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耕作放棄地による問題と対策

耕作放棄地問題の影響と取組、
荒廃農地を蘇らせて、新たなビジネスも!

農業の高齢化が問題となっていますが、それに伴い耕作が行われなくなり放置された農地が問題となっています。管理されなくなった農地が、農業生産の減少だけでなく周囲にさまざまな悪影響を与えています。 「耕作放棄地」問題やそれをビジネスチャンスと捉え、新たに生まれたビジネスモデルを詳しくご紹介していきます。

そもそも、耕作放棄地とは?

耕作放棄地は、「以前耕地であったもので、過去1年以上作物を栽培せず、しかもこの数年の間に再び耕作する考えのない土地」と農林業センサスにおいて定義づけられています。つまり耕作放棄地とは、耕作が行われていない、近いうちに耕作栽培の予定もない、放置されている農地のことと言えます。

「遊休農地」との違い

「遊休農地」は、農地法で以下のように定義づけられています。

【1】現に耕作の目的に供されておらず、かつ、引き続き耕作の目的に供されないと見込まれる農地

【2】その農業上の利用の程度がその周辺の地域における農地の利用の程度に比し、著しく劣っていると認められる農地(1を除く)

2にある通り、「利用の程度が著しく劣っている」場合、つまり自分で食べる分だけの栽培を行っている場合など、わずかに栽培を行っている場合には「遊休農地」に分類されますので、全く栽培していない「耕作放棄地」とは少し違います。
しかし、実際には耕作放棄地も遊休農地も同じ意味で使用されていることが多いです。

「荒廃農地」との違い

荒廃農地とは、その名の通り耕作が行われずに荒廃した農地であり、そのままでは作物栽培が客観的に不可能な農地のことを言います。荒廃農地には、再生作業によって耕作を再開できる土地も、再生が不可能な土地も含まれます。

荒廃農地は、市町村や農業委員会による現地調査の上で判断されるものに対し、耕作放棄地は、5年に1度、農業経営体に行われる「農林業センサス」というアンケートによって「1年以上作付けされる予定がなく、数年の内に作付けの予定がない」と回答された土地を指します。

耕作放棄地の面積とその推移

農地は年々減少を続けています。宅地等に転用されたりもしていますが、そのまま耕作放棄地になってしまうケースも多く、耕作放棄地は増え続けています。

※資料:農業水産省「荒廃農地の発生・解消状況に関する調査」、「農林業センサス」、「耕地及び作付面積統計」

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耕作放棄地の何が問題?

耕作放棄地が増加している主な原因として、農業者の高齢化や後継者不足による農業人口の減少が挙げられます。農業を行う人がいなくなって、土地が放置されるケースが多いのです。

農地が減少し、耕作放棄地が増加するのですから、国内の農業生産が減少し食料自給率の低下を招きます。日本の食料自給率は、昭和40年度には73%でしたが、近年は40%を推移している状態です。食料自給率の低下は農地の問題だけでなくさまざまな要因が関係していますが、耕作放棄地の増加は輸入への依存という大きな問題にもつながっているのは確かです。

雑草や害虫が発生する

その他、農地を放置することによって雑草が生えたり、害虫が発生したりする問題もあります。十分な管理が行われず周囲の迷惑になったり、景観の悪化や周囲の農地への悪影響になったりします。

災害時の危険性が高まる

農地には、洪水などの災害を防ぐ機能がありますが、耕作放棄地となって管理されなくなると、農地が持つさまざまな機能が失われます。防災の観点からも、耕作放棄地の発生防止や解消に努めることが求められます。

廃棄物の不法投棄の原因となる

耕作放棄地への廃棄物の不法投棄は、景観を損ない、自然界への悪影響が懸念されるなどさまざまな悪影響が懸念されます。また、農地への再生に多大な労力を要するようになってしまいます。

野生動物の行動圏と
なってしまう

中山間部では、シカやイノシシなどの野生動物が耕作放棄地をエサ場するようになり問題となっています。耕作放棄地を拠点とすることで、人間と野生動物の距離が縮まり、周囲の農作物被害も起こっています。

耕作放棄地改善に向けての取り組み

耕作放棄地の増加は全国的に深刻な問題となっています。そのため国だけでなく、地方自治体や農業者団体、企業などが、耕作放棄地の発生防止や解消に向けてさまざまな取り組みを行っています。

農地バンク(農地中間管理機構)

農地バンクとは、一般的に浸透している「農地中間管理機構」の通称です。「農地集積バンク」とも呼ばれます。平成26年に全都道府県に設置され、中立な立場で農地の貸し・借りを円滑に進める役割をしています。

耕作放棄地の所有者や高齢などの理由によりリタイアしたい人など、「農地を貸したい」という人から農地バンクが土地を借り受けます。そして、新規就農希望者や農業参入を希望する希望などに貸し付けを行います。つまり農地バンクは、農地を専門に扱う不動産屋のような役割です。

農地バンクへの登録により、借り手(受け手)を探してもらうことができ、不要な農地を貸し出すことができます。それにより貸し手には賃料が入ってくるだけでなく、協力金による支援も得られるという大きなメリットがあります。

交付金による再生利用への支援

荒廃農地を含めた耕作が行われていない土地を再生し利用するための支援が、国だけでなく地方自治体によって行われています。 国からの助成金「耕作放棄地再生利用緊急対策交付金」のほか、多くの自治体が支援金の支給を行っています。

「耕作放棄地再生利用緊急対策交付金」は、重機を使った再生作業費用の半分(沖縄県は2/3)が支給されたり、耕作を行った場合には10aにつき2.5万円の助成が受けられたり(初年度のみ)、土地の再生や耕作の再開にかかるさまざまな費用が助成の対象になります。

耕作放棄地再生によるビジネスも生まれています

耕作放棄地を有効活用し、社会的な問題を解決しながら新たな価値創出を目指し、新たなビジネスを始める企業や新規就農者も増えています。耕作放棄地活用ビジネスにより、地域の活性化や雇用創出など、多くのメリットも生まれています。

ふるさと納税の仕組み・農家への影響

ふるさと納税の仕組みとは?
農業へのメリット・デメリット

近年、ふるさと納税の人気が高まっています。寄附に対するお礼の品(返礼品)として地域の名産品などが届くことから、ネットショッピング感覚で利用する人も多くいます。アイデアを凝らしたユニークな返礼品も登場しているなど地方自治体間での競争も激しく、盛り上がりを見せています。

ふるさと納税とは?

ふるさと納税を「寄附をすると返礼品をもらえるサービス」などと認識している人は多いのではないでしょうか。
しかし、ふるさと納税は自分が生まれ育った「ふるさと」を応援できる制度としてスタートしました。就職・進学などで都会に出る人は多く都会の税収は増えていますが、「ふるさと」は人口減少によって税収も減少傾向です。そこで、『自分を育んでくれた「ふるさと」に貢献できる制度があっても良いのではないか』ということから、地方活性化を目的としてふるさと納税が誕生したのです。
ふるさと納税によって寄附金が集まり、活気を取り戻す「ふるさと」も増えています。

ふるさと納税の仕組み

「納税」という言葉がついているふるさと納税ですが、実際には地方自治体への「寄附」です。生まれ育った地域に限らず、応援したい地域を自分で選んで寄附できます。

ふるさと納税を通じて自治体に寄附を行うと、寄附を行った自治体から特産品などの返礼品がもらえます。「寄附で特産品がもらえる」というだけでは、ネットショッピングと変わりありませんが、ふるさと納税は住民税の減税・所得税の還付が受けられるため、自己負担2,000円で返礼品をもらうことも可能なのです。

2,000円で返礼品がもらえる!?利用者のメリット

納税可能な金額内で寄附を行うと、合計寄附額から2,000円を引いた額については所得税・住民税の控除が受けられます。つまり、実際の自己負担額2,000円で、特産品をもらうことも可能です。全国各地のお肉や海産品、野菜などの特産品をお得に楽しめるのです。
(納税可能な金額は所得や家族構成により異なり、医療費控除・住宅ローン控除などを考慮する必要もあります。)

利用者にとってのメリットは、「お得に返礼品をもらえる」ということが注目されがちですが、応援したい「ふるさと」や地方自治体に貢献できるという大きなメリットもあります。

ふるさと納税による農業への影響

ふるさと納税が人気となり、さまざまな農畜産物が返礼品として提供されていることから、農業界にとって大きなチャンスであり、農家には多くのメリットが期待できます。
しかし、その一方でふるさと納税による農業界への悪影響が懸念されているのも事実です。

ふるさと納税による主な3つのメリット

地域によって、ふるさと納税への取り組み方も違えば扱う品目やサービスも違い、得られるメリットは違ってきます。しかし、次に紹介するようなメリットをはじめ、さまざまなチャンスをつかむきっかけになり得る制度だと言えるでしょう。地域活性化に向けて上手に活用することが、都道府県および市区町村に求められています。

メリット1 農村地域の活性化

寄附金を集めることによって、さまざまな事業展開が可能になり、地域を活性化できます。地方税収をふるさと納税額が上回るほど寄附金が集まっている自治体もあり、農村地域のさまざまなプロジェクトに活用されています。

寄附金の使い道は地域によって異なりますが、農業支援に活用する自治体も多く、農業が抱える担い手や所得、非効率な農地利用などの問題を解消すべく、6次産業化に向けた環境整備に取り組む自治体もあります。

