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職務経歴の書き方

履歴書とセットで提出を求められることが多い「職務経歴書」。 自らの経歴を採用担当者にアピールする重要な書類です。 この記事では、作成のポイントや正しい書き方をご紹介します。

職務経歴書とは

職務経歴書とは、これまでの職務内容や役職・ポジション、実績やスキルをまとめた書類です。具体的に書くことで、応募企業にふさわしい人材であることをアピールできます。採用担当者も、職務経歴書を通して「自社で活躍できる人材かどうか」をチェックするため、応募書類の中でも最も重要な書類です。

農業ジョブではWEB履歴書に職務経歴を入力する欄がありますが、応募する企業によっては別途提出を求められる場合もあるので、事前に用意しておくといいでしょう。

履歴書と職務経歴の違い


一方、職務経歴書は職歴をさらに詳しく記載した書類です。これまでの経験を通して応募企業にどう貢献できるのか、どんなスキルがあるのかを分かりやすく伝えることが重要です。

どちらも選考においては重要な書類ですが、評価されるポイントに違いがあります。
履歴書では、「志望動機」「社会人としての基本的なマナー」「業務に支障が出る心身的な問題はないか」といったことがチェックされのに対し、職務経歴書では「入社して活躍できるスキルや経験はあるか」「仕事に対する意欲・向上心はあるか」といったことが読み取られます。

このような違いを理解し、履歴書では伝えきれない経験やスキル、強みをアピールすることを意識して職務経歴書を作成しましょう。

職務経歴書を簡単に書くための事前準備

職務経歴書を作成する際、いきなり書き始めてしまうと要点がうまくまとまらず、魅力的な内容に仕上げることは難しいでしょう。
伝えるべきポイントを適切にまとめるための事前準備をしっかり行うことが重要です。

自分のキャリアを棚卸しする

まずはキャリアの棚卸しから始めましょう。キャリアを整理し、どのような経験、スキルを持っているか明確にすることで、職務経歴書に記載すべき内容をまとめやすくなります。

これまで勤務してきた企業と在籍期間のほか、以下に記載した事項を書き出してみてください。過去の経歴をより詳細に振り返ることができ、自己分析がしやすくなります。

・どんな職種を経験してきたか
・どんな業務を担当してきたか
・どんなプロジェクトに参加してきたか
・もっとも印象に残る仕事
・身に付いたスキル・技術・資格
・表彰された経験、その評価ポイント
・辛かったこと、成長できたこと
・周囲から褒められたこと
・これだけは他人に負けないと思う強み

自分のキャリアと企業の関連を見つける

どれほど素晴らしい経験を積んでいても、転職先でそれらを活かすことができなければ意味がありません。自分のキャリアと企業の特徴に関連性を見つけて、採用するにふさわしい人材だとアピールすることが大切です。

応募企業とどのような点でマッチしているか、経験やスキルを応募企業でどのように発揮できるか、という観点でキャリアを整理し直しましょう。以下の事項を確認し、自分のキャリアと企業のマッチポイントを効果的に伝えることを意識してください。

経験やスキル、実績をピックアップする

企業が求めている人物像と、自分の適性・経験・スキルの共通点を探す

ピックアップした自分の強みを掘り下げる

職務経歴書を提出する前のチェックリスト

職務経歴書が完成したら、誤字脱字や書き損じがないか、読みやすいレイアウトにまとまっているか、氏名や記入日付などの基本的な項目が抜けていないかを見直すことが大切です。

また虚偽の記載があると、最悪の場合、解雇や内定取り消しとなってしまう恐れもあります。項目ごとに気を付けるべき注意点を以下にまとめたので、提出前の最終確認として役立ててください。

職務経歴

・在籍した企業や経験した職務の記載漏れ
・在籍期間(入社・退職年月)の誤り
・休職期間の記載漏れ

資格・語学力

・資格の取得年月の誤り
・資格名は正式名称で記載しているか

給与(年収・月収)

・年収や月収を額面で正しく申告しているか

まとめ

職務経歴書は、自分のキャリアをアピールするための重要な応募書類です。また、丁寧に作成することで自分の強みを再確認でき、面接対策にもつながります。
この記事で紹介した書き方のポイントをしっかりと押さえ、書類選考を通過できる職務経歴書を作成しましょう。

対策していますか?知っておきたい自己紹介のコツ

転職活動でよく求められる「自己紹介」と「自己PR」。
事前準備は自己PRに気を取られがちですが、実は自己紹介の印象一つで、面接がスムーズに進むこともあればうまくいかなくなることもある大切な要素なんです。

そこで今回は、自己紹介と自己PRの違いや、自己紹介の基本対策をご紹介します。

「自己紹介」と「自己PR」の違いとは

自己紹介は、人物像やこれまでの職務経歴を簡潔に伝え、「私はこういう人物です」と人となりを知ってもらうためのもの。
面接のつかみの役割であり第一印象を決めます。
特に時間の指定が無い場合は1分程度で、要点をかいつまんで話しましょう。

対して自己PRは、自分にどのような強みやスキルがあるのか、どのような信念があるのかなどをアピールするためのものです。
面接官側は「入社したらどのような能力を生かして活躍できるのか」をチェックしており、気になる点は深堀りしてくれる場合もあります。
時間を指定されることもあるため、短い自己PR・やや長い自己PRを用意しておくと慌てずに対応できます。

自己紹介で好印象を残すには

自己紹介は面接の冒頭で話すため、内容もさることながら立ち居振る舞いや表情、目線、仕草なども第一印象に大きな影響を与えます。
緊張していると、そちらに意識が向いていなかった!なんてこともありますので要注意です。

・身だしなみは整える
・姿勢を正して、まっすぐ椅子に腰かける
・相手の顔を見て、にこやかな表情を保つ
・はきはきと大きな声で、聞きやすいスピードで話す
・挨拶をきちんとする など

当たり前のことを意識してやりきるようにしましょう。

自己紹介の基本構成

「自己紹介をお願いします」と言われたら、以下のような流れで話すといいでしょう。

・氏名と挨拶、必要に応じて卒業した学校名など
・現職または前職の社名、職種
・職務経歴や実績
・意気込みなど締めの言葉

自己紹介は人となりを伝えられるだけでなく、その後の会話のフックになる役割もあります。
その場で考えるのではなく、スラスラと話せるようにまで練習しておくことをオススメします。

求める人物像との共通点を知ろう

自分について知ってもらうことも大切ですが、「企業が求めている人物像とどのような共通点があるのか」もアピールしたいところです。
求人情報には「写真」や「紹介文」が載っていますよね。
写真には、企業が入社して活躍してほしい、と思っている人物像に近い社員を載せていたり、紹介文には職場の雰囲気や、求める人物像を記載していることが多くあります。

企業研究のためにもしっかり把握し、「うちで活躍してくれそうだな」とイメージできるような話を織り交ぜられるようにしておくといいでしょう。

まとめ

自己紹介は自分を知ってもらうための時間です。
身だしなみや言葉遣いなどもチェックされますので、へりくだり過ぎたりリラックスし過ぎたりせず、自然体で心地よいコミュニケーションが取れるようにしましょう。

内定辞退する際のポイント

もっと条件の良い会社が見つかった、迷いが生じてしまった、などさまざまな理由から内定を辞退することも転職活動ではありますよね。
罪悪感を抱く方や、内定辞退の仕方やタイミングについて悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。

内定辞退は失礼なことではありません。しかし、伝え方などには注意が必要ですので、ポイントをしっかり押さえましょう。

「できるだけ早く伝える」が鉄則

企業から提示された回答期限内であれば問題ありませんが、気持ちが固まり次第できるだけ早く連絡を入れましょう。
できれば、内定の連絡をもらってから2~3日以内が理想です。
内定を出した時点で採用活動を終了する可能性もあり、なるべく早く連絡をもらえた方が企業側は助かります。

もし他社の選考を待ってから内定を受けるか辞退するかを決めたい場合は、
「入社を前向き検討しておりますが、他社の選考結果も踏まえてお返事したいと思っております。大変申し訳ございませんが、◯月◯日まで返答をお待ちいただくことは可能でしょうか。」と伝えるとよいでしょう。

電話+メール(チャット)が丁寧

農業求人情報サイト「農業ジョブ」では、企業とのやりとりをチャット機能で行うことができます。
チャットのメッセージだけでも問題ありませんが、電話番号が分かる場合は併せて電話をするのが基本です。
農業は業種によって出勤・退勤時間が大きく異なりますので、就業時間を確認したうえで電話しましょう。

簡潔で誠実に!

