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農業体験の魅力とは?大人も子供も楽しめる全国のユニークな農業体験も紹介します!

農業体験の魅力とは?

いちご狩りやぶどう狩り、芋ほり体験といった収穫体験を楽しめる観光農園では自らの手で作物を収穫して新鮮なうちに食べるという日常生活では味わえないリフレッシュ感を得ることができます。

このような農業体験は日本のあちこちで見ることができ休日には多くの観光客でにぎわいます。

農業体験の歴史と役割

観光農園業は1990年代以降、エコツーリズムやグリーンツーリズムが注目されると全国で拡大していきその数を増やしました。近年でも観光農園業は盛んであり、休日の楽しみ方の一つです。

小中学生向けの体験学習としても需要が高く、子供たちが自然と触れ合えるだけでなく普段食べている食物の大切さを正しく理解する食育の機会としても活躍しています。

農業体験と聞くとぶどう狩りなどの観光農園での収穫体験を思い浮かべる方が多いと思います。しかし、近年ではそのような体験のほかにも、収穫から加工まで行う農業体験や新規就農の研修としての農業体験など様々な魅力のある農業体験事業が増えてきています!

おすすめ農業体験

収穫体験

収穫体験

収穫体験は皆さんが農業体験と聞いて最初に思い浮かべるであろういちご狩りやぶどう狩りといった農業体験になります!春にはいちご狩りやたけのこ掘り、夏から秋にかけてはぶどう狩りやリンゴ狩り、梨狩り、冬にもみかん狩りなどを楽しむことができます!

観光農園は都市圏近隣に数多く存在し、休日に車で日帰りで楽しみやすいのも特徴です!

例えば、千葉県には観光農園が数多く存在しそれらの多くは高速道路のインターチェンジ付近に点在しています。東京からのアクセスが良好で休日には多くの人達が収穫体験を楽しんでいます。

植え付け・種まき体験

成熟した作物を収穫するだけでなく植え付け・種まきのを楽しめる観光農園があります。
自身の手で作物を一から作り上げる喜びを体験を通して味わうことができます。

植え付け・種まきだけで終わるのではなく定期的に農園を訪れて育成、収穫までも行うことのできる農園も存在します。その場にいなくとも農園を管理している方からの成長記録を受取り、自分の植えた作物が大きく育つのを見守ることができます。

学校教育の場においても近隣の農家と提携してこのような農業体験を行っています。
千葉県東金市内の小学校では5、6年生が近隣の米農家の協力のもと、米づくり体験を行っています。田植えから収穫までを定期的に行い、小学生らの手で育てられた米が給食に並びます。

先にも述べた通り農業体験はビジネスとしての一面もありますが食育の場としても大切な役割を担います。

田舎暮らし体験

都心部から離れた農村部で田舎暮らしを体験するプランにも農業体験できます。

近年の古民家改築ブームによって田舎暮らしを体験できる旅行プランが拡大しています。そのパッケージには農業体験も含まれており、都会では体験できない農山漁村での宿泊を提供する農泊体験では地域の住民との交流しながらの収穫体験や収穫した作物を一緒に調理する体験を行うことができます。

このような田舎暮らし体験は移住して農業を新しく始めようと考えている方におすすめです!移住する前に現地での暮らしの楽しさや難しさを体験を通して経験することができます!実際に始めてみる前に一度体験してみてはいかがでしょうか!?

農業体験の口コミと評価

農業体験の評価

農業体験が人気なわけ

農業体験には多くのポジティブな効果があります。

・食育としての教育的価値
・リフレッシュ効果
・地域社会への貢献

自然に囲まれながらの農作業は都心部では味わうことのできません。特に子供たちにとっては貴重な経験であるため、休日に子供を連れていく家族も多いです。実際、観光農園には家族連れが多く見られ、食育への関心の高さがうかがえます

農業体験の懸念点

一方で、農業体験にはいくつかの課題もあります。

例えば、天候に左右されやすいことや、地域によっては都市部からのアクセスが不便な場合があることです。また、参加者のニーズに合った体験プログラムを提供するための工夫が求められています。

また、観光農園を運営する側にとっては日々のの作業に加えて接客対応や予約対応などの業務が増えるというデメリットがあります。個人での対応は難しいためにアルバイトを雇うなど人件費がどうしてもかかってしまうでしょう。

農業ジョブでは「観光農園」についても深掘りしています。観光農園の構造やメリット・デメリットについて詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

各都道府県オススメ農業体験!

新潟 農業体験

農業体験は全国各地で行われています!その中でも農業ジョブが全国のユニークな農業体験を紹介します!

青森県

青森県では、自分のりんごの木を持つことができる「りんごの木のオーナー」プログラムがあります。1年間を通じて木の成長を見守り、収穫期には自分の木からりんごを収穫することができます。りんごの育成過程を学びながら、自分の手で収穫する喜びを味わえます。

青森県産品を産地直送でお届けする通販サイトANEKKOではこのプログラムの一つとして、りんご一枝オーナー制度を設けています。この制度では自身がオーナーとなり花摘みや摘果作業を体験ができます。都合が合わない場合や遠方にいらっしゃる人には、発送も可能という親切な制度になっています!。

新潟県

新潟県の美しい棚田で、伝統的な稲作体験を行うプログラムです。田植えや稲刈りを通じて、日本の伝統的な農業文化を学べます。棚田の景観は観光資源としても有名で、農作業後には絶景を楽しむことができます。

新潟県十日町市では春先と晩春には棚田の水面に夜空の星空が反射する星峠の棚田と呼ばれる絶景を見ることができます。

和歌山県

和歌山県は梅の産地として有名で、梅干し作り体験が行われています。梅の収穫から漬け込み、干し作業までを一貫して体験できるプログラムで、伝統的な日本の梅干しの調理法に触れることができます。完成した梅干しは後日自宅に発送してくれます。

まとめ

農業体験まとめ

農業体験は、教育的価値やリフレッシュ効果をはじめとする多くの面で高く評価されており、今後も地域活性化や観光資源としての役割が期待される注目必須の事業といえるでしょう。

全国にはまだまだたくさんの興味深い農業体験があります!お子様のいる家庭や新規就農を考えているかたは是非、一度足を運んでみてください!

農業ジョブでは農業体験を行う観光農園の求人情報を掲載しています。
観光農園の求人情報はこちら

農業体験には、果物狩り(いちご狩り、ぶどう狩りなど)、野菜の収穫体験、稲作体験、花摘み、乳搾り、畜産体験など、さまざまな種類があります。体験内容は季節や地域によって異なり、一年を通じて楽しむことができます。

多くの農業体験プログラムは、子供連れでも楽しめるように設計されています。特に、果物狩りや動物との触れ合い体験は、家族での参加が人気です。ただし、農場や活動の内容によっては年齢制限がある場合もあるので、事前に確認することをお勧めします。

多くの農業体験は事前予約が必要です。特に人気のある体験や週末・祝日などは、予約がないと参加できない場合があります。農園やプログラムの公式サイトで予約方法を確認し、早めに申し込むことをお勧めします。

農業でSDGs実現!取り組み事例や課題も解説

農業で達成できるSDGsは何番?取り組み事例や課題も解説!

農業の力で未来が変わる!?最先端技術や自然を活かした取り組みが、地球と私たちの生活をもっと豊かにします。SDGsを達成するために、農業がどんな可能性を秘めているのか、一緒に探ってみませんか?

SDGsとは?

SDGsとは、みんなが幸せに暮らせる世界を目指すための国際的な目標です。17の目標と169のターゲットの実現を通じて、貧困や飢餓をなくしたり、地球を守ったり、みんなが平等に幸せに暮らせる社会をつくることを目指しています。

SDGsの17の目標

例えば、海や森を守ることや、誰もが教育を受けられるようにすることもSDGsの一部です。世界がもっと良い場所になるように、みんなで努力しようというアイデアが詰まっています。ゴミを減らしたり、周りの人を助けたりといった小さな行動から始めることができます。
2022年には、国が2050年までに「化学農薬使用量の50%削減」「化学肥料使用料30%削減」「化学燃料を使用しない園芸施設への完全移行」などを目指す方針を発表しました。昨今、持続可能な農業の実現が注目を浴びています。この記事では、実際の取り組み事例や、農業×SDGsの実現への課題や補助金についても紹介していきます。

農業で叶えられるSDGsは何番?

農業では、様々な角度から全ての目標の達成を目指すことができます。三つの視点から、どんな目標が叶えられるのか見ていきましょう。

農業の技術革新と効率化

日本の農業では、技術革新が進み、スマート農業の導入が広がっています。これにより、農作物の生産性が向上し、「飢餓をゼロに」するための食料供給が安定します。

また、精密農業により農薬や肥料の使用が最適化され、「すべての人に健康と福祉を」達成するための安全な食品の提供に寄与します。目標2、3、9が当てはまります。

農業で叶えられるSDGsの目標
農業で叶えられるSDGsの目標

環境保護と持続可能な農業

環境保護のために、省エネ技術や持続可能な農法が導入されています。これにより、農業が温室効果ガスの排出を抑え、「気候変動に具体的な対策を」実施することが可能になります。

また、土壌の保護や水資源の効率的利用が促進され、「陸の豊かさも守ろう」と「安全な水とトイレを世界中に」という目標達成に貢献します。目標6、7、12、13、14、15が当てはまります。

地域経済と社会の発展

地域ごとの農業の発展は、新しい雇用の創出と経済成長を促進し、「働きがいも経済成長も」に寄与します。地域の農業者が技術を共有し、地域全体で持続可能な発展を目指す取り組みは、「産業と技術革新の基盤をつくろう」という目標にも関連します。目標1、4、5、8、10、11、16、17が当てはまります。

農業で叶えられるSDGsの目標

農業×SDGsの取り組み事例

農業では様々なテクノロジーを駆使してSDGsを実現しています。ここでは、スマート農業と有機農業を取り上げて、農業×SDGsの取り組み事例を見ていきましょう。

事例①:スマート農業での取り組み

スマート農業は、AI(人工知能)やドローンなど、最新の技術を使って行う新しい農業のことです。これにより、農作業をもっと効率よく行い、収穫量や作物の品質を高めることができます。スマート農業は、持続可能な開発目標(SDGs)にも深く関わっており、さまざまな分野で環境や社会に良い影響を与えます。ここでは、農業の生産性や効率、環境保護、そして地域の発展という3つの分野について説明します。

農業の生産性と効率の向上

農業用ドローン

ドローンを使うことで、農業の生産性と効率が大きく向上します。たとえば、ドローンを使って、作物の成長の様子や土の湿り具合を細かくチェックすることができます。この情報をもとに、必要な肥料や水を適切なタイミングで与えることができるので、作物の収穫量が安定し、農薬や肥料を無駄に使うことも減ります。こうした工夫は、世界中での食料不足を解決する手助けにもなります。また、農業が効率よく行えることで、若い人たちが農業に興味を持ち、農業が魅力的な仕事として見られるようになる効果もあります。