メリット2 消費者とつながるチャンスが増える

ふるさと納税の返礼品が、消費者と生産者を直接つなげるきっかけとなり、リピーター獲得につながるチャンスとなっています。ネットショップを訪問してくれるリピーターなど、ファンを獲得することによって注文を増やしている生産者も多いです。
また、ふるさと納税がきっかけでその地を訪れる人(交流人口)が増えると、他産業の発展にもつながり、多くのメリットが期待できるでしょう。

消費者と交流を持ち、利用者の喜びの声を聞くことができることは、生産者の意欲向上にもつながります。「美味しかった」という声だけでなく、「その土地に行ってみたい」という声が聞けることは、大きな喜びとなります。

ブランド力の向上

近年はふるさと納税サイトが多数登場し、農産物などの特産品を露出できる場が増えています。上手に利用することで、返礼品を通して地域のブランド力や知名度を高めることができるでしょう。ふるさと納税が、地域や特産品の魅力をアピールする場にもなるのです。
ブランド価値が、直接販売における売上アップや取引先の増加などさまざまなチャンスにつながるだけでなく、高値の安定化、持続的に売れる農産物生産にもつながっていくでしょう。
また、ブランド力の強化は生産者所得や雇用の増加につながり、地域農業が抱える問題解決にもつながることが期待できます。

ふるさと納税にもデメリットがあります

近年盛り上がりをみせるふるさと納税ですが、さまざまな問題点も指摘されていて、政府が制度見直しを表明しています。
現在の制度における自治体や生産者にとってのデメリットには、次のようなものが挙げられるでしょう。今後の制度改革によって「ふるさと」や農業者、そして利用者にとって、さらに良い制度になっていくことが望まれます。

デメリット1 コスパが求められる傾向がある

もともとは「ふるさと」を応援する制度でしたが、現在は豪華な特産品をもらうことが注目されている傾向があると言えるでしょう。肉やカニ、季節のフルーツなどを返礼品としている自治体に人気が殺到し、どんなに良い農産物であっても注目されず、苦労している自治体もあります。

高額でコスパに優れた返礼品が人気を集めているため、家電や商品券などの地域との関係性の薄い返礼品も登場しています。これまでに、総務省から「返礼品を地場産品に限定」「返礼品の還元率3割以下」といった通達がありましたが、強制するものではなく、守っていない自治体が存在することも事実です。
そのため、2018年9月に総務省は返礼品の見直し状況の調査結果や、制度の見直しを検討していることを公表しました。これにより、通達を守っていない返礼品は減少しています。

デメリット2 返礼品競争に勝ち抜く必要がある

ふるさと納税により、地域や特産品をPRできるチャンスが増えたのは事実ですが、自治体間での競争が過熱していて、勝ち抜かなければ地域のPRも税収を増やすこともできないというのが実情です。
単に地域の特産品を前面に出しただけでは、寄附をしてもらえません。創意工夫や企画力、PRなどが必要となり、自治体や生産者が協力・連携して取り組むことが必要になるでしょう。

市場競争と同様、ふるさと納税においても競争があり、消費者のニーズに応えた生産やサービスが必要なのです。

デメリット3 地域農業衰退のリスクがある

ふるさと納税での売上を優先し、従来行ってきた取引を減らしてしまうと、産業の衰退を招きかねないことが懸念されています。税収に頼って自治体への依存度を高めるのではなく、自立的な経営によって安定した収入を得られる産業でなければ、農業の発展につながるとは言えないでしょう。

デメリット4 安くなければ買ってくれない可能性がある

ふるさと納税によって地域の特産品を知ってもらえたとしても、利用者は正規の価格で再度購入してくれるとは限りません。一度自己負担2,000円でもらえたものに、高い金額は払ってくれない可能性もあるのです。利用者との交流を図り地域を知ってもらい、地域や特産品の本当のファンになってもらうことが大切になってくるでしょう。

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寄附金の使い道(プロジェクト)が重要に

ふるさと納税では、多くの利用者にとって返礼品が重視されがちですが、地域によって「寄附金」の使い道はさまざまです。寄附金を活用して農業支援を行っている地域もあれば、子育て支援や歴史的建築物の改修を行う地域もあり、地域活性化に向けた多種多様な活用がなされています。

近年、返礼品競争の過熱が問題視されていますが、寄附金の使い道(プロジェクト)を知ってもらい、地域や地域の活性化に向けた取り組みを応援してもらうことが大切です。利用者に喜ばれる返礼品を送ることはもちろんのこと、魅力的な地域の取り組みが、継続的に応援してくれるファンの獲得につながっていくでしょう。

農業コンサルタントとは?

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農業コンサルタントの仕事とは?

従来の農業とは異なり、近年は農業を「ビジネス」として「経営」していく必要があります。農業は、地域が違えば生産する作物も違い、展開するビジネスももちろん変わってきます。そのため、農業ビジネスは多様であり、地域や農業者、そして消費者ニーズに適したものでなければなりません。
農業コンサルタントは、幅広い知識や技術が必要となる農業経営をサポートし、「儲かる農業」へと導くパートナーとして活躍しています。

農業コンサルタントとは?

農業コンサルタントとは、農業分野におけるコンサルティングを行う農業経営者の頼れるパートナーです。地域や農業者に応じた農業経営に関するアドバイスはもちろん、生産・販売・加工にいたるまで幅広い視点からアドバイスを行い支援します。
一般的なコンサルタントとは違い、経営面だけでなく、農業における課題解決、農業を通じた地域活性化、6次産業化支援、新しい農業技術の活用、海外進出に向けた支援など、さまざまな分野を扱います。

従来の農業とは異なり、近年は単に農産物を生産するだけでなく、加工や販売まで分野を拡大しているほか、農業を通じた地域活性化が求められています。海外展開による事業拡大を目指す農家・農業法人も増えています。
儲かる農業として成功するには、他分野の知識が不可欠であり、それをサポートする農業コンサルタントが求められています。

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農業コンサルタントの主な仕事

農業コンサルタントの仕事の内容は多岐に渡りますが、主な業務として以下の3つが挙げられます。

経営サポート

農業経営をビジネスの観点から、アドバイスします。
農業に限らず、経営を進めるには経営プランが必要になりますが、農業は天候によって品質や数量が大きく左右されることから、プランを立てにくいのではないか…と考える人も少なくないでしょう。しかし、農業経営の発展に向け、気象条件の影響に対応した安定的生産を図るなど、計画的・安定的生産に向けた取り組みが進んでいます。

農業コンサルタントは、経営プランにそった営農のサポートはもちろん、経営の改善・発展、さらには事業の拡大に向けたトータル的なコンサルティングを行います

実際の業務例

「経営サポート」と一言で言っても、その業務はさまざまであり、地域や農家によっても違ってきます。経営プラン策定のサポートから、それを実現するための労働力の確保、新しい生産技術の導入、さらには簿記記帳に向けたパソコンの導入、記帳の指導などもあります。
経営プランを立てるだけでなく、それを実現するためのサポートを行うのです。

6次産業化支援

「6次産業化」とは、生産はもちろん、加工・流通・販売にまで生産者が関わり、その付加価値を生産者が獲得できる仕組みです。しかし、生産のプロフェッショナルであっても、加工や流通、販売においては初心者であり、専門知識を持った人のサポートが必要となるケースが多いです。

6次産業化を目指す農家や農業法人は、果樹もあれば野菜、米、豚・牛などを生産している場合もあるでしょう。また、加工品販売だけでなく、農村レストランや農家民宿、グリーンツーリズムの経営を目指す農家も多いです。
単に、事業開始までの流れをつくるだけでなく、生産物の価値を高め、中間コストを抑えるなど、多くの利益を得るためのサポートを行っていきます。

実際の業務例

6次産業化支援は、「そもそも、6次産業化が必要なのか」ということから始まります。6次産業化には多額の投資が必要になることから、ビジネスとして成り立つのか、成果をあげる見通しはあるのか、といったことから見極めることが必要となります。

また、実際に6次産業化を行うにあたり、生産との両立や適性価格の設定、持続的に経営するための体制づくり、販売先の確保などさまざまな問題が生じてくるでしょう。
農業コンサルタントは、これら一つひとつの課題を解決し、6次産業化成功に向けたサポートを行います。

人材育成

人材育成は、農業界だけでなく、どの業界においても企業が成長していくために欠かせません。近年は、農業界においても農業経営の法人化や規模拡大、経営の多角化が進み、多くの従業員を抱える農業法人も増えています。
家族経営には、家族だからこそのメリットも多くありますが、「経営と生活の境目が明確でない」といったデメリットもあります。農業法人として経営するメリットを最大限に生かすため、人材育成の面からサポートしていきます。

カリキュラムに沿った研修の実施やリーダーの育成などにより、一人ひとりの能力高め、業務の改善、作業における問題発生の回避、さらには経営改善につなげます。

実際の業務例

農業法人で働く人材の育成はもちろん、これから農業を始める人材の育成も行います。農業が抱える問題に、農業従事者の高齢化や担い手不足がありますが、人材育成はこれからの農業を担う人材の確保につながり、日本の農業を支える大きな役割を持っているとも言えるでしょう。

農家や農業法人での研修や農業経営・農業関連資材などの勉強会、販売ルート開拓に向けたアドバイスなど、農業経営を始めるためのトータル的なサポートを行う場合もあります。

農業コンサルタントのサポートが地域を支える

農業のコンサルティングにおいて、他の企業や自治体、地域との連携が重要になる場合も多くあります。地域としてのブランド化が、農家・農業法人の経営強化はもちろん、地域全体の活性化につながっていくのです。

農業の発展は、地域の活性化において大変重要なカギとなります。農業コンサルタントという仕事は、農家や農業法人のサポートであり、地域活性化のサポートでもあると言えます。10年後20年後の先を見据え、持続的な発展に向けたサポートにより地域を支え、日本の農業を支える仕事と言えるでしょう。
時代や消費者のニーズを常にとらえ、地域の特性を活かした事業戦略を考えていくことが求められます。

農業コンサルタントになるには?