内定辞退を伝える際は、
・時間を割いてもらったことへのお礼
・辞退に対する謝罪
の2点をしっかり伝えます。

とにかく誠実に、心を込めて伝えることが重要です。
ただし内定辞退の理由・謝罪の言葉を長々と述べる必要はありません。

「嬉しいお知らせをいただきながら誠に恐縮なのですが、検討の結果、内定を辞退させていただきたくご連絡差し上げました。
貴重なお時間を割いてくださったにもかかわらず、このようなご連絡になりますことを心苦しく思います。
ご担当いただいた◯◯様をはじめ、採用に関わってくださった皆さまに心より感謝しております。」

と、このくらいの簡潔さがベストです。

辞退理由は具体的でなくてもOK

内定辞退の理由は具体的に述べず「検討の結果」辞退する、という程度で構いません。
ただし理由を聞かれた時には、企業側が納得できる説明ができるようにしておくと安心です。

まとめ

内定辞退の連絡は気が重いものですが、先延ばしや音信不通は企業に迷惑が掛かるため絶対にNGです。
なるべく早めに、そして丁寧な連絡を入れるようにしましょう。

複数社の選考を上手に進めるには?

仕事探しを始めるぞ!と意気込んで応募をしてみたのはいいものの、いざ選考が進んでくると戸惑ってしまうことがあると思います。
「複数社から面接の案内が来たらどうやって日程を決めよう」「なかなか書類選考が通過しない」といった場合の対処法をご紹介します。

面接日調整の仕方

応募した後は、早いと当日中、遅くても1週間から10日以内を目安に面接日程の連絡か不採用通知が来ます。
複数の応募先から面接の案内が来た場合、一番働きたいと思っている企業の面接を最初に設定するようにしましょう。

仮に他の企業で先に面接を受け、早期に内定の連絡をもらった際は承諾するか返事を待ってもらうことになります。
また、最初に面接を受けた企業がその場で採用決定となった場合、他の面接を断りやすくなります。

内定を複数社からもらえた場合

第一志望の企業よりも早く、第二希望・第三希望の求人で採用連絡をもらった、という場合。
先方の都合によっては待ってもらえないこともありますが、「他にも面接を受けているので、○日まで返答を待っていただけないでしょうか?」と伝えるといいでしょう。

一度内定を承諾してから入社直前に断りの連絡を入れる方もいますが、これはあまりオススメできません。
現場作業であれば、入社前にあなたの作業着などを用意しておこうと購入する場合もあるでしょうし、寮の手配やマニュアル等の書類の作成など準備を進めている場合に迷惑を掛けてしまうことになります。

やむを得ずそのような状況になってしまった場合はできるだけ早く、断りの連絡を入れるようにしましょう。

転職をするうえで大切にしたい優先順位を意識しよう

「複数の企業の選考に進んだら、どう選ぶべきか分からなくなってしまった」ということもありますよね。
そんな時は、転職をしたい!と思ったきっかけを思い出したり、求人を探すうえでの優先順位を思い出しましょう。

また懸念点があれば具体的に洗い出し、どうすれば払拭できそうか考えてみてください。内容によっては、面接担当者の方に問い合わせてみるのもOK。
なるべく面接の場で聞いておきたいですが、就業してから「思っていたのと違った」となるより安心です。

なかなか選考を通過しない!そんな時は?

これまで複数応募をして上手くいったパターンをご紹介していきましたが、たくさん応募してもなかなか選考に進めず悩んでいる方もいると思います。
農業ジョブでも、同じ悩みを抱えている多くの方からご相談を受けることがあります。
「年齢が高い」「農業経験が無い」という点を気にされている声をよく聞くのですが、実際には「WEB履歴書がしっかり入力されていない」ことが原因であることが多いんです。

企業はまず応募者の「WEB履歴書」をもとに次のステップへ進めるかを決めます。
そのため、WEB履歴書がしっかり入力されていない場合、面接まで至らず不採用にされてしまいます。

応募前のひと手間で採用率アップ

皆さんは定期的に「WEB履歴書の見直し」を行っていますか?正しく入力できていない方、意外と多いです。
氏名や連絡先など、必須の項目の入力はもちろんですが、任意項目も入力しましょう。
WEB履歴書の項目は任意項目になっていることが多く、急いでいたり面倒に感じて後回しにしてしまいがちですが、企業は忙しい合間を縫って、たくさんの応募の中から志望動機や自己PR、職務経歴欄でどんな人が応募してくれたのかを知ります。

他の応募者と比較して印象に残りやすくなるよう、自己PRや職歴はできるだけしっかり入力しましょう。
ほんのひと手間で通過率は大きく変わりますよ。ぜひお試しください。

まとめ

農業界への転職成功のカギは「最低3応募」!の記事では、実際に採用された方の平均応募数などをご紹介しています。
ぜひそちらも参考にしてみてください。

農業界への転職成功のカギは「最低3応募」!

農業関連の求人を探す際、「1つずつ応募して、結果が来るまで待とう」「一気にいくつも応募しない方がいいのかな」と、同時に複数の企業に応募をすることをためらう方もいるのではないでしょうか?

そんな心配は一切ありません!

過去の採用実績を調査したところ、採用されている人には共通点があることがわかりました。それは「少なくとも3つ以上の企業に応募」していること!
それでは、採用されやすくなる農業求人の探し方を見ていきましょう。

採用されるコツは「最低3応募」!

農業求人情報サイト「農業ジョブ」では、2022年4月〜2023年4月の間に採用が決まった方の平均応募数は「3.8」社でした。
年代別で調査してみると、一般的に転職市場では書類選考が通過しにくくとなるといわれる30代でも平均3社、40代は平均5社に応募して採用を成功させていました。
晴れて採用が決まった方は、複数の農業求人に応募して選考を受けていたことが分かります。

「最低3応募」のメリット・デメリット

複数の企業に応募するメリット・デメリットは何でしょうか?

メリット

・就職先を早く決められる
・求人には載っていなかった情報も含めて比較検討ができる
・想定していなかった企業の魅力を発見できる

1つの企業に応募してから選考結果が出るまで、1週間から10日ほどかかります。企業の選考結果を待つ時間は想像以上に長くなることも。
そのため、なるべく多くの企業に応募することが、転職活動の期間を早める近道です。

また複数の企業に面接に行くことで、求人情報には載っていなかった情報を得て比較・検討できることも大きなメリット。
入社意欲が低い状態でも、応募して面接に行ってみたら意外な魅力を知ることもあります。

行きたい企業だけ応募していると、選択肢が狭まる可能性がありますので、ぜひ複数の企業に応募してみてください。
面接で具体的な仕事内容ややりがい、職場環境を確認し、転職先を決めるようにしましょう。

デメリット

・面接日程の調整が必要になる可能性がある
・選ばなかった企業には辞退連絡をする必要がある

複数の企業に応募すると面接の時期が重なり、面接の日程調整が必要なこともあります。
また、働ける職場は1つだけ。
いくつか内定をもらった場合、お断りする旨をきちんと伝える必要があることは覚えておきましょう。

他社への応募について面接で聞かれたときは?

面接でよく聞かれる「他に応募している企業はありますか?」という質問。どう答えたら良いか困ってしまいますよね。
良い印象を持ってもらいたくて「御社だけです!」と答えたくなってしまうものですが、実はオススメしません。
他に選考を受けている企業でも内定が出た場合は、承諾のお返事を待ってもらったり、お断りする場合は伝え方が難しくなったりすることも。
できるだけ他にも応募している企業があることは伝えた方がいいでしょう。
あわせて「このような点が、御社に魅力を感じた理由です」としっかり伝えられるとベストです。

まとめ

農業界への転職に成功した方は、「最低3応募」しているという点についてご紹介しました。
農業ジョブでは、専任のキャリアアドバイザーが求人探しから面接日程の調整までサポートするサービスもあります。
転職が必要なのか?というご相談でもOKです。農業界への転職を迷われている方、ぜひ一度相談してみてください。

農業ジョブ エージェントに相談する

農業にまつわる「ヒト」のいろいろ

人にまつわる日本の農業のお話

皆さんは農業界で働いている人の数がどれくらいいると思いますか?
農業界で働くといってもさまざまなコミュニティに分けることができます。今回は、人にフォーカスして農業界を見ていきましょう!