環境保護と持続可能な資源管理

ドローンの技術は、環境を守ることにも大いに役立ちます。農薬や肥料を必要な分だけ使うことで、自然への悪影響を減らすことができるのです。また、ドローンを使った水管理システムによって、水を無駄なく使えるようになります。これにより、清潔な水を世界中の人々に届ける目標にも貢献しています。さらに、ドローンを使った農業では、温室効果ガスの排出を少なく抑えることができるので、地球温暖化への対策にもつながります。こうして、土地を効率よく使うことができるようになり、土の質が悪くなるのを防ぎ、自然を守ることができるのです。

社会的・経済的な発展

ドローン技術は、社会や経済の発展にも役立ちます。スマート農業が広がることで、地域の経済が活性化し、新しい仕事が生まれます。これにより、農村地域が元気になり、産業や技術の発展を支える基盤が強くなります。また、スマート農業を通じて、食べ物を作る量と消費する量のバランスが取れるようになり、食べ物の無駄を減らすことができます。これにより、持続可能な消費と生産を実現する目標にも貢献しています。

スマート農業、特にドローンの導入は、農業の生産性向上から環境保護、そして地域社会の発展まで、SDGsの多くの目標に対して多角的な貢献を果たすことが期待されています。

事例②:有機農業の取り組み

近年、農薬や化学肥料を使わない「有機農業」という農業の方法が広まっています。有機農業は、化学肥料や農薬を原則使わずに、環境を守りながら安全で美味しい食べ物を作るための大切な取り組みです。二つ目の事例では、島根県でどんな有機農業が行われているかについて紹介します。

農業の生産性と効率の向上

合鴨農法

島根県の中山間地域(山や丘が多い地域)では、農薬を使わずにお米や野菜を育てるために、いろいろな工夫がされています。たとえば「合鴨農法」という方法では、田んぼに合鴨というカモを放して、雑草や害虫を食べてもらいます。こうすることで、農薬を使わなくてもお米を健康に育てることができるんです。さらに、合鴨のフンが田んぼの肥料になり、土を豊かにしてくれるので、美味しいお米が作れるようになります。

また、島根県では有機野菜もたくさん育てられています。島根県大田市では、有機野菜を地元の市場や都市に出荷しており、こうした活動が地域の経済を元気にしているんです。最近は、健康や環境に良い食品を選ぶ人が増えているので、有機野菜の人気もどんどん高まっています​。
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環境保護と持続可能な資源管理

有機農業は、自然を守るためにもとても大切な取り組みです。例えば、島根県の浜田市弥栄地区(はまだしやさかえちく)では、除草剤を使わずに米を育てる取り組みを行っています。その代わりに、丈夫で強い苗を育てて、自然の力を活かして農業を行っています。こうした方法は、自然環境に優しく、未来に向けても持続可能な農業を支える大事なポイントとなっています。
また、島根県では、水を効率的に使うための研究も進められています。山や丘の多い地域では、水の管理が難しいこともありますが、雨水を上手に利用する方法が考えられています。こうした研究が、有機農業の発展を助けているんですね​。

地域社会の発展

有機農業は、地域の人々にとっても良いことがたくさんあります。地元で作られた有機農産物は、直売所や市場で売られ、地域の経済を元気にしています。また、新しい仕事が生まれることで、地元の若い人たちが農業に関わりやすくなり、地域に住み続けるきっかけにもなっています。
例えば、松江市では、有機農業を学ぶための研修プログラムが行われています。これを通じて、若い世代が農業に興味を持ち、将来の農業を担う人材が育っています。こうした活動が、地域全体を元気にし、地元のブランド力を高めることにもつながっています​ 。

島根県の有機農業は、自然を守りながら、安全で美味しい食べ物を作るための重要な取り組みです。この取り組みは、農業の生産性を高めるだけでなく、環境保護や地域の発展にも役立っています。これからも、島根県の有機農業がさらに発展し、多くの人に支持されることが期待されています。

導入するには?

持続可能な農業の実現を目指し、SDGsの達成に向けた取り組みを考えている方もいると思います。ここでは、補助金や課題などをご紹介します

課題

例えば、ドローンを活用したスマート農業を例に挙げると、SDGsを意識した農業を行うには次の課題点が挙げられます。

コスト

ドローンなどの機器を手に入れるにはお金がたくさんかかります。これが、小さな農家にとっては大きな負担になることがあります。

技術の習得

ドローンやスマート農業の技術を使いこなすためには、特別な知識とスキルが必要です。それを学ぶためには時間と努力が必要です。

データの扱い

ドローンが集めるデータはとても多く、これを管理し、うまく活用するためには、パソコンやソフトウェアの使い方を知っておく必要があります。

環境への影響

ドローンが使う電気や、使わなくなった機器の処理が、環境に影響を与えることがあります。これも考えなければなりません。

ルールや法律

ドローンを使うには、国や地域ごとに決められたルールがあります。それに従うために、ルールをよく知っておくことが必要です。

補助金

導入にあたって、コストや知識など、様々な課題点があることを紹介しました。しかし、国や地方自治体が補助金の支援を行っている場合もあります
2024年4月には、持続可能な農業を促進するために、農林水産省はSDGsの実現を目指していることを一部の補助金交付の条件に加えました。例えば、環境への影響を削減する活動に取り組んでいるなどすれば、支援金を受け取ることができます。また、環境保全型農業直接支払交付金などにおいても、環境保全に効果の高い営農活動に対して支援を行っています。
環境に対する取り組みをしている農家さんが受けられる支援金を簡単にまとめましたので、ぜひチェックしてみてください。

受けられる補助金
環境保全型農業直接支払交付金
みどりの食料システム戦略推進交付金
多面的機能支払交付金
強い農業づくり総合支援交付金
農地利用効率化等支援交付金

そのほかにも、例えば新潟市での「農業脱炭素・SDGs推進事業費補助金」など、地方自治体独自の取り組みを実施している場合があります。ぜひお住いの地域で調べてみてください。

また、環境への取り組み以外においても受けられる補助金を探している方は、こちらも参考にしてみてください!

まとめ

農業でSDGsを実現することは、未来の地球を守る大切な一歩です。最新技術や有機農法を駆使して、安心で美味しい食べ物を作りながら、環境を守り、地域を元気にする取り組みが広がっています。みんなで力を合わせて、持続可能な世界を目指しましょう。
持続可能な農業の求人一覧はこちら☆

よくある質問

持続可能な農業の達成に受けた取り組みは様々なものがあります。例えば、AI(人工知能)やドローンなどの最新の技術を使って行うスマート農業、農薬や化学肥料を使わない有機農業で環境への負担を減らすなどの取り組みがあります。

農業では、様々な角度から全ての目標の達成を目指すことができます。

導入にあたって、コストや知識など、様々な課題点があります。しかし、国や地方自治体が補助金の支援を行っている場合もあります。

公務員が農業を兼業するメリットと注意点とは?

公務員の安定と農業の夢を両立させる!

警察官や学校の先生など、公務員と言えば兼業や副業が禁止されているイメージがあります。しかし、最近では公務員が兼業・副業で農業に従事することが認められ始めていますよ!安定した公務員の職を続けながら、自然と触れ合う豊かな暮らしを実現しませんか?

公務員が農業を始める前に知っておくべきこと

公務員が農業を副業として始める前に確認すべきことをいくつかご紹介します。

公務員の副業規定は?

公務員は原則的に副業が禁止されていますが、例外的に許可を得ることで副業が認められる場合があります。

そもそも公務員は副業をすることができるのでしょうか。「国家公務員法」・「地方公務員法」に書かれた副業に関するルールを確認すると、公務員は原則として営利を目的とする副業を禁止されています。ただし、例外的に許可を得ることで副業が認められる場合があります。

公務員が副業を制限されている理由は、公務の中立性・公正性を守り、職務に専念させるためだと言われています。また、利益相反を防ぎ国民からの信頼を保つことも重要です。逆にいうと、このような要件を満たし公務員としての職務に抵触しない範囲であれば副業が許可されます。

現在、多くの一般企業で副業が解禁・推進され、その流れは公務員までも及んでいます。今後はより副業に取り組みやすい環境がますます整えられていくと考えれれています。ぜひチャレンジしてみませんか?

公務員は副業で農業ができる?

副業で農業をすることは許可が下りやすいと言われています。

特に副業で農業をすることは許可が下りやすいと言われています。公務員の場合、基本的に自給目的の小規模農業であれば兼業として認められます。農業が盛んなエリアでは公務員が副業として農業を営むことは珍しくなく、比較的規模が大きい農業でも認められる傾向です。しかし、
職務との関連性が高い場合
時間や報酬が大きい場合
の農業は認められないことがあります。職務との関連性が高い農業は利益相反や公務の公正性の観点から、時間や報酬が大きい農業は本職への影響の観点から、許可が下りにくいとされています。また、許可を取らずに無断で副業に取り組んだり、虚偽の報告をしたりするなどの場合は停職や減給の処罰を受ける恐れがあります。規則を十分に確認し、ルールを守ったうえで副業をスタートさせましょう。

公務員としての時間管理と農業の両立

また、公務員が副業で農業を始める場合、本業である公務とのバランスを保つことが大切です。本業に支障が出ないようスケジュールを調整することはもちろん、家族や近隣の農家、または共同で農業を行うパートナーと協力することで負担を分散したり、作業の効率化を図るための農業に適した機械やツールを活用したりするなどの工夫が必要になります。計画的な時間管理と効率的な作業を心がけましょう!

公務員が副業で農業を始める場合、本業である公務とのバランスを保つことが大切です。

公務員が兼業農業をするメリットと注意点

公務員が兼業農業をするメリット

①収入の増加
公務員としての安定した給与に加えて、農業による収入が得られることで、経済的な余裕が生まれます。また、副業での農業を続けることで、将来的に年金や退職後の安定した収入源を確保できる可能性があります。

②自己実現とライフスタイルの充実
農業は自然とのふれあいが多く、ストレスの軽減や心身のリフレッシュに繋がります。都会の生活とは異なる、自然に囲まれたライフスタイルを楽しむことができますよ!
さらに、自分で育てた野菜や果物を消費することで、食の安全性や達成感を得ることができます。自分の手で作物を育て上げる喜びは、他の仕事では得られない満足感を味わうことができるでしょう。

③新しいスキルの習得
農業に関する知識や経験を積むことで、将来的に農業関連の仕事やコンサルティング、教育活動など、別のキャリアを追求する道が開けることもあります。また、作物の栽培や農業技術について学ぶことで新たな知識やスキルを身につけることができます。特に将来的に農業を本業にしたい人にとって、実践を兼ねて農業の知識を身に着けることができる良い機会となるでしょう。

自分で育てた野菜や果物を消費することで、食の安全性や達成感を得ることができます。

公務員が兼業農業をするときの注意点

①職務への影響
副業によって本来の職務が疎かになることや、公務員としての信頼を損なう行為は禁止されています。農業が早朝や週末などに行われるとしても、本務に影響が出ないよう配慮が求められるでしょう。先述した通り、計画的な時間管理と効率的な作業を心がけることが大切です。

②公務員としての倫理
公務員はその職務上、公共の利益を優先することが求められています。そのため、副業においても公務員としての倫理を守る必要があります。

稼げる?兼業農業を営む公務員の年収

副業で農家をする公務員の平均年収は?