農業コンサルタントになるには、特別な資格や技術が必要になるわけではありませんので、誰もが目指すことのできる仕事と言えます。
しかし、農業コンサルタントに限らず、コンサルティング業務で求められる資質として、コミュニケーション能力や人間としての魅力、相手の期待に応えようとする責任感などが挙げられるでしょう。
また、分野は異なりますが、コンサルタントとしての経験も就職において優位に働く可能性が高いでしょう。

「農業経営アドバイザー」資格

「農業経営アドバイザー」とは、農業経営者に対し、経営改善サポートができる人材育成を目的とした制度であり、日本政策金融公庫が認定しています。
資格取得によって、税務や労務、流通などの経営に必要な知識、農業生産に関する理解など農業経営に関するアドバイスを行うノウハウを持ち合わせていることを証明できます。

農業経営アドバイザー資格は、農業コンサルタントになるために絶対必要な資格ではありません。しかし、農業コンサルタントとして活躍したい人が学ぶべき知識を身に付けられるでしょう。

農業コンサルタントの主な就職先

農業コンサルティングの主な就職先として挙げられるのが、コンサルティング会社ですが、総合的なサービスを提供する企業もあれば、経営戦略をメインに行っていたり、人材育成を専門としていたり、企業によって違いがあります。
その他、農業資材メーカーや税理士法人、会計事務所などで活躍する農業コンサルタントもいます。

農業コンサルタントへの期待

農業界は今、法人化・多様化が進んでいます。
農業と経営の知識を持ち合わせたコンサルタントへのニーズは、年々高まっていくでしょう。

ビニールハウスの住人

農業と虫は切っても切れない関係です

畑やハウスにはさまざまな生き物が暮らしており、その一つひとつの農場に小さな生態系が確立しています。その中でも今回は昆虫にフォーカスを当ててご紹介します。

農業はさまざまな虫の力を借りて行います

天敵を利用した農法

「農業するなら、昆虫がいるのは当たり前でしょ?」と思うかもしれませんが、「農作物を育てるには、昆虫の助けが必要不可欠だ」ということはご存知でしょうか?

農業をするにあたって、農作物を食べる害虫の対策を行っていくことは必要不可欠です。害虫を駆除するために、その害虫の天敵となる虫をあえて畑に住まわせる天敵農法というものがあります。この農法は世界で幅広く行われており、使用されている昆虫もさまざまです。
たとえば、玉ねぎやイチゴ、オクラといった作物を主食としているアブラムシ。アブラムシは多くの農家さんから煙たがられている存在ですが、このアブラムシを大好物としているテントウムシを農場に住まわせ、人間に代わって退治してもらうのです。他にも、クモやトンボ、ハチの仲間も農場にいるたくさんの害虫を食べます。

このような生き物は天敵農薬と呼ばれ、国から公式に農薬として認められている種類もあります。農林水産省に農薬登録されている天敵は、2015年3月31日までの時点でなんと20種類!薬を使わずに害虫を駆除できるので、安全面が保証でき人体に影響のない農薬といえますね。

ハチを使った農法

続いて紹介する農法はミツバチの力を借りて行う農業です。

野菜や果物は、咲いた花に花粉をつけて受粉をし、実をつけて種の繁栄をしていきます。つまり、受粉を行う生き物がいないと世界中の植物は子孫を残すことができません。この受粉作業を人間が行うとなると、とてつもない手間がかかり、大量に行うことは困難です。ミツバチにはその日咲いた花には必ず止まるという習性があります。そのため、人間のように受粉作業を忘れて農作物に実がつかないといったことが無く、すべての花にまんべんなく受粉を行うことができるのです。

逆にミツバチも、植物から分泌される花粉と蜜を食料にして生きているので、植物がいないと生きていくことができません。この共生関係を利用して、人間では行うことのできない受粉作業をミツバチに委ねているのです。次章から、より深くミツバチについて解説します!

ミツバチがいないとおいしい作物は食べられない!?

ミツバチを使って栽培している作物はなに?

続いては、ミツバチを利用してつくられる主な農作物を紹介します。
世界ではミツバチの訪花活動を利用してイチゴ、メロン、サクランボ、スイカ、パプリカ、トマト、ナス、キュウリ、カボチャ、ゴーヤ、タマネギ、柑橘類、リンゴ、モモ、ナシ、ウメ、マンゴー、ブルーベリーなど数えたらきりがないほど多くの農作物を栽培しています。こうしてみると、いかにミツバチが農業はもちろんのこと、私たちの生活には欠かせない存在であるかということが分かりますね。

また、国連の科学者組織「IPBES(アイピーベス=生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム)」によると、花粉を運んで、農作物の生産を手助けしてくれるミツバチなどの生物がもたらす経済効果は日本円にして約66兆円と報告されています。

ミツバチの減少

ミツバチは皆さんが想像している以上に、私たちの生活に関与しています。ミツバチがこの地球からいなくなると、世界の食料のほとんどが食べられなくなってしまう可能性があるのです。

国連環境計画(UNEP)によると、「世界の食料の9割を占める100種類の作物種のうち、7割はハチが受粉を媒介している」と報告されています。「もしこの地球上からハチが消えたなら、人類は4年しか生きられない」という所説もあり、ミツバチが絶滅してしまうと、食べ物が無くなり、人類の存続の危機が訪れてしまいます。

減少の理由

現在、ミツバチが原因不明の理由で大量に姿を消す蜂群崩壊症候群が世界で観測されています。原因はさまざまなものが考えられており、そのひとつが農業の衰退です。農業の衰退が社会問題になっていることをご存知の方も多いのではないのでしょうか?

1960年に農業人口は約1,175万人でしたが、農林水産省が2020年11月に発表した情報によると2020年の農業人口は136万人で、1960年から減少の一途をたどっています。農業人口が減ることで農地が放棄されたり都市開発が進んだりして、シカやイノシシといった野生動物が町へ降りてきて農作物や草木を食い荒らしてしまいます。食い荒らされて草木の生えない野山ができあがり、不安定な土壌基盤の野山に台風や大雨が降ることで、ミツバチの蜜源になっていた植物が大量に倒れたり枯れたりしてしまいます。

このようにしてその土地の植生の変化を進んでいくと林内が明るくなったり、土砂に覆われてしまうことで一層ミツバチがエサにしている蜜源植物が生えなくなってしまうのです。

ミツバチを上手く利用するには?

ミツバチの生態をご紹介

ミツバチは群れをなして生活をしており、高度な社会性を確立している昆虫として知られています。活動期には6万匹以上のミツバチが集まってひとつのコロニーを形成しています。

また、季節によって生活が変わります。暖かい春になり植物の開花の時期を迎えると、育児が盛んになり、訪花活動を行います。ある程度の育児を終え、群れの数が増すと繁殖期に突入します。夏は花の少なく、ミツバチの活動も厳しい時期ですが、秋になると越冬用に十分な貯蜜を確保するため、また訪花活動が盛んになります。冬は寒さの中で冬眠することなく春まで耐えなければなりません。越冬中は女王蜂の産卵と育児は停止しますが、冬が明けるに連れて産卵が再開しますので、貯蓄しておいた蜜と花粉の消費が激しくなります。

温度管理

続いては、農業でミツバチを上手く活用するコツを紹介します。

ミツバチに効率よく働いてもらうために必要な1つ目の要素は、ハウス内の温度管理です。1年を通してミツバチが過ごしやすい温度管理をすることが大切になってきます。ミツバチが訪花活動を行う気温は18℃~25℃の太陽の光が出ている時です。日中のハウス内は気温が上がりやすく、湿度も高くなるため、ハウス内の換気はミツバチの活動を手助けするためにとても大切です。ハウス内の温度差が大きいところや、湿度が高いところを避け、環境の変化が少ないところに巣箱を設置してあげましょう。

ちなみに巣内の温度は約34℃で、産卵と育児を行っています。この温度管理を失敗すると育児ができずに数が減少します。ハウス内が熱くなると、羽ばたくことによって巣内の換気をしたり、巣内に貯めていた水分を蒸発させ気化熱を奪って温度を下げます。そのため、ハウス内の湿度が高いと巣内の温度を下げづらくなってしまいます。寒いときは働きバチが集団で胸部の筋肉を使って発熱し、巣内を約34℃に保とうとします。この発熱は外敵から身を守るときにも使用し、数百匹もの数で外敵を包み込んで46℃~47℃で蒸し殺してしまいます。これは熱殺蜂球と呼ばれるミツバチの必殺技です。恐ろしい…

ミツバチの数

使用方法短期間・追加利用の場合単棟ハウス(10a以下)連棟ハウス(10a以上)
イチゴの場合のミツバチの数無王群(約2000匹程度)1群(6000〜8000匹)2群以上(12000匹〜)
10a=1000m2=1反

ミツバチに効率よく働いてもらうために必要な2つめの要素は、ミツバチの数です。多くの数を飼育するからといってたくさん受粉ができるわけではありません。数が多すぎると、群れの数を維持するためのエサが不足してしまいミツバチの数の減少の原因となります。ハウスの面積や栽培する作物の量に見合ったミツバチを飼いましょう。イチゴの栽培を例にした場合、10aで1蜂群当たり約9000匹が適正な数といわれています。農場の規模によって、2群、3群と複数設置することもあります。

農薬の管理

農産物を守る毒性が低い農薬でも、ミツバチの訪花活動に支障をきたす場合があります。農薬を散布する際は巣箱をハウスの外に出し、ミツバチの安全を考えて余裕を持った農薬散布のスケジュールを組み立てることが大切です。また、ミツバチは自分の巣を覚えているわけではなく、巣箱のあった場所を記憶して帰巣しているので、元あった場所に正確に巣箱を戻しましょう。

世界ではミツバチ減少を食い止めるために、ミツバチ減少の原因と考えられているネオニコチノイド農薬の規制が進んでいます。この農薬は低濃度で昆虫の神経細胞を継続的に興奮させ、死に至らせる農薬です。EUでは2018年にネオニコ系農薬3種が全面禁止に、フランスでは2018年から全種類が使用禁止になりました。一方日本では、ネオニコ系農薬の使用を禁止しておらず、適用拡大と規制の緩和が進んでいます。

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まとめ

いかがでしたか?私たちが日常的に野菜や果物を食べることができる裏には、昆虫の手助けが必要だということが分かったと思います。
もしミツバチを見かけた際は、感謝の気持ちを思い出して観察してみてくださいね。

都市の農業

都市の近くで行う農業についてご紹介!