農林業センサスからひも解く時代の流れについて

農林業センサスって?

農林業センサスでは、農業に従事している人のデータや農林業・農山村の実態を5年に1度調査し、数字にして記録しています。この調査は、農林水産省が行っており、農林業を営んでいるすべての農家、林家や法人を対象に実施し、時代の変化を的確に捉え、迅速な農林行政を推進することに役立てています。それでは、さっそく農林業センサスを見ていきましょう!

農業就業人口のさまざまなデータについて

農家の数はどれくらい?

皆さんは日本に農家がどれくらい存在すると思いますか?下記の図をご覧ください。(ここで指す農家は、経営耕地面積が10a以上又は農産物販売金額が15万円以上の世帯のこととします。)

令和2年平成27年
総農家数販売農家自給的農家総農家数販売農家自給的農家
1,747,0791,027,892719,1872,155,0821,329,591825,491

単位:戸
資料:農林水産省「農林業センサス」

2020年度のデータをみると、175万世帯の農家が存在しています。そのうち、農産物販売金額が50万円以上の販売農家が約60%。意外と自給農家の割合が多いと思いませんか?2015年は農家数は215万世帯なので、5年間で約40万世帯の農家が減ったことも読み取れますね。

次は農家の人数にフォーカスを当ててみましょう。個人農家の世帯員数は約350万人で、男性が約176,4万人、女性が約172,4万人となっており、年齢は60歳以上が53%を占めています。

全国農業地域・都道府県5年以内に農業を引き継ぐ後継者を確保している5年以内に農業経営を引き継がない確保していない
小計親族親族以外の経営内部の人材経営外部の人材
全国1,075,705262,278250,1588,7123,40849,060764,367
北海道34,9137,3576,7474621483,47724,079
都府県1,040,792254,921243,4118,2503,26045,583740,288
東北194,19350,46448,2031,6286338,173135,556
北陸76,29419,28817,2461,4306123,70453,302
関東・東山235,93853,77952,40190147710,536171,623
東海92,65023,43322,6095832414,02465,193
近畿103,83527,39925,8921,0624454,88271,554
中国96,59424,44223,2788553093,78768,365
四国65,41816,35315,9482691362,69846,367
九州164,56037,32535,4341,4973947,045120,190
沖縄11,3102,4382,40025137348,138

資料:農林水産省「農林業センサス」

上記のデータをご覧ください。近年、後継者不足についての話題を耳にすることが多々ありますが、こうしてデータを見ると、それが深刻な問題であることが読み取れますね。 全国平均で見ても、後継者の確保ができている経営体は全体の29%程度しかなく、そのうち95%が親族による継承です。こうした現状にあって後継者の確保を考えている農家の方は、第三者継承(第三者に技術・知識・経営権を継承する)を視野に入れていることもあります。

全国の農業求人はこちら

農業界で働く人口の変化

農業人口が減っていることが分かりましたが、新しく農業界に就業する人の変化はどうでしょうか?農林業センサスのデータから読み取ると、2013年は50,800人が新しく農業を始めています。2020年度は559,000人が新しく農業を始めており、増加していることが読み取れます。近年高まる地方移住のニーズや、農業に挑戦したい若者の増加が起因しているのかもしれません。

農業界で働く外国人について

外国人労働者の人数の推移

続いて、日本で農業に従事する外国人についてです。1955年以降から人手不足が長らく続いており、外国人の受け入れが年々増えています。日本で働く外国人人口は2020年時点で約172万人で、日本の労働者約5,000万人の1.2%に相当します。約172万人のうち、農業に従事している人口は35,513人です。2012年時点では16,435人が農業に従事していたので、5年間で約2倍以上の外国人労働者が増えたことになります。そのうち約9割にあたる約3万1,000人が技能実習制度による技能実習生として日本で働いています。

資料:厚生労働省「外国人雇用状況の届出状況」

技能実習制度とは、最長3年間日本で技術を学び、自国にそのノウハウを持ち帰って活躍してもらうことを目的とした制度です。 そのため、技能実習生を雇う企業には、技能実習生を単なる労働力の調達手段として、活用してはいけないといったルールも定められています。 自国で農場を設ける夢を持っている外国人の方が、繊細な農業技術を学ぶために来日しています。

どこの国の人が多いの?

それでは、日本で農業に従事する外国人はどこの国の方が多いのでしょうか。日本政策金融公庫が発表している2018年時点の農業景況調査では、国籍別にみるとベトナムが最も多く、全体の38.9%を占めています。次いで、中国(21.3%)、フィリピン(11.2%)、インドネシア(7.3%)の順となっています。農業界で仕事をすることになったら、さまざまな国の方と異文化交流が楽しめるかもしれませんね。

まとめ

時代が変わるにつれて、農業界で働く人も多様に変化しています。今回の記事を読んでみて、少しでも農業界の現状に興味を持っていただけたら幸いです。

農業法人へ就職するためには?

農業法人に就職・転職したい人の就活の進め方

就農の方法には、農業法人への就職(雇用就農)と独立して農業を始める方法(独立就農)があります。農業法人への就職・転職は、他業種の就職と同様、給与が支払われるため一定の収入が得られるというメリットがあります。独立は資金や技術が必要なので簡単なことではありませんが、独立しなくても雇用就農で農業を仕事にできるのです。
また独立を目指す人にとっても、独立前に農業経験が積めるという点で、雇用就農を経験することは大きなメリットになるでしょう。

  • STEP
    1
    自己分析
  • STEP
    2
    農業について知る
  • STEP
    3
    求人探し・農業法人を知る
  • STEP
    4
    エントリー
  • STEP
    5
    応募書類の作成・送付
  • STEP
    6
    面接
  • STEP
    7
    内定・採用
  • STEP
    8
    入社

自己分析

「就農したい!」という熱い想いや勢いは大切ですが、それだけでは自分のイメージした就農を実現させることは困難です。就農をする前に自分の考えをまとめ、就農先の仕事が自分のやりたい仕事かどうかを判断することのできる、「評価軸」を持っておくことが就農を成功に導く要素になります。

なぜ農業を仕事にしたい?

  • 本当に農業を
    仕事にしたいのか
  • どうして農業が
    したいのか
  • どのように
    働きたいのか

これらを明確にし、やりたいことや希望する働き方などを具体化することで、職場選びが行いやすくなります。自分が目指す農業(職場)に出会える可能性も高まるでしょう。 また、面接や履歴書で、志望動機を問われることが多いですが、きちんと自分と向き合うことで、説得力のある志望動機が書けるようになります。

農業への関心は?

「自然の中で仕事がしたい」「自分らしく働きたい」など、農業を仕事にしたい理由はさまざまだと思います。しかし、その関心の深さは人によって違うのが実情です。

情報収集や農業体験により、農業のことをより深く知って、そのうえで自分に合った仕事なのかを考えることも大切でしょう。 農業体験は、実際に「農業を仕事にする」ということが具体的にイメージできるようになるなど、多くのメリットがあります。全くの未経験者よりも、(法人により異なりますが)採用に有利に働く場合もあります。

農業について知る

「野菜をつくりたい」「牧場で動物と働きたい」など、農業への関心を持っていても、実は農業について詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。 一言に「農業」と言っても、業種はたくさんありますし、業種の違いで働き方は大きく違います。業界や仕事について詳しく知ることで、就職・転職先のミスマッチを防ぐことにつながります。

農業にはどのような
業種があるのかを知る

農業には、米を育てる「稲作」もあれば、果物を育てる「果樹」、乳牛を育てる「酪農」などさまざまな種類があります。また、生産現場以外にも農産物の流通や商品企画、設備や農機の営業などの「アグリビジネス」の仕事もあります。そのため、業種が違えば経営スタイルや働き方も違ってきます。
農業にはどのような業種があり、それぞれにどのような特徴があって、どのような作業があるのか、詳しく調べたうえで自分に合った仕事を選ぶことが大切です。

農業はとても大変な仕事だと知る

「人に喜ばれる仕事がしたい」「やりがいを感じながら働きたい」という理由から、近年農業への関心が高まっています。 農業の良いところばかりが注目され、とても楽しい仕事のようなイメージを抱いている人が多いのですが、農業は「暑い」「寒い」「朝が早い」「休みが不定期」なのは当然ですし、体力的にとても厳しい仕事でもあります。数時間の農作業で音を上げる人も少なくありません。 農業の良いところだけでなく、大変な部分にも目を向けて仕事にすることを考えることが大切です。

求人探し・農業法人を知る

実際に自分に合った職場へ応募するため、具体的な求人情報を収集します。 一般的にハローワークで求人情報を収集する人が多いかもしれませんが、大まかな概要だけの掲載がほとんどです。 また、農業界の情報開示力はまだまだ低く、詳細な求人情報がなかなか出回らないのが実情です。自分に合った職場を見つけるために、詳細な求人情報が掲載されている農業専門の媒体を利用すると良いでしょう。

就農セミナーや会員サービスを利用する方法も!