そもそも公務員が副業で農業を営む場合、その営農形態は小規模農家であることが多いと言われています。副業での農業は就農からどのくらいの時間が経ったか、どんな作物を扱っているか、農園の規模はどのくらいか、という要素に年収が大きく左右されます。しかし、公務員が副業で農家をする場合の平均年収は80万円程度だと言われています。

一見するとこの数値は低く見えるかもしれません。しかし本業を続けながら農業が営めることは将来的に専業農家を目指している人にとって、技術を身に付けながら収入アップを図れる効率的な方法となります。また自身で育てた作物が実際に食卓に並ぶことは何ものにも代え難い、達成感あふれる体験となるでしょう。

就農時は補助金を活用しよう!

公務員が副業的に就農をする場合受け取ることのできる補助金は多く存在します。例えば、農業次世代人材投資資金(経営開始資金)と呼ばれるものがあります。これは国が発行する補助金であり、新規就農者を支援するための補助金となっています。農業経営を始めてから経営が安定するまでの3年間、最大年間150万円を受け取ることができます。就農時には一般的にかなりの金額の初期費用がかかります。補助金をうまく活用し、初期費用を抑えたお得な就農を目指しましょう♪

補助金を利用することで初期費用を抑えての就農を目指しましょう。

公務員が実践する農業の始め方

公務員が農業をする場合の抑えるべきポイントをいくつかご紹介します。

兼業農家におすすめの作物

公務員が兼業で就農する際、「手間がかからない・狭い土地で育つ・単価が高い」という視点で作物を選ぶことをおすすめしています。

本業に支障のない範囲で農業をするには、「手間がかからない・狭い土地で育つ・単価が高い」という視点で作物を選ぶことをおすすめしています。たとえば、ミント、バジル、タイムなどのハーブ類は手入れが比較的簡単で、病害虫にも強いです。またトマト、パプリカ、キュウリなどはプランターでの栽培ができ、広い敷地がなくとも十分に農業を営むことができます。さらに市場で珍しい種類のミニトマトやカラーキャベツ、アーティチョークなどは高価で取引されることが多く、収益性が高い作物として知られています。

兼業農家に資格は必要?

兼業農家になるにあたり必要となる資格やスキルは特にありありません。しかし、農園間を移動したり重い農作物や機材を運ぶのに必須な運転免許や、直販で役立つ資格、安全にまつわる知識が身に着く資格はもっていて損はありません。農作業に関しての知識を学ぶことができたり作業の効率化を図れたりすることのみならず、周囲や消費者からの信頼を得ることにもつながります!
資格取得支援のある求人はこちら

兼業農家になるにあたり必要となる資格やスキルは特にありありません。

手伝いやバイトで農業を学ぼう!

いざ働くことが決まると、農作業や農園の経営にまつわる知識を身に受ける必要があります。研修や地域の農業講座での学習はもちろん、援農ボランティアでも農業の知識を身に着けることができますよ!援農ボランティアは給与が発生しない場合が多く許可が下りやすいこともおすすめできるポイントとなっています。

まとめ

週末や余暇を利用して農業に挑戦することで、健康的なライフスタイルを手に入れるだけでなく、自分で育てた作物の収穫という達成感も味わえます。そしてなにより、新たな収入源として確立できますよ!兼業農家としての生活は、心の充実感と新たな収入源を同時に得られる理想の選択肢としておすすめできるワークスタイルです。
兼業・副業などの農業求人一覧はこちら

よくある質問

公務員が農業を副業として行う場合、公務とのバランスを保つことはもちろんのこと、自身の属する自治体の規則や利益相対をしっかりと確認しなければならないことに気をつけましょう。

原則として所属する機関からの「兼業許可」が必要ですが、家族や友人のために無報酬で農業を手伝う場合や小規模農業を営む場合、許可は不要です。許可は、職場の上司や管理部に相談しましょう。

公務員の安定した収入に加え、兼業農業だけの年収は平均年収は80万円程度だと言われています。一見するとこの数値は低く見えるかもしれません。しかし公務員を続けながら農業が営めることは将来的に専業農家を目指している人にとって、技術を身に付けながら収入アップを図れる効率的な方法となります。また自身で育てた作物が実際に食卓に並ぶことは何ものにも代え難い、達成感あふれる体験となるでしょう。

農業法人とは?法人化するメリット、デメリットや手続きについて解説します!

農業法人とは何か

農業法人の定義

農業法人とは、農業を営むために設立される法人形態であり、農業経営の効率化や安定化を目的としています。農業法人には、いくつかの形態があります。

農業法人は、個人農家に比べて資金調達や規模拡大がしやすく、効率的な農業経営を行うために設立されることが多いです。また、近年では、農業法人を通じて地方への移住を促進したり、若者の就農を支援する取り組みも進められています。

農業法人の種類

公益社団法人日本農業法人協会より引用

農業法人にもいくつかの種類がありますが、大きく分けると農事組合法人会社法人の二つに分かれます。

【農事組合法人】
農家が共同で農業を行うために設立する法人で、組合員が出資し、運営に参加する形態です。
この形態は次に紹介する一般的な会社法人とは異なる農業法人組合法によって定められた法人形態になります。「(株)」や「(有)」と表記される法人形態と異なり「(ノウ)」と表記されます。農事組合法人に所属する人は会社員ではなく組合員とされます。

農事組合法人は、組合員が共同で農業経営を行うことで規模の経済を追求し、生産効率を高めることができます。農機具の共同利用や農作物の集団出荷などがその一例です。

この法人の組織目的は「農業生産の協業」であり、会社法人の「利潤の最大化」とは異なります。会社のようなた手続きの組織形態というよりかは農家たちを取りまとめる緩やかな横のつながりというイメージが適切でしょう。

【会社法人】

多くの人が最初に思い浮かべる法人であり以下の種類があります。

「株式会社」
一般企業と同様に株主が出資し、経営に参加する形態の農業法人です。ただし、農地法による一定の制約があります。

「有限会社」
少人数で農業を営むための法人形態で、出資者が有限責任を負い、比較的コンパクトな経営が特徴です。

「合資会社」
合資会社は、比較的小規模なビジネスや家族経営の企業に適しています。また、会社の経営に関しては無限責任社員が主に運営を担い、有限責任社員は出資者としての立場をとる組織形態となっています。

「合名会社」
合資会社と異なり、全ての社員が無限責任を負うことが特徴です。
家族経営などでよく選ばれますが、無限責任を負うリスクがあるため経営がうまくいかない場合に個人の財産が危険にさらされる可能性があります。

会社法人は会社法を根拠法として利潤の最大化を目的としています。

つまり、農事組合法人は農家同士の協力による共同経営を重視して地域社会との結びつきを強調した運営を行うのに対し、会社法人は個別の農家や出資者が中心となり営利追求を目的とした柔軟で迅速な経営を行います。

法人化のメリットとデメリット

法人化のメリットデメリット

法人化のメリット

法人化には様々なメリットが存在します。

【資金調達の容易さ】

株式会社や有限会社の形態をとることで、出資や融資を受けやすくなり、設備投資や規模の拡大が可能です。個人農家に比べ資金繰りの自由度が高まります。

【経営の効率化】

組織的な経営が可能となり、役割分担や専門化が進むことで、農業経営が効率化されます。法人化により経理や法務の体制が整い、事務作業の効率化も期待できます。

また、信用力の向上も大きなメリットです。法人化することで取引先や金融機関からの信用が増し、ビジネスの展開がスムーズになり、安定した取引関係を築くことができます。

【雇用の安定】

後継者問題の解決にもつながります。個人経営では後継者問題が生じやすいですが、法人化することで、組織全体で経営を行うことができ、事業の継続性が高まります。

農業法人は、雇用の創出にも寄与します。規模の拡大に伴い雇用機会が増え、農村地域の雇用問題の解決や地域活性化にも貢献します。

【国や地方自治体とのかかわり】

農業法人は国や自治体からの助成金や補助金を受けやすくなります。これらの支援を活用することで、経営の安定化が図れます。

地域社会への貢献も重要なメリットです。農業法人は、地域との連携を深め、地域振興や環境保全活動などに積極的に関与することで、地域社会との信頼関係を築きやすくなります。

農業法人化することによって、経営の効率化と安定化を期待することができます。

法人化のデメリット

【設立・運営にかかるコスト】

法人を設立する際には、登録免許税や定款作成費用、専門家への報酬などの初期費用が必要です。さらに、法人運営には税務申告や会計処理、労務管理などの事務作業が増え、個人農家に比べて運営コストが高くなることがあります。

【税制の複雑化】

税務面での負担が増える点です。法人化すると、法人税や消費税の申告が必要になり、税務が複雑化します。さらに、赤字でも法人住民税の均等割が課されるため、経営が厳しい場合でも税負担が発生します。

【柔軟な経営が難しくなる】

経営の硬直化が起こる可能性があります。法人化により、取締役会や株主総会での意思決定が必要となり、個人経営に比べて決定が遅れることがあります。特に、出資者が多い場合や経営体制が複雑な場合には、経営の柔軟性が失われるリスクがあります。

法人化することで、家族中心の経営が組織経営に変わり、家族の一体感や柔軟な経営が失われる可能性があります。家族以外の社員が増えることで、経営方針や価値観の共有が難しくなることもあります。

株式会社などの場合、出資者との利害調整が必要となります。出資者の意向に左右され、経営方針が農業本来の目的から逸れるリスクが生じることがあります。

【責任の重大化】

責任の増大もデメリットの一つです。法人の代表者は法人の経営責任を負うため、経営が悪化した場合に個人責任を追及されるリスクがあります。さらに、借入金の保証などで個人保証を求められることもあり、リスクが拡大する可能性があります。

最後に、農地法の制約や地域との調整が挙げられます。農地の取得や利用に関して法人には一定の制約が設けられる場合があり、地域との協力が必要となる場面もあります。これにより、個人経営に比べて柔軟な対応が難しくなることがあります。

経営の効率化と安定化はもちろん魅力的ですが、総合して経営の難易度が上昇する等のリスクもあります。法人化のメリットとバランスを考えながら経営形態を判断しましょう。

農業法人の制度

農業法人の制度

設立までの流れ

まずは自身の経営規模や資本などを考慮して適切な法人形態を選択します。最も一般的なのは株式会社、有限会社、農事組合法人であり、これらの特徴は先ほど述べた通りになります。

定款といった書類作成や口座開設等様々な届け出が必要になります。設立手続きには専門的な知識や煩雑な手続きが必要となるため、必要に応じて司法書士や行政書士などの専門家に相談することをお勧めします。

JAとは何が違うの?