農業といえば、地方の大自然の中で行われている様子をイメージする方が多いかもしれません。一方で、都心の近くで行われる「都市農業」という農業があります。「都市農業ってなに?」「都市で行うメリットは?」「都市でやるから都市農業?」今回は都心で行われている農業について解説します。

都市農業ってなに?

都市農業とは

都市農業とは、市街地およびその周辺の地域にて行われる農業のことを指し、私たちの暮らしにさまざまな役割を果たしています。農業体験の場の提供、万が一の災害に備えたオープンスペースの確保、やすらぎや潤いといった緑地空間の提供など、作物の生産以外にも農業がもたらす効果は多様です。

都市農業のメリット

では、地方に比べてみて都市農業の利点とは何でしょうか?それは、人口が多く農産物の消費率が高い都心に、新鮮な野菜をスピーディーに供給できる点です。農地の規模から、農地面積の広い地方に比べると量、価格では負けてしまいますが、「消費者との距離の近さ」が強みになります。直売所や、地元の飲食店、スーパーや八百屋のほか、イベントに出向いての販売など、消費者からの生の声が聞きやすい利点を生かして常連客を増やすことができれば口コミや評判から販路を拡大することができます。

また、地方に比べると農地面積が限られていることから、多品目を少量栽培することで、消費者のニーズに合った作物を的確に提供することができる点も強みになります。

都市部で生産されている主な農作物

都市農業での生産品目を見てみましょう。生産している農産物の品目(回答農家数 2,487 戸)については、「露地野菜」が最も多く、次いで「水稲・陸稲」、「雑穀・いも類・豆類」の順となっています。

下記の図をご覧ください。都市地域の品目別農業産出額を見ると、野菜はトマト、ねぎなど、果実はみかん、りんごなどが多く、全国に占める割合では小松菜が8割と最も高いです。ちなみに、東京都では小松菜(36億円)、神奈川県は大根(78億円)、大阪府はぶどう(33億円)といった品目の農業産出額が多くなっています。

農林水産省「生産農業所得統計」

都道府県別でみる農業の特徴

福岡県の農業

それでは都市農業に該当する4つの都道府県を紹介します。まずは福岡県です。福岡県は、温暖で適度な雨量に恵まれ、平野から山間地域まで、変化に富む地形の中で多様な農産物が生産されています。耕地面積は8万1,400ha(平成30年)で、県土の16%を占めており、うち水田の割合が80%(全国平均54%)と高いのが特徴です。
全国順位が5位以内の主な農産物は下記のとおりです。

主な生産物ランキング

順位品目
1位洋ラン(切花)、種苗・苗木等
2位小麦、いちご、みずな、キウイフルーツ、ガーベラ(切花)、い草
3位二条大麦、冬春なす、セルリー、こまつな、かき、きく、トルコギキョウ、洋ラン(鉢物)、はかた地どり
4位大豆、しゅんぎく、ばら
5位冬春トマト、ぶどう、いちじく、普通せん茶
参照:福岡県庁

いちごの「あまおう」、ラーメン用小麦「ラー麦」など、商品のブランド化を図りながらさまざまな農産物を生産しています。福岡といえば、博多ラーメンが有名ですよね。これまで国内にはラーメンに適した小麦品種がなかったため、麺には外国産の小麦が使われてきていた一方、福岡は全国2位の小麦生産県です。同じく全国2位のキウイフルーツ。福岡のオリジナル品種「博多甘熟娘(はかたうれっこ)」は福岡の人気商品として親しまれています。ほかに、果実の中心が赤い「レインボーレッド」の生産も増えています。

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大阪府の農業

続いては、大阪府です。西日本最大の都市である立地を生かし、施設園芸など集約的な農業経営が営まれ、府民に対して新鮮な農産物を安定的に供給しています。しゅんぎくの生産量は全国第2位。他にも、小松菜、みつばなどの軟弱野菜やぶどうなどの果樹の栽培が盛んで、全国でも有数の産地となっています。

そんな大阪府では、平成17年10月から「なにわの伝統野菜認証制度」をスタートしました。この制度は、出荷する野菜が「なにわの伝統野菜」であること、販売する食品・調理品が「なにわの伝統野菜」を原料としていることをPRするために認証マークを表示することができる制度です。生産者が伝統野菜に認証マークを表示して出荷できる他、加工食品の製造者や小売店、料理店も商品や店頭などに表示することができます。生産や加工の奨励、料理店でのメニュー化などを進め、大阪の土地で育まれた伝統野菜をより多くの方々に味わっていただくことを目的に作られました。 下記が、「なにわの伝統野菜」の認証基準です。

1.概ね、100年前から大阪府内で栽培された野菜
2.苗、種子等の来歴が明らかな大阪独自の品目・品種
3.府内で生産されている野菜

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埼玉県の農業

次は埼玉県です。近年では、東京に近く移住先としても人気の県です。2020年には、県外からの「転入」が県外への「転出」を12,000人以上も上回り、全国で最多となりました。

そんな埼玉県の農業を見てみると、農業産出額は418億円(平成30年推計値)。県全体の売上1,758億円(平成30年)の約4分の1を占め、米麦・野菜・花植木・畜産など、幅広い農業が展開されています。農産物直売所や観光農園も各地に展開されており、農業の6次産業化の推進も行っています。農畜産物の生産状況は、さといも、ゆり、パンジーが全国第1位。小松菜、ねぎが2位です。

全国順位が5位以内の主な農産物は下記のとおりです。

順位品目
1位さといも
2位かぶ、ブロッコリー、ほうれん草、小松菜、ネギ、くわい
3位エシャレット、枝豆、きゅうり
4位つるむらさき、チンゲンサイ、みつば
5位うど、みずな、カリフラワー
参照:野菜情報サイト野菜ナビ

さといもが1位というのは意外な結果ですね。埼玉県の黒土で湿度のある土壌は里芋の栽培に適しており、盛んに栽培されています。2位以降を見ても、さまざまな品目の野菜で県上位を占めています。食料の消費が多い東京都に近い県だからこそ、需要の高さがうかがえます。

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神奈川県の農業

最後に紹介するのは神奈川県。農家一戸当たりの耕地面積は0.73haと全国平均の1.82haと比べて規模は小さいですが、野菜や花きを中心に、土地生産性の高い経営が行われています。大消費地に近い利点を生かし、野菜・果樹のほか、牛乳、豚肉など生鮮食料を中心とした生産が盛んであることが特徴です。

神奈川県の全国上位の野菜は「冬瓜」「モロヘイヤ」などです。冬瓜の順位は3位。収穫量は約1,252トンで全体の約13.6%です。昭和60年頃から、スイカ、カボチャなどの夏作の代替え作物として導入され、三浦市内で栽培が始まりました。モロヘイヤの順位も同様に全国で3位。収穫量は約68トンで全体の約5.4%です。モロヘイヤは、高い栄養価があることから「野菜の王様」と呼ばれています。原産国はエジプトで、昔から体に良い野菜として食されています。

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まとめ

いかがでしたか?都市農業では、それぞれの都道府県で都市近郊の特徴を生かした農業が行われていることが分かりましたね。あなたの住んでいる都道府県の農業の特徴も調べてみてください。自分の住んでいる場所が、実は意外な農作物の名産地だということが分かるかもしれませんね。

新規就農に必要な4つのもの

新規就農に必要な準備と 独立の現状

農業を仕事にしたいと考えたときに「就職するよりも自分で農業経営をしてみたい」と考える人も多いでしょう。しかし、就農するまでの流れや必要な物などの情報を、どこで集めたらよいか分からないと思います。そんな、独立して農業を始めたい方々のために、新規就農する前にしておきたい準備をご紹介します。

新規就農の種類

新しく農業界に就職するといっても、そのスタイルはさまざまです。“新規就農者”という言葉は、「新規自営農業就農者」「新規雇用就農者」「新規参入者」の3者をまとめて指します。

【新規自営農業就農者】
家族経営体の世帯員で、他の仕事から自営農業への従事が主になった者。

【新規雇用就農者】
法人等に雇用されることにより、農業に従事することとなった者。

【新規参入者】
土地や資金を独自に調達し(相続・贈与等で親の農地を譲り受けた場合を除く)、新たに農業経営を開始した経営の責任者及び共同経営者。

この記事では“新規就農”という言葉は「新規参入者」を指すものとします。つまり家族経営の継承や雇用就農ではなく“独立就農”としての新規就農について、独立準備~その現状までをご紹介していきます。