農業を仕事にしたい人を対象としたセミナーやイベントに参加することで、就農者の実際の声が聞けたり就農に関する質問ができたりするなど、幅広い情報収集ができて農業への理解が深まります。また、求人情報を収集できるコーナーや求人をしている企業のブースがある場合が多いので、企業研究も可能です。
会員サービスの例を挙げると、農業求人情報サイト「農業ジョブ」では、会員登録(無料)を行うことで日本全国の求人情報の検索・応募はもちろん、キャリアアドバイザーに相談することも可能です。
イベントへの参加や会員サービスの利用によって、自分に合った就農先を二人三脚で見つけることもできるので、上手に活用すると良いでしょう。

求人情報でチェックすべきポイント

求人情報の中で、給与や待遇ばかりをチェックする人も多いかもしれません。しかし、それだけで自分に合った就農先かどうか判断することは困難でしょう。 給与や待遇だけでなく、雰囲気や生産物へのこだわり、未経験でもきちんと指導してくれるのか、生活環境はどうなのか、といった多くの点をチェックした上で自分に合った農業法人を選択することが大切です。

農業法人についての情報収集も大切

一般的な就職・転職活動と同様、会社情報を知ることは、自分の志望に合った農業法人なのかを見極めるうえでとても大切です。 近年は、農業法人の多くのがホームページを開設していますので、会社についてのより深い情報を確認し、比較検討もできるでしょう。

また、農業求人情報サイト「農業ジョブ」の求人情報は、募集要項だけでなく写真や代表からのメッセージ文章、先輩社員の紹介なども掲載しています。待遇についてだけでなく、実際の職場の雰囲気や仕事内容、働く人の人柄などがよくわかります。ぜひご確認ください。

農業ジョブで求人を探してみる

エントリー(応募)

求人への応募方法は、ハローワーク・求人サイト・就農イベントなど、媒体や就職・転職支援機関に応じて違います。農業法人に直接連絡できる場合もあります。 応募方法は求人情報の中で説明されている場合がほとんどですので、ホームページの応募フォームを使用するのか、書類を郵送するのか、電話をするのか等しっかりと確認しましょう。 応募後は採用担当者から連絡があり、書類の送付や面接などのステップに進んでいきます。

応募書類の作成・送付

履歴書は、あなたがどんな人なのかを見極める重要なものです。書類選考に通過することだけを意識して作成するのではなく、その先の面接も意識して作成することが大切でしょう。 面接では志望動機を聞かれることが多いですが、応募書類にもしっかりと記入する必要があります。

書類選考

送付した書類(履歴書)により選考があります。農業界は他業界と異なり、採用担当者が現場での農作業も兼務している場合も多いので、選考結果の連絡に時間を要する場合があります。

面接

書類審査に通ったら、いよいよ面接です。農業法人への就活では、就職・転職希望先が遠方の場合もあるため、はじめに電話面接を行うケースもあります。

電話面接とは?

電話面接とは、就職希・転職望先が遠方の場合などに行う、電話での簡易的な面接です。面と向って話さない分、挨拶や受け答えがしっかりできるかというポイントが評価される場合もあります。また、表情がわからないため、声のトーンが低いと暗い印象を与えてしまう場合もあるでしょう。 直接顔を合わせないからと言って気を抜くことがないように、しっかり準備して臨むことが大切です。

現場での面接

現地に出向き、農場や牧場に隣接する事務所で社長や採用担当者と面接を行います。就職・転職希望先の規模などに合わせて、服装を考える必要があるでしょう。 企業体であればスーツ、家族経営や規模が小さいところであれば、普段着でも問題ないでしょう。しかし、普段着といっても、失礼のないような服装をしなければいけません。(スウェット・短パン・タンクトップなどはNGです。)

逆質問の注意点

聞きたいことがある場合にはもちろん質問できますが、面接は相手に自分を見てもらうことが第一の目的だということを忘れてはいけません。待遇のことばかり聞くなど、内容によっては印象を悪くしてしまう可能性があります。 ただしその場で合格(採用)を伝えられた場合は、給与・住居等の待遇についてしっかりと確認をして双方合意することが重要です。

体験・見学

農業法人によっては、面接と同時に現場の見学や体験ができるケースも多いです。実際に仕事をしてみて、「自分がこの仕事を続けていけるのか」「仕事に楽しさを感じられるのか」などを体験して見極めましょう。
また遠方からの応募の場合、就職・転職するに当たって引っ越しが必要になるため、仕事だけでなく移住に不安を抱く人は少なくありません。しかし、事前に仕事や現地での暮らしを体験できればミスマッチを回避できるでしょう。そのため1~2週間の体験を受け入れてくれる農業法人もあります。面接日を決める時に、事前に相談してみましょう。

内定・採用

面接後は就職・転職希望先から合否の連絡を待つことになりますが、結果が出るまでに時間がかかる場合もあります。ただし結果が出る予定の日から10日程度待って連絡がない場合には、一度選考状況を問い合わせても失礼にはあたらないでしょう。
農業法人から内定をもらい、自分の決心も固まり入社意思の返事をしたら、めでたく採用となります。

入社

農業界においても他業界同様、労働条件は書面(労働条件通知書や雇用契約書等)で確認し、法人と労働者双方が署名・捺印を行って1枚ずつ保管します。遠方の場合には現地へ引っ越す必要があるので、必ず事前に書面で確認をし、引っ越し後にトラブルが発生することが無いように気を付けなければなりません。
農業界は「働き方改革」という部分では今が導入期です。入社後も困ったことがあれば経営者側に相談をし、常にコミュニケーションをとりながら、働きやすい職場をお互いに協力しながら作っていきましょう。

農業を志す学生に向けた秋元里奈氏からのメッセージ

課題が山積みのところっていうのは伸び代がたくさんある業界と思っています

産直EC「食べチョク」代表 秋元 里奈

神奈川県の野菜農家に生まれる。 慶應義塾大学を卒業後、2013年にDeNAへ新卒入社し、新規事業の立ち上げやマーケティング責任者などを経験。
2016年11月にビビッドガーデンを創業し、 2017年8月にこだわり生産者が集うオンライン直売所「食べチョク」を正式リリース。
3年で認知度/利用率No.1の産直通販サイトに成長。2020年4月にアジアを代表する30歳未満の30人 「Forbes 30 Under 30 Asia」に選出。
TBSの報道番組「Nスタ」の水曜レギュラーコメンテーター、日本テレビ「スッキリ」コメンテーター、フジテレビ系列「セブンルール」、テレビ東京「カンブリア宮殿」など出演。

01:食べチョクとは

私就活してた時、すごく迷ってどこの会社に行きたいか分からないっていうので、もう説明会にすら行きたくないほとんど家にいたんですね。

本当にいろんな企業があるので、それこそ食・農業という業界を決めてても、すごい迷うと思いますし、むしろ他の業界も入れると何を軸に選んだらいいのか、企業って無数にあるので分からなくなると思うんですけど、人生って選択の連続だと思ってます。
選択を重ねていって、結局人生というか自分のキャリアだったりができていくという意味でいうと今、皆さんがこれから選ぼうとしている企業ファーストキャリアは、すごい重要な選択の一つだと思います。