農事組合法人とJAは、どちらも農業を支えるための組織ですが、農事組合法人は農業生産の共同経営に特化し、比較的小規模で農家同士の連携を重視します。一方、JAは農業支援にとどまらず、金融や保険など幅広いサービスを提供し、地域社会全体を対象とした大規模な組織です。それぞれの組織は、異なる目的や役割を持ちながら、農業と地域社会の発展に寄与しています。

代表的な農業法人

株式会社農業総合研究所

株式会社農業総合研究所(N総研)は、農家と市場をつなぐプラットフォームを提供する農業法人です。全国の生産者から集荷した農産物を、スーパーマーケットや量販店に直接卸す事業を展開しています。

近くのスーパーマーケットで見かける『農家の直売所』は株式会社農業総合研究所が手掛ける販売形態であり、全国の集荷拠点で集荷した新鮮な農産物を都市部のスーパーマーケット内に設置したインショップ(農家の直売所)に最短1日でお届け・販売しています。

農業総合研究所は、従来の流通システムを革新することで、生産者の収益向上を目指しています。農産物の集荷から販売までを一貫してサポートすることで、生産者の負担を軽減し、収益性を高めています。また、ITを活用した農産物の販売管理システムを提供するなど、効率的な流通を支援することに特化しています。

法人化の失敗例

農業法人化には、経営の効率化や規模の拡大といったメリットがある一方で、経営方針の不一致や資金繰り、労務管理、マーケティング、法規制対応などに失敗すると、事業が行き詰まるリスクがあります。よくある失敗例としては以下の二点があげられます

経営方針の不一致による失敗

法人化の初期段階で、明確な経営方針や役割分担が定められていなかったために農業法人を設立したものの、経営方針や事業戦略についてメンバー間で意見が対立し、運営が円滑に進まなくなった事例が存在します。

特に、法人化によってメンバー間の責任や役割が曖昧になり、意思決定が滞るようになったことが深刻な問題でありその結果、経営の効率が悪化し、事業の継続が困難になりました。

これを防ぐためには法人化する段階で組員間において役割や責任を明確化する必要があるでしょう。

労務管理の失敗

法人化によって従業員が増えたにもかかわらず、労務管理体制が整備されていなかったために、増員した従業員の適切な労務管理ができず、離職率が高まったケースがあります。労働条件の整備や従業員教育が不十分であったため、従業員のモチベーションが低下し、労働力の確保が困難になった農業法人が存在します。

農業法人において家族経営と同じような労務管理は行えません。組合員で構成される会社と同じ組織を運営することになります。経営のノウハウ等に自信がなければ必要に応じて専門家の助言を受けることも重要です。

まとめ

農業法人とは、農業を営むために設立される法人形態であり、農業経営の効率化や安定化を目的としています。経営の効率化と安定化はもちろん大きなメリットですが、コストや経営の複雑化といったメリットが存在します。自身の事業を法人化するのにはさまざまな手続きが存在し、専門的な知識が必要になります。

初めての就農は農業法人への就職がオススメ

これから農業を始めようと考えている人にはまずは農業法人に就職してみてはどうでしょうか?個人で農業を始めようとすると農地の獲得や農業用機械の購入など様々なハードルが存在します。農業法人に就職すればこの問題をある程度まではクリアできます。就職後そのまま働くもよし、独立して個人事業主になるのもいいでしょう。

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よくある質問

農業法人とは、農業を営むために設立される法人形態であり、農業経営の効率化や安定化を目的としています。個人農家に比べて資金調達や規模拡大がしやすく、効率的な農業経営を行うために設立されることが多いです。また、近年では、農業法人を通じて地方への移住を促進したり、若者の就農を支援する取り組みも進められています。

株式会社や有限会社の形態をとることで、出資や融資を受けやすくなり、組織的な農作業が可能になることによって経営を効率化、安定化することができます。

農業法人のデメリットは家族経営ではなく組織形態が大きくなるため人件費等コストが大きくなり、意思決定権が分散することで柔軟な経営が難しくなることにあります。

農業用ドローンとは?活用事例や価格は?

今、農業界では空を飛ぶドローンが新たな革命を起こしています。これまで手間と時間がかかっていた農作業が、最新の技術で効率化されているのです。ドローンを使えば、作物の健康状態をリアルタイムでチェックでき、農薬や肥料の散布も精密に行えます。さらに、これにより労働負担が軽減され、コストも削減されるといいます。この技術がどのように農業の未来を変えているのか、詳しく見ていきましょう。

農業用ドローンとは?どんなものがある?

農業用ドローンとは?

農業用ドローンとは、農業で使う機能を搭載するなどした特別なドローンのことです。農業用ドローンを使うと、農業がもっと効率的に、また正確に行えるんです。農業用ドローンは農作業をサポートするための便利な道具で、効率的に作物を育てる手助けをしてくれます。
例えば、空から農地を見て作物の様子をチェックすることができます。ドローンにはカメラやセンサーがついているため、作物の健康状態や土壌の状態を測定したり、写真や映像を撮ったりします。そのデータを使うことで、農業の計画を立てるのがとても効率的になります。
さらに、散布装置がついている農業用ドローンは農薬や肥料を空中から均等に散布することができます。この方法によって、手作業で散布するよりもムラなく、効率的に作業を行うことができます。
また、ドローンを使うことで農業作業にかかる時間を大幅に減らすことができるため、農家さんのお仕事が楽になります。

農業用ドローンの種類

農業用ドローンでできることとして、まず農薬の散布が挙がります。ですが、それだけではなく様々な場面でドローンは活躍しています。
2022年度に農林水産省が発表した農業用ドローンの活用状況によると、農業用ドローンの種類は農薬散布、肥料散布、播種、受粉、農産物等運搬、ほ場センシング、鳥獣被害対策、情報収集・発信の7つに分けられています。

活用方法概要
農薬散布農薬を散布し、効率的な農業を実現。
肥料散布肥料を散布し、散布の精度と作業時間を改善。
播種ドローンを使って種をまき、作業時間を短縮。
受粉花粉を混ぜた液体の散布を行う。
農産物運搬収穫物を集荷場まで運搬し、高齢者の出荷支援に貢献。
ほ場センシングドローンを使い農作物の生育状況をリアルタイムで把握し、施肥や農薬散布のタイミングを最適化。
鳥獣被害対策ドローンを使い、鳥獣の生息状況を分析する。
農林水産省「令和4年度 農業分野におけるドローンの活用状況」をもとに作成

こうしてみると、農業用ドローンと聞いて一般的にイメージされる農薬散布以外でも、さまざまな所で活躍しているんですね。

農業用ドローンのシェア

では、農業用ドローンはどのメーカーのものが有名なのでしょうか。農林水産省が2019年に公表した「農業用ドローンの普及に向けて(農業用ドローン普及計画)」を見ると、当時農業用ドローンを使用していた人のうち40%が、中国に本社を置くDJI社のドローンを使用していました。次いで丸山製作所が16%を占め、エンルートが15%と後に続いています。

農業用ドローンメーカーシェア上位5社シェア割合
DJI40%
丸山製作所16%
エンルート15%
クボタ13%
TEAD7%
農林水産省「農業用ドローンの普及に向けて(農業用ドローン普及計画)」をもとに作成

農業用ドローン導入のメリット、デメリット

農業用ドローンは効率的な農作業を実現するための強力な道具ですが、その導入には様々な側面が存在します。ここでは、農業用ドローンのメリットとデメリットを見ていきながら、どのように活用するかの参考にしてみましょう。

農業用ドローン導入のメリット

作業の効率化

ドローンを使うことで、農薬や肥料の散布、播種などの作業を短時間で行うことができ、全体の作業効率が大幅に向上します。

労働負担の軽減

自動飛行機能や精密な散布技術により、農作業の負担が軽減され、高齢者や少人数のチームでも効率的に作業ができます。

精密性の向上

ドローンのセンサーやカメラを使って、作物の健康状態や土壌の状態を詳しく把握できるため、必要な対策を適切に講じることができます。また、農薬や肥料の均一な散布が可能になり、作物全体に対して均等に処理が行えます。

環境への配慮

精密な施肥や農薬散布により、過剰な使用を防ぎ、環境への負荷を軽減できます。

農業用ドローン導入のデメリット

初期費用の高さ

農業用ドローン本体の価格に加え、バッテリーや充電、メンテナンス、また操作訓練などの費用がかかることがあります。さらに、保険の加入をされる方も多く、導入には多額の初期投資が必要です。

技術的な問題

ドローンの操作には専門的な知識や技術が必要で、使いこなすには練習や慣れが必要です。また、ドローンが取得したデータの分析や管理に関する知識やシステムも求められることがあります。

メンテナンスの手間

ドローンの使用には定期的なメンテナンスが必要で、故障やトラブルが発生した場合には修理や部品交換が求められます。

気象状況の影響

雨や風などの悪天候時にはドローンの飛行が難しく、作業が予定通りに進まないことがあります。

農業用ドローンの活用事例

事例1:農業用ドローンを使った農薬散布

農業用ドローンと聞いて真っ先にイメージするような活用方法です。実際、農業用ドローンによる農薬散布は、効率的な農業のため大規模に活用されています。例えば、集落単位で農業を営まれている方の高齢化が進みつつある山口県の長門地域では、農地の維持や新規就農者の確保を目的として264ヘクタールの水稲農地に対してドローンを使用した農薬散布を行っています。
また、農薬などの散布のために販売されたドローンの数も、2018年度時点では1214台にとどまっていましたが、2021年度においては3586台と3倍近く増加しています。

では、農薬散布を農業用ドローンで行うことは、どのようなメリットがあるのでしょうか。

農業用ドローンを使った農薬散布では、以下のような効果が見られます。

メリット補足
作業時間の短縮10aあたりの農薬散布は、人力で30分程度かかるが
ドローンでは10~15分で散布ができる。
労働力の削減ドローンを導入することで、少人数で、効率的な作業が行える。
均一な農薬散布自動飛行技術により、農薬の均一な散布が可能に。

農薬散布の作業時間が2分の1~3分の1になるのはすごいですね!