独立しても新規就農とは

新規就農とは、農業法人等へ就職して農業をすることとは違い、自ら農業という事業を興す(起業する)ことを指します。他の産業における起業と同様に、農業でも事業を行う為には資金や設備、場所などが必要です。つまり、経営者として持続可能な農業という事業を展開することを意味します。
さらに、農業を行う為には農村部に移り住み、農地を借りて農村で生活することになります。それだけでなく、農業用水、農道を確保するために地主の方との交渉などが必要になります。また、地域との円滑な関係を構築するためには、お祭りなどの伝統行事への参加など、農村社会の一員としての役割を果たさなくてはならないのです。
そして新規就農する際に意外と見落としがちなのが、作った農産物の販路です。新規就農を目指す方のほとんどが「販路」という問題にぶつかります。農作物を作れば自然と消費者が買ってくれる、なんて魔法のような話はありません。販路を探すための、地道な営業活動が必要であることを頭に入れておきましょう。

新規就農に必要なもの

資金

新規就農するにあたって用意した自己資金の平均額は232万円で、就農した1年目に実際に必要となった金額は平均569万円(※新規就農相談センター調べ)。農地や住宅、設備・機械等を用意する費用のほか、売上が安定するまでの収入が無い時期の生活費のことも考えると、1,000万円程度は用意する必要があるといえます。

この金額をすべて自己資金で用意するのは難しいと思いますので、「農業次世代人材投資事業」や「無利子資金制度」といった国の支援事業を活用するのも一つの方法です。新規就農前に 資金の調達方法、営農資金・生活資金の計画をしっかりと立てておきましょう。

農地・住宅

新規就農する方のほとんどは、農地を借りるという形で農業を始めることになるでしょう。しかし、アパートのように、お金と身分証明書だけで簡単に農地を貸してくれるとは限りません。就農したい地域がある場合には、まず農業事業体等で研修させてもらいながら、他の方と信頼関係を構築することが大切です。 農地も重要ですが、新規就農者が住むための住居も大切です。農村部の住居に関しては、売り物件は地域の不動産業者に情報が出ていることもありますが、都市部とは違いマンション・アパート等の賃貸物件はほとんどないことが一般的です。しかし移住支援の一環で行政が空き家や町営住宅を斡旋してくれることもあるので、まずは移住先の市区町村に相談してみましょう。また、独立前に研修をする場合は、研修先が住居を紹介してくれることが一般的です。

施設・機械

施設や機械を新規に導入しようとすると、多くの資金を必要とします。研修先等がある場合は、そこで使っているものを使わせてもらったり、中古の購入やレンタルの活用などで、できるだけ初期投資金額を抑えることも大切でしょう。

技術・ノウハウ

日本にはハッキリとした四季があり、地域ごとの気候に合わせた農業スタイルを選択することが、良い作物を作るために必要です。そのため、風土を無視した画一的なマニュアルを使ってしまうと良い作物が出来る可能性が大きく減ってしまいます。 まずは、将来的に独立をサポートしてくれる事業体で働きながら学んだり、自治体が行う研修などを利用して、新規就農したい地域で農業経験を積み、その地域に合った栽培技術やノウハウを習得しなくては、のちのち苦労することになります。

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データで見る新規就農の現状

就農時、特に苦労したこと

出典:全国農業会議所(平成28年度調査)

新規就農される方のほとんどは経営資源が無い状態からのスタートとなるようで、「農地」「資金」「技術」「住宅」の確保や技術の習得に苦労していることがわかります。新規就農は会社を興すことと同じで、資金もノウハウもない状態で起業することはとてもリスクが高く、実現困難だと認識しましょう。新規就農する際には、事前の下調べや準備をしっかりしておくことが必須です。資金は農地や住宅、施設などを買ったり借りたりするために必要ですので、自己資金1,000万円というのは決して大げさな数字ではないのです。

経営面・生活面で困っていること

出典:全国農業会議所(平成28年度調査)
出典:全国農業会議所(平成28年度調査)

経営面・生活面で困っていることを挙げていただくと「所得が少ない」「休暇が取れない」という声が多く、就農した後の経営を続けていくことの大変さが分かります。その他にも「資金不足」「労働力不足」など、ヒト・モノ・カネという経営資源の不足を訴える声が多いです。

農業所得による生計の成り立ち

出典:全国農業会議所(平成28年度調査)
出典:全国農業会議所(平成28年度調査)
出典:全国農業会議所(平成28年度調査)

円グラフを見てみると、新規就農者の7割以上が農業所得では成り立っていないことが分かります。収支が成り立っている方の販売金額をみると、年商で1,000万円を超えてくると生計が成り立つケースが多く、まずはそこを目標にするとよいでしょう。作物別でみると、酪農で8割以上の方が成り立っているという驚きのデータが出ています。

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新規就農者をバックアップ

新規就農は一次産業ですが、二次産業や三次産業の会社を興すことと何も変わりません。経営していくための資金調達や経営ノウハウ、農業技術の習得、設備・機器の整備など、さまざまなことが必要となります。新規就農には、十分な事前準備と下調べが不可欠。 各都道府県や市町村の相談窓口のほか、全国には新規就農希望者を全面的にバックアップしてくれる事業体があります。独立前の技術研修から、農地や資金、更には販売先まで含めて支援体制が整っているところもありますよ。上手に活用することが大切でしょう。

農業女子が活躍中!女性ならではの農業の取り組みとは?

農業でも女性は活躍できます!

農業仕事は「きつい」「力仕事」「体力勝負」など”女性には厳しい”というイメージを持つ方は多いのではないでしょうか。しかし近年は農業における働き方が変わり、たくさんの女性が農業で活躍しています

消費者の安心・安全志向の高まりから、農産物を活用したビジネスが多数生まれ、女性の視点やアイディアが経営のカギとなっています。農業では女性の力が求められているのです!本記事では女性が働く農業の実情や、農業で働く女性のリアルな声についてご紹介します。

農業で働く女性の実情は?

さっそく農業で働く女性の実情を解説します。

女性の農業人口

2023年の農林水産省の調べによると、農業人口のうち38.3%を女性が占めているそうです。この数字だけを見ると、それほど女性の割合は低くないと感じる人も多いかもしれません。

農業に就くきっかけは?

実家を継ぐ・農家に嫁ぐ

実家が農家で家業を継ぐため、また結婚相手が農家であるため、農業を始める女性も多いです。

自然に触れた生活がしたい

自然を求めて農業に従事する方は多く居ます。都会の喧騒から離れ、自然の中でのびのびと自分のペースで暮らすことができるのは農家の最大の強みと言えるでしょう。

農業では都会にはないのびのびゆったりとした暮らしを実現することができます。

趣味や興味から

ガーデニングや家庭菜園を趣味として楽しんでいるうちに、本格的に農業を始めるというケースもあります。また、動物が好きという理由で畜産業や農業を始める人もいます。

動物が好きという理由で畜産業や農業を始める人もたくさんいますよ!

畜産(酪農・肉牛・養豚・養鶏など)の農業求人一覧はこちら

農業ビジネスに参入

自ら起業・独立し農業ビジネスを始める人も多く居ます。近年ではECサイトなどネットビジネスが普及し、農業においてもたくさんの人がこの分野に参入しています。新しいものに詳しい傾向にある女性は、農業ビジネスにおいて流行を抑えた戦略で大きな成功を収めています。

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女性が農業で働く魅力をご紹介

健康的な生活

農業は体を使う仕事が多く、自然に体力や筋力が鍛えられます。また日光を浴びることでビタミンDの生成が促進され、健康的な生活が送れます。さらに農作業は朝早く始めるものが多いため農業をきっかけに生活リズムが整った人も多くいますよ!

充実感と達成感

作物が育ち、収穫を迎える喜びは格別です。自分の手で育てたものが形になる達成感を味わえます。さらに、種をまき、育て、収穫するという一連の作業を通じてものづくりの楽しさを感じることができるでしょう。自己判断に基づいて物事を進めることにやりがいを感じる女性にとっては喜びの多いお仕事になるはずです。

大切な人との時間を確保できる

農業には「朝早い」「拘束時間が長い」というイメージがあるかもしれません。しかし、農業は家族で協力して作業することが多いためむしろコミュニケーションが増えるといえるでしょう。作物にもよりますが、フレキシブルに休みを取ることも可能なので作業を休み子供の学校行事に行ったり家族旅行をすることもできますよ♪

農業は大切な人との時間も取りやすい職業です。

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農業で女性が働く環境は?トイレ問題は?