私自身、元々全く起業する気持ちはなくて、食とか農業にも当時就活のとき興味がなくて、全く別の業界を受けてたんですけれども、実は最初のこういった説明会の出会いの場で、DeNAの南場智子さんという創業者の方にお会いをして、そこで感銘を受けてですね全然関係のないDeNAに飛び込んで、結果としてそこで起業家マインドが育って、今は離れて事業をしているんですけど、最初に選んだ道次第で本当にこの後の就活のキャリア…人生のキャリアというのは決まっていくと思ってます。

なので今、皆さんがすごい大きな選択のタイミングにいると思っています。
凄い迷うと思うんですけど、基本的にもう選んだ道というのは、戻れないので選んだ道を正解にするしかないかなと思ってます。
そういう意味でいうと、沢山いろんな情報を得て、もう選択したことを納得できるかどうかっていうところに尽きるかなと思っています。
今、私たち食べチョクというサービス5年やってまして、まだまだ若い企業なんですけれども、農業の農業だったり、水産・畜産1次産業に従事する生産者さん向けのサービスとして、食べチョクというサービスをやっています。

食べチョクは、簡単に言うとオンラインの直売所のサービスで、皆さん地方行かれた時に道の駅とか直売所とか寄られたことある方も多いと思うんですけれども、農家さんが、自分で物を持ってきて自分で値付けをして、消費者の方に直販できるオンライン上のそういった直売所のサービスを運営しています。
買っているのは、本当に一般の主婦(夫)のお客さんで、スマホだったりとかPCで自分の好きな農家さんとか商品を検索して注文をすると、生産者さんが箱詰めして直接直送で送ってくれるそんなサービスを運営しています。
そもそも私が、何でこのサービスを始めたのかっていうところをちょっとお話しさせていただくと、元々実家が畑をやっていて農業をやってました。
中学校ぐらいまでおじいちゃんが、毎日畑に出てご飯は「大体その時畑で採れたものを食べる」みたいな生活をしていました。
そんな幼少期を過ごすんですが、中学校の時に実家の農業は結局廃業してしまいます。
なぜかというと、ずっと私達両親からですね「農業は継ぐな」 と言われて育ちました。
というのも、私達は、本当に小さい農家だったので、凄いこだわって生産をしていたのですけれども、正直収益の面では、あまり不安定というか、結構それだけで食べていくには厳しい収益だったので、ずっともうおじいちゃんの代からもう農業やらなくていいよという風にずっと言ってて、実際に中学になっておじいちゃん亡くなってやる人いなくなったタイミングで、実家の農業は廃業しています。

農業ってなかなかお金にならないんだなと思ってそのままやり過ごして、DeNAに行ったりとか、色々一旦農業からは離れた生活をしていたんですけれども、ふとある日実家の農業を実家の畑に行った時に、昔すごい綺麗に整理されていた畑が耕作放棄地になってしまっていて、すごく綺麗な畑だったはずが、耕作放棄地になってしまっているのを見た時に、何でお母さんは農業を継ぐなと言ったのかなというのを疑問に思いました。
当時私DeNAでレガシー業界のIT化みたいな新規事業をやっていて、きっと農業の業界でもまだまだ変えられることがあるはずだという思いから起業に至っています。
今私達がやっているのは、生産者さんの課題からスタートしているサービスです。
私の実家のような小規模な生産者さん、手間暇かけて丁寧に作ることはできるんだけれども、やはり量がそんなに採れなかったりとか、人が少なかったり、面積が少ないと機械化ができないので、労働どうしても一人当たりの生産量というのが少なくなってしまいます。
今、既存の流通ルートだとどうしても生産者さんっていうのは、売り値を自分で決められなくて、例えば人参1キロいくらですっていう風に言われたら、もうどんな味でも基本的には形の規格が特定であれば、同じ金額でしか買ってもらえないというのが既存の流通ルートです。
そうなると味にこだわるのではなくて、なるべくきれいな形のものを効率よくたくさん作った方が利益になるんですね。
ただ、なかなか小さい生産者さんだとそれが難しいので収益が上がらない。
結局小さい農家さんというのは、どんどんやめてしまってるという現状に当時気づきました。
生産者さんが他の選択肢を選べたりとか、既存の流通ルートにも出しつつ1割何か他の売り方をするみたいな選択肢がもっとあってもいいんじゃないか、というのが食べチョクのスタートになっています。
食べチョクは、生産者さんが自分で箱詰めしたりしなきゃいけないので、結構手間はかかる。
結構厳しい声をいただいたりとか結構大変ではあるんですけども、一方でちゃんと自分で値段を決められてかつ直送なので、利益率も高い。
直接自分の名前でファンが付くので、この生産者さんのトマトおいしいねという形で、ちゃんと指名でお客さんのファンが付くというころがメリットとして新しい選択肢としてスタートをしています。
結構大切にしているのは、私たちはあくまでも「小さい農家さんが売れ続けること」っていうのをすごく意識しているので、基本的には小さい農家さんでも評価されたりとか、熱量の高いファンの人がいれば、そういう生産の規模の大小も関係なくしっかり売れる場を作っていくというのが、食べチョクのポリシーとして考えています。

02:私たちから見る食業界

私達のビジネスを通して、今、食業界全体も変化トレンドというところを次でお話ししたいなと思います。
私達実は、コロナ禍で大きな変化があったサービスなので、どういった変化があったのかというところを最初にお話しします。
コロナが最初、2020年3月来て学校給食が小中高で中止になったり、後、イベントができなくなったりしてリアルの場っていうのがパッと閉じたのが2020年の3月です。
で、そのタイミングでいろんな生産者さんから全国各地からSOSの連絡が来ました。
イベントで使う予定だったカキが8000個余ってしまってますとかですね。
給食学校給食に出す予定だった野菜が、もう畑に大量にあるんですけれども売り先がありませんみたいな話がたくさん寄せられました。

品質が高い人ほどちゃんと自分で販路開拓して外食とか給食に売り込んで、それで契約を取っていてそれが正解とされていたんですね。
私が食べチョク出してくださいっていう風にお願いしても、結構お断りをされることが当時多くて、すごい品質高い人ってやっぱりそういうところに出すんだなって思ってたんですけど、そういった人たちからまさにすごいSOSが来ました。
こんなに品質が高い人たちが売上0になって、しかもちょっと先がわからないとなってしまうとこれから廃業する人がすごい出ちゃうんじゃないかっていう危機感がありました。
コロナ禍色々大変なこと多かったんですけれども、ピンチはチャンスという言葉がすごくぴったりくるけれども、結果みんな生産者さんもすごく必死に頑張っていて、私たちも一緒にやってきたのですが、結果として振り返るとそこで得た学びで大きく成長していたり、それがきっかけでポジティブな業界の変化があったかなというふうには思ってます。

川上〜川下まで全領域で大きな変化チャンスがありますと書いてあるんですが、私達は生産の川上からは見ていますが、基本的には川下その流通して小売 届けるところをやっていますが、本当にどこの川上から川下まで全てにおいてかなり大きな今業界の変化が起きています。
まずちょっと流通の部分ですね元々は卸売市場に流してそこから細分化されて消費者に届くというのがメインの流通だったんですけれども、いわゆる直販生産者さんからの直販というところが市場としてはどんどん大きくなってきています。
2019年まででもう既に直売所が1兆円を超えています。これ2019年までなので、20年以降は恐らくもっと伸びていると思います。
少し入り口の部分のお話をしましたが、こちらはもうちょっと川下の方というか販売の部分ですね。
今買い方もどんどん変わってきていて、いわゆる食品とかってEC化率がすごい低い業界だったんですね。
例えば生活雑貨・生活家電とかは今も30%くらいECになっていて、書籍も30%から35%ぐらいですね。
なんですけど、食品に限ってでいうと3%くらいしかないというので、すごくいわゆる多くの人がリアルなスーパーで買ってるっていうのが食品業界です。
そもそもEC化率がまだまだ低いので伸びしろが大きくて、成長の角度がすごい高い領域。特にコロナの影響ですごくここは伸びていまして、生鮮食品とやっぱり生ものなので、どうしても最初オンラインで買うハードルがすごく高いんですね。
ちゃんと今も届くかなというのはわかんないので、これだけやはり便利な世の中で、ちょっと行けばすぐスーパーがあるという状態だと、いったん目で見て買った方が安心かなというのは、なかなかオンラインにスイッチがされないんですが、コロナの影響で、その家にいなきゃいけないっていう強制をされたというところで、生鮮オンラインで買う経験をした人がすごく増えました。
それによって意外とオンラインで買っても品質がいい物届くんだなっていう成功体験を積んだ人たちが引き続き使ってくれていて、つまりコロナ禍で初めてECの体験を買う体験をした人というのがたくさんいたので食品とかの領域のEC化率は2020年以降も増えていっています。
消費者の関心というのも変化が大きくあります。ほぼSDGSですね。
やはりこの数年ですごく聞くようになりました。皆さんも聞いたことあると思うんですけれども、消費者の方のSDGSに関する興味関心と認知がすごく大きく伸びています。