事例2:農業用ドローンを使った肥料散布

また、肥料散布においてもドローンの導入が進んでいます。秋田県の東光鉄工社は、CLAS対応のドローン(およそ数cmの誤差で測位を行うことが可能なドローン)を使用し、衛星からの電波を受信して位置情報を得るRTK基地局や事前測量を必要としない高精度な肥料散布を実施しています。
つまり、今までは、衛星からの画像と特殊な機械を使って、作物に必要な肥料を畑の特定の部分にだけまく方法が取られてきました。しかし、これをドローンを使って行うことで、もっと正確に施肥ができるようになるということです。特に、作業が難しい不整型の畑でも、農薬をまくのと同じように、労働が楽になり、作業がしやすく、コストも減ることが期待されています。

肥料散布を農業用ドローンで行うメリットをまとめると、以下のようになります。

メリット補足
肥料の無駄を削減位置情報を利用して、特定の場所にピンポイントで肥料を散布できる。
作業時間の短縮10aあたりの農薬散布は、人力で30~60分程度かかるが、
ドローンでは10~15分で散布ができる。
環境への配慮過剰な肥料散布を防ぎ、環境への負荷を軽減させることができる。

農業用ドローンは、作業時間や労働力の削減だけではなく、環境への配慮などにも一役買っているんですね!

農業用ドローン

農業用ドローンの費用は?

農業用ドローンの導入には、ドローン本体の購入費用に加えて、バッテリーや充電、メンテナンス、操作訓練などの費用がかかります。ドローンを導入するためには、国や地方自治体からの助成金、低利子のローン、一部地域での支援プログラムなど、さまざまな補助金や支援策が利用できるため、これらの支援を活用することで、コストを抑えた導入が可能にしましょう。それでは、これらの費用や支援策について詳しく見ていきましょう。

農業用ドローンの価格

農業用ドローンを手に入れるには、初期費用を80~300万円ほど用意しておくとよいでしょう。ドローン本体の価格は平均して100万円~200万円ほどですが、購入費用以外にもバッテリーや充電、メンテナンスやドローンの操作に関する訓練費用がかかることがあります。そのため、本体価格だけではなく総合的な導入コストを考慮する必要があります。

農業用ドローンの補助金

農業用ドローンを導入するための補助金には、いくつかの種類があります。まず、国や都道府県が提供する助成金があります。これは、農業用ドローンを購入するための費用の一部を政府や地方自治体が補助してくれるものです。この助成金を利用すると、ドローンの購入にかかる費用を軽減できるので、農業をもっと効率的に行う手助けになります。
また、低利子のローンも利用できる場合があります。これは、ドローンを購入するためにお金を借りる際に、通常よりも低い利子で借りられるものです。これにより、返済時の負担を軽減できるため、資金調達がしやすくなります。
さらに、一部の地域では、農業用ドローンを使うための支援プログラムが用意されていることもあります。これには、具体的な使用方法の指導や、ドローンの運用に関するアドバイスが含まれることがあります。
これらの補助金や支援策を活用することで、農業用ドローンの導入がより手軽になり、農作業が効率的に行えるようになります。

まとめ

農業用ドローンは、作物の監視や農薬の散布を簡単にしてくれる便利な道具です。効率が上がり、作業が楽になる一方で、初期費用やメンテナンスの手間がかかることもあります。一方で、これからの農業には農業用ドローンなどのロボット技術やAIを活用したスマート農業が注目されています。農業がどんどん進化している中で、これらの技術がどのように役立つのか、ぜひ注目してみてください!
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よくある質問

農業用ドローンとは、農業で使う特別なドローンのことです。これを使うと、農業がもっと効率的に、また正確に行えるんです。農業用ドローンは農作業をサポートするための便利な道具で、効率的に作物を育てる手助けをしてくれます。

農業用ドローンの種類は農薬散布、肥料散布、播種、受粉、農産物等運搬、ほ場センシング、鳥獣被害対策、情報収集・発信の大きく7つに分けられています。

農業用ドローンを手に入れるには、初期費用を80~300万円ほど用意しておくとよいでしょう。ドローン本体の価格は平均して100万円~200万円ほどですが、本体価格だけではなく総合的な導入コストを考慮する必要があります。

兼業農家とは?メリット・デメリットや補助金・年収など気になるお金の話も解説!

兼業農家とは?

兼業農家とは?

農業を趣味として休日に共同農園や家庭菜園で野菜を育てるのが趣味なサラリーマンが近年増えてみています!
その中で脱サラして農業を始める、定年後農業を始める等実際に兼業農家になる人たちも少なくありません!

今回はその中の一つである「兼業農家」に関するメリット・デメリット、年収について詳しく解説します。

兼業農家の定義

兼業農家とは、農業を主な生業とするものの、同時に農業以外の職業に従事して収入を得ている農家を指します。農業の収入を他の収入源で補完あるいはその逆の収入構造を取ります。

このような兼業農家はコロナ禍後のリモートワークの拡大により数を大きく増やしています。地方移住者にも兼業農家は多く、移住先にとって兼業農家は経済的な安定や多様な収入源を確保するための重要な役割を果たしています。

兼業農家の現在

兼業農家の日常

先ほども述べた通り、リモートワークの拡大により副業として農業を始める人が増加しています。農家の方が家にいる間に個人で仕事を受注して副業を行うなど兼業の割合や形態は様々です。農業を主業にするか副業にするかで以下のように区分されます。

主業兼業農家:農業が主要な収入源であり、その他の職業からの収入は補助的なものです。この場合、農業が全体収入の50%以上を占めることが一般的です。

副業兼業農家:農業以外の職業が主要な収入源であり、農業は補助的な役割を果たします。こちらの場合、農業収入は全体収入の50%未満になります。

近年、その割合を増加させているのが副業兼業農家になります。
彼らの多くは農業を趣味の領域から少し拡張させ副業収入を得ています。

兼業農家のメリット・デメリット

兼業農家のメリット・デメリット

兼業農家のメリット

兼業農家のメリットとして挙げられる点は主に以下の三つになります。

収入の安定化と多様化

農業収入に加えて他の職業からの収入を得ることで、経済的な安定を図ることができます。農業は天候や市場価格の変動に左右されやすいため、複数の収入源を持つことはリスク分散に効果的です。また、農業以外の仕事を持つことで、特に農閑期(農業の仕事が少ない時期)に別の仕事をすることで、年間を通じて安定した収入を確保できます。

労働力の有効活用

農業の繁忙期と閑散期をうまく利用し、閑散期には他の仕事を行うことで労働力を効率的に活用できます。これにより、家計に貢献するだけでなく、地域社会にも役立つことができます。時間を有効活用しつつ収入をさらに安定化できます。

ネットワークの拡大

他の職業を通じてさまざまな人と出会うことで、ビジネスや社会的なネットワークを広げることができます。これにより、農業関連の情報や支援を受けやすくなります。本来であればつながることのなかった分野と副業を通してつながり、新たなビジネスを見つけることができるかもしれません。

兼業農家のデメリット

兼業農家には多くのメリットがある一方で、もちろんいくつかのデメリットも存在します。

時間と労力の負担

兼業農家は農業と他の職業の両方をこなす必要があるため、時間と労力の負担が増加します。特に繁忙期には長時間労働が避けられず、体力的・精神的な疲労が溜まりやすくなります。他の仕事量を調整すればある程度は解消できますが、年末や年度初めなどはどうしても忙しくなってしまうでしょう。

農業の効率低下

他の職業に時間を割くことで、農業に費やす時間が減少し、農業の効率や生産性が低下する特に恐れがあります。特に農業に必要な作業を他の仕事のために後回し、適切な時期を逃すと農作物の品質や収量に影響が出ることがあります。

資金や資源の分散

兼業農家は農業と他の職業の両方に資金や資源を投じる必要があるため、それぞれの事業に十分な投資ができない場合があります。特に資金繰りが厳しいときには、農業の設備投資や経営改善が後回しになることがあります。個人の兼業農家はこういった問題と向き合わなければなりません。

兼業農家の年収は?どれくらい稼げる?

兼業農家の収入は?

兼業農家の収益

先ほども触れた通り兼業農家の収入は農業を主業とするか副業とするかで変わってきます。十分なスキルと資本を有している場合の収入の例を挙げると以下のようになります。

主業兼業農家:農業収入が300万円、兼業収入が200万円の場合、年間総収入は500万円。
副業兼業農家:農業収入が150万円、兼業収入が350万円の場合、年間総収入は500万円。

もちろんこれは一般的な例です。総収入は前後する可能性があります。

兼業農家の本質は収入の増加ではなく、収入の安定化になります。
農家は自然を相手にする都合上毎年同じだけの収入を得ることが難しいです。しかし、収入源が二つ存在しているため、「今年はこの作物が売れそうだから農業に力を入れよう」「今年は苗が高いから副業を主業にしよう」のようにして柔軟に稼ぐことができるのです。

兼業農家への補助金や支援制度は?

国や地方自治体からの補助金

兼業農家でも一般の新規就農者と同じ支援を受けることができます。

農林水産省は農業を新たに始める人々に対して、研修制度や補助金を提供しています。これには、研修期間中の生活費の補助や、農地取得のための低利融資などが含まれます。兼業農家として新たに農業を始める場合もこの補助金制度を利用しることが可能です。
新規就農者育成総合対策(農林水産省)

また、各地方自治体から農地や農業用機械の購入、借用に関して支援を受けることが可能です。地方自治体のホームページやJAの情報をチェックしましょう。

農業ジョブでは補助金制度について全国に展開する求人サイトの視点から詳しく解説しています!
気になる方は以下の記事をご覧ください!

利用できる支援制度

新規就農者には引退する農家から事業を引き継ぐという選択肢もあります!農業ジョブでこの事業引き継ぎについても解説しています。

まとめ

兼業農家についてのまとめ

農業を一つの収入源とし他の仕事も請け負う兼業農家が増えています。
収入の安定化といったメリットもありますが、個人の負担が増えるといったデメリットも存在します。兼業農家を目指すなら、現在の職業や自分の得意分野、農業への関心などを総合的に判断して必要な情報を集めましょう。

農業ジョブでは兼業農家を目指す新規就農者向けの求人情報を掲載しています!
兼業農家の求人一覧はこちら

よくある質問

兼業農家とは、農業を主な生業とするものの、同時に農業以外の職業に従事して収入を得ている農家を指します。農業だけでなく他の職業で収入を補完あるいはその逆の収入構造を取ります。

収入の安定化と多様化、労働力の有効活用やネットワークの拡大によるビジネスチャンスの拡大などが主なメリットになります。

繁忙期の個人に負担の増加、他の仕事の作業が農作物の質の低下を招くなどのデメリットが挙げられます。特に小規模事業の場合資本の分配に苦心する可能性もあります。

花農家の年収や仕事内容は?儲かる花卉農業について解説します!