農業で働く環境といえば女性にとって過酷で大変なものを想像するかもしれません。例えば、

・力仕事に自信がない
・日焼けが心配
・作業場にトイレが少ない
・作業着がかわいくない

などが挙げられると思います。しかし近年はこうした悩みを解決する様々な対策が広まっています。まず、スマート農業の普及により屋外での力仕事をする機会が減りました。力仕事や屋外作業は今後どんどんスマート農業によって省力化されるといえます。

女性が働く農業環境は年々改善されています。

また仮設トイレを設置するなど、女性が働きやすい環境整備に多くの農業法人が取り組んでいます。エアコンやドレッサー、温水洗浄便座が装備された“女性が使いたくなる仮設トイレ”が開発されるなど、農業女子を応援する企業も増えています。

さらに、農業に従事する女性に向けた商品も多く開発されるようになっています。

【農業女子プロジェクト企業×企業の開発商品 一例】
企業名開発商品特徴
株式会社ワコール農業女子おすみつきインナーワコールの既存商品をベースに、農業女子の要望やこだわりを反映し
改良を加えたショーツなど4アイテムを展開。
農業女子の農作業を快適にサポート。
井関農機株式会社歩行型草刈機「プチもあ」狭いところでも小回りのきくホイルタイプと湿田や斜面でも
使いやすいクローラタイプの2ラインナップに、
「分かりやすい」「使いやすい」「楽しい」機能を搭載。
シャープ株式会社プラズマクラスター洗濯乾燥機シャープ×農業女子プロジェクトで連携して販売を開始した
「プラズマクラスター洗濯乾燥機」。
泥汚れがきれいに落ちる強力な洗浄力が特徴。
農業女子プロジェクト公式HP「農業女子プロジェクト×企業の開発商品 一覧」をもとに作成

またワークマンのオリジナルブランド「ワークマン女子」にも、かわいいと機能的を両立したデザインの商品が増えています。ぜひチェックしてみてください♪

女性農業者の強み

女性農業者の強みはどのようなこと?(複数回答)

※2014年農業女子解体新書アンケート(143名のアンケート結果)

良い作物を作るだけでは、消費者に購入してもらい実際に食べてもらうことにはつながりません。きめ細やかな目配りができることや鋭い消費者目線を持っていることは農業のマーケティングやブランディングに大いに役立つでしょう。

また、コミュニケーション能力が高いことも農業に活かされると言えます。生産者どうしのコミュニケーションにより農業技術を向上させる有益な情報や知見を得ることができるかもしれません。

女性ならではの視点やアイデアが生み出した新たな商品やサービスも多く存在することから、経営規模拡大を図る農家や農業法人にとって、女性の意見は大変貴重なものとなってくるでしょう。

【農水省推進】農業女子って?

農業女子プロジェクトとは、農業で活躍する女性の姿を発信し、女性農業者の増加を図る取り組みです。農林水産省によって2013年から進められています。 プロジェクトに賛同した民間企業や団体と農業女子のコラボによって、さまざまな商品・サービスが誕生するとともに、情報発信により農業女子の存在感も高まっています。

参加メンバーや賛同企業・団体も増え、プロジェクトも広がりをみせています。農業女子のさらなる活躍推進が期待されます。

農業女子プロジェクトとは、農業で活躍する女性の姿を発信し、女性農業者の増加を図る取り組みです。

実際に農業で働く女性のリアルな声

今回は群馬に就農した女性に話を伺いました!ぜひご覧ください♪

実際に農業で女性が活躍するには?

実際に就農した先で女性はどのように活躍すればいいのでしょうか?就農時のポイントについてご紹介します。

そもそも農家になるには、、、

農業女子になるには、雇用就農(農業法人に就職する)と独立就農(自ら農業経営を始める)があります。
将来的に独立を考えている人にも、農業に関する知識や技術の習得を目的に、まずは農業法人に就職する人もいます。就農方法はさまざまなので、自分に合った方法を選択することが大切です!

就農方法はさまざまなので、自分に合った方法を選択することが大切です!

独立支援可能の農業求人一覧はこちら

受けられる支援制度や補助金は?

農業を営む女性が受けられる支援や補助金は多く存在します。

例えば、農林水産省が実施している「チャレンジする女性農林漁業者のための支援策」では女性が働きやすい環境づくり、社会参画に向けた支援策を打ち出しています。情報提供だけでなく、相談会や研修を通して女性が働きやすい環境づくりを目指します。また、

女性が変える未来の農業推進事業

新規就農者確保緊急対策のうち女性の就農環境改善支援事業

などは最大100万円ほど国から補助金を受けられる事業となっています。地方自治体でも農業を営む女性が受けられる支援は多く用意されているのでチェックしてみましょう。また男女に関わらず新規で就農する際や就農後困った特に受けられる支援もありますよ!

農業を営む女性が受けられる支援や補助金は多く存在します。

まとめ

一見すると農業は女性にとって厳しい業界に見えるかもしれません。「女性は体力的に厳しいのではないか…」などと、女性が農業を仕事とすることに対して、不安を抱く人も少なくありません。

しかし、近年はスマート農業が導入され省力化が進んでいます。農業における働き方が変わってきているのです。
もちろん、男性は女性よりも体力や筋力など優れている部分もありますが、比較的女性の方が販売力に優れているなど、決して農業において女性が不利ということはありません!

女性ならではの強みを生かしてよい農業ライフを送りましょう♪

よくある質問

女性も農業で活躍しています!女性ならではの強みを農業に活かしましょう。

もちろん女性も経営者として農業に携わることができます。むしろ、きめ細やかな目配りができることや鋭い消費者目線を持っていることは農業のマーケティングやブランディングに大いに役立つでしょう。

仮説トイレを設置するなど女性が働きやすい環境整備に多くの農業法人が取り組んでいます。多く作られています。

北海道で酪農!特徴・牧場の比較

北海道で酪農がしたい人のための
牧場選び4つのポイント

雄大な北海道の自然や酪農にあこがれる人は多く、農業の求人の中でも、北海道の酪農家求人は大変人気があります。 近年は、酪農体験や景観などあらゆる側面から、牧場が観光資源にもなっていて、酪農家も多様化が進んでいます。
「酪農がしたい」と一言で言っても、牧場の特徴によって働き方も違ってくるため、自分のやりたい酪農の仕事を見つけるには、 その特徴を把握し比較して自分に合った牧場を選択することが大切です。

北海道は広大!地域によって特徴があります

北海道は九州の2倍以上の面積があり、日本の面積の約20%を占めます。北海道全体に酪農地帯が広がっていますが、地域によって気候も風土も違うため、酪農においても地域によって特徴があります。特に道北・道東は、冷涼な気候を生かして酪農が盛んに行われています。

北海道で特に酪農が盛んな道東エリア

北海道の生乳生産量は全国トップであり、日本の牛乳・乳製品の自給率確保を支えています。その中でも、十勝エリア(帯広を中心とした地域)、根釧エリア(釧路根室地域)が特に酪農が盛んな地域となっています。

十勝エリア

十勝は、「日本の食料基地」とも呼ばれ、酪農だけでなく畑作も盛んです。北海道の生乳生産量は、全国の生産量の50%以上を占めますが、その中でも十勝は高いシェアを確保しています。

■主要産地の生乳生産量(千トン)

資料:農林水産省「平成25年牛乳乳製品統計」

根釧エリア

耕地面積が北海道の17%(約20万ha)を占めるほど、広大な農地が広がっているエリアです。そのうちの98%が牧草地であり、日本最大の草地型(循環型)酪農地帯として発展しています。

■牧草作付面積(千ha)

資料:農林水産省「平成25年産飼肥料作物の作付(栽培)面積」、
新たな根釧酪農構想検討会議「根釧酪農ビジョン」

市町村別・牛の飼養頭数ランキング

牛の飼養頭数が多い北海道の市町村を、上位10位のランキングにまとめました。やはり十勝エリアと根釧エリアが中心となっています。

1別海町根釧エリア113,469頭
2士幌町十勝エリア69,087頭
3標茶町根釧エリア53,627頭
4清水町十勝エリア49,324頭
5中標津町根釧エリア45,191頭
6新得町十勝エリア34,981頭
7上士幌町十勝エリア30,901頭
8鹿追町十勝エリア30,292頭
9帯広市十勝エリア28,837頭
10大樹町十勝エリア28,302頭
資料:独立行政法人家畜改良センター「市区町村別飼養頭数(平成26年9月末時点) 」

また、1位別海町の人口は14,923人(※1)、2位士幌町の人口は6,132人(※2)、3位標茶町の人口は7675人(※3)となっており、ほとんどの市町村で人口より牛の数が多いという、酪農王国ならではの面白いデータが出ています。

※1 平成30年7月末時点
※2 平成27年10月1日 国勢調査(こくせいちょうさ)速報集計より
※3 平成30年6月末時点

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牧場比較4つのポイント

POINT1. 経営規模の違い

北海道に限らず、酪農家の規模拡大が進んでいて、生乳生産量が多いメガファーム・ギガファームと呼ばれる牧場の戸数も拡大を続けています。生乳出荷量が1万トンを超えるギガファームは全国に14戸ありますが、そのうちの5戸が北海道の経営体です。(2017年3月時点)
また、北海道には、複数の酪農家による共同経営によって規模を拡大しているメガファームも多いという特徴があります。

酪農家は経営規模によって分類されています

日本の酪農家は家族経営が多いですが、近年は法人経営が増えています。年間の生乳出荷量や飼育頭数で「メガファーム」「ギガファーム」と分類され呼ばれています。

生乳出荷量経産牛※1
メガファーム1000トン以上100頭以上
ギガファーム1万トン以上1000頭以上
※1:経産牛(出産経験のある牛、特に乳を搾る牛のこと)
※メガファーム・ギガファームの明確な定義はありませんが、ホクレンが指すメガファームの基準、一般的なギガファームの基準を示しています。

規模感の違いで違う働き方・学べること

牧場の規模で働き方も違ってくることが多いです。規模が大きいほど企業体制が整い、福利厚生や研修制度が充実している・最新設備が導入されている傾向にありますので、就職先を決める際には大きな魅力になってくるでしょう。

しかし、大規模牧場は役割が分けられて効率化されている場合が多いので、一通りの仕事を経験したい方、特に将来独立就農を考えている方は、小規模な牧場で働きながら学ぶのも良いかもしれません。また、小規模な牧場の方が牛一頭一頭とのふれあいも多くなります。