未利用魚って聞いたことありますかね。規格外野菜とか聞いたことあると思うんですけど、それのお魚版みたいな形で、捨てられて規格に沿わないで捨てられてしまうお魚を未利用魚というふうに言うんですけれども、この未利用魚というのも検索数は、これは去年のデータなんですけど、7月にちょっとテレビの影響で跳ねてからそこから結構ベースが高くなって、10月〜11月がすごく検索数は上がっていてます。
今までは捨てられてしまっていたというのを活用しようっていう消費者の方の意識が表れている部分かなと思っていて、なので今までみたいに単純に綺麗な商品とか並んでいる商品から選ぶという形だけではなくて、自分でそういうちょっとフードロスじゃないんですけど、削減のために何かこう規格外とか、捨てられてしまっているものを買えないかなっていうニーズと動きが出てきているというのが検索結果からもわかるかなと思ってます。

いろんな消費者のトレンドがある中で、売る側の変化として何社か企業の紹介をしたいなと思います。
私のDeNAの先輩が立ち上げたサービスです。
ここは、オンラインオフラインというところをうまく使って事業を伸ばしてきている企業さんで、完全栄養食のパンっていうのを作っていて、そのパンを食べるだけで1食分の栄養が賄えますっていうものをプロダクトとしてやっているんですけど、すごくコンビニに置かれて流通が伸びたっていうのを聞いてたので、てっきりコンビニですごい売り上げが上がっているのかなという風に思ったんですが、コンビニとかで売ってるものなんですけど、その比率は30%くらいで、それ以外が自社ECつまり自社のECサービスで購入をされているというところです。

コンビニさんとかに置いてもらうと凄い売り上げが上がって、でもやっぱりその分、コンビニさんにも手数料が取られちゃうんですけど、認知が拡大する以上終了だったところからそこの認知拡大を活かして、自社の通販に流してそっちの方で売り上げを立てていく。
で、かつそっちの比率の方が大きくなっているというすごい面白い事例だなという風に思っています。
ただのパン屋かもしれないんですけれども、そこから健康軸でしっかりコンビニに刺さってコンビニでちゃんと認知を拡大して自社のECに流してサブスクへと。
定期便で収益を上げていくっていうビジネスモデルが確立したすごく良い事例かなというところで持ってきました。

もう一つ消費者の方のタイムパフォーマンスを重視する動きっていうのが、最近消費者の方の中で大きなトレンドとして挙げられています。
簡単にいうと、時短いかに短い時間で最大の効果を得るか。
今までだとコストパフォーマンスってコスパ。コストに対してのそのリターンだったんですけれども、時間ですね。
タイムに対してどれだけ情報を得られるかというところがすごく重視されています。
今、消費者のトレンドが健康軸だったりとか時短・タイパを意識した軸というところに流れてきているので、本当にどんどんどんどんトレンドで変化していくものなので、そこに合わせて商品を開発していかなきゃいけないですし、今人気の商品も5年後には続いてるか分からないので、とにかく新しい商品開発をし続けることが大事なのかなというのが事例としてわかるかなと思います。

川上から川下まで本当に色んな変化があります。
特に大きな共通しているポイントとしてはデジタル化ですね。
IT化が進んでいってるので、今までずっと何10年も変わっていなかったところから、一気に業界が変わる可能性があるという意味だとすごい大きなチャンスがあるタイミングなのかなという風に思ってます。

03:就活中の皆さんへのメッセージ

この業界凄く大変なことも多くて、特に農業とかですと、私が元々この業界に入った理由の一つでもありますが、担い手不足。
どんどんどんどん農家さんの数は減っていて、高齢化が進んでいます。
特に近年に関してはそこに更に生産コストだったりとかが上がってしまっていて、前より例えば餌代だったりとか、飼料・肥料あと資材とか本当にありとあらゆる価格が上がっているので、そこのこの減少に拍車を掛けてしまうんじゃないかというのを私自身もすごく危惧をしています。
生産者さんの値段が上がるとそれを買うメーカーさんも今どんどん値上げをしていってて、皆さんの普段買われてるものとかでも値上げしているものが出てきていると思うんですけど、昨年は特にその動きが顕著に出ていて、多分今年もまだ続くという風に言われています。

この食品の業界というのはだいぶ数年厳しい局面が続くかなという風に思っているんですけど、私自身がその中で起業しているのもあって、私課題が山積みのところっていうのは伸び代がたくさんある業界かなという風に思っています。
私自身、今起業して6年経っているんですけど、やっぱりこの業界がすごい面白いなと思うのが、本当に解決しなきゃいけない課題がいっぱいあるので、課題に困ることがないというのはすごい嬉しいことだなと思ってます。

実はDeNAの時に新規事業を考えるにあたって、課題を見つけるのって結構難しいんですよね。
ここの課題解決しなきゃいけない課題なんだろうっていうのを探そうって難しいんですけど、本当に解決しなきゃいけない課題いっぱいあるので、逆に言うとやれることがいっぱいある業界だと思っています。
今日すごい色んな企業さんが出展されていて、私もすごい聞いてみたいなと思う企業さんたくさんあったんですけれども、本当にどこの領域でも川上から川下まで今大きな変化が来ているので、ぜひその対象を絞らずにいろんな企業さんの話を聞いていただきたいなと思います。

今、皆さんがいるタイミングっていうのは、本当にこれから先の人生を決める上ですごく重要な意思決定のタイミングだと思ってます。
正直領域は自分の興味ある領域だったらどこでもいいのかなと思ってて、やっぱりその中で何をするかがすごい重要だなと思っています。
どの企業さんに行っても、その中でちゃんと自分自身が誰かに言われたことをやるんじゃなくて、頭で考えてやってみて失敗するかもしれないけど、そこからちゃんとフィードバックを得て次につなげていく。
このサイクルを何回回せたかで成長が決まると思っているので、ぜひそういう熱量を燃やせる企業さんを見つけて、それがその中で自分がここだったらたくさんチャレンジできそうだなというところを見つけてそこに進んでいって欲しいなと思っています。

やはりいろいろ選択肢があるので、最終的にはすごい迷うと思います。
もうAかBか。Aを選んだらBが正解だったかとか分からないので、とにかくAを選んだってことを正解にするしかないです。
なので、とにかく選ぶ瞬間に後悔しないぐらいめちゃくちゃ悩むことが大事だなと思っているので、なるべく今のタイミングってすごく色々な情報が入って入手できるタイミングだと思うので、この機会にいろんな情報を得て最後後悔のない意思決定ができるように皆さん、今日もいろんなお話を聞いていただけたらなと思ってます。

農業の未来を担う新規雇用就農者インタビュー

農業に興味がある方々にはいろいろな疑問があると思います。
なぜ農業なのか?なぜ群馬県なのか?やりがいは?大変さは?今回は群馬県内の農業法人3社を訪問し、先輩就農者にお話を聞いてきました。

株式会社サイエンズ(業種:露地野菜)

まずお伺いしたのは昭和村で露地野菜を育てている農業法人さんです。
若手が多く在籍し、働きやすい環境で社員の定着率も非常に高いと噂で聞いていました。
本日は別時期に入社し社内結婚されたお二人にお話しを伺ってきました。

都内から移住し農業生産現場職に転職しました

冨内 勇吾(トミウチ ユウゴ)さん
東京都出身 
勤務先:株式会社サイエンズ
業種:露地野菜
東京農業大学卒業後、都内の一般企業に就職し2年間勤務。学生のころから興味のあった農業をやりたいと思い、株式会社サイエンズに転職。転職後、社内で奥様と出会い結婚され、群馬で充実した毎日を過ごされています。

Q1 農業を仕事にしようと思ったきっかけは何ですか?