花を育てて出荷する農業のことを花卉(かき)農業と言います。日本は古くから染料や冠婚葬祭のために花卉農業が盛んです。現在ではビニールハウスなど施設を利用し花卉を育てる花農家が多いです。

花農家の気になる年収や儲け方、業界のトレンドなどを全国の花農家の求人情報を扱う農業ジョブならではの視点で詳しく解説していきます!
農業ジョブの求人一覧はこちら!

花農家の年収と経済状況

収益の構造

全国の花農家の平均年収は農林水産省の「営農類型別経営統計( 野菜作経営、果樹作経営、花き作経営)」によると、314.2万円になります。収入は花を栽培して出荷するのが主ですが、育成する品種や販売方法によって変化します。

育成品種

花農家 バラ

単価の高い花

バラやランなど単価の高い品種は高い収益をもたらす可能性がありますが。育成コストが通常よりも高くつきます

きれいな発色のいい花を育てるためにビニールハウスなど施設を用いて労働集約的に育てることがほとんどです。

一般的な花

カーネーションやガーベラなどの単価は企画的安いですが育成コストが低いというメリットがあります。

こちらもビニールハウスなどの施設で栽培されることがほとんどです。

花農家 カーネーション

販売方法

花農家 通販

通販

卸売市場を通じて販売するのではなく、自身で販売サイトを立ち上げて産地直送で販売する方法です。

自社店舗での販売は利益率が高いですが、販売量が限られるというデメリットがあります。

観光農園、加工販売

花の摘み取り体験など観光農業で収益を上げている花農家も多いです。花という”映え”やすい作物を扱うため観光農園の形態を取りやすいです。

また、ドライフラワーやフラワーアレンジメントなどの加工販売も人気が高いです。

花農家 観光農園

花農家の仕事と役割

仕事内容

花農家の仕事は、品種選定や栽培計画の立案から始まり、土壌準備、種まきと植え付けといった生育管理などを行います。また、収穫と出荷準備、販売・マーケティング活動を通じて花を市場に提供します。さらに、施設管理や記録管理、新技術や市場動向の把握も重要な業務です。これらの多岐にわたる作業を年間を通じて行います。

一日のスケジュール

時間作業内容
6:00 – 9:00畑や温室での作業(潅水、施肥、除草、病害虫チェック)
9:00 – 12:00収穫作業(開花期の花の収穫、選別、品質管理)
12:00 – 13:00昼食・休憩
13:00 – 15:00出荷準備(花の梱包、出荷)
15:00 – 17:00栽培管理(次シーズンの準備、種まき、苗の植え付け、設備管理)
17:00 – 18:00販売・マーケティング(SNS更新、顧客対応、直売所販売)

花農家の一日のスケジュールは季節や作業内容、規模により変動します。上に乗せたスケジュールは最も忙しい開花期のものになります。

季節ごとの作業

花農家の仕事は季節ごとに異なり、具体的な作業内容は気候や栽培する花の種類によって変わります。以下に、季節ごとの一般的な作業内容を示しています。

春(3月〜5月)

春は栽培の準備と新芽の管理の季節です。土壌の準備や種まきなど新芽の管理が主になります。

夏(6月〜8月)

夏は成長期で、水やりと病害虫防除など花の育成管理を行います。温室管理や肥料の選定など花の発色や大きさを決定する大切な過程です。

秋(9月〜11月)

秋は収穫と出荷の季節です。花の開花に合わせて適切なタイミングで収穫を行います。収穫した花の梱包や発送、場合によっては加工なども行います。花農家にとって最も忙しいシーズンと言えるでしょう。

冬(12月〜2月)

冬は温室管理と次シーズンの準備が中心です。春に開花する花を寒さから守るための温室管理や次のシーズンのための種子の準備を行います。

花の種類によってこのスケジュールは大きく異なってきます。育成方法も花の品種、色によります。最適な環境を品種によって使い分けるのが花農家の腕の見せ所と言えるでしょう。

花農家は儲かる?

花農家の儲け方

儲け方の特徴は?

花農家が儲けるためには、珍しい品種や高品質な花を栽培、あるいは一般的な品種でも育成から収穫を効率化が必要になります。

また、販売チャネルを多様化することが重要です。直売所やオンライン販売、花市場への出荷に加え、ドライフラワーやフラワーアレンジメントなどの加工品を製造・販売など利益率の高い最善の方法を選びましょう。

体験型イベントや農園ツアーを開催し、観光農園としての収益も可能です。法人契約や定期購入サービスで顧客を安定させ、SNSやウェブサイトでのマーケティングを強化、効率的な経営と新技術の導入も重要になってくるでしょう。

農業ジョブでは観光農業に関する記事も公開しています。

花農家の始め方

初心者に必要な準備

花農家を始めるには、まず市場調査を行い、需要の高い花の品種や栽培方法を計画します。この市場調査が最重要です。市場との近さや輸送手段から総合的な判断が必要になります。

次に、資金調達を行い、適切な土地と設備を準備する段階です。種苗を購入し、栽培を開始します。育成出荷に移っていきます。SNSやウェブサイトでのマーケティングも重要です。顧客のフィードバックを反映し、品質向上次のシーズンで改善、継続的な事業拡大をしていきます。

個人ではゼロから準備するのは難しいでしょう、農業ジョブは初めて農業を始める方向けに農業法人の求人情報を掲載しています!花農家の求人一覧はこちら!

花農家の将来性

花農家の今後

花農家の今後

花の需要は安定しており、特に結婚式やイベント、家庭用の装飾としての需要が高まっています。特に都市部では、花のアレンジメントやブーケの需要が増加傾向にあります。一方で、天候に左右されやすいことや、労働力不足、高齢化などの課題もあります。これらを克服するために、テクノロジーの活用や若い世代の参入促進が必要です。花卉農業は新規就農者の参入を歓迎しています。

まとめ

花農家の仕事は品種選定、栽培計画、土壌準備、収穫、販売など多岐にわたります。市場調査や資金調達を行い、SNSでのマーケティングも重要です。花の需要は安定していますが、労働力不足や高齢化などの課題があります。花農家は将来性の高い農業分野と言えるでしょう。

よくある質問

全国の花農家の平均年収は農林水産省の「営農類型別経営統計( 野菜作経営、果樹作経営、花き作経営)」によると、314.2万円になります。収入は花を栽培して出荷するのが主ですが、育成する品種や販売方法によって変化します。

花農家の仕事は、品種選定や栽培計画の立案から始まり、土壌準備、種まきと植え付け、生育管理などを行います。また、収穫と出荷準備、販売・マーケティング活動を通じて花を市場に提供します。さらに、施設管理や記録管理、新技術や市場動向の把握も重要な業務です。これらの多岐にわたる作業を年間を通じて行います。

花の需要は安定しており、特に結婚式やイベント、家庭用の装飾としての需要が高まっています。特に都市部では、花のアレンジメントやブーケの需要が増加傾向にあります。一方で、天候に左右されやすいことや、労働力不足、高齢化などの課題もあります。

津山市で農業ぐらし、してみませんか?新規就農者にオススメの津山の魅力とは!?

「農業に関心がある」「実際に始めてみたい」と考えている方は津山市で農業を始めてみませんか?

都会過ぎず、田舎過ぎない”ちょうどいい田舎”津山市での農業の魅力をお届けします!

津山市とは?

津山市の基本情報

津山市の風景 鶴山公園

津山市は岡山県北東部、鳥取県との県境に位置する岡山県で三番目に大きい街です。

日本100名城の一つであり、日本さくら名所100選にも選ばれる津山城が全国的に有名です。特に桜の時期には毎年多くの観光客が訪れます。

交通アクセスについては南北を縦断するJR因美線、南部には東西に続くJR姫新線と中国自動車道を有し、県庁所在地の岡山市までは車で1.5時間、大阪まで約2時間と周辺都市へのアクセスも良好です。

津山市の農業とは?

津山市の地理と気候について

津山市は中国山地に囲まれた盆地型の地形であるため、一日の寒暖差が大きな内陸性の気候です。津山市の気候が生み出す絶景の一つに雲海があります。運が良ければ、冬の早朝に山肌を覆う霧が朝日に照らされる幻想的な雲海をご覧になることができます。

津山市の雲海
津山市の主要農産物

津山市の主要農畜産物

津山市の主要農畜産物は米、小麦、つやま和牛、ブドウや梨といった果樹になります。津山市は米の栽培が盛んで、あきたこまちやきぬむすめを中心に作付けされています。津山の豊かな水、一日の寒暖差の中でたくましく育った野菜や果物はみずみずしいと評判です。

津山市の特産品

ショウガ、ブドウ、小麦、黒大豆、つやま和牛、ジャンボピーマンの名産地としても有名です。
なかでも津山のショウガの栽培は昭和20年代から続いています。収穫してすぐのものを新ショウガとして、一定期間温度管理をして施設で貯蔵したものを囲いショウガとして出荷しています。

津山市の特産品
津山市地域活性事業

津山市地域活性事業

津山市では地元農産物を使った商品開発が積極的に行われています。
なかでも津山の肥沃な土地で育った小麦『ふくほのか』を使用し、津山地域内の菓子職人らが共同で開発した『津山ロール』は津山を訪れたら必ず買っておきたい一品です。

津山で農業を始めるメリット

農業に適した気候と地理

一日の寒暖差が大きいと、温度の高い昼間は光合成が活発になり、温度の低い夜間は呼吸が抑えられるため、作物の糖度が上昇します。そのため糖度の高さが重視されるブドウなどの果樹の栽培に適しています。

津山市はその土壌の肥沃さも特徴です。その昔、海の底にあった地層のミネラルをたくさん含み肥沃な土壌を生み出しています。豊かな水資源も相まって水稲や葉野菜、根菜の栽培が活発です。

地元市場と流通について

津山市の地理

農産物の流通についても津山市は多くのメリットを持ちます。
まず、津山市自体が人口10万人近い大きな市場であるため、地産地消により、物流コストを抑えられるメリットがあります。そして、岡山市や関西圏、広島との交通アクセスの良さから周辺都市の消費市場とも相性がよく安定した供給が可能になっています。

津山市の農業支援について

津山市農業振興課や岡山県農産課が新規就農希望者向けの相談会や農業体験の窓口を開いています。

また、津山圏域外から津山市へ移住希望の方に、市内で農業を営む団体や農業法人の協力のもと、津山地域の農業体験をマッチングする『農業トライアルワーク』という事業があります。農業を通じて、津山地域の暮らしや人を知ることができます。

津山市で農業を始めてみたい方は津山市の移住関連情報が満載の移住・定住ポータルサイトLIFE津山をご覧ください!