POINT2.牛舎の違い

酪農経営は、牛の頭数によって牛舎の構造が異なります。牛舎の構造が異なると、牛の飼育方法に違いが出てきます。

繋(つな)ぎ牛舎

牛を同じ場所に繋ぎ留めて飼育する構造の牛舎のことです。乳牛の頭数が少ない場合に採用される構造で、日本の多くの牛舎が、この繋ぎ牛舎です。
一頭一頭が繋がっているので管理がしやすく、少ない労働力、特に家族経営でも管理できるというメリットがあります。

フリーストール・フリーバーン牛舎

牛が自由に歩き回れる構造の牛舎のことです。牛の頭数が多くなると、この構造が採用されます。
繋ぎ牛舎よりも多額の設備投資が必要となりますが、繋ぎ牛舎と同じ面積でより多くの頭数を管理できたり、牛が自由に動けるのでストレスがかかりにくいというメリットがあります。一頭ごとに仕切られているものを「フリーストール」、自由に寝ることができるものを「フリーバーン」といいます。

フリーストール
フリーバーン
引用:公益社団法人中央畜産会
給餌する(餌を与える)部分は共通の構造

給餌する部分はフリーストール・フリーバーン共通の構造です。牛が自ら柵に近づいてきて、柵から顔を出して餌を食べます。

放牧

放牧は、基本は牛舎で飼いつつ、時間帯を決めて牧草地に放し飼いにする形です。
牛が自ら自然の牧草を採食するため、飼養管理や飼料生産の省力化が出来るというメリットがあります。また、放牧は牛のストレスを最大限に抑えることができる飼育方法であるため、動物福祉(アニマルウェルフェア)の観点でも大きなメリットがあります。

しかし、朝夕の搾乳の為に牛舎に呼び戻すため、牛舎の近くにまとまった放牧地が必要となるので、広大な土地がなければ成り立ちません。そのため、広大な土地がある北海道ならではの飼育スタイルとも言えます。
北海道酪農=放牧、と考える方も多いと思いますが、実は放牧をしている牧場は少ないのが現状です。また、放牧で大規模酪農は難しいので牧場規模も小さく、(大規模牧場は前述のフリーストール・フリーバーンが主流)、そのため求人も少ないです。放牧牧場の求人を見つけたら、ぜひ注目してみてください。

POINT3.搾乳方法の違い

搾乳とは「牛の乳を搾る」酪農家とって、基本となる大事な仕事です。搾乳の方法は搾乳設備や搾乳機器によって異なります。

パイプライン

パイプライン方式は、飼育する頭数が少ない繋ぎ牛舎で主に導入されています。
牛の乳頭にセットして搾乳を行う「ミルカー」という機器を、一頭一頭の牛のもとに持って行って搾乳を行います。一頭一頭の健康状態をしっかり観察できるといったメリットがある一方、腰をかがめての作業や搾乳機械を牛がいるところまで移動させる必要があり、労働者への負担が大きいというデメリットがあります。

ミルキングパーラー

ミルキングパーラー方式は、飼育する頭数が多いフリーストール牛舎で採用されていることが多く、中~大規模牧場で導入されています。
パーラーとは搾乳をする部屋のことで、複数の牛をパーラーに集めて、効率よく搾乳して行く方法です。人の目線の位置に牛の乳が来るような設計になっているので、ミルカ―をセットしやすく、人的負担が軽減されるなどの長所があります。パーラーの種類は大きく2つの違いがあります。

パラレルパーラー

パーラーが縦長で、両サイドに牛を並べて搾乳する方式です。搾乳をする人が真ん中で動き、一頭一頭を搾乳していきます。牧場により、1列に並べる牛の数が変わっていきます。例えば、同時に8頭並ぶパーラーを8頭W(はちとうだぶる)などと言い、8頭×2列なので、同時に16頭を絞ることが可能です。

ロータリーパーラー

円形のパーラーが、牛を乗せて回転する方式です。牛が自らロータリーパーラーに入場し、一周している間に担当者が搾乳を終わらせ、一周し終わったら牛がパーラーを出ていきます。担当者は決められた持ち場で搾乳作業をし続けるので、作業効率が格段にあがります。
ギガファームなどの非常に大規模な牧場で導入しているケースが多いです。

ロボット搾乳

搾乳は、ミルカ―を手作業で乳頭に装着するのが一般的ですが、近年は搾乳ロボットの導入で自動化している酪農家もいます。
牛が自らロボットに入って行き、一頭ごとに大きさや場所が違う乳頭の位置をレーザーが正確に検知し、自動で搾乳機を装着して搾乳します。さらに、牛につけられている首輪やタグとロボットが連動し、絞った生乳のデータから一頭ごとの健康状態等も把握できます。

搾乳時間を無くすことができるので、働く人の肉体的負担・労働時間が大幅な削減など多くのメリットが認められています。そのため、労働者を増やすことなく規模の拡大も実現できます。
数千万単位の投資が必要なので一般的な普及は先になりそうですが、ロボット搾乳の需要は今後ますます増えてくるでしょう。

POINT4.一般的な酪農牧場と専門牧場の違い

酪農牧場は生乳生産=搾乳作業がメインの事業である場合がほとんどですが、乳牛の育成を専門に行う「預託専門」の牧場もあります。
育成牛の預託専門牧場とは、酪農家の方々から子牛を預り、牛乳が搾れる直前(分娩する2ヶ月前)までの約2年間育て上げて酪農家へお返しする牧場のことです。

生乳生産を行う酪農牧場は朝・夕2回の搾乳作業が必要なので、早朝~昼前まで作業し、長時間休憩を挟み、夕方~夜まで再度作業するのですが、預託専門の牧場は搾乳作業が無いため、勤務時間に間延びが無く働きやすいというメリットがあります。

北海道の牧場選びで失敗しないためには?
~『牧場就職のプロ』に相談しよう!~

待遇面や仕事内容など、自分が目指す酪農スタイル雇用条件で牧場を選ぶことが大切です。経営規模や牛舎の違い、搾乳方法の違いなどで牧場を分類することは出来ます。しかし、実際は一つ一つの牧場によって細かい仕事内容や待遇には違いが出てきます。結局は自分の目で見てみなければ分からないことも多いし、職場の雰囲気なども、やはり実際に現地へ行かなければ実感することは難しいです。

これから北海道の牧場へ就職したい方は、移住を伴うケースがほとんどかと思います。引っ越しまでした後に「就職先に失敗した」と後悔しないように、複数の牧場に見学・面接に行って比較検討することをおススメします。

農業求人情報サイト・農業ジョブでは、キャリアアドバイザーがあなたに合った牧場の紹介や、見学や面接の手配も無料でサポートしています。場選びのポイントのほか、北海道の暮らしについての質問など、何でもお気軽にご相談ください。

脱サラ農業の魅力とは?気になる年収や多様なキャリアプランについて解説!

農業就業人口の減少や高齢化が問題となっている一方で、「脱サラして農業を始めたい」という人が増えていて近年は20~30代の若い世代にも人気となっています。
脱サラして農業を始める方法には、農業法人に就職する方法と、独立して経営者となって農業を営む方法があります。「脱サラ農業」という言葉をよく耳にしますが、脱サラして新規就農すること(独立して農業を営むこと)を指していることが多いように感じます。ここでも、脱サラ新規就農について扱っていきます。

脱サラ農業の魅力とは?

脱サラして農業を始める

都会の喧騒に嫌気がさして脱サラして農業を始める。実家の農家を継ぐために脱サラする…一度、都会で働いたのち地方に移住して農業を始めることは珍しいことではありません。近年では、就農は『転職』の一つの選択肢として扱われることが増えてきています!

近年の農業人口の推移

高齢化や後継ぎ不足によって全体の農業人口は減少していますが、新規就農者に関しても近年は減少傾向になっており農業の人材不足はより一層深刻なものになりつつあります。

農業は新しい人材を広く募っています。新規就農者向けの支援制度や研修制度も充実しています。
記事の後半ではこういった制度についても紹介します!

気になる年収は?

農家とサラリーマンの年収比較

東京都の正社員の平均年収は420万円ほどなのに対して一般的な米農家の年収は350万円ほどです。年収の面では多くの差がありますが、実質的な手取りで考えてみると地方では賃料や食費、生活費が都会のそれと比べて大きく抑えることができるので差はそこまで大きくはないです。

市場を開拓したり、加工業など新しい事業に取り組むことで収入を増大することもできます。
現在、農業には様々な働き方が存在しています。自分のスキルや前職の経験を生かすことができる分野で設けている農家も少なくありません!

リモートワークしながら農業?レストランも経営する農業?

コロナ禍を経てリモートワークが普及したことで、地方に移住しつつも本業を続け副業として農業を行うという選択肢も可能になりました。個人で畑を持つのは難しいので、この場合は複数人で一つの農場を管理する”シェア畑”で農業を行うことが多いです。

また、自分の農場で収穫された作物を使用した料理を提供するレストランやカフェを経営する第六次産業化を果たした農家もトレンドです。レストランやカフェだけでなく、ドライフルーツやジャムといった加工品の製造販売まで行うことで収入源を増やしています。

農業といっても様々!自分に合った業種を選ぼう!

農業といっても様々!自分に合った業種を選ぼう!

一口に農業といっても、米農家、畑作、果樹栽培に畜産や酪農、競走馬の育成などその分野は様々です。収入の安定性や自分の趣味嗜好、前職で培ったスキルや経験をもとに自分に合った最適な分野を考えましょう!