・農業に興味を持ったのは母方の実家が群馬県の下仁田町で農業を営んでいて、幼い頃から農業に触れる機会が多かったことが最初のきっかけですね。
・高校卒業後に東京農業大学の国際農業開発学科で、途上国における農業普及に関する研究をしていました。大学卒業後は都内のホームセンターに就職しました。希望する園芸の部署で働きたかったのですがなかなか配属されず、ずっと興味のあった農業をやりたいという思いが強くなり、(株)サイエンズに転職を決めました。

Q2 どのような仕事をしていますか?

・就業時間は農繫期にあわせて3つの時間帯に分かれています。
・夏場の5月~10月は朝5時~18時までが就業時間です。最盛時期は朝4時に出社して、9時まで収穫と出荷作業を行います。その後、朝の1時間の休憩時間のなかで朝食をとり、午前中までに種まきと苗出し作業を行います。昼の休憩時間は2時間もらえて、昼食をとったあとは昼寝ですね。たまに寝過ごすときもあります(笑)。午後からは定植作業やマルチを敷いたり等の作業を行います。夕方16時くらいから消毒作業や翌日の収穫作業の準備をして、18時に退社するような流れです。
・ちなみに、11、3、4月は朝8時~17時(休憩1時間)、12月~2月は朝9時~16時(休憩1時間)の就業時間です。

Q3 仕事の魅力と大変なところは何ですか?

・自分たちが一生懸命に育てた作物がきれいに育ってくれて、最後に収穫できたときにやりがいと楽しさを感じますね。
・朝が早かったり重たいものを運んだり、天候によって雨だったり暑かったりは大変ですが、しょうがないことなので忘れることで乗り越えました(笑)。

Q4 休みの日は何をしていますか?

・休みは月に8日までもらえます。シフト制で他の社員と調整して取得しています。独身時代は毎回休みになると群馬県内の温泉巡りをしていました。スキー場も身近だったので冬はスキーを楽しんだりしていました。いまは子どもと公園で遊んだり買い物したりして過ごしています。
・長期休暇は冬休みと夏休みに加えてゴールデンウィーク休暇がもらえますので、旅行に行ったりすることもできます。しっかり決まった休みがもらえるところも雇用就農の魅力だと思います。

Q5 群馬県に移住してみた感想は?

・群馬県はとても住みやすいところだと思います。東京から近いにもかかわらずとても自然豊かですし、職場のある昭和村は夏でも夜は涼しいです。こどもがまだ小さいので、子育てするには本当に良いところだと思いますね。

Q6 農業を志している方へのメッセージ

・農業は体を使う仕事ですので、体力的に自信のある方は向いていると思いますね。
・もし農業の仕事が穏やかでゆっくり作業ができるものと思っている方がいるとしたら、その考えは捨てたほうが良いと思います(笑)。栽培している品目によっても大変さは違いますが、どんな品目でも重たい肥料を運んだりといった作業はありますので、ある程度覚悟が必要だと思います。

農業と育児の両立を実現しています

冨内 惟(トミウチ ユイ)さん
千葉県出身 
勤務先:株式会社サイエンズ
業種:露地野菜
大学卒業後に千葉県の中学校の教員として2年間勤務。教員を退職後は様々な農業生産法人で働き、株式会社サイエンズに就職。2人のお子さんの子育てをしながら、農業と育児を両立してご活躍されています。

Q1 農業を仕事にしようと思ったきっかけは何ですか?

・子どものころから植物や自然が好きで、漠然と農業をやってみたいと思っていました。大学卒業後は中学校の教員として働いていましたが、いつかやりたいと思っていた農業を仕事とすることに決めました。
・教員退職後の1年数か月の間で花き、果樹、野菜の生産法人で働いて自分に合っている品目を探しました。最終的には毎日欠かさず食べられる野菜が自分には合っていると思い、(株)サイエンズへの就職を決めました。

Q2 どのような仕事をしていますか?

・いまは育休中で、上の子どもが小さい時も育休を取らせてもらいました。
・育休前は主に育苗管理の仕事をしていました。苗の管理もとても大切な仕事で、良い苗を育てることを心がけていました。
・就業時間は保育園の送り迎えの時間に合わせて、繁忙期でも朝8時半~16時半にしてもらっています。子育てと農業を両立できるところも雇用就農の良いところだと思いますね。

Q3 仕事の魅力と大変なところは何ですか?

・体を使う仕事なので1日やり切ったとき、そして1シーズンやり切ったときに達成感を味わうことができます。家で仕事をすることがないので、仕事とプライベートをはっきり切り分けることができるところも良いところだと思います。
・野菜は他の品目に比べて力作業が多いところが大変ですね。

Q4 休みの日は何をしていますか?

・休日は子どもと過ごす時間にしています。子どもができる前は趣味のジャズダンスをやっていたので、子育てが落ち着いたらまたやりたいなと思っています。

Q5 群馬県に移住してみた感想は?

・自然が豊かなところは魅力的ですし、素材が良いのか食べ物がおいしいと思います。直売所でおいしい野菜が安く買えるところも良いですね。
・出身の千葉県からも比較的近いので、実家に帰るときもアクセスが良いです。

Q6 農業を志している方へのメッセージ

・農業に興味がある方は、とりあえず体験してみたら良いと思います。私も最初にいまの会社で2泊3日の農業体験からスタートしました。まずは農業を体験してみて、自分に合っている農業を探してみると良いと思います。

下仁田ミート株式会社(業種:養豚業)

次にお伺いしたのは県内大手の養豚業者様です。自社ブランドである下仁田ミートを生産しており、年間33,000頭も生産出荷しています。
卸売だけではなく、自社加工したシュウマイや味噌漬けを直売店で販売し、全国優良経営体表彰の販売革新部門で最高賞の農林水産大臣賞の受賞歴もある法人様です。
今回は新卒で入社し、最年少で農場長になった社員さんにお話を聞きました。

やりがいは努力が成績に直結することです

横堀 秀文(よこぼり ひでふみ)さん
群馬県出身 
勤務先:下仁田ミート株式会社
業種:養豚業
大学ではライフサイエンスを専攻し植物細胞を研究。大学卒業後に下仁田ミート株式会社に就職。就職活動を始めるまではほとんど農業に興味はなかったそうですが、現在は17人の部下をまとめる場長(歴代最年少)としてご活躍されています。

Q1 養豚を仕事にしようと思ったきっかけは何ですか?

・就職活動は業種を絞らず、県内の企業を色々受けていました。でもなんとなくですが、車が好きだったので自動車関係に就職したいと思っていました。最終的には自動車ディーラーと下仁田ミート(株)に内定をもらえて、どちらに就職するか悩みました。
・下仁田ミート(株)に入社に決めたのは、当時面接してくれた今の会長と社長たちの人柄がとても良く、「ぜひうちに来て欲しい」と言ってもらえたことが大きかったです。また食品関係は絶対になくてはならない基盤産業であり、家族の応援もあったことが当社に入社を決めた理由ですね。

Q2 どのような仕事をしていますか?

・就業時間は朝8時から17時で、休憩時間は1時間30分です。残業はほとんどありません。
・いまは場長なので、出勤したら分娩舎、離乳舎、種豚舎、浄化槽を一通りチェックします。その日の出勤している社員の状況をみて、人が足りていないポジションのところに入って作業します。管理職として社員のシフト作成も行っています。

Q3 仕事の魅力と大変なところは何ですか?

・立派な豚に育てるために、努力を惜しまず頑張った分だけしっかり成績として結果に出るところに魅力があると思います。管理方法ひとつで分娩率が良くなったり、死亡率が少なくなったりします。良い結果につながったときにやりがいを感じます。
・反対に、良くなることも悪くなることも自分の判断次第ですので、判断を間違えられないところが大変ですね。
・豚の世話だけでなく、飼養成績管理や、機械整備などの農場管理も行います。多様な仕事を身につけるのは大変ですが、農場全体を見る面白さがあります。

Q4 休みの日は何をしていますか?