津山市の農業ビジネス

曲辰の白桃ジャム

持続可能で強い農業の実現のために津山地域版「農業ビジネスモデル」の核として地域商社つやまエリア 株式会社 曲辰(かねたつ)が設立されています。
地域の農業者の所得改善のため津山市周辺の農産物の一次産品と加工品を取り扱い、それらの付加価値向上、ブランド化に貢献しています。津山市産の大粒シャインマスカットや白桃ジャム、無花果ジャムといった加工品が目玉商品です。

また『曲辰』は農業人材確保のために農業支援セミナーや農業支援事業といった育成プログラムも運営し、津山農業に大きく貢献しています。

津山市の魅力

子育てしやすい街として人気急上昇中の津山市。

豊かな自然を有する津山市。実は最近移住先として注目を集めているのです!
都会の喧騒から離れつつも、周辺都市へのアクセスが良い点や居住費用の安さ、就職機会の多い等の理由から『田舎暮らしの本2024年度版』が集計した第12回住みたい田舎ランキングにおいて各部門上位にランクインしています。

インタビュー

横のつながりを大切に農業を営む田邉晃次さん

Q1. 津山市で農業を始めたきっかけを教えてください。

【津山市へと移住したきっかけ】

田邉さん
自然豊かな環境で米を作りたい、田舎のきれいな水で作った米を食べてもらいたい、ブランド化したいという思いがありました。また、中山間や田舎の人手不足に危機感をもっており、山間部の現状をなんとかしたい、中山間での農業が大事とも考えていたからです。
共通の知り合い経由でたまたま地元の方とつながり、岡山県倉敷市から津山市加茂町に移住しました。加茂地区は『清流と有機の里』と呼ばれるほど水がきれいなところです。その方のもとで働きはじめ、1年後に独立したかたちになります。

【津山市へと移住してからの変化】

田邉さん
独立後はブランド米を作ろうと意気込んでいましたが、一人で全てやることは不可能なことに気づきました。そんなとき、JAつやま青壮年部の仲間と出会い、農業は横のつながりがないとうまくいかないことを実感しました。

Q2. 津山市の農業の特色を教えてください。

【多様な選択肢の津山農業】

田邉さん
岡山県はフルーツ王国と呼ばれるほど、県全体で果樹が多いんです。津山をはじめとする県北では、畜産も有名。和牛農家もおり、ブランド化も進んでいます。津山産小麦『ふくほのか』も作っていますし、いろんな選択肢があります。
ジャンボピーマンや黒大豆、シキミなど津山市内でも地域ごとに特産の作物があります。ブランド化できているものもありますし、そうでないものもまだまだあります。水稲も多いですが、兼業でされている農家さんが多いと思いますね。みなさん作物をうまく組み合わせながら出荷しています。移住してきた方はブドウ農家として新規就農することが多い印象があります。

【田邉さんの農業】

田邉さん
僕は米で10ha、小麦・大豆などで7ha程度の農地を管理していますが、飲食業への安定的な供給をできるようにしたいです。LAアライアンスのグループ全体では200ha程度の農地を管理しています。
田邉さんの管理する水田
田邉さんの管理する水田

Q3. 津山市で農業を始めてみて、意外だった点を教えてください。

【地域コミュニティが不可欠】

田邉さん
Q1でも話したように、米のブランド化についてです。田舎で作った米をいろんな人に食べてもらうため、ブランド化したいという理想を持っていたのですが、米の生産、販売など全てのことを一人でやることは難しく、キャパオーバーしてしまい、一人はどこまでいっても一人だと実感しました。
また、人付き合いについて。田舎は人との距離が近いと言われますが、それは今まで地域で協力し合って生きてきた証なんだなと思います。便利な時代になっても困った時はお互い様の気持ちや、助け合う「結」の精神は忘れたくないですね。なにより、一人ぼっちで作業するよりみんなで協力して成し遂げた方が楽しいですから。その部分は米作りも田舎暮らしも同じです。

【移住を考えている人へ】

田邉さん
加茂町知和の自治はすごくしっかりしているし、移住者の受入体制も強い。僕は今、加茂町の空き家を購入して住んでいるのですが、そこも地域の空き家部会が掃除などの手入れをしていたところでした。加茂町の空き家を購入して住み始める県外からの移住者の方もいます。移住組のつながりがちゃんとありますし、人付き合いは悪いことじゃないです。
移住後のギャップをなくすために、津山の農業や津山での生活を体験してみるのが良いと思います。市が窓口となって新規就農支援金も出しています。LAアライアンスでもいいし、どこかで研修等をして、そもそもの向き不向きを理解することが大事です。新規就農を考えはじめたら、津山市や僕たちLAアライアンスに相談してください。

津山市では、移住前に短期間滞在して津山ぐらしを体感できる、トライアルステイ(お試し住宅)を提供しています!

Q4. 津山市のおすすめグルメ、おすすめスポットはありますか?

田邉さん
定番のものしか言えないですけど、やっぱり牛肉。改めて考えてみれば、倉敷にいたころは津山ほど、独立した店舗型の精肉店を見なかったかも。先輩の店もあるし、精肉店はおすすめですね。

Q5. 津山市に移住を考えている方に一言お願いします。

田邉さん
農業としての関わり、田舎での生活としての関わり、いろんな関係がありますが、関わりを持ってくれる人が増えるのは悪いことじゃありません。農業をガッツリするのでも、家庭菜園レベルでも、地域に関わってくれる人が増えるのはとても嬉しいことです。
LAアライアンスでも収穫体験など、遊びにきやすい仕組みをいろいろと作っているので、ふらっと遊びに来てくれるだけでも嬉しいです。
農機のメンテナンスを行う田邉さん
農機のメンテナンスを行う田邉さん

津山市での就農を手助けする『LAアライアンス』

田邊さんが津山市の仲間たちと運営する『LAアライアンス』は、条件不利のある中山間での持続可能な農業を実現するため、地域コミュニティとの連携や新規就農者向けのセミナーなど、様々な事業に取り組んでいます。

津山市で農業を始めるメリット

・稲作、果樹栽培、畑作に適した気候と地理
・消費市場と近く安定供給が可能
・支援に関する窓口が充実している
・津山の暮らしやすさ

以上4点が津山で農業を始めるにあたっての主なメリットになります。
津山市は新規就農者にオススメな移住先と言えるでしょう。

津山で農業を始めようと考えている方へ

美作滝尾駅と小麦畑

何かを新しく始めるときは横のつながりが大切です。
LIFE津山で紹介されている移住支援制度などを積極的に利用して自分に合った新生活を見つけましょう!!

津山市の農業に興味のある方、移住を考えている方は津山市の魅力、最新情報を掲載する岡山県津山市移住定住ポータルサイトLIFE津山をご覧ください!

みかん農家の年収は?年間スケジュール、なり方も解説!


みかん農家の年収、年間スケジュール、なり方も解説!

自然豊かな環境での生活に憧れる方にとって、都会から離れて自分の手でおいしいみかんを育てる喜びと収穫の達成感を感じられるみかん農家は理想的な選択肢です。ただ、みかん農家さんになることを検討している方にとっては、年収や一年の仕事の流れは気になるポイントですよね。この記事では、みかん農家の年収や年間スケジュール、なり方などのリアルを解説します。高収入の可能性や充実したライフスタイルを実現し、地域の特産品としてのみかん栽培の魅力を探っていきましょう。初めての人でも大丈夫!みかん農家になりたい人への農地や販路、補助金などの支援についても解説します。みかん農家として新たな挑戦を始め、自然と共に生きる豊かな生活を手に入れてみませんか?

みかん農家の年収はいくら?

みかん農家の平均年収は約260万円です。また、1000万円の年収を超える農家さんもいます。
果樹栽培全体の平均年収は、2019年に発表された農林水産省のデータによると200万円ほどとなっているため、みかん農家は平均よりも比較的所得を上げやすいと言えるでしょう。しかし、みかんに限らず果樹栽培は収穫までに数年かかるのが特徴です。最初の数年は高い年収を見込めないことに気を付けましょう。

平均年収
みかん農家260万円
果樹200万円

みかん農家の月収、利益率

年収をもとにすると、みかん農家の平均月収は約22万円ほどと推定されます。また、農業粗収益のうち農業所得として実現している割合である農業所得率を見てみましょう。2007年の農林水産省のデータからみかん農家の農業所得率は33%と読み取れます。果樹栽培全体の平均農業所得率は44%ほどとなっていますが、農家全体の平均農業所得率は8%となっているため、利益が出やすい作物だと推定されます。

農業所得率
みかん農家33%
果樹44%
主業農家18%
全農業経営体8%

みかん農家の年間スケジュール

みかん農家の春夏秋冬

みかんの栽培は、冬の時期の土づくりから始まります。そのため、一からみかんを栽培したい方は冬から行うことがおすすめです!

みかん農家の春(3~5月)

みかん農家の春は、施肥と剪定、場合によっては摘蕾を行います。この時期のみかんは、休眠~開花にあたります。

3月ごろに、発芽や開花、いい実がなるために肥料をやります。これが施肥です。みかんの種類によって年に何回肥料をやるのかは異なりますが、基本的には春と秋の2回行います。3回行う場合は、春と夏、秋に施肥を行います。
また、すでにみかんの木ができている場合は、剪定も行います。みかんは常緑樹のため冬の間も緑色の葉がついています。しかし、春になると新芽が出てさらに多くの栄養が必要となるため、冬ごろ~新芽が出る前の3月ごろまでに剪定を行いましょう。これにより、育てたい枝だけに栄養を集中させることができます。ちなみに、剪定自体は一年中行うことができるので、この時期に限らずこまめに剪定を行います。

春になりあたたかくなってくると、みかんの発芽が始まります。そのあと、みかんの根が出る発根が始まります。この根から、みかんの木の成長といい実の結実にかかせない養水分の吸収が行われます。そのため、発根までには施肥を行いましょう。5月になると、開花がみられるようになってきます。もしみかんを栽培して3年目以内であれば、つぼみを取り除く作業も行います。これが摘蕾(てきらい)です。まだみかんの木が大きくなっていない3年目までは、木の成長に必要な養分が奪われてしまいます。木が成長しなくなってしまうことを防ぐため、特に、花が咲く前のつぼみの状態のうちに摘蕾を行いましょう。

みかん農家の夏(6~8月)

みかん農家の夏は、病気・害虫対策と摘果を行います。この時期のみかんは、だんだんと実が大きくなっていきます!

