちなみに取得するには教習所で10万円程度が相場となっているようです。しかし普通自動車にAT限定があるように、大型特殊自動車にも農耕車限定というものがあります!農業界で働くならこちらの資格で問題ないと言えるでしょう。こちらは6万円程度が相場となっているので少し費用を抑えることができるはずです。

また大型特殊免許には教育訓練給付金制度という制度が適用となります。これは、支払った費用の最大20%が(上限10万円)が助成金として支給されるもので、「雇用保険に1年以上加入しており、離職から1年以内」で「適用範囲は入学金、受講料のみ」という条件がつきますが、これから取得を検討する方は詳しく調べてみるのもいいかもしれません!

最短3日!?短期研修という選択肢!

さて、実は上で記載したのは実は一般的なお話。ここからは農業界でのお話です!
なんとこちらは最短3日で取得することが可能なんです!

一部の農業大学校では大特免許(農耕車限定)の短期研修が年に何度か開かれています。
短ければ3日程度の研修と試験で、費用は数千円から取得可能。
研修期間も内容も学校により異なりますが、道路交通法などの講義を受けた後、実技研修が行われます。
そして免許試験が行われ、合格となれば、晴れて大型特殊免許(農耕車限定)取得となります。
短期間で研修から試験まで受けられるため、特にすでに就農した人にとっても免許取得の一番の選択肢になるはずです!
ただし、人数制限や申込期間が設けられ、いつでも誰でも受けられるというわけではありません。免許取得を検討している人は、自分の就農地域の農業大学校のHPをチェックしてみましょう!

その他の免許について

けん引免許はどんなものなのだろう?

大型特殊免許よりも馴染みが薄い、けん引免許。これは自動車が750キロを超える他の車をけん引して公道を走る際に必要な免許です。農業界ではコンバインやトレーラーなどをけん引して離れた農地へと移動させる為に用いられることがあります。
こちらにも農耕車限定の免許もあり、上記の農大学校などでも取得することもできます。もちろんその後、教習所で限定解除を受けることで限定なしの免許に書き換えることもできますよ!

その特徴から少し限定的な用途とはなりますが、離れた場所にいくつも農地を持っている大規模な農家さんの間では非常に重宝されることでしょう。
なお、こちらも教習所で取得する場合には12~15万円程度の費用がかかるそうです。

これからの農業に必要な免許!?

最後に少しだけ、これからの農業に活用できる免許についてご紹介します。
現在農業界ではIoT化を進めている農家さんも増え始めており、ドローンを導入しているところもあります。

ドローンの主な活用方法は農薬散布などになりますが、実は農薬散布用のドローンを操縦するには専門の資格が必要になる場合もあります!
農林水産航空協会という組織がドローンの機体性能試験などを実施しており、それに合格したものを使用するためにはこの協会の認定教習所の講習を受講して資格を取得する必要があります。
こちらの農林水産航空協会の認定を受けていないメーカーのものについては、資格を取得することなく使用が可能ですが、その反面性能についてしっかりと保証されていないものも多いため、より安全性を求めるのであれば、こちらの認定を受けているものを使用するのがベターでしょう。

こちらは3日間の講習で18万円ほどとなっているようです。安くない費用ですが、航空法や使用方法などを細かくレクチャーしてもらえるため、持っていることで今後の農業界で働いていく上できっと役に立っていくはずです。

まとめ

今回取り上げたものはほんの一部に過ぎず、その他にも人工授精師や危険物管理者、毒物管理者など様々な免許が農業界で役立てることができます。
長く農業界で働いていくことを念頭においた時、「自分にはこれができる!」「この資格を持っている!」ということは、アドバンテージとして自信にもつながるはずです。

もし「この免許を持っている!」や「この資格を取ろうとしている」と考えているならば、農業ジョブのフリーワード検索に打ち込み、その資格を優遇している農家さんを探すのもいいかもしれません!