・休日は趣味のロードバイクに乗っています。自転車で山を登るときはつらいですが、登りきったときの達成感でリフレッシュできます。

Q5 今後の目標は何ですか?

・高産歴の豚が増えてきているので、若い豚を増やして今以上に成績アップを目指してやっていきたいと思っています。これからもおいしい豚肉を生産していきたいですね。

Q6 農業を志している方へのメッセージ

・養豚と一口で言っても様々な仕事があるので、色々なことにチャレンジしてなんでもやってみたいと思える人が向いているかなと思います。
・養豚がどんな仕事かわからない方が多いと思いますので、一度作業をやってみて考えるのも良いと思います。当社では体験入社もできるので、とりあえず見に来てもらって養豚がどのような仕事なのか体験してみてください。

農事組合法人山崎農場(業種:酪農業)

最後に訪問したのは酪農業を運営する法人さんです。「農場HACCP」に取り組み、衛生面を徹底しています。
皆さんご存じですか?畜産業は重労働に思えますが、女性の活躍が近年目立ちます。
それではお二人の女性社員さんにお話しを伺いましょう。

牛の魅力にどっぷりハマりました

奥木 真輝(おくぎ まき)さん
群馬県出身 
勤務先:農事組合法人山崎農場
業種:酪農業
高校卒業後に酪農を営む農業法人に就職。現在は、農事組合法人山崎農場に転職して5年目。農場長(歴代最年少)として、牧場の仕事全般と後輩たちの指導も行うなど、現場だけでなく事務管理の場面でもご活躍されています。

Q1 酪農を仕事にしようと思ったきっかけは何ですか?

・高校時代にホルスタイン部に所属していて、尊敬できる農場の先生や仲間に出会えたことで、卒業してからも牛に携わる仕事がしたいと思ったことがきっかけです。今でも当時の同級生はそれぞれが県内の牧場で牛に携わる仕事をしています。
・ホルスタイン部に入ったのは高校の授業で牧場に行った際、ハピネスという仔牛(ツーショットで写っている牛がハピネスです♪)と出会ったことがきっかけです。農場の先生から、良かったらお世話をしてみないかとのお声がけをいただき、入部することを決めました。ハピネスとは共進会出品に向けて休日も二人三脚で部活動に励み、牛の魅力にどっぷりハマっていった感じです。
・しばらくハピネスとは疎遠になっていましたが、たまたま縁があり山崎農場に来れることになり幸せな日々を送っています。今でも私と一緒に働いてくれているハピネスは私にとって特別な存在です!

Q2 どのような仕事をしていますか?

・農場長なので毎日決まった仕事ではなく、農場全体の業務が円滑にまわせていけるように様々な業務を行っています。もちろん、牛に携わる業務もしていますが、それ以外にも各種申請等の事務仕事もしており、経営面でも積極的に携わらせてもらっています。また、HACCPの認証に向けても責任者として取り組んでいます!

Q3 仕事の魅力と大変なところは何ですか?

・酪農は仔牛として産まれてから、その子が一生を終えるまでの全てを見られるところが魅力だと思います。牛は手をかけたらかけた分だけ応えてくれます。仔牛の頃から育てるので、成牛になっても顔を見ただけで牛の名前がわかるのが特技ですね。
・牛は生き物なので体調を崩してしまったり怪我をしてしまうこともあります。もちろん治療はしますが、中には予後不良となってしまったり、死産や分娩時の事故などで救えなかったときはつらいし大変ですね。それと、牛は経済動物ですので乳量や病気、怪我等の理由から飼養を続けられないと判断されれば、牛の一生を終える決断をしなければならないときもつらいです。仕事なので割り切らなければいけないのですが、やっぱりつらいですね。

Q4 休みの日は何をしていますか?

・コロナもあってあまり遊びには行けないので、家で過ごすことが多いですね。うさぎとチンチラとハリネズミ2匹を飼っているので、ペットたちと過ごす時間が癒しになっています。
・出かけることが好きなので、コロナが落ち着いたらいままで行けなかった分積極的に温泉とか動物園とか買い物に行きたいと思っています!

Q5 今後の目標は何ですか?

・農場長の立場になったので、若い従業員の指導に注力して、牧場全体のスキルアップを目指したいですね。牛のコンディションを良くして、人も牛も良い関係でいられるようにしたいです。
・今後はHACCPの認証取得も目指していきたいと思っています!

Q6 農業を志している方へのメッセージ

・酪農はやっぱり牛が好きだという気持ちがとても大事だと思います。それと、酪農の仕事が本当に自分に合っているかどうか、職場体験できる牧場があればぜひ一度体験してみてください。
・酪農の仕事が思っていたのと違ったという子を多く見てきましたが、牧場の仕事はたくさん魅力がありますので、ぜひ自分にあった牧場を探してみて欲しいと思います!

生き物や自然を感じる仕事に魅力を感じています

影山 ちなみ(かげやま ちなみ)さん
静岡県出身 
勤務先:農事組合法人山崎農場
業種:酪農業
2022年4月に東京都内の美術系大学卒業後、第一次産業に従事したいとの思いから、群馬県に移住し農事組合法人山崎農場に就職。入社したばかりで農業の経験もなかったので、はやく一人前になれるよう日々の業務に尽力されています。

Q1 酪農を仕事にしようと思ったきっかけは何ですか?

・高校、大学と美術系の学校でデザインの勉強をしていましたが、就職活動をしていくなかでデザインの仕事よりもっと私たちの生活に根差したことを仕事としたいと思い農業に興味を持ちました。
・まずは農業専門の就職サイトに登録してカウンセラーの方と相談をしました。相談をしていくなかで、動物に愛着を持ちながら一生をともにできるということに惹かれて、酪農を就職先として選択しました。牛を初めて見たときは「でか!」と思いました(笑)

Q2 どのような仕事をしていますか?

・朝5時前に出社して、5時から9時まで餌作りや搾乳等、仕事を覚えるため色々な作業をさせてもらっています。
・9時から9時半まで育成牛のエサやりをしています。9時半から15時まで休憩です。
・15時からはまた仔牛にエサをあげて、15時半から19時まで搾乳作業をして終業です。

Q3 仕事の魅力と大変なところは何ですか?

・やっている仕事の意味を感じることができるし、外仕事なので生き物や自然に触れる環境で仕事ができているところに魅力を感じています。
・体を使う仕事なのでやはり体力的に疲れるときはあります。あと、自分が休んでしまうと仕事の流れが滞ってしまうので、体調管理はしっかりしないといけないプレッシャーはありますね。
・大変なことも多いですが、とても魅力のある仕事なのでもうちょっと体力をつけて、いろいろな仕事を覚えて柔軟に動けるようにしたいと思っています!

Q4 休みの日は何をしていますか?

・猫を飼っているので、猫と戯れたりドライブと買い物を楽しんだりしています。
・夏休みと冬休みにそれぞれ3日ずつ長期休暇もとれるので、リフレッシュしてまた仕事を頑張れます。

Q5 群馬県に移住してみた感想は?

・ドライブが好きなので、いろいろなところへ車で出かけることが多いですが、群馬は景色が良いところが多いところが素敵ですね。
・都会に比べて人も少ないですし、ゆっくり時間が流れている感じがしています。良い意味でマイペースに生活できるところが良いと思います。
・東京に近いところも良いですね。姉が東京に住んでいますし、友達も東京に多いので、行きたいときにいつでも東京に行くことができる点も魅力です。

Q6 農業を志している方へのメッセージ

・農業はやってみないとわからないことが多いと思いますので、農業を仕事にしてみたいと思っている方はあまり考えすぎない方が良いと思います。思い切ってチャレンジしてみたら良いのではないでしょうか。

まとめ

『就農=独立』と考えがちな業界ですが、じつは雇用就農、いわゆる農業サラリーマンとしての働き方も増えてきています。実際に、新規雇用就農者は2021年に前年比15%増の1万1570人で過去最多を記録しました。これは農業法人が増加し雇用環境が整ったことが背景にあると見られています。
また、雇用就農ゆえのメリットもあります。
例えば、『収入の安定』や『農業の運営を最も身近に見ることができる』『その一部を担い、学べること』は大きなメリットになり得ます。
就農に踏み出す際には雇用就農も選択肢の一つに入れても良いのではないでしょうか。

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