みかんの天敵は、うどんこ病などの病気やゴマダラカミキリムシ、カメムシなどの害虫です。おいしいみかんをたくさん収穫するために、病気・害虫対策はしっかり行いましょう。これらの対策には、農薬の散布や病気になってしまった枝などの除去があげられます。
また、6月に入ると摘果作業を行い始めます。みかんの実が多くなるのはうれしいですが、実が多くなりすぎてしまうと養分が分散し、一つ一つの実が小さくなってしまいます。みかんの木は、実が多くなると自ら実を落とします(生理落果)。生理落果が終わる6月下旬ごろから、多く実がなっているみかんの木から果実を減らしていきます。
これらの作業をしっかりと行うことで、おいしくて大きい品質の良いみかんができるんですね!

みかん農家の秋(9~11月)

みかん農家の秋は、摘果や施肥、収穫を行います!この時期のみかんは、果実が成熟し始めます。

夏ごろから行っていた摘果の作業を10月下旬ごろまで並行して進めつつ、肥料をやります。
みかんの木は夏ごろにたくさんの実をつけたことで樹勢が弱まっていますが、この時期に2回目の施肥を行うことによって回復を狙います。秋の施肥のタイミングとしては、収穫前後に行うことが一般的です。
また、秋ごろになると早熟種は収穫ができるようになります。早いと、9月ごろから極早生みかんの収穫が始まります。遅い品種だと、12月ごろから収穫できる晩生みかんという品種もありますが、おおむね年内には大体の品種の収穫が終了します。

みかんの収穫をするみかん農家さん

みかん農家の冬(12~2月)

みかん農家の冬は、収穫・出荷・販売、土壌改良を行います。この時期のみかんは、休眠に入ります。

みかんの収穫は、多くの数をこなす必要、かなりの力が必要です。みかん農家は、一本のみかんの木から600~700個のみかんを収穫します。みかんの収穫は、はさみで一つ一つカットして行いますが、その際みかんの枝が固いために強い力が必要になります。さらに、一個のみかんを収穫する際には、果実に傷をつけないよう二度切りを行わなければなりません。すると、一本のみかんの木から全てのみかんを収穫するには1200~1400回枝をカットすることになります。これにより、ばね指(腱鞘炎)になってしまうみかん農家さんもいます。
みかんの収穫が終わると、みかんの木は緑色の葉とともに冬を越し、春を待ちます。その間に、土壌改良をして次のシーズンに備えます。土壌改良で大事なポイントは、適正phを考慮することです。酸性やアルカリ性の度合いを示す数値であるphは作物によって適正が異なりますが、みかんの適正phは5.5ほどとやや酸性です。この適正phを保つため、土壌改良を行います。具体的には、施肥によって酸性やアルカリ性に寄ってしまった土壌に対して、石灰資材を混ぜたり酸性肥料を入れたりします。

繁忙期はいつ?大変なことは?

みかん農家の繁忙期は、収穫をする9~12月ごろです。この時期は、短期アルバイトの募集も増える傾向にあります。また、収穫を行わない夏の時期も病気・害虫対策などを行うため大変なことの一つです。

みかん農家になるには?

では、みかん農家にはどうやってなるのでしょうか。雇用形態、初期費用、後継者募集や就農支援について見ていきましょう。

みかん農家として働くには?なり方は?

みかん農家として働くには、家族経営の継承による方法と独立就農、雇用就農の三種類があります。ここでは、独立型と雇用型に焦点を当ててみかん農家のなり方をご紹介します。

独立就農

独立就農は、新規参入者と言い、土地や資金を独自に調達し、新たに農業経営を開始した経営の責任者及び共同経営者を指します。メリットとデメリットは以下のようになります。

【メリット】
・ライフスタイルに合わせて自分の裁量で働ける
・収入の伸びが見込める
【デメリット】
・農地、販路、資金や設備の準備をしなければならない
・農業の知識が必要

また、独立就農を始めるには①資金、②農地、③施設や機械、④知識や技術 の準備が必要になります。

①資金
新規就農を始めるにあたり、農地や施設などを準備するための費用を確保することは重要です。新規就農相談センターが2021年に行った調査によると、新規就農のため(営農のために)用意した自己資金の平均額は281万円で、生活のための自己資金の平均額は170万円でした。つまり、営農・生活を合わせて451万円の資金準備をしたと読み取れます。

自己資金額(備えた額)平均
営農のため281万円
生活のため170万円
451万円

また、就農した1年目に実際に必要となった金額は計755万円でした。

必要になった額平均
施設や機械561万円
種苗や肥料194万円
775万円

さらに、就農一年目の農産物売上高平均は343万円でしたが、果樹に関しては平均売上高は195万円でした。特に、みかんの栽培は3年目まではつぼみを取り除いて木を成長させることに注力することを考えると、就農をしてからすぐはあまり収入を見込めないことを頭に入れて資金を準備する必要があります。具体的には、1000万円近くを初期費用として準備するとよいでしょう。

一年目の平均売上高
農産物全体343万円
果樹195万円

②農地
新規就農を始めるにあたって、農地を借りる、あるいは買うといった方法で農地を用意します。農地を借りる/買うには、農地の所在する区市町村の農業委員会に許可を得る必要があります。(もし農業委員会がない場合は、農業担当部署に連絡を取ります。)しかし、許可を得るためには4つの条件(以下)をクリアしないといけません。
・取得する農地すべてを耕作する
・農作業に常時従事すること(年間150日以上)
・総経営面積が一定以上であること(北海道は2ha、都府県は50a以上)
・周辺の農地に対し支障がないこと

申請手続きについては、ますは農業委員会に問い合わせをしましょう。農業委員会へは許可申請書、登記事項証明書などさまざまな書類を提出する必要があります。提出書類の審査もありますので、余裕をもって申請に臨むようにしましょう。

③施設や機械
新規就農相談センターが2021年に行った調査によると、就農した一年目に施設や機械にかかった費用は775万円でした。できるだけ費用を抑えるべく、研修先等がある場合は、そこで使っているものを使わせてもらったり、中古の購入やレンタルの活用などを行うことも大切でしょう。

④知識や技術
地域ごとの気候や作物の特徴に合わせた農業スタイルを選択することが、良い作物を作るために必要です。そのため、行き当たりばったりで栽培をしたり、風土を無視した画一的なマニュアルを使ってしまうと良い作物が出来る可能性が大きく減ってしまいます。そのため、後ほど紹介する雇用就農をしてノウハウを学びつつ就農したのち、独立就農する方は珍しくありません。 まずは、将来的に独立をサポートしてくれる事業体で働きながら学んだり、自治体が行う研修などを利用して、新規就農したい地域で農業経験を積み、その地域に合った栽培技術やノウハウを習得する方が多いです。

雇用就農

雇用就農は、新規雇用就農者と言い、法人等に雇用されることにより農業に従事することとなった者を指します。メリットとデメリットは以下のようになります。

【メリット】
・農業のノウハウを学びながら働ける
・初期費用の準備が必要ない
【デメリット】
・働き方が独立就農と比較して柔軟ではない
・給料が決まっている

また、将来の独立を視野に入れ、まずは雇用就農をして働きながらスキルを身につける方も多くいます。
雇用就農を始めるには農業法人や農家さんのもとに就職するといった方法があります。就農方法は以下のようなものがあります。
①直接連絡を取ってみる
働きたい農業法人、農家さんがいる方におすすめです。直接連絡を取り、求人の有無を確認します。しかし、どんなところで働いたらよいのか比較しつつ考えたい方や、働く際に譲れない条件から就職先を絞っていきたい方には適していません。
②自治体に問い合わせる
就農したい地域の自治体に問い合わせをし、求人を探す方法です。就農支援を行っている自治体もあるので、確認してみてください。
③求人サイトで探す
最も手軽に就職先を探すことができます。繁忙期は短期アルバイトの求人が増える傾向にあり、就農のハードルが下がるなど、誰でも始めやすいのが特徴です。ただ、長期的に農業をしたい方は期間限定のアルバイトはお勧めしません。きちんと条件を確認して応募するようにしましょう。求人サイトでは、仕事内容や雇用形態、所在地や待遇などが確認できるため、希望条件から就農先を絞れる所も魅力的です。
みかん農家の農業求人一覧はこちら!

初期費用は?どのくらいお金がいる?

独立して新規就農を始める方は、初期費用は余裕をもって1000万円ほど用意しておくとよいでしょう。営農をするためだけではなく、高い売り上げが見込めない最初の数年の生活のことなどを考えて資金を準備しましょう。
雇用就農を考えている方は、施設や機械等を準備する必要がないため、必要な初期費用額はより少なくなります。

後継者募集、就農支援

農業を始めるには農地、資金などさまざまな課題があり、どこから手を付けたらいいのかわからない方も多くいると思います。そんな方はぜひ、自治体が行っている就農支援に目を通してみてください。自治体が行う就農支援では、農地の提供や販路の確保など手厚い支援を受けることができます。また、独立就農の手助けをしてくれることもしばしばです。
例えば、20年連続みかんの収穫量の日本一を誇る和歌山県では、有田市がみかん農家の就農支援をしています。2年間の研修による知識の取得に加え、農地や販路の確保を実現しつつ2年後には独立就農をすることができます。安心して農業に専念できるのは嬉しいですね。また、2023年のみかんの出荷量第二位の愛媛県では、宇和島市が後継者育成のために研修や補助金を支援してくれます。研修を通して地元農家さんとの交流を深めることができるのも良い点ですね。これらに限らず、色んな自治体がみかん農家の就農支援を行っているので、気になった方は一度調べてみてください。

まとめ

みかん農家の平均年収は約260万円ですが、1000万円を超える農家さんもいます。手間をかけて育てるみかんには、春の施肥から始まり、夏の害虫対策、秋の収穫まで、一年を通じた深い愛情が込められています。初めの数年は収入が低く感じるかもしれませんが、その分大きな達成感と喜びが待っています。独立には約1000万円の資金が必要ですが、雇用就農ならば初期費用を抑えながら学び、成長することができます。地域の支援を受けながら、新たな挑戦の一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
農業求人一覧はこちら

よくある質問

みかん農家の平均年収は約260万円です。また、年収1000万円を超すみかん農家さんもいます。

収穫や出荷を行う9月~12月ごろが繁忙期とされています。この時期は、期間限定のアルバイトを農家さんで募集していたり、各地のJAが作業を一部代行しそちらで求人を出していたりなど、求人が増える傾向にあります。

みかん農家として独立する場合、初期費用は余裕をもって1000万円ほど用意しておくとよいでしょう。営農をするためだけではなく、高い売り上げが見込めない最初の数年の生活のことなどを考えて資金を準備しましょう。雇用就農を考えている方は、施設や機械等を準備する必要がないため、必要な初期費用額はより少なくなります。