稲作

脱サラ農業のひとつ。稲作。

稲作は稲を生産して食卓にお米を届けるのが仕事です。その過程には苗作りから田植え、水田の管理、稲刈りと通年で多岐にわたります。

米農家になるために必要な資格はありませんが、農地や農作業機械を用意する必要があります。
このすべてをゼロから準備するには膨大な資金と労力を要しますが、今では各地方農協がレンタル制度を設けていたり、引退農家から事業継承して稲作を始める選択肢もあります。

野菜

脱サラ農業のひとつ。野菜作り。

畑やビニールハウスなどの施設で野菜を栽培して市場に出荷する分野です。この分野では市場の流れや旬、加工品の需要などの要素を適切に見極めることができれば高収入を狙える分野でもあります!

野菜農家になるのにも特別な資格は必要ありませんが野菜ソムリエといった実用的な資格を持っていれば有利に働くでしょう!

果樹

脱サラ農業のひとつ。果樹栽培。

果樹栽培は一つの農作物の単価が高い分野です。近年ではシャインマスカットといった高価格かつ需要の高い品種がトレンドになっています。海外でも日本産のブランド果物の人気も高く市場開拓にやりがいのある分野となっています!

畜産、酪農

脱サラ農業のひとつ。畜産。酪農。

牛や豚といった生き物を相手に作業をする関係上、動物中心のライフスタイルで仕事をしなければなりません。大変な仕事には変わりありませんが近年では作業を手伝う酪農へルパーの存在やIT技術の導入によって休みを取りやすい分野へと変化しています。

和牛の国際的な人気や乳製品の安定的な需要など収入の面に関しても将来性の高い分野となっています!

競走馬

脱サラ農業のひとつ。競走馬。

競馬の世界で活躍する競走馬を育てる。これが競走馬牧場の仕事です。競走馬牧場には主に繁殖、生まれた子馬の生後から離乳までの世話を行なう「生産牧場」と、競走馬としての訓練を行う「育成牧場」があります。また、これらを一貫して行う総合牧場も存在します。

実は地方競馬の厩務員になるために必要なことは厩舎を運営する調教師との地方契約、各競馬場主催者の認定の二つであり、資格や試験は必要ではないのです。もちろん、生き物を扱うための大切な雇用契約を結ぶわけですから全くの未経験者が飛び込みで行くのには不安があります。
しかし、それぞれの厩舎で研修制度が設けられているので競馬学校を卒業していない人でも厩務員になることができます。

次世代の農業従事者を育てるために

国や地方自治体の支援制度

国や地方自治体の支援制度

政府によって、次世代を担う農業者の育成・確保に向けたさまざまな取り組みが実施されています。経営が安定するまでの金銭的サポートや技術の習得、経営力の向上など農業で自立するためのサポートが受けられるため、何もないところからの独立とは大きく違っています。独立就農のハードルが下がったとも言えるかもしれません。

政府が行う支援の中でも、特に「農業次世代人材投資資金(旧青年就農給付金)」という助成金制度があることが、脱サラ農業を目指す人が増えている大きな理由でしょう。
もちろん助成金以外にも、全国新規就農相談センターが就農に関する相談窓口を開設しているなど、さまざまなサポートが受けられます。

農業次世代人材投資資金

就農に向けた農業技術や経営ノウハウの習得に専念するための「準備型」、独立就農後に経営が安定するまでのサポートが受けられる「経営開始型」の2種類があります。
独立就農に向けた準備期間、独立就農後の収入が不安定な時期の経済的な不安をある程度解消でき、独立就農への第一歩を踏み出すきっかけになっているケースも少なくありません。

準備型種類経営開始型
就農に向けて、農業の技術や
経営ノウハウを学びたい人
対象独立就農したが、経営が安定せず
サポートが必要な人
(就農予定時の年齢が)原則45歳未満年齢(独立・自営就農時の年齢が)原則45歳未満
最長2年給付期間最長5年
150万円/年
※研修後の就農が条件であり、研修後1年以内に
就農しない場合は、全額の返還が必要です。
給付金額150万円/年
※前年の所得に応じて給付金額が変動します。

平成29年度 農業次世代人材投資資金 交付実績

平成29年度 農業次世代人材投資資金 交付実績

一般的なサラリーマンとの比較

メリット

・自然に囲まれた環境で仕事ができるため、精神的にリラックスできることが多い。
・自分で育てた新鮮な食材を食べることができ、健康的な食生活が送れる。
・作物を育てる喜びや達成感を味わうことができ、自分の手で作り上げる満足感がある
・定の自由度があり、自分のペースで働けることが多い。

都市部で生活するサラリーマンとは違い出勤時の満員電車を回避できたり、柔軟に仕事をすることが可能です。

デメリット

・天候や市場の変動に影響され、収入が不安定になることがある。
・農作業は体力を要するため、体力的な負担が大きい。
・農業に関する知識や技術が不足している場合、最初のうちは試行錯誤が必要。

オフィスで働くのとは異なり、自然を相手にする仕事であるために災害時などは収入が不安定になったり、災害対策に労力を割く必要があります。

独立前に農業法人に就職するのがオススメ!!

農業を個人で始めるにはハードルもリスクも高いです。そのため、独立する前に農業法人に就職して農業をするのをオススメします!法人が農地や農作業機械を所持しているため元資本を個人で用意する必要がなく、農家として収入が安定するまで経験を積みながら働くことができます!
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脱サラ農業を成功させる3つのポイント

脱サラ農業を成功させる3つのポイント

サラリーマンとして働いていれば安定した収入が得られますが、独立して農業を始めた場合は違ってきます。収入が不安定になったり、思うように収入を増やせなかったりする場合もあるでしょう。もちろん、これは農業に限らず個人事業主ならばどの業種であっても同じことが言えます。
脱サラ農業で成功するためには、どのようなことが必要なのでしょうか。

意思

脱サラ農業で成功する意思

独立して農業を始めたい人には、農業にビジネスチャンスを見出し、「農業で稼ぎたい」という強い気持ちを持っている人が多いです。
脱サラ農業を目指すきっかけが「会社員がイヤになった」「田舎暮らしにあこがれていた」といった理由であるならば、自分が本当に農業で生きていく覚悟があるのか、という点をもう一度考えてみる必要があるかもしれません。

農業で成功するためには、努力だけでなく、経営手腕が必要であり、農業への理想や憧れで成功するものではありません。
また、農業は天候トラブルをはじめさまざまなアクシデントが発生することも考えられ、逆境を乗り越える粘り強さも必要になってくるでしょう。

研修

独立して農業で成功するためには、農業の技術だけでなく、経営の方法や収入を得るためのノウハウなど、幅広く学ぶことが必要です。もちろん研修を受けることなく成功する人もいれば、研修を受けても失敗する人もいるでしょう。しかし農業を経験して、農業に必要な心構えやジブンがやりたい農業のスタイルを見出すことなど、多くのメリットが得られるでしょう。

そのため、研修先の選定がとても大切になると言えます。「どんな作物を育てたいのか」によって地域は限定されてきますが、地域によって環境も違えば、独自の決まり事があったり人付き合いも違ってくるでしょう。研修先やその地域の選定も大切です。
各都道府県や市町村の相談窓口のほか、全国には新規就農希望者を全面的にバックアップしてくれる事業体もあります。上手に活用することが大切でしょう。

脱サラ農業で必要な研修

コミュニケーション能力

脱サラ農業で必要なコミュニケーション能力

農業に対して、「体力が必要」「黙々と作業を行えなければいけない」といった印象をお持ちの人も少なくないでしょう。しかし、脱サラ農業にはコミュニケーション能力が大変重要です。農村での周囲の農家との関わりもありますし、農産物を売り込む必要が出てきます。会社での組織的なつながりとは異なる、人付き合いが大切になってくるでしょう。

農村の人たちと交流を持ち人脈を広げることが、情報収集や販路拡大などさまざまなチャンスにつながっていくでしょう。
また、脱サラ農業で困った場合に相談に乗ってもらい、助けてくれる人が周囲にいることで乗り切れる場合もあります。

脱サラ農業の注意点

脱サラ農業の注意点

脱サラして農業を始めるために「とりあえず飛び込んでみる」という方法もあるかもしれません。しかし農業界について知り、きちんと準備したうえで着実に進めていくことが必要です。
脱サラして農業を始めることは簡単なことではありません。始めることができても、農業で安定した収入を得ていくことはもっと大変です。理想だけでない本当の農業を知って、自分の具体的なビジョンやプランを策定しておくことが大切です。

まとめ

脱サラして農業を始めることは人生の中でも大きな決断の一つです。自分のスキルや経験、本当にやりたいことを再確認して、気になる分野についてきちんと下調べをすることが大切です。また、脱サラ農業で成功するためには、すぐには結果が出なくてえも諦めずに分析する力と地域住民との協力が必要不可欠です。

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脱サラ農業とは、会社員などのサラリーマンを辞めて農業に従事することを指します。都市部での生活から離れ、自然豊かな地方で農業を営むことで、自分自身のライフスタイルを見直し、より健康的で充実した生活を求める人々が増えています。

農地を購入または借りる必要があり、農業研修やインターンシップを通じて基礎技術を身につけなければなりません。また、地元の農業コミュニティや先輩農家との繋がりを持つことで、支援を受けやすくなります。

自分のスキルや経験、本当にやりたいことを再確認して、気になる分野についてきちんと下調べをすることが大切です。また、脱サラ農業で成功するためには、すぐには結果が出なくてえも諦めずに分析する力と地域住民との協力が必要不可欠です。